2020/08/21 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に龍宮 鋼さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から龍宮 鋼さんが去りました。
ご案内:「廃倉庫」に龍宮 鋼さんが現れました。
龍宮 鋼 >  
「――おォ、終わったぞ。回収班連れて入ってこい。……あぁ、一応風紀に連絡しとけよ」

廃倉庫にて、スマホを片手にどこかへ連絡している不良らしき姿。
地面には多数の男たちが転がってうめき声を漏らしている。
誰もが銃――既製品ではなく、出来の悪い3Dプリンター製のもの――が転がっていて、それらは全て粉々に破壊されていた。
通話を終え、スマホをポケットに戻す。

「ったく、風紀の連中もだらしねェもんだな」

聞いた話によると、このところ数人病院送りにされたらしい。
あの時ケンカを見物していた鉄火の支配者に、次元圧壊もそうだ。
――あと、全裸アフロとかなんとかよくわからん二つ名の奴も。
どいつもこいつも割と名前を聞く連中で、彼らが立て続けに、となると、一体何をやっているんだ、と言う気分になる。
別に元から期待してはいなかったが、それでもそう言う話を聞くと溜息の一つでも吐きたくなるというものだ。

龍宮 鋼 >  
「しっかし、よくもまぁこんな量集めたもんだわ」

倉庫とは言えそこまで大きい建物ではない。
それでも小学校の体育館ぐらいの建物の中に山と積まれた違法な薬物。
末端価格にしていくらになるのか。

「――おォ来たな。早いとこ回収して風紀んとこまで持ってっちまえや」

そこへゾロゾロとやってくる男たち。
鋼の両翼の構成員である。
床に転がっている違反部活生を拘束して運んでいったり、詰まれた荷物を回収したり。
その作業を眺めながら煙草に火を付ける。

ご案内:「廃倉庫」に日下 葵さんが現れました。
日下 葵 > 「いやぁー、すごい量ですねえ……
 私一人が現場に回されてもどうにもできない量です」

違法薬物の山に転がるごろつき、それらを運ぶ面々。
そこに登場したのは風紀委員の制服をきた女だった。

巡回中に”違法部活動の倉庫が制圧されたので、現場に行ってくれ”と連絡が入った。
初め、制圧したのは風紀委員だと思っていたので指示の意図を汲みかねたが、
作業をしている人たちと、倉庫でそれを仕切る人物を見て合点。

「なるほど、制圧したのは風紀委員ではなかったんですねえ。
 こんばんは~、風紀委員の日下葵です。
 ひとまず回収班の風紀委員が来るまで私が現場対応させていただきます」

手帳を見せながら龍宮に声をかけた>

龍宮 鋼 >  
「――風紀委員ってのぁ仕事が速ェのか遅ェのかわかんねェなァ」

そちらの方を見もせずに声だけ飛ばす。
代わりに煙をそちらの方にわざと飛ばし、それからようやくゆっくりと顔を向けた。
敵意――と言うほどではないが、それに近いあからさまに歓迎ムードではない笑顔。

「それとも何か? 面倒なことは任せといてあとから美味しいとこだけ持ってこうっつーそう言う算段か?」

言いがかりも甚だしい。
そもそも先に突入したのはこちらだし、通報も全部終わってからしているのだ。
そんな状態でそういうことを言われても、現場の彼女からすればどうしようもないだろう。
それをわかっていて、あえて言っているのだ。

日下 葵 > 「基本的に遅いんじゃないですかね?
 私がすぐにこれたのだって近くにいたからですし」

そして風紀委員は基本事後対応なのだ。
突入するにも裏を取って許可を得て関係各所に通達とやらなきゃいけないことは多い。
だから彼女の言葉には悪い方で同意した。

「美味しいとこ取りってのはあるかもしれないですねえ。
 風紀委員が動くとなると何かと面倒ですし、人手が足りないものですから。
 貴女たちみたいな人に下請け的に仕事してもらったほうがいい、
 っていうのは正直あるかもしれません」

