2021/01/19 のログ
神代理央 >  
「最初のうちはそれで構わないさ。勧誘した経緯もある。皆に、平和や風紀を守ろうと押し付けるつもりは無いさ。
ただ。命令に従ってくれればいい。私が皆に求めるのはそれだけだ」

彼等に求めるのは己の指示に従う事だけ。
そして、彼等に指示を出す己がそういった理念を持って動いていればそれでいい。
言葉を悪くすれば、隊員達は所詮『駒』でしかないのだと。穏やかな声色で彼女に告げるだろうか。

「ああ。余程情報隠蔽が得意なのか。或いは、優秀な人員が動いているのか。何方にせよ、厄介な相手である事には変わりない」

ふむ、と考え込む様な思案顔。
彼女の言う通り、今回の違法薬物は源流を全く掴み取る事が出来ない。
捜査については刑事課に一任している、という部分もあるのだが、どうしても後手に回っている感が否めない。
勿論、刑事課が職務怠慢とは言わない。敵の能力が優れていると素直に認めざるを得ないといったところか。

「……仮面を付けたフードの男…?
…そいつは私も見覚えがあるな。以前、池垣と共に落第街を警邏している時に戦闘になった事が有る。
その時は決着がつかず御互い撤退したが……」

その男が、薬の出所を探っている。
となれば、彼は薬物とは無関係。もしかすると、その薬物によって何かしら損を被っているのかも知れない。

「……何方にせよ、調査が必要だな。
よく話してくれた。そういう細やかな情報は捜査に必要になるからな。
……そうだ、これ。今日の特別手当…という訳でも無いが。
皆で美味いものでも食べると良い」

ごそごそ、と懐から取り出した黒革の長財布。
其処から無造作に数枚の高額紙幣を取り出すと、彼女に差し出すのだろうか。
謂わば、職務に忠実な彼女と部下達への御褒美。安直なものではあるが、果たして。

刀々斬 鈴音 > 「それくらい分かりやすい方がいいよ!
 この街の平和ってどういうのか鈴音わかんないし!!」

この落第街の平和。
少なくとも特務広報部が干渉している時点でこの街にとっては平和な状態ではないだろう。
……でも、そんな難しい事は考えずに指示に従って動いたほうが楽でいい。

「結構人数いそうなのにねー。」

結構な大人員が動いているだろう規模。
……にもかかわらずまるで一人が動いているかのように何も漏れ出てこない。

「言ってた言ってた!本当に引き分けだったんだ……。」

手を出さなくてよかった。
もしあの時手を出していれば本当に手痛い被害を受けていただろう。

「……部長すぐお金出すよね。いや、鈴音は嬉しいんだけどね。
 多分、風紀委員からもらってるお金より鈴音たちに払ってるお金の方が多いよね……。
 すっごく嬉しいし貰いはするんだけど大丈夫なの?」

副部長(暫定)になって部長の行動を改めてよく見るようになって感じた。
……この部長いつ見てもお金を払っている。

確かにお金はもらえると嬉しいけれども……この紙幣も財布にしまったけども……。
それはそれとして心配になってしまう、金使い……。

神代理央 >  
「……鈴音くらい簡単に、というか。あっさり受け入れてくれたら此方も色々と楽なんだけどな。
それに、私は別に"此の街"の平和は目指していない。私が求めているのはあくまで"常世島"の平和だからな」

そのニュアンスが何処迄彼女に通じるかはさておき。
此方も特にそれ以上言及する事は無いのだろう。
そういう話をする場所ではない、と言わんばかりに。

「……ああ。余程統率が取れているのか…。刑事課も奮闘している様子だし、もう少し様子を見なければなるまいな」

彼女の言葉に、小さく頷いて。

「池垣も奮闘したが、別所での襲撃も重なってな。
鈴音の戦闘能力が低いとは言わぬから、戦闘に成ればどうなるかは分からんが…。
手強い相手ではある。出来れば、戦闘は避けるべきだろうな」

と、一度言葉を締め括る。
彼女が負けるとは言わない。しかし、あの男もまた手強い相手であった。
無用な犠牲は避ける為にも、出来れば戦闘は控えて欲しいところ。
もう、墓参りには行きたくは無いし。

「む?そうかな……そうかもしれないな…。
だがまあ、皆は金や生活の為に特務広報部で危険な任務に当たっているのだ。その報酬が、委員会から真っ当に出ているとは思わぬ。
そして私は、他者に比べれば比較的裕福な部類だ。であれば、多少の出費などどうという事は無いさ」

元々、金銭面での欲が薄い事。そして、彼女の心配通り金遣いに関しては若干……大分荒い事。
それ故に彼女の言葉には問題ないと首を振るが、本人に危機感は全く感じられない。

