2020/11/10 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にレオさんが現れました。
レオ >  
「―――――」

武装準備をしている違法部活の鎮圧任務。
ここ最近数度にかけて任を受け、今日もまた同じように”鎮圧”を行う。
話し合いをする余地はなかった。
加減をする、余地も。

風紀委員の腕章を見るなり、中にいた人間は血走った目で襲い掛かってきた。
迷いもなく、殺しに来た。
殺さずに鎮圧する技術は日に日に向上してきたとはいえ、複数人…それも相手が殺意をもって挑んでくれば、命を奪わざる…を得なかった。

殺した相手達を、青年は見る。
何時もの様子とは違う、憎悪を孕んだ目をしていた。
誰も、彼も。

死者 > 『ブッ殺してやる――――』
レオ >  
「―――――……」

何度も浴びせられた、怒気を孕んだ声。
邪魔な存在だからというだけではない、恨みつらみを抱えた声だった。
中には、武器の扱いすらおぼつかない者すらいた。
そんな者すら……逃げずに命を取りに来た。

死ぬ直前まで。

「………なんで」

その言葉は、骸となった者たちにかけたものではなかった。
何故という問いをするほど……彼らの感情が、武器をかき集めていた理由が分からない訳ではなかった。
むしろ、その理由は嫌と言うほど分かっていた……

だからこそ、何故、と呟いた。

何故――――こんな事になっているのか。
その原因は、数日前に起きた落第街への調査という名の、制圧。
特務広報部……神代理央先輩が筆頭となって行った、武力による大規模な殺傷行為。
それは落第街の一角から人を殆ど消し去るほどに、過激だった。

そしてその結果が、これだった。
武器を、兵力を集め、された仕打ちへの報復の準備。

動きを知るのがほんの少し遅ければ――――大きな戦いの火ぶたを落としていたかもしれなかった。

「なんで」

青年は、呟く。
血濡れた制服と、両刃剣を力なく握った手。
苦々しい顔で自分が殺した者たちを見るばかりだ。

レオ >  
自分に恨みつらみを向けられる事は、珍しい事じゃない。
それでより多くを助けれるなら、それがやるべき事だと自分に言い聞かせて‥‥…相手を斬る事はずっとしてきたから。
命を奪う事に躊躇っていては、自分が殺されるのを知っているから。
だから、殺す事を否定はしない。

けど……
これは、違う。
これは………そんなものじゃない。

”こういう風”になってる人達を見るのは……僕が師匠に会うよりもずっと昔にあった気がする。
今になって思えば、だけど。

『恨みを晴らせ』
『仇を取れ』
『敵を殺せ』

そんな言葉と共に同じ方向を見て、自分の命すら惜しくないとばかりに死んでいく人間。
自分の視界の横で、何度も見た死の気配。
”争い”に臨む人たち。

「……なんでこんな事したんですか、神代先輩」

無力感に苛まれる。
今こうして火種を潰している事すら……只管に転落していくのを止める行為ではなく、ただ落下を緩やかにするだけ。

止まらない。
何も。

レオ >  
放置しておけば、落第街だけの問題じゃなくなる。
だからといって同じように”対処”していけば……さらに恨みを、憎しみを作る。
そのうち風紀委員の中にも負傷者や死亡者が現れる。

そうしたら、多分もう…最後だと思う。
そうなってしまえば、風紀委員の側も躍起になって動いてゆくかもしれない。
堂々巡りが起きて……後はもう、誰にも止められない。

そして落第街の外にまで影響し始めれば、もう……

「……止めないと」

それだけは、止めないといけない。
風紀委員として。

レオ >  
でも、どうすればいいのか、わからない。
何も解決策が……思い浮かばない。
自分の知恵の無さが歯がゆい。

「……っ」

ここに居ても、何も変わらない。
分かっている。
何かをしなくちゃいけない。
ただでさえ、自分の残った時間は少なくて……

でも。
道が見えない。
何処に向かえばいいのかわからない。
それが足取りを、重くさせる。

「―――――帰らないと」

結局何も答えが出ないまま……ただ重い足を、無理に進ませる事しか出来なかった。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からレオさんが去りました。