2021/03/15 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に狭間在処さんが現れました。
■狭間在処 > 『そうか。――だが、その一時の勘違いや気紛れが思わぬ助けになる事もある。…俺は少し今、それを実感した。』
彼女は自分がやりたい事をやっているだけ。彼はそれを知らない。
けれど、その行動が、言動が結果的に少しだけこちらの心持ちを軽くしてくれたのは事実。
縁というものは、きっと些細な事で良し悪しどちらにも転がるもの。
今回の賽の目は、きっと良しの方へと転がったのだろう。
『……『大道具』…スシーラ。…ああ、しっかりと覚えた。
…しかし、大道具…舞台関係者みたいだな。』
彼は演劇などは勿論全然分からない。ただ、彼女が羅列した単語からそういうイメージが浮かんだから口にしたに過ぎない。
大道具――裏方役。表舞台には出る事が無い、役者を着飾らせて舞台を整える役柄。
彼女の名前が本名なのか、偽名なのか。男もそこは実はあまり気にしていない。
何故なら、自分の名前だって本名では無いのだし、本名というものはそもそも無い。
『化けさせる?……いや、正直…表の世界に溶け込めるような衣装?見た目?というのが俺には分からなくて。
強いて言うなら…そうだな、まぁ髪型などはある程度は整えた方がいいかもしれない、とは。』
己の髪の毛を指差す。決して綺麗とはいえないかもしれないくすんだ銀髪。
不思議と不潔感は無いのだが、割と伸び放題で乱雑だ。後ろ髪も不揃いでそれなりに長い。
『…直ぐに思いつくのはそれくらい、か。あと、首元を隠せる衣装がいいな。
正直、衣装に関しては完全にスシーラの見立て任せになってしまいそうだが。』
本当に俺は世間知らずだな、と改めて思う。だが表の世界を見れる事など今後あるか分からない。
なら、この縁と機会――気紛れな『大道具』の提案を『沈黙』は受け入れたい。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に狭間在処さんが現れました。
■シャンティ > 「ふふ、大体、あって、る、わぁ……? 私、は……劇団、の……一員、だった、のぉ……もっと、もぉ……今、は……もう、解散、して……しまった、け、ど……ね?」
気怠さの中に、ほんの僅かな寂寥の感情を乗せ――女は言葉を肯定した。そして――
「ん……」
再び、人差し指が唇を叩く。また、考えているらしい。ただ、視線らしきものは余り定まっていない
「そう、ねぇ……首、は……ね。包帯、巻き、は……見場、が……わるぅ、い……かも? 顔、は……まあ、その、まま……で、も……化粧、して、も……いい、かしら……ね、ぇ……顔、知られ、ない……方、が……いい、感じ……な、の? あと、は……髪……だった、わ、ね…… そう、ねぇ……切って、も……いい、の……かし、らぁ……?」
提案を始めた。一々本体をいじらずに幻影の魔術でもかけてしまえばそれで済むのかも知れないが、それでは些か趣に欠ける。大事なのは驚きと感動。そして、美しさ
「基本、の……衣装……は、まあ……その、まま……で、も……いい、かも……しれ、ない、わ、ねぇ……」
そこで思いついたように手を打つ
「あぁ……それ、と、もぉ……学生、服……で、も……着て、みるぅ……?」
くすくすと悪戯っぽく笑う
■狭間在処 > 『本当に何処かの劇団の一員だったのか?―――貴女は凄いな。』
語彙が些か足り無過ぎるが、率直な感想。
自分はそんな立派な仕事も仲間も持った事が無い。
と、彼女が再び己の指で唇を叩き始めた。考える時の彼女の癖、なのだろうか?
