2021/02/07 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に花菱刃さんが現れました。
■花菱刃 >
「おーおー。こりゃまた随分派手にぶっ壊したな」
関係ない組織なので野次馬。という名の別の目的でやってきた一人の人物。他の隊員やその中にいる隊員を見つけるとニコリとほほ笑んで。
「やぁやぁ風紀委員の皆様お仕事ご苦労様」
ものすごくのんきに声をかける。パッと見命しらずの大馬鹿。
だが腰につるした刀などどこからどう切り抜いても不審人物である。
テクテクと歩んでいくのを他の隊員に止められ軽く両手を挙げながらヘラヘラ。
「なぁなぁ、あんた隊長さんだろ。こいつらとめてくれよ。ちょっとした用事があって来ただけなんだって俺。ここの組織とのつながりはないからな?」
■雪景勇成 > 「……いや、別に隊長でもねー、ただの一般隊員だが。生憎とうちのボスはもうここにゃ居ねーよ。」
煙草を蒸かしつつ、現れた人物へと無表情を向ける。他の同僚が如何にも不審人物な彼を止めているが。
「あーーお前ら、さっさと事後処理済ませて引き上げろ。後は俺がやっとくわ。面倒くせーけど。」
彼が腰に帯びた刀を一瞥するも、直ぐに視線は同僚たちに向けて、手をシッシッと振る。
不承不承、といった感じで事後処理に戻る他の連中が戻っていくのを確認してから。
「んで、どんな用事だ?こっちの仕事に差し支えないなら構わんけど。」
そもそも、事後処理だしここはうちらのボスが既に潰している。関心を抱く理由も無い。
あるとすれば、この闖入者の用事とやらだが。さて?
■花菱刃 >
「ああ、そういえば大将さんはもっといかつい兵団連れてるもんな」
事後処理に向かっていく隊員達におつかれーと手を振るって。
それから問われれば首を傾げてニコリと笑う。
「じゃ、あんたでいいや」
ピッと片手だけ指を突きつける。
笑顔は崩さない。張り付いたような仮面の笑顔。
「まぁ絶対に必要って訳じゃないけどさ……いた方が何かと便利そうだし。今噂の集団。その上の方の奴らひとり持ち帰ろうかなって」
ヘラヘラと笑いながらとんでもないことをのたまう。
それから首をカクンと倒す。
「まぁそういうわけだからさ。一緒に来ようぜ兵団長さん。拒否は無しな、無理やりか、任意か。お前たちお得意の手段でお好きな方を」
とだけ言ってから。
笑顔を消す。
「ああ、一応周りの兵隊。帰らせた方が良いよ? 雑魚に用事はないし、この街を裏切った奴らに遠慮するつもりもない……巻き添えで兵士。減らしたくないでしょ」
目の蒼がランランと強く輝く。と同時に魔力の奔流。ダメージこそはないだろうが空気が重くのしかかるほどの魔力が周囲を満たす。
流石に回りの兵士も気が付いて銃なりを構えるだろうが。意に介していない。
■雪景勇成 > 「まぁ、ありゃ目立つからな…見ればまず印象に残るだろうよ。」
事後処理に戻る連中を見送りつつも、視線は不審人物な彼へと緩やかに戻す。
張り付いたような笑顔。軽薄な態度。それに対する男は無表情のままで。
「――何だ、そういう事かよ……面倒臭ぇなぁ。」
指をピッと突きつけられながら、ポーズではなく本気で面倒そうに深々と溜息混じりに紫煙を吐き出して。
「いや、断るに決まってんだろ、面倒だし…つーか、やるならさっさと来い。
”残業”はあんまりしたくねーんだよ。あー…それと。」
流石に不穏な空気に気付いたか、周囲の同僚が銃や武器を構え彼を包囲しようとする、のをやんわりと片手を突き出して止める。
「この兄ちゃんの言うとおりだ。取り敢えずお前らさっさと撤退してボスか、最悪はハバキリに報告しといてくれ。
――んで、万が一俺が戻らなかったら…そうだな、代わりの人員は適当に頼むわ。」
そう告げる声は相変わらずで、動揺も何も無く平坦なもの。動揺する周囲に、「ほら、さっさと行け」と促して。
『死ぬなよ雪景!』 『直ぐに応援を連れて来るからな!』と、いう声と共に迅速に撤退していく同僚達。
成程、ハバキリが最近訓練を施しているようだが成果は出ているらしい。
「――死にはしねーが、ちょいと骨が折れそうな相手かもしれねーなぁ…。」
割と至近距離で魔力の奔流を受けながら、ボヤくように呟いてから担いでいた細い布包みを――
「あと、裏切ったとか俺にゃどうでもいい事なんで、そういう口上は他の連中によろしく。」
背中に背負い直した。”ソレ”を使う気はないらしい。
