2021/05/30 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
日本本土とは気候も地理も異なる常世島ではあるが、それでも梅雨という時期は訪れる……という訳でも無いらしい。
祭祀局によると常世島周辺に存在する精霊・神霊類の影響…らしいが、此方としては、少し仕事がやりにくいな程度のものでしかない。

己の異能は、天候や地形によって火力が変動するものでもない。
古代の火縄銃では無いのだし、まして砲台も砲弾も、異能によって何処からともなく現れるモノ。
故に――降りしきる雨の中でも、砲火が途切れる事は無い。

「……何方かと言えば、雨が厄介なのは連中の方なのかな。
一概にどうとは言い切れぬが…」

廃工場で、朧車のデータを元に装甲列車を制作していた違反部活。
規模も装備もそこそこの違反部活ではあったのだが、逆に言えばそれだけ。
軍事施設の様に、精密なレーダーや防衛体制を整えている訳でも無い。
勿論、異能や魔術、電子機器などによる警戒態勢は敷かれていたが――アウトレンジから砲撃してしまえば、脆いものだった。

「……突入は私の砲撃が終えてから、だ。
それまでは包囲を継続し、脱出する敵を刈り取れ。
…降伏は受け入れても構わんが、逃走する敵を無理に捕縛する必要は無い。
どうせ、得られる情報もたかが知れている」

そんな違反拠点から少し離れたビルの屋上。
周囲の廃ビルの屋上にも無数の異形を召喚し、砲撃を行わせながら双眼鏡で戦況を見守っていた。
降りしきる雨は、大楯の異形が盾を傘代わりにして防いでいる。
快適とは言い難いが、取り敢えず濡れてはいない。

神代理央 >  
包囲させている特務広報部の部下達からは、今のところ異常を知らせる連絡は来ていない。
まあ、装甲列車も作り掛け。売却先の違反部活には見放されたらしい。
折角こつこつ規模を大きくしてきただろうに…と、遠くに見える爆炎を前に薄い笑み。

「とはいえ、問題を起こさずに勢力を拡大させる。或いは武装を充実させるというのは面倒ではある。
諜報部の様な組織が欲しい所ではあるが、公安に尻尾を振るのも好かぬしな…」

敵の抵抗は弱まりつつある。
雨脚は、強まりつつある。
降りしきる雨の中で、取り出した煙草に火を付けて。
雨に掻き消されていく紫煙を眺めながら、ポツリと独り言。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」にラヴェータさんが現れました。
ラヴェータ > 「ここに便利な諜報員がいるではないか。私の"能力"を忘れたか?」

無責任かつ適当な事を言いながら異形の影より姿を現したのは普段の軍服姿とは違い黒いレインコートに全身を包んだ少女。
少年も見慣れた、どころか見飽きたであろう少女のツッコミどころ満載の問いかけとその揶揄いの微笑を浮かべながら異形に背を預ける
...が、水滴と油が絶妙に混ざり合ったぬめりけやその他諸々の不快感がレインコート越しに伝わったのか、レインコートの上からでもわかる身震いと共に異形から距離を置く。

「...久々に貴様の戦場を見に来たが...こんな時期にまでこんな場所で任務とは、貴様も災難だな」

レインコートの背面を気にしながら、心底共感できるとでも言わんばかりの不快感丸出しの声音でそう述べて。
彼の前にはたびたび顔は出していたが、こうして戦地に赴いたのは久々で。
しかし、よっぽど異形に預けた背が気色悪いのか、来なければよかったかもしれない、レインコートを着ていたのが不幸中の幸いだなどと思っており。

神代理央 >  
「……忘れてはいないが、貴様は別に私の部下でも無ければ、そういった部署に所属している訳でも無い。
貴様に何かあれば、責任を問われるのは私なんだからな」

