2021/01/03 のログ
神代理央 >  
「……さて、頃合いか」

くあ、と欠伸を噛み殺した後。
何の感慨もなく、静かに腕を振り下ろす。
刹那、響き渡るのは轟音。爆音。吹き上がる破壊の業火。

従えた鋼鉄の異形達は、粛々と、黙々と砲身から砲弾を吐き出し続ける。
一瞬の間をおいて、次々と違反部活の拠点へ着弾する砲弾の雨。
周囲には、たちまち悲鳴と喧騒が響き渡る。

神代理央 >  
懐から取り出した煙草を咥え、火を付ける。
今頃、拠点の中は阿鼻叫喚の地獄絵図。
何処から降ってくるか分からない砲弾の雨で、文字通り"焼き払われて"いるのだろうから。

「トークン1。恐らく、其方に向かうのは逃走を図る連中だ。好きに斬り捨てて構わん。降伏の意思を示した者だけ、捕縛すれば良い。
…ああ、それと。こっちに向かって来る奴等が居れば、最優先で処理しておけ。
健気にも私の砲撃を止めようとしているのだろうが…雑魚の相手は、面倒だ」

包囲する部下達の一角に向かう敵は、砲弾から遠ざかるだけの逃走者。
そして、敢えて砲弾の放たれる側に向かってくるのは――まあ、命知らずの愚か者、なのだろう。
そんな特攻めいた蛮勇に付き合うつもりもない。相変わらずドッカンドッカンと派手な砲撃が繰り返される中、取り出した通信端末で部下に指示を出した。

――そう言えば、逃走する敵のルートには己が引き抜いた妖刀使いの少女も配置されて居た筈。
きちんと働いているかな、なんてちょっと暢気な事を考えながら甘ったるい紫煙をぷかぷかと吐き出した。

神代理央 >  
暫くして。
逃走を図った者達は捕縛、ないし"処理"されたとの報告が入った。
今回は、敵の拠点が落第街の居住区から遠かった事もあって、周囲への被害は限定的。まあ、上々の結果と言えるだろう。

「……いつもこれ位なら楽で良いんだけどな…」

半分以上灰になった煙草を投げ捨てて、焔が燃え盛る反部活の拠点を眺める。後は同僚達の仕事であり、自分達の仕事は此処迄。

「……さて、帰るとするか。余り遅くなると、余計な心配しそうだしな…」

気付けば、もう遅い時間。
明日の仕事や、保護している同居人の事を考えればそろそろ潮時、といったところだろう。
崩れ落ちていく拠点を眺め、今度は大きな欠伸を零すと。
少年の姿は、闇の中へ消えていくのだろう――

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から神代理央さんが去りました。