■花菱刃 >
「ホントにな。遊園地とかであるパレードみたいな光景でさ。焼き払われるのが仲間じゃなかったらあれ中々好きなんだよおれ」
なんて言いながらケタケタと笑った。
そして相手が見事に指示を出すと軽く口笛を吹く。
「やっぱり優秀だねぇ。ここで全員でかかれーとかやられたら無駄な死体がゴロゴロ転がる所だった。よかったよかった」
そこで初めて刀に手をかける。だがまだ抜かない。
しかし意地の悪い顔で。
「でもさ、使わないってのを見ると使わせたくなるよねぇ……というわけでだ。まずはご挨拶。その伝令役。守ってみな?」
まだ彼の間合いにも。当然自分の間合いにも踏み込んでいない。そのまま居合一閃。
抜き放ち振るうまでは一瞬。緩やかに刀をしまう。
「陽」
そうボソリとつぶやくと。周囲の瓦礫が両断され、そしてその瓦礫が切られる現象は広がりながら迫る。
陽の属性。即ち拡散。即ち―不可視の斬撃。横一閃。目の前の剣士と後ろの兵士を狙った一撃―
■雪景勇成 > 「俺は好きじゃねーなぁ。あんまり騒がしいのはどうかと思うぜ。」
ぼっち、もとい単独行動を好む傾向がある自分としては、目立つし騒がしい異形の兵団は苦手だ。
「優秀も何も”見れば分かる”。アンタかなり”やる”クチだろ?悪いが対処できるのは俺くらいだろーさ。」
肩を竦める。別に傲慢でも過大評価でもない。同僚達には流石に荷が重過ぎる相手だ。
「――何だよ、そういう”遊び”が好きな奴か?こっちは面倒は嫌いだからシンプルにさっさと終わらせたいんだがなぁ。」
口調も態度も、表情も相変わらず彼と違って変化が一切無いこの男だが…。
(――あ、こりゃちゃんと対処しないと不味いか)
彼が居合いを放つ直前、そう確信し――居合いの速度はまさに刹那。
だが、本命はそれではなく――その後に来た。周囲の瓦礫や両断され、こちらと伝令役の同僚にも迫る不可視の一閃。
「――技量もそうだが、不可視の一閃とかやっぱ面倒な相手じゃねーか。」
だが、男の前と伝令役の前に”忽然と”巨大な――異形の剣らしきものが出現し、身代わりとなってその一閃を受け止める!
同時に、それらはガラスが割れるような音と共に両断され砕け散ってしまうが。
――結果、男も撤退する連中も”無傷”だ。
自身の手札は一つでも多く伏せておくのが男の基本だが、異能は普段から仕事で用いている――見られて困るものでもない。
■花菱刃 >
「ああ、クールにニヒルに決めたいみたいなの? 俺はそういうの陰鬱であんまり好きじゃなくてさ。まぁ必要ならやるけど」
必要な場面多いのよと残念そうにつぶやく。
それからやるクチと言われれば笑顔は消える。
「さぁ、それを見抜かれる時点であんまり優秀じゃないのかもな。本当の強者は力を見せる前に相手を倒す。だろ?」
見せつけるように力を振りまく相手の組織への皮肉を込めそんなことを言い切る。
そして剣で受け止められれば。へぇと感嘆の声を上げた。
「面白い能力だな。剣の召喚? いや、錬成って方が近いか……近いこと。俺もできるんだよ」
今度は腕を振るう。銀色の物質が浮いたかと思えばそれは変形。4本の銀色の剣へと変化をする。
「金、水」
そして相手に指を向ける。
冷たい声で言い放った。
「かかれ」
剣は四方へと散らばる。キンキンという音を出しながら。あちこちを跳ね回る。
「ひとつヒント。これ水銀な……食らうなよ。解毒が面倒だ」
それらはまるで意思を持つかのように。4方向から時差をつけて襲い掛かる。
「ほら、攻撃しないとどんどんやられるぜ。俺の手札ままだまだあるんだからさ」
■雪景勇成 > 「いやぁ、クールとかニヒルっつーのに興味はねーし、気取るつもりもねーけどな。」
残念そうな呟きにご愁傷さん、と気の無い返事を返しつつも。
彼の皮肉げな言葉に、そうかもしれねーなぁ、と相槌を一つ。
皮肉は聞いていない、というよりどうでもいい。別に自分が強いなどとは思っていない。
力を振りまいているのは、単にその方が早く仕事が終わるからというだけだ。
「あーー…武装召喚、だっけかな。便宜上はそう呼ばれてた気がする。」
能力の系統、だったか何かだったか。忘れた。まぁいいか。
彼が腕を振るえば、今度は銀色の物質が――そのまま4本の剣へと変化して。
「金に水――風水五行?」
と、呟いていたがその間のも高速で飛び回る銀色の剣が周囲を乱舞する。
水銀――成程、食らったらやばいな。――、で、だから?