と、聞き慣れた軽口が耳を打てば、呆れた様な視線を彼女に向けるのだろう。
異形に背を預け、身震いして遠ざかった姿には思わず含み笑いを零してしまうのだが。

「雨が降ろうが雪が降ろうが、風紀委員の仕事は変わらぬでな。
寧ろ、こういう天候だから仕事が捗る事もある。
そう考えれば、雨も悪くは無いよ」

と、異形の盾で造られた雨避けの下でぷかり、と煙草を燻らせる。
甘ったるい紫煙も、今日は雨垂れに掻き消されてしまうだろうか。

「…しかしお前こそ。雨に濡れるのが好き、という訳でもあるまい。
大人しく本庁にいるなり、何なら私の執務室にでも居れば良かったものを」

と、不快感を隠そうともしない少女に、不思議そうに首を傾げてみせるのだろう。

ラヴェータ > 「相も変わらんな貴様は。私になにかあるとでの思っているのか?それとも私がそんなに大事か?」

軽口に正論を。正論に軽口を。
厭らしい笑みを浮かべて屈み気味な姿勢で少年を見上げる。
中高生の恋愛を揶揄うようなうざったいものとでも称そうか。

「私をそこいらのケモノと一緒にするな。
この装いは気分的な問題であって別に濡れるのが嫌いなどとそんなことはないぞ?
だがまあ...雨、というより悪天候は好かんな、どうにも影が薄い」

きっとまさかそんな。濡れるのが嫌などとそんなことはない。
身震いしている姿を笑われればわずかにムッとした表情を見せて。
この背中を擦り付けてやろうかなどと恐ろしいことを考えるも流石にやめたようで背面を少年の方に向けようとしてやめるにとどめ。

「それにだな、理央。この時期は下手に室内にいる方が私は好かん。
空調があるところならまだしも、そうでないなら...アレのマシな感じだ」

目を細めながら大楯の異形を指さして。

神代理央 >  
「責任問題の所在を明確に危惧しているだけだ。
貴様こそ、私がそんなに情の厚い人間であるように思っているのかね?」

フン、と高慢な仕草と共に此方を見上げる少女に吐息を零す。
すぅ、と伸ばされた手はぽんぽん、と少女の頭を撫でようとするだろうか。
尤もそれは、労いや慈愛というよりも。監査役である己の立場を示す様なものであるかもしれないが。

「ああ、成程。確かに陽光が弱まれば貴様の能力も…というのはまあ、理解出来るが。
…しかしそれでも。随分と気合を入れて雨に対策しているじゃないか。
まあ、かのラヴェータ=ワーフェンダー=クリークラークが、よもや濡れるのが嫌だなどと…そんな訳がないと、勿論信じているがね?」

ムッとした表情の儘背中を向けた少女。
そんな態度に、少しだけ苦笑いを零しつつ返す軽口。
まあ、これくらいの憎まれ口の応酬は慣れたものだ。
もう少し素直になっても良いんじゃないか、と少女の背中を眺めながら思わなくも無いのだが。

「…ふむ。まあ、言わんとすることは分かる。
しかし、本庁や私の執務室は空調も効いているだろうに。
よもや、こんな天気だから物寂しくなって、私の元迄来た訳ではあるまいな?」

まあ、それでも。
つい少女を揶揄う様な言葉が続いてしまうのは。
付き合いの長さ故、だろうか。

ラヴェータ > 「なに、言ってみただけさ
貴様にそのような人の情があるとはこれっぽっちも思っていないさ」

屈んで見上げる状況から一転、フンとのけぞり見下すように姿勢を変える。
これだけで少年の手は少女の頭には届かない。
正確には届くが、ほとんど背丈が同じ二人の間でそこまでして届かせた手が首輪付きに自身の立場を示すようなものになるかと問われれば、なる訳もない。

「ああ信じてくれればいいさ。私は断じて雨など、濡れることなど気にしておらん。
貴様こそこやつに傘替わりなどさせて、濡れるのが嫌なのではないか?」

一度向けた背をまた後ろに向けて貴様こそと軽口を返す。
少年の思いも空しく、この少女にそのような希望はそうそう通じない。
ちなみに獣の姿ではこの時期絶対外に出たくないのだが、わざわざ言ってやる必要もない。

「傲慢なことを言うじゃないか理央、貴様らしい。
私はただ単にこんな雨の中駆り出される貴様を見守ってやろうと来たに過ぎんさ」

その結果が今の背中なわけだが。
それを再確認して自身の背をチラ見し、早いところどうにかしたいどうにかならんのかなどと考えており。
言葉の軽薄さとは裏腹に少女の表情は不満そうだ。

だいたい異形の油のせい。

神代理央 >  
「監査役に対して酷い言い様だな。少しは否定の言葉を続けてくれても良いと思うがね」

と、告げる言葉も特段気を悪くした様子は無い。
伸ばした手が届かない事も、ちょっとだけ苦笑して引っ込めるに留めるのだろう。
……ここで彼女が大人しく撫でられていたら、逆に困惑していたかもしれない。

