2021/04/04 のログ
ご案内:「違反組織群」に『虚無』さんが現れました。
『虚無』 >  
 電灯がチカチカと明滅を繰り返す廃病院を歩いていく。すでに崩壊した施設の後。犯人は自分ではない。
 抗争の跡地というべきか、すでに戦いを終えたであろうその現場に足を運ぶ。
 風紀委員が介入せず、個人単位を狙った暗殺でもない限りこういう現場には証拠物が多く残っている。壊滅させられた組織はもちろん攻撃を仕掛けた側も含めてだ。

「やってることはハゲワシとかわらんな」

 情報収集が主である自分たちにとってもこういう戦闘の跡地というのはとてもおいしい餌場だ。どの組織とどの組織がどの程度の戦力でぶつかったのか。それは大まかな指針となる。
 もしそこで危険な兵器が使われた痕跡が見つかれば自分たちが動き始末する必要がある。

『虚無』 >  
「……本隊同士のぶつかり合いといった感じではないな」

 見たところ能力者や武器の質が低い。武器に関してもコピー品や旧世代の量産品ばかり。
 能力者に関しても戦闘向きではあっても絶大な力といった様子には見えない。
 これが本隊同士のぶつかり合いなら武器であってももっと質の良い武器が多くあるだろうし、能力者が正面からの銃弾で死んでいるなどということも少ない。戦闘向きの能力者を正面から銃で仕留めるなどそう簡単な事ではないからだ。

「ある意味当たりだな」

 これでどちらかが滅んでいるという現場なら50%は無駄ということになるが、どちらも生き残っているなら双方の情報が集まる。つまりは当たりだ。

『虚無』 >  
 と歩いていると視覚外から乾いた破裂音。

「接近には気が付いていたよ」

 相手は腕のいいガンナーなんだろう、その銃弾は的確に自身の後頭部、その中心を狙っていた。命中していれば確実に命を奪っていただろう。だがその銃弾は自身には届かなかった。ビリビリとした紫電、金属を強く叩いたような甲高い音。それらによって銃弾はどこかへとそれていったから。

「不思議だな、似たようなシチュエーションだというのに……お前相手なら躊躇なくやれる。同じ臭いがするからかもしれないな?」

 その女からは同じ臭いがした。腐った血の臭い。自身と同じ……殺し屋の臭い。目的は大方ここの後始末を任されたといった所だろう。
 心が痛まない、ということはない。殺すという行為に嫌悪感はある。だが目の前のそいつは殺さなければならない対象だ。
 軽くこぶしを握り締める。

「荷物を改めればバッジのひとつくらいは出てくるだろう」

 女が2射3射と速射するが、それらはかすりもしない。銃口の位置だけ見れば回避は容易だ。
  
 
 
 その後情報を得た男は現場を後にする。調査結果は……白。いや悪党には変わりないので白というのは少し変かもしれないが。少なくとも自分たちが動く案件ではない。
 ただの組織同士の抗争。この町の日常だ。
 

ご案内:「違反組織群」から『虚無』さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に『虚無』さんが現れました。
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