「――邪魔だ。」
何の前触れも無く、先程と同じように”忽然と”――槍、斧、剣、刀、その他諸々――同時に数十本の武装が男の周囲に展開され、時間差で攻撃を仕掛けてくる銀色の剣を迎撃する。
ついでに、無造作にその場で腕を振るえば、彼の真上から出現した巨大な槍が頭上から彼を串刺しにせんと落下する!
■花菱刃 >
「アハハ、そういうのがクールでニヒルっていうんだって。でもホントそういうの曇らせたくなるよなぁ」
崩さない表情。それを見るとやかり崩したくなる。
ニヤリと笑う。
「半分正解。半分は外れ、答えはこっちに来たら教えてやる」
手を上に振り上げる。
そして一気にそれを地面にたたきつけると同時。
「木」
最も得意な属性。巨大な大木が発生するとその槍と激突。メキメキと砕かれるも半ばでそれを止める。
そして相手を見据えて。
「陽」
今度は陽の別の側面。即ち動の性質。
一気に速度を上げ縮地。一気に間合いまで躍り込む。
「ッシ!!」
刀に手をかける。逆袈裟一閃。居合。
先ほどやって見せた物をさらに速度を上げて。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に雪景勇成さんが現れました。
■雪景勇成 > 「……あーー、そういう特殊な性癖?は別の奴によろしく。」
ニヤリと笑う彼に、無表情のまま小さな吐息を漏らして。
そして、どうやら当てずっぽうだが半分は正解らしい。
「いや、行く訳ねーだろ…面倒な事にしかならんのに。」
カウンターで放った頭上からの不意打ちの槍による落下攻撃。
それも、彼が生み出した巨大な大木により受け止められてしまう。
成程、手札がまだまだある、というのは少し分かった気がする。
(単体でもそうだが、さっきみたいに”組み合わせ”が出来るとなれば、まだ出してないのも合わせるとパターンがくっそ多そうだな。面倒だ)
多分、単純な手札の枚数はあちらが上だろう。そこは単なる事実として受け止める。
こちらが伏せている手札を加味しても”総数”ではおそらく届かない。
「――っと、やっぱ速ぇ。」
一気に懐まで接近される。背中の”ソレ”を抜く暇は無い。
武装を展開する前に彼の袈裟懸けの一閃が、男の胴体を逆袈裟に切り裂く!
血飛沫が舞い、男は――後方に異様な速さで飛び退いて着地していた。
(…やっぱ速度も技巧もある奴は面倒だな。おまけに手札も多彩だ)
制服をバッサリ切り裂かれて血も出ている。だがその刀傷は浅い――理由は単純だ。
交わしきれずとも、素の反射神経と身体能力で飛び退いてダメージを抑えた。
同時に、一歩踏み出し、右手に異形の大剣を生み出せば横薙ぎに振るう!