吹きかけられる煙を意にも介さず、淡々と述べる。
ああ、この人の態度、歓迎されていないな。
なんて悟ると、ちょっとした悪戯心が芽生える。

「それにしても助かりました。”ステンレスさん”」

噂によるとこの名前で呼ぶと彼女はキレるらしい。
本当にキレるのだろうか。
まぁ、歓迎されていないのだからこれくらいの反撃なら許されてほしい>

龍宮 鋼 >  
「――あ?」

周囲の男たちの顔色が変わる。
その言葉を聞いた瞬間、彼らは荷物を放置し、拘束され叩きのめされた男たちを抱えて大急ぎで倉庫から逃げ出していく。

「テメェ、今――」

それに構わず自身はゆらりと身体を揺らし、縦に裂けた瞳孔で彼女の方を見据え、

龍宮 鋼 >  
「――今俺の事なんつったァアアアアアアアアアア!!!」

龍宮 鋼 >  
襲い掛かる。
地面が爆ぜるほどの踏み込みで、砲弾のような爆発的な速度で彼女へ向けて跳ねた。
右手を振りかぶって思い切り彼女の頭へ叩き付けるようなテレフォンパンチ。
技もクソもない純粋で圧倒的なただの暴力。
だが、その速度と威力は、人間に当たれば技術でどうにか出来るようなそれではない。

日下 葵 > 「おお、本当にキレるんですねえ。
 にしても、堪忍袋の緒がしつけ糸みたいに簡単に切れててしまいました―――
 

 ね”っ”!?」


本当にキレた。
なんて感心している間に、彼女の右手が頭を掴んで――
  気付けば顔が地面にたたきつけられていた。

純粋に反応できないほどの速度に理解が遅れ、
次の瞬間にはたたきつけられた鼻が折れる感覚。

鈍い痛みを感じるが特別慌てる様子もなく、歯が数本折れたまま口を開く。

「こりゃあ驚きました。
 噂には聞いていましたがこれはもうキレるというより暴走ですねえ」

頭を地面に押し付ける彼女の両手を掴むが、
地面に伏した体制ではまともな反撃などできない。
次に彼女が動くのを待つほかない状況は中々詰みに近かった>

龍宮 鋼 >  
彼女の顔をぶん殴り、そのまま地面に叩き付けた。
そのまま彼女は地面でバウンドするように一度宙に浮き、その頭を掴んでもう一度叩き付ける。

「オオオオオアアアアアアアア!!!」

捕まれた腕を振りほどき、そのまま彼女の身体を脚で踏みつけるように抑えつけ、更に上から両の拳でめちゃくちゃに頭をぶん殴る。
彼女の後ろの地面ごと彼女の頭を粉砕するような連打。
人型異能力バトルマンガで見るようなラッシュを、嵐のような勢いで。

日下 葵 > 『これは一度攻撃が止むまで抵抗はしない方がいいかなぁ……』

繰り出される殴打のさなか、そんなことを思案している。
正直、回復力以外はほとんどお話にならないようで、
殴打されている頭なんかは既に人の頭であることがわかるくらいにしか形をとどめていない。

が、さすがに風紀委員の一端がただやられるというのも面汚しなので、そろそろ反撃に出る。
太ももに仕込んである二本のナイフのうち、一本を抜き取って左手で逆手に持てば、
”顔だった部分”の前に突き出す。
彼女が考えなしに殴ってくれば、拳にナイフが刺さるだろう。
同時に右手で拳銃をヒップホルスターから抜いて
私の身体を踏みつける足、脛の部分に数発打ち込む。
今はとにかく身体の自由が欲しかった>

龍宮 鋼 >  
顔の前に突き出されるナイフ。
普通ならば、それが突き刺さる前に拳を止めるか、止められずに突き刺さり怯むだろう。

「ッガアアアアアアアア!!!」

だが、その程度で鋼の半龍は止まらない。
人差し指と中指の付け根の間に突き立ったナイフは、普通の刃物ならば皮膚に数ミリ突き刺さったところでへし折れる。
普通の刃物でないのならば刺さるかもしれないが、そのまま彼女の顔をぶん殴り続けるだけだ。
どちらにしてもナイフを握る彼女の手首は衝撃でへし折れるかもしれない。

「ッグ、ァ――!」

流石に足を撃たれればバランスを崩す。
バランスを崩すが、それでも拳は止めず、しかし狙いはずれて彼女の顔の横、コンクリの床に手首まで突き刺さった。
それでもそのまま腕を振り抜いて、豆腐の様にコンクリを抉りつつ、彼女の身体から脚が退けられる。

