2020/09/22 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群 廃ビル」に日下 葵さんが現れました。
■日下 葵 > 深夜。違反部活の拠点が立ち並ぶビル群の一角。
そのうちの一つの廃ビルにその姿はあった。
僅かな灯りの中に浮かぶ二つの影。
そのうちの一つは椅子に手足をくくられ、ぐったりとうなだれていた。
「さてさて、聞きたい情報も聞きだせましたし、
かえって報告したら摘発の許可をもらって別動隊に任せますか」
うなだれる男が座る椅子の周りには大きな水たまりができており、
唯一の灯りである乾電池式のランタンの置かれたテーブルには、
空になったペットボトルが転がっていた>
■日下 葵 > 先ほどまで顔にかけていたハンカチを軽く絞って、丁寧に畳んでしまう。
男の手足を拘束していたベルトを緩めると、
男はばたりと椅子から転がって水たまりの上に伏した。
(今日は早めに吐いてくれたのでラッキーでした。
割と真面目に朝までかかることを覚悟していましたが、
今日は早めに帰って寝れそうです)
地面に伏す男の呼吸だけ確認すれば、
まだ封の空いていないペットボトルを適当にビルから投げ捨てる。
わざわざ持って帰らないといけないほど貴重なものではない。
帰りは少しでも荷物を減らしたかった。>
■日下 葵 > 「あ、でも帰ったら報告書書かなきゃいけないですか」
うーん、と考え込むようにしていると足元で転がっていた男がむせ返った。
げほげほと苦しそうな呼吸が、無機質なコンクリートの空間に反響する。
「報告書は明日でもいいですかねえ。
元々明日の朝までかかる予定でしたし」
今日は帰って寝てしまって、明日の昼くらいに報告書を書けばいいか。
端末の画面に映し出される時刻は既に日付をまたいでいた。
気分としては面倒くささがやや勝っている。
「明日会でも怒られませんね。うん、だれも怒らない」
そういって、冷え切ったコンクリートの廃ビルから立ち退いていく。
かつ、かつ、という足音が反響して溶けた後には、
時々苦しそうな男のむせる声が響くばかりであった>
ご案内:「違反部活群/違反組織群 廃ビル」から日下 葵さんが去りました。