彼から見れば技巧も何もあったものじゃない、腕力任せの一閃だが、速度も圧力も尋常ではない”剛剣”だ。
■花菱刃 > 「性癖って失礼だなおい。単純に自信満々の奴ってへし折りたくならね? っていうさ」
そういうのあるだろうがよと少し不機嫌そうに。
だがその後の言葉を聞けば残念そうに。
「えー、残念だな。色々と話せると思ったし、刀の練習相手欲しかったのにさー」
なんて言うも。まぁいいかとすぐに表情は変わる。
相手の動きを見たからだ。
見誤ったわけではない。即座のカウンターも予想はしていた。
「陰」
抜いた刀を即座に両手で構える。自身を中心に円形のフィールドが出来る。そこに相手の武器が入って来た瞬間。反射的にそれに向かい刀が振るわれる。
通常より威力も速度も乗ったはずのそれは。
「ぬおぉっ!?」
相手の剛剣に一気に弾き飛ばされる。
吹き飛ばされ地面を何度も転がる。何とか地面からハンドスプリングの要領で起き上がる。
あちこちをすりむき怪我をしてはいる。だがまだ支障はない。
「いいねぇ。やっと少し力技を見れた……火、金」
まだ地面に着地まで至っていない段階。周囲に現れる黄金色に熱された鉄。
指を鳴らすとそれらは一斉に相手に向かって殺到する。20本を超える高熱の矢。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に雪景勇成さんが現れました。
■雪景勇成 > 「別に自信満々のつもりはねーよ。俺より上なんでゴロゴロ居るし、アンタは多分俺より強い。」
誇張でも冗談でもなく、真顔でそう言い切る。圧し折れるも何も、自身満々のつもりが無いから折れようが無い。
「練習するなら別の奴にやれ。こっちに向けるな面倒臭い」
陽、金に水、木、そして今度は陰――これで5つ。まだ他にもあるだろう。
こちらの剛剣は彼に迎撃されてしまったが、単純な力技によるものだからか、彼を弾き飛ばすように転がし。
振り抜いた剣を戻しつつ、今度は火に金――…最低6つは確定か。
組み合わせも考えると総数なんて考えるだけ無駄だろう。
一方、出現した20本を越える火の矢がこちらに殺到するが――
「うちのボス―ー鉄火の支配者に比べりゃ、みすぼらしいもいいとこだが――」
同時、空間から忽然と出現する異形の武装、その数――およそ50。
躊躇無くそれを矢のようにぶっぱなし、高熱矢を迎撃…いや数と質量の暴力で押し潰しながら彼へと殺到させる!!
■花菱刃 >
「バカ言え。良くて同列。悪ければあんたのが上だっての」
悔しいがそれは事実。剣を交えてわかる。
相手はたしかにこちらより手札は少ないかもしれない。だがそれを補ってあまりあるほどの破壊力がある。
たとえ100の手数があったとして。100の数字に届くカードが1枚もないのであればたとえ相手の手札が1枚だとしても相手には勝てない。
「いいや向けさせてもらうぜ。だってよ……練習にもなる上に捕まえれば便利。一石二鳥だからな」
そう捕えれば確実にこちらに有利なのだ。
だから狙う。だから襲う。
そして迫る暴力を見て少し目を見開く。
「金」
そう言うと目の前に生まれるのは金属の壁。
爆音粉塵。そして。
「……あー、こりゃあれだわ。無謀ってやつか」
肩に突き刺さる異形の武器。それを乱雑に引き抜く。
はぁと溜息。
「殺すつもりなら抵抗できそうだけど……生かしてとらえる。なんて考えてたら絶対に無理だな。でも今あんた殺すと面倒だから」
刀を収めると手を横に。
先ほど生み出した大木が朽ち果て枯れていく。そして目を閉じる。
「土」
最後の一つをつぶやくと2体の巨人。否土で出来た巨大なゴーレムが現れる。
おそらく相手ならば一瞬で撃破できるであろう代物だろう。だがそれでいい。
一瞬を稼げばそれでいい。
「じゃ、そういうことで兵団長さん。少し出直すわ……そっちの人質。いなくなってから本気で遊ぼうぜ」
そのまま闇の中へとかけていく。
追いかけようにも2体の土の巨人がその行く手を遮り1秒でも止められればもう闇の奥底へと。
■雪景勇成 > 「――”それ”だよ。そう返せるヤツが一番手強い(めんどう)なんだ。」
単純な力ならこちらが上だが、速度はあちらが一歩勝る。