「私は濡れるのは嫌だよ。これでも綺麗好きで通しているからな。
それに、人間は脆弱だからな。雨に打たれれば風邪だってひく。
無用なリスクを負わぬ様にしているだけさ」

あっさり認める事による軽口返し。
敵の攻撃を防ぐ為の巨大な盾が、今は唯の巨大な傘代わり。
立ち尽くす異形も、ちょっとだけ悲しそう。勿論、異形に意志など無いのだが。

「私は常に傲慢だよ。傲慢でいられるだけの力を持ち、傲慢でいる為の努力を怠らぬ様にしているからな。
……とはいえ、まあ。そうだな。監査対象が油まみれ、というのは監査役の沽券にも関わる。
私の上着を貸してやるから、そのレインコートは脱ぐと良い」

背中を気にしながら不満そうな様子の少女。
流石に可哀相に思ったのか、自分の上着を脱ぐと少女に差し出した。
役職に見合った威厳を示す為に、ロングコートの様に長く作られた特注の上着。
雨避けくらいには、役立つだろうかと。

ラヴェータ > 苦笑いする少年にしたいして勝ち誇ったような笑みを一瞬向けて反り返った状態を解く。

「要するに濡れたくないということだろう
それにそんなことを言うのなら私だって体調を崩すこともあるやも...しれんしな。服や毛並みが不要に汚れるのだって防ぐに越したことはないだろう」

ならばと、こちらこそとばかりにさも最もであるかのように胸を張っており。
まあ、確かにその通りではあるのだが、そうじゃない。

「ほほう、中々気が利くじゃないか。
ありがたく受け取ろうじゃないか」

少年がその上着を差し出せば、嬉々として背面が油にまみれたレインコートを脱ぎいつもの軍服...でははく上半身の軍服は着ておらず白いワイシャツのみで。
脱いだレインコートはひときわ濃い異形の足元の影の中へと投げ込み、上着を手に取ればそれを羽織って。
不満げなそれから一転、満足げな表情となった少女があらわになった耳を愉快げに動かす。
どれだけ嫌だったのやら。

神代理央 >  
「…つまり、濡れたくないんじゃないか。
そうならそうと、最初から言ってくれればいいのに」

勝ち誇った様な少女に向けるのは、やっぱり苦笑い。
しかし少女の言葉を否定したり、揶揄う事はない。
素直に言えばいいのに、と親愛の情から出る呆れの様な感情を見せるだろうか。

「洗わなくてもいいが、ちゃんと返せよ。特注の制服は発注してから此方に来るまで時間がかかるからな。
……というか…」

レインコートを放り投げた少女に視線を向ければ、その衣服に小さく溜息。

「若干気温も上がってきたとはいえ、少しばかり薄着が過ぎるんじゃないか。何時もの軍服はどうしたんだ。
レインコートを着ていたとはいえ、もう少しきちんとした身形をだな」

…と、満足げな少女にお説教。
彼女ならそういう事は無いとは思うが…まあ、雨に濡れれば衣服が透ける事もあるだろうし。
薄着の儘では、風邪を引く……引くんだろうか。彼女の種族は。

ラヴェータ > 「...そういうことにしておいてやろう」

苦笑いを向けられればバツの悪い苦笑を浮かべてそっと視線を逸らす。
少年から悪意が感じられないのが余計にたちが悪いが、悪い気はしないのだから...
この少女は素直にはなかなかなれないのだ。

「私が借りたまま返さないような輩みたいに言うではない
なんなら洗って返してやろう、クリーニングにでも出せば確実だろう?」

考え方次第ではあるが割と二度手間である。

「別に構わんだろう。レインコートさえあれば濡れて服が透けようが素肌が見えようがなんら問題はない。
あれ(軍服)を着たうえでレインコートはなかなかに蒸れてな、やってられんからな、少しぐらい大目に見てくれ
それともなんだ?私の素肌が透けているのを考えると気まずいか?」

そんな少年の説教を鼻で笑い両手でやれやれとして見せる少女。
少女の種族にも病気はあるが、濡れて風邪をひくなど...よっぽど弱ってもない限りなかなかないだろう。