日下 葵 > 命を預けるモノだから。
なんて死なないクセにふざけて作った特注ナイフ。
べらぼうに高くて今まで宝の持ち腐れ感があったが、今大いに役立っている。

ナイフがしっかりと彼女の拳に刺さり、衝撃を受けても折れずに堪えてくれた。
しかし強靭な拳に刺さったということはそれと同等の衝撃がこちらにも来るわけで……
ナイフを握っていた手首はべきべきと折れ、
支えを失ったナイフのグリップが左目に刺さる。

その時、拳銃で打ち抜いた足がようやく身体から退いてくれた。
顔面にナイフのグリップを指したまま身体を回せば、
変わらずに繰り出される拳の雨から逃げるように抜けて、
身体を起して目からナイフを抜き取る。
次に繰り出される攻撃に備えつつ、間合いに注意すれば、
あっという間にぐしゃぐしゃにつぶれた顔が回復していく。

さて、果たしてここから反撃の余地があるのだろうか……>

龍宮 鋼 >  
よろめいている間に脱出された。
ぐ、と踏ん張れば撃たれたところからぶしゅ、と小さく血が噴き出るが、それだけ。
次の瞬間にはぐるんと彼女の方へ向き直り、

「グガアアオオオオオオオオオ!!!!!」

再び突進。
さっきナイフが刺さったばかりの拳で、それを気にした様子もなく。
ズドン!と地面が陥没するほどに踏み込み、身体ごとぶん回すようなフック――いや、フックなどと呼べるようなものではない。
ただ踏み込んだ脚を軸にして、思い切り横合いから拳を叩き付けるだけのぶん殴りである。

日下 葵 > 「まさか、ここまでとはッ」

繰り出されるフック、のような殴打。
ストレートのパンチングに比べて速度が出ないため普通なら躱せるが、
相手が相手。躱すのもスレスレである。
身体を落とすように低くして頭上へとフックを流せば、
先ほど銃弾を撃ち込んだ足へ足払いをかけ、
同時に拳銃で同じ側の太ももに2発ほど打ち込む。

正面から殴り合って勝てる相手ではない。
が、そんな奴はこの島に腐るほどいるので戦い方を工夫する必要がある。

「死なないだけの一般人を、ナメるなよッ」

太ももへの射撃、傷ついた足への足払い、
次を待っている余裕などない。それらがうまくいってもいかなくても、
手を緩めては相手の流れになる。

次に低い体勢を活かして彼女の腹部への掌底、
続いて地面ごと殴ってくるであろう彼女の胸倉を掴んでの巴投げと、
技の成功に関わらず次々に繰り出していく>

龍宮 鋼 >  
横殴りを避けられ身体が泳ぐ。
そこに足払いを掛けられれば、さすがの半龍も身体の軸がずれる――逆に言えばその程度だが。
続けざまに撃たれる銃弾は、しかし硬質な金属音を立てて横合いへと弾かれた。
ズボンの破れから見えるはずの肌は見えず、金属的な質感の甲殻が覗いているだろう。

「グオァアアガアアアアアアア!!」

腹へぶち込まれる掌底は、金属の塊を殴った様な衝撃が返ってくる。
流石に重量は体格通りの人間、続く投げは綺麗に決まる。
が、空中でぐるりと身体を捻り、四つ足で着地。
着地の衝撃を殺す動きをそのまま反動へとつなげ、再び砲弾の様に加速。
一瞬で距離を詰め、今度は蹴り。
巴投げの直後で体勢を崩しているであろう彼女の頭を蹴り飛ばすようなサッカーボールキック。

日下 葵 > 「うっそだろ硬すぎるって」

思わず口調が素に戻ってしまう。
それくらいには弾が抜けてくれなかった。
そして左手で放った掌底は――こちらの骨が折れた。
誰だよステンレスなんて蔑称つけたのは。
ステンレス鋼というよりかはハイマンガン鋼並みの硬さと耐衝撃性じゃないか。