技巧と手札の枚数は無論あちらが上だ。
勿論、こちらの手札の一枚の”厚み”は負けては居ないとは思う。
(総合的に見れば案外互角――いや、そもそもこっちは別に構わず殺す気でもあっちは生け捕りが目的)
そう、あちらがこっちを最初から”殺す気で”来たならば下手すれば最初の時点で終わっていた可能性すらある。
「――男にモテても嬉しくねーんだけどな…。」
勿論、捕まればその先に待つのは――あぁ、考えるだけ面倒だから止めよう。
殺到する異形の武装は、その大きさもだが形状も武装の種類もてんでバラバラだ。
統一性というものがなく、中には実用性がどう見てもなさそうな形状の物すらある。
だが、単純な数とその重さ――質量、最大で音速に迫る速度で放てるとなれば。
「――本当便利そうだなアンタの異能…か、術式かは俺にゃ分からんがよ。」
応用性が広い。戦闘面以外でも色々と役立ちそうだ…こっちの異能はほぼ戦闘特化だというのに。
結局、金属の壁で迎撃され、そのままガラスが砕けるように虚空に消えていく異形の武装たち。
一本だけ、防ぎきれず彼の肩に命中したようだが、引き抜かれたそれも直ぐに砕けて消えるだろう。
「――ほらな、生け捕り目的のそっちと、別に殺しても構わん俺じゃ、開始の時点でハンデがある。
そっちが最初から俺を殺る気で来てたら、今頃俺の首が飛んでても不思議じゃねーよ。」
こっちを生かして捕らえる、という縛りプレイをしているのだからそうもなるだろう。
次、は正直あって欲しくは無いが…今、ここで仕留めるべきだろう。だが。
刀を納める彼に対して、今度は両手にそれぞれ別の形状の異形の大剣を生み出す。
一気に、持ち前の身体能力で間合いを詰めて攻撃を仕掛け――
「――ちっ…!」
急ブレーキ。土――風水五行と陰陽でこれで7つ。まだ他にもあるのだろうか。
現れた2体の巨人。無論、一閃すれば殲滅出来るが、その隙に彼は逃げおおせるだろう。
「――雪景勇成だ。そっちも名乗れよ。別に名乗らなくてもいいがよ。」
特に名前を名乗る意味も無い。だが、何となく名前は名乗っておきつつ、闇夜に紛れるように撤退する彼を見送り――
「―――ったく。」
そして、轟音と共に巨人2体と――ついでに、周囲の建物が纏めて殲滅される。
後に残るのは男が一人――空を見上げて、溜息を零す。
「――厄介な兄ちゃんに目を付けられたもんだ。」
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から花菱刃さんが去りました。
■雪景勇成 > そして、案外切られた傷は浅くはなかったらしい。僅かに体が傾ぐが持ち直して。
「…身体能力じゃ負けてるとは思わねーが、やっぱ凄腕の剣術使いじゃ付け焼刃の俺じゃ及ばねーわ。」
そう、別に自分は強くは無い――ただ、壊し殺す事にちょっと適性が高いだけで。
無線で取り敢えず撤退した連中に無事を告げつつ、長居は無用と男も引き上げるとしよう。
(人質――か。こりゃまだまだ一波乱ありそうだ。」
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から雪景勇成さんが去りました。
ご案内:「とある拠点」に【虚無】さんが現れました。
■【虚無】 >
言われなくてもわかっている。”猟犬”からの通信にはそう返したことだろう。
だが、わかっていようともそもそも対象の尻尾どころか足跡すら見えないのが実情だ。だがデータのおかげで追いかける相手が研究者であること、何を研究しているかと言うことを把握できたのは大きかった。
獣に例えるのなら今までは水に生きるのか野に生きるのか。寒い地方なのか暑い地方なのか。それすらわからなかった状態だったのが生態を知る事が出来たのだから。
「安直、なのはわかっているが」
だからこそ範囲を狭めての調査が出来た。
この街は不便に見える一方、実は金さえあれば表以上に様々な物が揃う世界ではある。
もらったデータからどの程度の研究者であったかまでわかればそれ以上の研究にはどんな設備が必要かを割り出すことは容易。