よく見れば視線も何処か彷徨うようで安定していないようにも見えて。
『…化粧はさっぱりだから、衣装と合わせてそちらは一任したいな。
顔はこのままでもいいのなら、それで。…ああ、髪の毛はスシーラが良ければ散髪も頼みたい。
偶に自分で切っているんだが、矢張り大雑把になってしまうし、あまり不自由しなかったからな。
それと、顔については表で知った顔はおそらく居ないだろうから別にそのままでも構わない。』
地味な問題点は、矢張り首もとの包帯か。その下は醜い傷跡があるので、どうにか誤魔化すか隠すくらいしか思い浮かばず。
何せこういう着飾るという行為は当然ながら経験が皆無だ。リクエストも必然最小限になってしまう。
『…学生服?俺の外見で違和感があまり無いなら、まぁそれでもいいが。』
外見年齢はおよそ18か9くらい。学生でも彼女の仕立て次第では違和感はさほど無いだろう。
学生服、というのはピンと来ないが、これも良い機会だ、それに袖を通すのもありかもしれない。
『……気のせいかもしれないが、スシーラ…楽しそうだな。』
ぽつりと。あくまでそう感じただけの根拠の無い言葉だ。けれど、何となくそう思えたから率直に口の動きがそう紡いでいた。
■シャンティ > 「べ、つ、に……大し、た……こと、では……ない、わ……私、は……裏方――だ、もの……」
ポツリと、口にする。舞台には欠かせない、大事な存在だと人は言うかも知れない。けれど、それでも。表舞台にはいない。居られない。それが裏方だから、誇る気はしない。まして、自分は引き際を心得られなかった――
「ん……そう、ね、ぇ……時節、柄……マフラー、で……誤魔、化す……の、が……一番、楽……も、し……その、包帯、の……下、がぁ……触って、も……大丈夫、な……感じ、なら……化粧、で……隠し、て、も……いい、か、も?」
技術と道具さえあれば、傷を作ったり消したりなどは造作も無いこと。本来の領分ではないが、それくらいの技術は身につけている。それもまた、舞台を整えるために必要なものだから
「髪質、だけ……な、ら……梳い、て……まと、めて……結わえ、て……で、も……いい、の……だ、けれ、どぉ……すこ、ぉし……雑……あぁ……やっぱ、りぃ……自分、で……切って、た、の……ねぇ」
くすくすと笑う。しかしあまり切りすぎてもなんだし、ある程度整えるくらいに留めてもいいかもしれない、などと思う
「楽し、そう……? ええ、ええ……それ、は……も、う……楽し、い……わ、よぉ……? だって、ぇ……ふふ。"役者"、を……一人……舞台、に……立た、せる……ため、の……お仕事……だ、ものぉ……」
本当に本当に愉しそうに楽しそうに笑った
■狭間在処 > 『――貴女は…『表舞台』に出たかったのか?』
劇場の事も、彼女がその劇団でどう過ごしていたのかも何も知らない。
当然だ。ついさっき偶然に出会ったばかり。出会って直ぐに相手の過去も何も知る能力なんて彼には無い。
けれど、僅かに先程感じた気がする寂寥感、そして未練、かは分からないのだが。
(裏方は縁の下の力持ち、と聞く。絶対に欠かせないものだ。けれど…舞台には絶対に上がる事が無い)
だから、安易に『裏方も大事な仕事で役割だ』と口にする事はしない…出来ない。
どんなに立派でも、どんなに欠かせなくても、彼女自身がどう思うかだろう。
素人考えなりに彼はそう思っている。だから安易な慰めじみた言葉は言わない。
『…触っても平気だが、正直今の季節はこう、気温や風が染みるというか疼くというか。
…まぁ、手間も考えるとマフラーが手っ取り早いかもしれない。』
喉元の包帯を指でなぞる。コンプレックス、という訳ではないが矢張り隠せるなら隠したい気持ちは少なからずある。
『…スラムには流石に散髪をしてくれる顔見知りとかも居ないからな。自分でやるしかなかった。
落第街ならまぁ、もしかしたらあるかもしれないが…自分で切ったほうがまだ手っ取り早いから。』
探す手間や余計なトラブルの懸念も考慮すると、最終的に下手でも何でも自分で、という結論になる。
彼女はとても楽しそうだ。それは嘘ではない事実で、大道具としての本領発揮なのかもしれない。
――だが。
『――いいや、舞台を整えて俺を役者に仕立て上げてくれるのはいいとして。
