2020/09/08 のログ
■雨夜 賢瀬 > 各所を転々としている指名手配中の違反学生がここに逃げ込んだことが判明した。
逃げる前に確保しなければならない。
常世島環状道路を速度違反取締のために警らしていた所、
近くを走っていたため、急行要請を受けて現場に移動。
この辺はいつも通りだ。
犯人の罪状は殺人、強姦、薬品売買と枚挙にいとまがない。
一般学生への被害も出ている。そろそろお縄についてもらわなければならない。
ヘルメット越しに本庁と連絡をする。
「交通部機動隊、雨夜だ。
先に付いたが、先に突入して構わないか?」
見張りの任務でも構わないが。
この辺りの建物は出入り口が一つとは限らない。
一人で見ていては逃してしまう可能性もある。
一旦指示を待つ。
■雨夜 賢瀬 > 「ああ、分かった。時間が惜しい、先行する」
許可が出た。なればとっとと向かうとしよう。
他の応援はまだしばらくかかる。これもいつも通りだ。
状況整理する。
ターゲットは違反部活が利用していた居住アパート廃墟。
2階の奥の部屋に隠れたという情報が入っている。
他の部屋は立ち入り禁止テープが貼られているため、
此処に出入りがあったのは間違いないだろう。
相手は単独犯であるが、協力者が要る可能性は捨てきれない。
一気に突入することにはなるが、敵の数には気をつけるべきだろう。
拳銃を抜き、セーフティを入れたまま目標の部屋で近寄っていく。
■雨夜 賢瀬 > 目標の部屋までたどり着いた。
セーフティを解除して、扉に耳を当て中の状況を確認する。
(……女の声?)
犯人は男だ。くぐもっているため、何を言ってるのかはわからないが、
言い争いをしているように聞こえる。突入するタイミングを見計らう。
協力者であれば合わせて拘束する必要があるが、
被害者の一人であれば保護しなければならない。
判断を誤るわけにはいかないだろう。
■雨夜 賢瀬 > バタバタと足音が近づいてくる。
逃げるような走る足運び。被害者だろうか。
それは途中で重い音と共に止まる。
倒れた音と判断する。頃合いだ。
バイクから持ってきたブリーチャーで錠を破壊する。
もともと破棄されている建物である。許可申請は不要だ。
「風紀委員だ、手を上げろ。」
突入すれば、犯人の男に覆いかぶさる女。
想像していたものとは違う光景に驚きはするが。
冷静に状況を判断しよう。
■雨夜 賢瀬 > 雨夜の選択は、……両方確保だ。
床に伏せる男女にそのまま拳銃を向ける。
「そのまま床に手を付けていろ」
これでおとなしくしてくれていれば良いのだが……そううまくは行かなかった。
女は獣の様に地面を蹴り、そのままこちらに飛びついてくる。
しまった、こいつの方が危険だったか。
「くっ……」
倒されぬ様に持ちこたえつつ、女の腕を抑え持ちこたえる。
同時に膝蹴りを入れる。
女相手だと遠慮すれば自分がやられる。
相手は構わず組み付いている。狂乱しているとみるべきか。
■雨夜 賢瀬 > 「ちっ……大人しく、しろ!」
2発発砲。女の足と腕に命中する。
流石にこれは効いたらしく女は痛みにジタバタともがく。
その隙に首筋に手刀を打ち込む。
小さくうめき声をあげて、女は崩れ落ちた。
「あとはこいつだ……がっ」
腕にナイフが刺さる。男が投げたものだ。
動く気配がないから気絶していると思っていたのだが……演技だったようだ。
どうやら突入は感づかれていたらしい。
『よくも俺の女に銃をォ!』
相手は投げナイフを生成する異能使いだ。
こんなことなら腕にアーマーを着けてくるべきだったが、今更だ。
■雨夜 賢瀬 > 「襲われていたのに?それともそういう嗜好か?」
腕にナイフが刺さったまま、拳銃を向ける。
変身の異能は応用すれば治癒には用いれるが、戦闘中に行えるものではない。
なるべく出血は避けたい。
「諦めて投降してくれないか?」
男を見ながら部屋の状態も見る。
奥の窓は板張りでバリケードされている。逃走経路には使えない。
『っせぇ!死ね!』
相手は殺人犯。一人でも二人でも変わらないといったところだろうか。
男はナイフを無数に投げてくる。
対するこちらはヘルメットはあれど、体の防具は心もとない。
弾き落とすしか無いが……限界もある。
身体強化と動体視力の強化を行い可能な限り対応する。
そしてやられっぱなしというわけでもない。弾いたナイフを投げ返し、相手に命中させる。
『がっ!?』
男は戦闘狂ではなく、殺人を行ったことがあるだけの男。
痛みを受ければ簡単に怯む。
■雨夜 賢瀬 > ダメ押しにもう1発発砲。
もんどり打って倒れる男。
「そろそろ諦めてくれないか?」
そのまま、拳銃を向ける。
『へへっ、これがなんだか分かるか』
男が取り出したのは、インスタントの魔術を起動できる札。
『この部屋ぐらいなら一瞬で丸焦げだァ。
隣の部屋に連れ込んでるガキも燃えちまうだろうなァ』
男は外道だった。だが、雨夜は。
■雨夜 賢瀬 >
「そうか。ならば仕方ない。死んでくれ」
男の額を撃ち抜いた。
■雨夜 賢瀬 > 「……はぁ」
銃を使って殺さずに相手の意識を奪うのは困難だ。
意識が微塵にでもあれば、魔術の札は起動できる。
自分の命は小さく勘定するとしても、男のひとりの命と、
女の命、男が居るという子供の命を天秤に掛けた。
異能によって生成されていたナイフは消滅する。
刺さった所から血が噴き出すが、変身異能で形を作り直し、塞ぐ。
骸となった男の持つ魔術札を確認する。
間違いなく本物で、危険な代物だ。
落第街でこれを流通させている存在がいるのかも知れない。
次に女に止血を施して拘束、手錠を掛ける。
突然起きて暴れ出しても困る。
そして次に居ると言っていた子供の存在を確認する。
ドアを開ければ、口を縛られた子供が2人。この子たちは然るべき手続きで保護される。
自分の判断は正しかったと胸をなでおろした。
殺しの現場を見せずに済んだのは、良かったとも思う。
■雨夜 賢瀬 > 「ああ、もう大丈夫だ。
すまないが、もうしばらく此処にいてくれ」
死体を見せたくはない。
拘束を解いてやり、此処に居るように指示をする。
「本庁、臨時突入員の雨夜だ。
犯人死亡、関係者1名確保、それから子供2人が監禁されていた。
経緯については別途書類にて報告する」
数分後にたどり着いた応援に死体を隠してもらい、
子供二人を連れ出してもらい。
それから関係者の女も拘束したまま連行。
これで一件落着だ。
■雨夜 賢瀬 > 『大丈夫っすか雨夜さん』
応援の一人が声を掛ける。
「ああ、問題ない。初めてでもないさ」
ヘルメットの下の表情は、見せない。
ご案内:「とある違反部活跡地」から雨夜 賢瀬さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に雨夜 賢瀬さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から雨夜 賢瀬さんが去りました。