2021/02/26 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に雪景勇成さんが現れました。
雪景勇成 > ――先の”戦争”は移送中の捕虜を奪還された事でこちらの”負け”…という事になるのだろう。
もっとも、”次”の幕は遠からず開かれる事になるのだろうが。

「――ま、ボスや例の傭兵、あと風紀の加勢と違って俺は蚊帳の外みてぇなもんだったが。」

勿論、彼は彼で別の現場で戦闘を繰り広げていた。副部長や池垣、同じ出向組の能守もそうだろう。
どちらにしろ、結果は出た。もう覆らない。なら次に目を向けるだけだろう。

――瓦礫の山と化した違反組織のアジトの天辺で、煙草を口の端に咥えながら周囲を一瞥する。
元よりボスにも許可を貰って単独の任務を多めに割り当てて貰っている。
まぁ、彼はどうも自分を正規隊員にして一部隊を任せたい心積もりのようだが。

(まぁ、そこは小太りの野郎とウチの上司次第で、俺にゃ決定権は欠片もねぇしな)

雪景勇成 > そんな訳で、今夜も何時ものお仕事だ。やる事は変わらない…ただ淡々と容赦なく殲滅するのみ。

既に一仕事終えてからの一服の合間、無線から聞こえてくる同僚達のやり取りをぼんやりと聞く。

「……先のドンパチでそれなりに死んだ奴も居るにしちゃあ、士気は意外と落ちちゃいねぇな。」

無論、無線の声だけでの判断なので実際の彼ら彼女らの心中なんて分かりやしないが。
まぁ、別に知りたいとも思わないし知って何かが変わる訳でも何でもない。
彼らは”味方”だが”仲間”ではない。少なくとも仲間意識、というのは多分他の面子に比べたら己は希薄だろう。

「――で、次の舞台はどうなるやらってな。」

雪景勇成 > 「――例えば。」

彼らが”連中”側に引き込まれたら、元・味方であろうが己は別に躊躇無く害せるし殺せるだろう。
味方が敵に置き変わっただけだ。やる事は何も変わらない。
まぁ、事はそう単純に運ぶ訳ではないのも十分に承知している。が、考えるのは自分の仕事ではない。

「――やっぱ我ながら”磨耗”してきてんな…。」

ぼやくように呟きながら紫煙をゆっくりと吐き出す。一服は良い時間だが余計な事も考える時がある。

雪景勇成 > ――ふと、うめき声に無表情をそちらへと向ける。眼下の瓦礫に下半身を挟まれた違反組織の一員。
既に虫の息だが、まだ目には光があり死に掛けの体ながらこちらを恨めしげに見上げている。

ああ、そういう視線は何度も見てきたよ。

「――なぁ、アンタには俺はどう見える?」

『……――…―――…。』

虫の息から毀れる微かな声にならぬ言葉。微風にすらかき消されそうな単語。
それを聞けば、成程違いない、とばかりに紫煙をゆっくりと吐き出して――

「――そうだな、体裁でも建前でも正義の味方や法の体現者扱いよりは、”それ”の方がよっぽど俺らしい。」

――返事は返ってこない。無感情に無表情にそれを見下ろしてから興味が失せたように視線を逸らす。

「……世の中、本当に面倒臭い事ばっかだな。」

雪景勇成 > 『こちら状況終了――そっちは?』 『こちらも同じく。』
『じゃあ今日の任務は終わりね。雪景君?』

「あーー…聞こえてる聞こえてる。こっちはもう片付いてるから引き上げようぜ。」

『『『了解』』』

…と、いうより何で自分が指揮官みたいな扱いになっているのか理解に困る。
煙草の吸殻をぐしゃり、と握り潰して風にパラパラと流す。何故か火傷はしていない。

「――あと、引き上げる時も襲撃には備えとけよ。”戦争”の後とはいえ今の時期は割と”脆い”からな。」

…つまらんお節介だなこれ。くだらねぇ。吐息と共に返事を待たずに無線を切って瓦礫の山から飛び降りる。

雪景勇成 > ――そして静寂が訪れる。後に残るのは嵐が通り過ぎたような無残な瓦礫と骸の山のみ。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から雪景勇成さんが去りました。