表を見せてくれる事を提案してくれたのは貴女だろう?なら、貴女も既に役者…演者だろう。
…そうだな、”気紛れで悪戯っぽい大道具係”という役柄の役者だ』
勘違いでも見当違いでも。貴女が提案してくれた事なのだから。
だから、彼女には悪いが――貴女にも役者として俺に表を見せて貰おう、と。
脚本、演出、舞台構築、衣装係、その他エトセトラ――…
なら、それも全部ひっくるめて舞台に上がればいい。いいや、上がって貰う。
■シャンティ > 「……ふふ、そ、れ、は……ひ、み、つぅ……」
表舞台……それは一つの誉れ。憧れていない、といえば嘘になる。けれど、自分がそこに出られると思うほどおこがましくもない。それになにより、引き際を弁えず劇が閉幕しても未だにこの世界にしがみついているようでは、その資格すらない。では、それなら――この気持ちは、なんだというのか。それはおそらく
「あら……お化粧、は……お好み、じゃ……ない、か、しらぁ……ふふ。なん、なら……オンナノコ、に……して、も……いい、の……だけ、れ、どぉ……?」
くすくすと今度こそからかうように笑う。ただ本当にそれを望むなら、そうすることも吝かではないが。事実、それもできないことではない。女形、などというものは昔からあるやり方なのだし
「……あらぁ……そ、う……? 困った、わ、ねぇ……私、は……その、資格、も……器、も……ない、の……だ、けれ、どぉ……」
役者だ、と言われて"スシーラ"は、困ったように笑う
「まあ……一時、だけ……真似事、なら……ね? で、もぉ……主役、は……あ、な、た……よ?」
■狭間在処 > 『…確か、女には秘密が付き物、と誰かが言っていた気もするし…まぁ、根掘り葉掘り尋ねるのは俺も趣味じゃない。』
だから、それ以上は尋ねはしない探りもしない。ただ、矢張り――。
(…この人は、どんな感情にせよ思いにせよ。きっと表舞台に思う事があるんだろう。)
それだけはきっと確かだと――そう、彼には思えた。
『………いや、それは流石に今回は遠慮する。そこは普通で頼みたい。』
若干の沈黙を挟んでから口の動きでそう答える。女性…女装か。興味が無い、といえば実は嘘になる。
別にそういう願望とか趣味ではなく、女子の格好をするとどんな感じなのか、という素直な疑問に近い。
『ああ、資格が無くても器が無くても、それはそれ、だ。主役が俺だというのもそれは勿論構わない。
――これど、真似事でも仮初めでも、舞台は舞台だ。そういうのがあっても別に悪くはないと思う。』
安易に上がれるものではないし上がるべきではない。素人の己ですらそこは何となく分かる事で。
それでも、虚構の舞台でも――役者の、演者の視点に近いものはきっとある筈。
だから、彼女の困ったような笑みに申し訳なさはあれど。
これは己の我儘みたいなもので、実際にそうなのだから。
『まぁ、そういう訳で――大道具の手腕に期待させて貰うさ、スシーラ。』
まぁ、それ以前に…まずはこちらを仕立てて貰わないと何も始まらないという事だが。
■シャンティ > 「ふふ……そう、ねえ……深堀り、しな、い……紳士、の……振る舞、い、は……悪い、こと、では、ない、わぁ……? これ、なら……作法、から……はじめ、なくて、も……よさ、そう……ね、ぇ?」
くすくすと笑う
「ま、あ……冗談、だ、けど……もし、女子、にぃtん…興味……あっ……たら……いって、くれた、ら……準備、は……する、わ、よぉ」
おそらくは本気であろう顔で言い足す
「そ、う、ね……な、ら……化けた、まま、で……この辺、歩く、のも……だか、らぁ……学生区に、ちかぁ、い……辺り、でぇ……場所、つくって……そこ、から……いき、ましょ、う? 貴方、に……心、辺り……あれ、ば……そこ、に。なけ、れば……私、の……知って、る……ところ、に」
役者云々はそれ以上触れず、それだけを言い添え。そして
「あと、は……ふふ。向こう、に……いった、ら……なに、したい、か……考え、て……おく、と……いい、わ、よお?」
愉快そうに付け足した
■狭間在処 > 『そもそも、俺は世間知らずだから紳士の振る舞い、というものすらよく分からないが。』
作法…正直さっぱりだ。こういうのは矢張り勉強したほうがいいものだろうか?