そんな悪態を内心で吐いていると、
投げ飛ばした彼女が大勢を整えてサッカーボールキック。
さすがに身体が丈夫なわけではないので――

 頭 が サ ッ カ ー ボ ー ル の 様 に 飛 ん で 行 っ た 。

倉庫の壁に勢いよく頭部がぶつかって音を立てる。
頭を失ってもなお身体は動いていて、吹き飛んだそばから頭が回復している。
続く攻撃のすきを与えないために、
地面に仰向けのままこちらも反撃としてナイフのグリップで彼女の腹に殴打を繰り出す。
ここまで硬いと指すよりも殴打の方がダメージが入るはずである。
という考えからだが、どこまで通用するだろうか>

龍宮 鋼 >  
いつの間にか肘から先や脚の外側、腹などを覆うように甲殻が出現している。
顔の右側上半分覆う、龍の仮面のような甲殻も。
彼女の頭を蹴り飛ばし、しかしまだ動く彼女の身体。
それに反応するように臨戦態勢は解かず、その状態で尚もナイフのグリップで腹を殴ってくる彼女に対し、

「グガアアアアアアアアアアア!!!」

その反撃も意に介さず、彼女の首を両手で抱えるようにして引き込み、その腹へ膝を叩き込む。
衝撃で彼女の身体を浮かせ、自身はぐるりと背中を向ける。
勢いを殺さず丸太のような脚をぶん回して、踵を彼女の再生する頭部へ叩き付けた。

日下 葵 > 頭が飛んで行ってしまったので悪態をつくこともかなわなくなってしまった。
そして頭が治りかけているところに膝蹴りを腹に食らう。
治りかけ口から夕飯が出てくるという非常にグロッキーな状態。
悪態より先に夕飯を吐くことになったのは誠に遺憾である。

そして蹴りの衝撃で浮いた身体に、頭部への回し蹴り。
それを反射的に腕を出して踵を受け止めようとする。
もちろん腕だけで受けきるのは不可能なので、
反対の手で受けに使っている腕の手首をつかんで補助する。
下腕の骨が砕ける音がするが、衝撃を殺すには十分だろう。

そこでようやく頭が回復すると、踵がまだ浮いたままで片足立ちの彼女にタックルを噛ます。
下手に距離を取ると殴打の嵐に見舞われるので、このまま押し倒してしまおう。
押し倒すことに成功したなら、今度はこちらが馬乗りになって、
まだ砕けていない腕を使って彼女の顔に肘撃ちを何度も繰り出して殴打する>

龍宮 鋼 >  
押し倒され、肘を顔にブチ当てられる。
生物共通の弱点である顔。
約四分の一を鋼のような甲殻で覆っているとはいえ、流石に何度も肘をブチ当てられればダメージは通る。
甲殻のない他四分の三を殴られれば血も出るだろう。

「ギッ――ガァアアアアアア!!!」

それでも尚、人と半龍の差を埋め尽くすには至らない。
振り下ろされる肘へ横合いから拳をブチ当てる。
腰の入らない腕力のみの拳だが、それでもただの人間が腰を入れてぶん殴る程の威力がある。
反対側の腕で彼女の首を掴み、圧倒的な力でギリギリと締め上げる。
彼女が落ちるのが先か、それともその前に首の骨がへし折れるか。
どちらにせよ、彼女の身体から一瞬でも力が抜ければ、そのまま横合いへぶん投げて。

「グルルルルル――!!」

そのままゆっくりと起き上がり、縦に裂けた瞳で彼女を睨みつけるだろう。

日下 葵 > 今度はダメージが入っている感覚があった。
なんだ、殴ればちゃんと血が出るじゃないか。
全身ハイマンガン鋼みたいなやつでもちゃんと生きている。
そんな心地よい高揚に近い感情を覚え始めていた。

が、何度目かの肘撃ちを振り下ろしたとき、横合いから拳が肘に入る。
その一瞬、攻撃の手が緩んだすきを突いて彼女の手が喉元を掴んだ。
ギリギリと締め上げられると頸動脈が閉じて非常に苦しい。
半分人間のくせにやるじゃないかと笑みを浮かべて、
構わず拳で彼女の顔を殴打する。

次第に意識が薄れて一瞬力が緩むと、
首を掴まれたまま投げられて積み上げられた薬物の山にぶつかる。
袋をドサドサと落としながら身体を起せば、お互いににらみ合って様子をうかがう>