それ以上の研究が行えるであろう設備を所有している、もしくはそれだけの設備が用意できるであろう組織。または廃棄されたということになっていたり所有者不明の設備に狙いを絞れば候補となる施設、組織はそこまで多くはない。十分以上に調査可能な範囲だ。
ここはそんな拠点の一つ。まだいくつもの研究装置がいつでも稼働可能な状態で安置されている。表向きここは廃棄されたとなっているが。
「……せめてデータくらいはあると良いが」
ここまで機材などがそのままあるとなるとパソコンのデータが無事な可能性が高い。何か少しでも手がかりがあればいいのだが。
不気味な稼働音がする研究施設の中を一人の男が歩いていた。
■【虚無】 >
だが正直この施設は”外れ”であると思っている。というのも相手の性質上ここまで簡単に施設に踏み込ませるわけがないからだ。
相手は今の状態で学園内に踏み込めるほど様々な手段を有している相手。それが自身を研究施設にいれるだろうか? 無い、絶対にありえない。仮にあり得るとしたら自身を含め知っている相手を招いた場合。もしくは罠で邪魔者を消す場合だ。もちろん買いかぶりすぎという可能性もあるが。
「……」
いつもならば紫電が見えないレベルにしか能力を使用していないマスク。そこに電流が流れる。
マスクに流れる拒絶の力を限界まで引き上げた。これで毒ガスやその他生きていく上で不必要な気体はシャットアウトできる。
ではなぜここまで危険を冒してまでそんなはずれであろう施設に足を踏み入れたか。理由はひとつ。データだ。
相手は考えられないほど優秀であると仮定し。誰にも尻尾をつかませていないと仮定する。
ならばいくつもの施設のデータを入手し、その上で自分の知っているデータとも掛け合わせる、そうしても尚出てこない”空白地帯”こそが自身の大本命の地点だとわかる。
そうして歩いているとパソコンなどの置かれている部屋に到着する。この街には不相応のコンピューターがズラりと並ぶ
「何かかかってほしいが」
その中の奥のPCを起動すると捜査を始める。様々なプロテクトなどをハックで解除しデータを読み進めていく。
暗い部屋のなかパソコンの明かりだけが自身を照らしていた。
■【虚無】 >
「……」
パソコンを捜査している。予想通りいくつかのデータが発掘出来た。だがやはり歯抜けのデータでしかない。
なんとかそれを発掘できないかと様々な処理をしているが。
「そう簡単にはいかないか」
それが出来たら苦労しないわけで。
ある程度のハックならばできるが流石に完全に削除されたデータを引っ張りだすほどの能力は有していない。
となると。
画面にはデータファイルが二つ。どちらもロックがかかっている。
「このロックを外したいが。ふーむ」
この施設で見つけた物を思い返す。その中でパスワードになりえる物がなかったかどうか。
それらを考えていた。
■【虚無】 >
思いついたパスワードを打ち込む。
そうするとロックが開いた。一つのファイルは被験者のファイル目新しい物は何もなかった。
だがもう一つは別だ。
「……実験映像」
実際の実験の映像。どんな実験を行っていたのか、それを見ればある程度のこの組織と追いかけている人物、もしくは組織との関係性がわかる。
それを開く。言ってしまえば悪趣味極まりない物。
だが、これは当たりだった。研究員の顔などが残っている。
「……組織名。どこだ」
耳を澄ませここの所有者を割り出そうとする。だが、その時偶然だ。耳を澄ませたおかげで聞こえた。規則的な電子音。この部屋だけじゃない。上からも聞こえるごくわずかな音。
「しまっ!?」
気が付いた時には遅い。全身を電流が覆うと直後施設そのものが吹き飛ぶ。
対象の組織が違う組織か。それすわもわからないままにトラップにかかったというわけだ。
瓦礫の中から。瓦礫を吹き飛ばし男が這い出して来る。
「……俺じゃなかったら死んでいるなこれは」
首を回す。流石に今の騒ぎで他の施設も調査と言うわけにはいかないだろう。
ポケットから地図を取り出すと今手に入れた情報を地図に落とし込む。これでまた”空白地帯”が減った。
「後いくつ調べれば空白地帯は消えるやら」
足取りも尻尾も見えない相手に少し溜息を吐くと甲高い音だけを残し空の彼方へと。
ご案内:「とある拠点」から【虚無】さんが去りました。