育ちと環境もあり、自身の知識や経験が偏りが過ぎるのは当然自覚している。
『…準備はするのか。まぁ、その時が来ればよろしく頼む。』
女子になった自分――まったく想像が付かないが。
軽く頭を振って気を取り直す。想像できないものに考えを巡らせてもしょうがない。
『俺が一度でも行った経験があるのは、あちら側だとせいぜい常世渋谷、といったか?あそこの一角の【黒街】辺りだが。』
それ以上は表側、陽光の当たる世界だ。裏育ちの怪異もどきが居ていい世界ではない。
今後、表の人間と関わる事もあるかもしれないが。彼なりの線引きというものが存在する。
だからこそ、特殊な条件とはいえ今回の彼女の提案は又と無いかもしれない機会なのだ。
『――だから、そちらに任せてばかりになるのは済まないが、スシーラの知ってる所にしよう。』
彼女が触れないならば、己もそれ以上役者と表舞台については口にはしない。
女に秘密は付き物。そしてその思いや秘めたものを安易に土足で踏み荒らすべきものではない。
それが紳士的、なのだろうが生憎と彼はそういうのはよく分かってはいなかった。
『――やりたい事、か。特には思いつか……あぁ。いや。あちらの食事は興味がある。特に甘味…生まれてこの方、甘い物を一度も食べた経験が無い。』
そうだ、一人で先程思いを巡らせていた時にも考えていた事だ。
食事――特に甘味を食してみたい。ありきたりかもしれないが、彼にとっては大事なこと。
■シャンティ > 「あらぁ……常世渋谷、まで……いった、なら……あと、一歩……なの、にぃ……勿体、ない……わ、ねぇ……? ふふ。まあ、いい、わぁ……」
Le Fantôme de l'Opéraしかり……闇に住まうものは光にこそ惹かれる。ときにそれは誘蛾灯に惹かれた虫のように身を滅ぼすことになったとしても
「光、あれ……ば、影、が……あり……影、が……あれ、ば……光、が、ある……ふふ。どちら、も……互い、が……欠かせ、ない……」
気怠げに、謳うように、口にする
「甘い、もの……ね、ぇ……ふふ。素敵、ねぇ……そう、いう……想い、は……ふふ。嗚呼、本当に……素敵、だ、わぁ……」
最近、頓に欲が薄れている気がする。だから、純粋とも言えるその想いはどこか眩しいものが在った
「さ……いき、ま、しょう……? 光、かがや、く……世界、へ……イカロス、の……よう、に……墜ちる、のか……それ、とも……ふふ。野獣、の……よう、に……報わ、れる、のか……全て、は……貴方、次第……」
くすくすと笑いながら先に立って歩き始める
■狭間在処 > 『――俺なりのつまらない線引きだ。安易に俺みたいなのが表側に足を運ぶべきじゃあない…と。』
確かに惹かれるものはあるけれど。だからこそ同時に戒める気持ちも強い訳で。
それでも、今回の彼女の提案に乗ったのは、矢張り気になったからなのだろうか。
『光が輝くほど、影はその分濃くなるし――影が濃くなるほど、光はより眩しく輝くものだから。』
そして、自分は影の住人だから。焦がれても思いを馳せても、安易に光の側に出るべきではない。
――それでも、見たいと思うのは…あぁ、きっと。まだ人間の部分が残っているから。
『…子供っぽいかもしれないが。何せ口にした事が無いからな…食事というのは数少ない楽しみだから。』
趣味も、これといった打ち込めるものも…少なくとも、人に気軽に話せるものはないから。
だからこそ、当たり前で取るに足らない事でも彼にとっては――新鮮なのだから。
『――天を目指して堕ちていく蝋の翼のようにはなりたくないものだが。』
蝋翼(イカロス)にはなれないし、なるべきではない――それでも焦がれ、目指すから【人】なのだろうけど。
――そして、彼は彼女に続いて歩き出す。【大道具】の力を借りて、【沈黙】は束の間、光の側へと…。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からシャンティさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から狭間在処さんが去りました。