龍宮 鋼 >  
崩れた荷物から起き上がってくる彼女。
その姿に一層瞳孔を細め、睨みつける。

「グォォォオオオァアアアアアアアアアアアアア!!!!」

人の口から発せられるとは思えないような太く重い咆哮。
ぐ、と脚が一回り膨れ上がり、再び砲弾の様な加速を、

モブ不良 >  
「今だ、いけえええええええ!!」

龍宮 鋼 >  
声と同時、ポンッと妙に間の抜けた発射音。
擲弾発射器から放たれた頑丈なカーボン素材の網が半龍に絡まる。
その網の端っこを複数の不良――鋼の両翼構成員が大人数で引く。

「グ、ガ、オオアアア!!!」

しかしその人数でも、動きを止めるので精一杯。
その間に彼女の方へ一人駆け寄ってくる。

ヤス >  
「何やってんすかもう!! 姐さんにアレ言っちゃそうなるに決まってんでしょうが!!!」

龍宮 鋼 >  
そう言って彼女を立ち上がらせ、その場から退避させようと。

日下 葵 > 「さぁこいなり損ない。
 ステンレスなんて言ったが撤回しよう。
 ったく馬鹿みたいに硬くなりやがって。
 その装甲車みたいな鋼鉄の皮膚、まとめて全部一緒に吹き飛ばしてやる」

そう言って咆哮を上げる彼女に向き合えば、
手に持っているのはプラスチック爆薬と起爆信管である。
もはや何の為にここに来たのかを忘れているようで、
戦闘によるアドレナリンで気分が高揚しているようだった。

今はひたすらにこの喧嘩が楽しいといわんばかりの表情で、
ツッコんでくる彼女に爆薬ごと突っ込もうとしたとき――

風紀委員 > 何してんだ日下ァ!!
日下 葵 > 響く怒号とともにバスっという鈍い音。
気が付けば太ももにダーツの矢のようなものが刺さっていた。
数秒の間を開けてその場に膝から崩れ落ちると、
駆け付けた不良が肩を支えて身体を担いでいく。

倉庫の出入口を目だけで見やると、風紀委員の回収班と
上司、そして麻酔銃を構えた同僚。
ずるずると引きずられながら反対側を見れば、
網にかかって取り押さえられる龍宮の姿があった>

ヤス >  
「いやもうマジでもう勘弁してくださいよ!! 姐さんはこっちで何とかしときますんで!! ブツも全部引き上げて引き渡しますんで!!!」

龍宮 鋼 >  
脚にダーツの矢状のものが刺さった風紀委員を、回収班に引き渡すモブ不良。
その目は「こっちだけの責任じゃないっすよね! お互い様っすよね!!」と訴えている。
網にかかった半龍はいまだ暴れているが、追加の網やらロープやらで雁字搦めにされて徐々に自由を奪われているようだ。

ヤス >  
「姐さんじゃないスけど、マジで風紀委員どうなってんスかもう!!」

龍宮 鋼 >  
叫び、彼女を運んでいた不良も自身らの頭の鎮圧に向かっていった。

日下 葵 > 「は?おいおい、まだあの堅物を吹き飛ばしてねえぞ。
 死んでなんぼだ特攻させろよ」

麻酔が全身に回って自由の効かない身体。
それでもなお特攻しようとするが、
駆け付けた同僚たちに爆薬と信管を没収されてしまう。

風紀委員 上司 > このバカタレェ!!
お前ここに喧嘩しに来たんじゃねえんだぞ!
その巻いてあるチョーカーやらリボンやら全部外して
溶鉱炉にでもぶち込まれてえか!

風紀委員 同僚 > どうせ龍宮さんを”あの名前”で呼んだとか、そんな口でしょう……
うちの同僚が迷惑をおかけしました……
このバカはこちらできっちりシバいておくんで……

日下 葵 > 上司と同僚に頭を引っぱたかれながら、情けなく車に押し込まれる。
終始喧嘩は終わってないだの、特攻させろだの、
そんなことを喚いているようで、車内で再び引っぱたかれた>

龍宮 鋼 >  
そんなこんなでとある倉庫での一件は幕を下ろした。
龍宮鋼の機嫌がしばらく悪かったとか、風紀委員への不信感が増したとか、その八つ当たりでぶっ飛ばされた違反部活がいくつかあったとか。
そう言う諸々の影響はあったが、しかし今回引き上げた荷物に関しては間違いなく全量が風紀委員に――引き上げやらブツの計量やらの一部始終を収めた動画と共に――引き渡されたことは間違いない。
その場に鋼の両翼の頭の姿はなかったのだが――