刀々斬 鈴音 > 「なるほど?」

分かったような、分かってないようなそんな顔。
多分、半分くらいは伝わっているはず。多分。

「あーちゃんもいる時だったの!?
 ……それは鈴音はあんまり戦いたくないな。」

近接戦闘ではこの特務広報部でも屈指の実力者のあーちゃん……。
彼女がいても逃がしたとなれば鈴音でも楽に斬れる相手ではない。

楽に斬れない相手とはなるべく戦いたくはない。

「そっかあ!確かに委員会からのお給料少ないもんね!!」

納得。
正規の風紀委員と比べると意外なことに素の給金は特務広報部が高い。
だが、特務広報部の部員には手当てがつかない上に怪我をした時などの保証もない。

それを部長が自分で出しているというのはありがたいと共に少し……風紀委員会に対して腹が立つ。

「部長は鈴音のご主人様とも元々知り合いだったくらいにお金持ちだもんね!」

鈴音が主人と呼ぶ少女、アースガルズ家の令嬢。
よっぽど裕福でなければ近づく事も出来ないほどの富豪。

そう、金持ちの知り合いは金持ちなのだ!

神代理央 >  
「一応、二人で共同戦線を張ったのだがな…。それでも手疵を負わせるくらいしか出来なかった相手、ということだ。
どうしても必要な状況でなければ、戦闘は避けるべきだろうな」

あの時は、池垣が立派に前衛を果たしてくれたが故に此方は指示と戦闘に集中出来た。それ故に、互いに撤退という落としどころを作ることも出来た。
それほど手強い相手であるという事を再度言い含めつつ、彼女の言葉に同意する様に頷くのだろう。

「……特務広報部は風紀委員会の中でも未だ微妙な立場だからな。
給金が出ているだけマシ、というのが現状に近い。
だからこそ、実績を積んで皆を認めて貰いたいものなのだが…。
だからといって、功を焦っても良くないがな」

と、苦笑いと溜息。溜息と一緒に紫煙も零れ落ちる。
誰が悪い、何処が悪いという話では無いのだ、と。
小さな苦笑いを浮かべた儘、緩く首を振ってみせる。

「…ああ、フレイヤの事か。アイツも上流階級…と一言では言えない程の裕福な生まれだ。
私の母方の実家と付き合いがあったから、フレイヤとも昔馴染みの知り合いでな――」

と、昔を懐かしむ様な言葉を続けようとした時。
懐に仕舞いこんでいた通信機が、短い電子音を立てる。

「………と。すまない。本庁からの御呼出し、だ。
今日は此れ以上戦闘になる事は無いだろうし、事後の処理は副部長である鈴音に引き継ぐ。
後で報告書を上げてくれ。皆の働きに、期待しているよ」

保護している少女の『元』監視役についての報告事項在り、との連絡を受けて、吸い殻を革靴で踏み潰しながら彼女に背を向ける。

「ちゃんと皆で美味いもの食べに行くんだぞ。何事も、身体が資本だからな。鈴音にも今度、ちゃんと御褒美やるから」

だから、皆の面倒をみてやってくれ。と締め括って。
少年は現場を立ち去る事になる。
特務広報部が活動していながら銃声一発響かなかった今宵は、珍しく静かな夜になったのだろうか――

刀々斬 鈴音 > 「そうだね、なるべく刺激しないように皆にも言っておくね!」

向こうに敵対する意思がないのならあまり刺激しないほうがいい。
実力の乏しい他の広報部員では一方的に命を落としかねない。

「地道にがんばっていくしかないってやつだよね!
 ……それにしてもやっぱり、部長は特務広報部好きだよね!
 鈴音も好きだよ!」

自身で組織しているチームだから当たり前なのだろうけど……。
その組織を認めてもらいたいというのも普通の事だけども。

好きなんだなって思った。

「…えー、じゃあフレイヤ様に聞いたら部長の弱点とか分かっちゃたりする?」

冗談っぽくそんな事を言う。
弱点を知ったところで活用しようがないだろうし。
そんな話をしていたところで……

「あっ、了解だよ部長!ここは鈴音に任せてゆっくり小言を聞いてきてね!!
 皆で部長の分も美味しいもの食べとくから!!」

そんな風に上司を送り出す。
呼び出されて恐らくいつものように小言を言われるのだろう可哀そうに……。

「よし!!皆、部長は行っちゃったけど最後まで気は抜かないでね! 
 副部長の鈴音はまだいるからね!
 ……でも、終わるまでに何食べたいかは決めといてね!!」

副部長風をビュービューに吹かせながら鈴音の指揮の元で捜査は進む。
……殆ど見つかったものはないままに特務広報部は引き上げることになる。

……ちなみに皆で食べたのは焼肉であったという。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から刀々斬 鈴音さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から神代理央さんが去りました。