ご案内:「廃倉庫」から龍宮 鋼さんが去りました。
日下 葵 > この一件は一部で話題となり、界隈を騒がせたとかなんとか。

初対面で龍宮にステンレスと言ったバカがいるとか、
とばっちりで複数の違反部活が名実ともに吹き飛んだとか、
頭を吹き飛ばしても死なない風紀委員がいるとか、
スラムでの風紀委員への風当たりが強くなったとか、
あることないことが噂されたのであった。

当の日下葵といえば、
のちに始末書を書かされ、加えて1週間の謹慎処分、
その他諸々の罰則と、たんまりと絞られることになったのは、言うまでもない>

ご案内:「廃倉庫」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に絵描きさんさんが現れました。
絵描きさん > 違反組織群のある売店で、
優しそうなおにーさんと
優しくなさそうなおにーさんが二人向き合ってお話をしている………。

優しくなさそうなおにーさん > 「で、あれからどうなんだ?」

優しくなさそうなおにーさんはぶっきらぼうに問いかけを投げて

「ここに来たって事は、まぁ大体いつも通りアレが欲しいんだろ」

背後にある山のような石に目を向ける。

絵描きさん > 「そう。アレ。………ボクの方は変わりないけど、キミは随分不景気みたいだね?」

優しそうなおにーさんは茶化すような口ぶりで問いを返す。
その背後に用意してもらったのは………
所謂「魔術的危険物」というものだ。

優しくなさそうなおにーさん > 「ああ、全く。この辺で商売すんのも難しくなったもんだよ。
んで?一応中身を見ておくか?」

山のようなものにかぶせたシートを剥がせば、粗悪な石の塊がごろごろと積み上げられている。

絵描きさん > 「うん、注文通りだね。」

優しそうなおにーさんはその石を見て深く頷く。
このおにーさんが頼んでいた品物は、「魔力を吸引して大爆発を起こす」という魔術的危険物だった。
そして、その中でも用意されたのは特に粗悪なシロモノだ。

優しくなさそうなおにーさん > 「しっかしオマエも真っ当な教師なら表で買えば良いだろうに。
なぁんでわざわざこんなとこで買いにくるかねぇ………。」

優しそうなおにーさんは呆れた口調で商品に見入るおにーさんを見ている。

絵描きさん > 「ふふ。それはね、キミ………こんな場所に置いといたんじゃ、
そのうちこの石は爆弾になって人殺しの武器に使われるだろう?」

「でもボクはもっといい、楽しい使い方を知っているからね。」

優しくなさそうなおにーさん > 「ふーん、まあこんな石っころが、
どう使われようが俺のしったことじゃねーけどよ。」

「あんまりオマエもここでウロウロすんなよ」

絵描きさん > 「はいはい、分かっているよ。
さてと、お代はいつも通りのやり方で、良いかい?」

「こいつは2日に分けて全部頂いていくからさ。ボクからも2日に分けてお代を払おうか。」

お互いに取り決めたやり方を確認し合う。
………何度かやっているからか、スムーズだ。

優しくなさそうなおにーさん > 「人が折角親切にアドバイスしてやってるのに、オマエってやつは………」

「ああ、やり方はそれでいいよ。もってけ。
わざわざ律義に分けなくても全部一回でもってけばいいのに。」

絵描きさん > 「はいはい、まぁ気を付けるよ。」

ニコニコ笑っているけど、言葉は受け流すつもりのようだ。

「そうそう、今年はアレ、山の方でやるからさ。」

「暇だったらあの辺のビルの屋上で眺めると良いよ。」

絵描きさん > 「それじゃあ、ありがとう。お互い気を付けて帰ろうね。」

優しそうなおにーさんはその場から姿を消し、優しそうなおにーさんだけがその場に残る。
………わずかずつ、用意されていた石ころが姿を消し始めている。

優しくなさそうなおにーさん > 「おー、生きていて暇だったら見てやるよ。」

優しくなさそうなおにーさんが見送る。

「………まったく、こんな事の為だけにわざわざ来るなんてもの好きよなぁ。」

「まあ、俺もそれで儲かってるから良いんだけどよ。」

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から絵描きさんさんが去りました。