2021/05/31 のログ
■神代理央 >
少女が視線を逸らせれば、此方もそれ以上追及する事はない。
御互い、軽口の引き際というのは弁えている。
気まずくなるほど追及するのは、此方も望むところではないのだし。
…ただ、ちょっとだけ。彼女に向ける笑みが、何だか微笑ましいものを見る様なものに変わるだけだ。
「一応な。報連相も兼ねて、言葉にして伝えておくのは大事だろう。
というか、クリーニングに態々出さなくても。流石に其処までは気にしないぞ」
意外と律義なところがあるんだな、なんて思いながら肩を竦めて。
「仮にも風紀の監査対象なのだから、余り風紀を乱す様な事をしてくれるなというだけだ。
蒸れるのは分からんでも無いが、それでもせめてあと一枚上着を着ておけ。
……貴様の素肌が透けようがどうしようが勝手だが。それを他の生徒に視られてくれるな、というだけだ」
はあ、と二度目の溜息を吐き出した。
まあ、特段強く注意することでもないし、自分が気にし過ぎているだけなのかもしれないが。
ちょっとだけ形勢不利かな、と思ったところで鳴り響く通信機。
助かった、とばかりに耳元に手を当てる。
「……ああ、私だ。………そうか。いや、もう少し抵抗があるかと思っていたが…まあ、良い。
護送の手配は任せる。間違えても、奪還なぞされてくれるなよ」
短く通信を終えると同時に、鳴り響いていた砲声が、止む。
少女になら直ぐに分かるだろう。少年の今日の仕事は終わり。
また一つ違反部活が消えて…少年は、今から自由時間。
■ラヴェータ > 少年の笑みと視線に困惑したような喜ばしいような。
複雑な感情の織り交ざった表情を浮かべる。
何度でも言うが少女はなかなか素直になれないのだ。
「む、そうか
なら代わりが用意出来次第何かしらの形で返すとしよう」
実をいうとクリーニングなんて出したことはないためクリーニングの出し方なんて一切知らない。
内心、小さなことではあるが表には僅かほども出ない程度であれど、胸をなでおろして。
「ふむ、そういわれると弱いな...善処するがあまり期待はしないでくれ。
ひとまず羽織っていない間は着るぐらいなら出来る、それでひとまずは十分だろう?」
見られなければいいのであれば、と。
レインコートにあの妙にごてごてした軍服は蒸れる。
脂ほどではないがそれ相応に不満な表情を浮かべ続けることになりかねない。
「ほう、制圧完了か?
もう少しかかるとばかり思っていたが、まあ短期で済んだならよいことだ
それになに、奪還されたとしてもいざとなれば私がいるぞ理央、安心しろ」
元戦場のプロの感覚は少年と同じものであったようで。
終息が早いことに感嘆する様子で。
私がいる、とはいえどこれは軽口の類。少年が少女にゴーサインを出す事態なんぞ早々起きるわけもないのだ。
■神代理央 >
素直になれないのは御互い様、である。
自分がそうだからこそ、少女の浮かべた表情には鈍感な己でも察しがつくというもの。
だからこそ、深くは問わないし、追及しない。
ぽんぽん、と頭ではなく肩を叩こうと手を伸ばすくらいだ。
「……返してくれればそれで構わないよ。私も、上着を貸しただけで其処まで善意を押し付けたつもりもない。
だから余り気にするな。私とお前の付き合いだろう」
其処まで気にされると、逆に此方が困ってしまう。
偉そうな口振りではあるが、少しだけ困った様に眉尻を下げて少女に視線を向ける。
だから、胸を撫でおろす少女の仕草にも気づかぬ儘。
「私なら兎も角。他の風紀委員に見られれば何と言われるか分からぬしな。
そうしてくれると助かる。薄手の物一枚で構わないからな」
不満そうな少女の気持ちも分からなくはないが、そこは風紀委員として正さなければならないところ。
雨の日の女子の制服が云々、と騒ぐ同級生の姿も随分と見て来たことだし。
「というよりも、どうやら白旗を上げたようだ。
包囲された儘あれだけ火力を投射されては、流石に持たなかったのだろう。
………頼りにはしているが、余り無茶をして欲しい訳でも無い。
大人しくしていてくれるだけで構わん。余計な事は考えるな」
軽口である、と分かってはいるのだが。
自分が居る、という少女の言葉には、少しだけ不機嫌な表情。
何で不機嫌になるのか、自分でも良く分からないのだが。
■ラヴェータ > 今度は肩に伸びる手ーたとえそれが頭だとしてもーにあらがうことはせず。
肩をたたかれたことに「ふん」と短く返してそっぽを向くがそこには悪意も不満も感じ取れない。
しいて言うなら照れ隠しの類なのだろうか。
「ああ、貴様がそういうなら普通に返すことにするさ
...なんだ、すまんな」
少年の困った様子にバツが悪い様子で後頭部に手を当てながら謝罪の言葉を向けて。
「まあ...なんだ...ありがとう、な」
と少年の方を向き直り改めて感謝を伝え。
「ふふ、私の衣服の風紀か。
なんだか妙な気分だな。血濡れの戦犯ともあろうものの衣服で風紀が乱れるというのも」
傍目にはただのワイシャツケモミミ少女なのだろうが、その中身は超危険人物、首輪付き、第一級監視対象。
見えるものが最終的にはすべてとはいえ、中々に愉快な光景だな、と笑っており。
「貴様がそういうのならそうするからそう不満そうな顔をするな。
軽いジョークだ
それともなんだ?そこまで私が大事か?」
少年も冗談だとわかっているのだろうが、改めて念を押す。
ついでに適当な軽口でも、と。
■神代理央 >
そっぽを向く少女に、小さく笑みを浮かべる。
こうしてみれば、一見普通の少女だ。
今迄の監査役も随分と適当な仕事をしてきたものだ、と思わなくもない。
「…だから別に謝る事じゃ…………
あ、いや、だからと言って、そこまで畏まって貰っても…むう」
謝るな、と言いかけるが…伝えられた感謝の言葉に、今度は此方が視線を逸らせてしまう。
むぐむぐ、と何か言おうとして――結局、諦めた。
「別にお前だけに限った話ではない。ただ、監査対象である以上はきちんとしておけ、というだけの話だ。
お前だって、衣服や見栄えだけで侮られるのは嫌だろう?」
まあ、風紀の乱れというのは結局下世話なものになりがちだ。
特に、若者の多い此の島では猶更。それはそれで、可愛らしいものではあるのだが。
とはいえ、流石にそれを伝える事はしない。一応、見た目は年頃の少女であることだし。
こほん、と咳払いを一つして、堅苦しい言葉で締め括ろうか。
「……私は別に、お前に危険な目にあって欲しい訳じゃない。
それだけだ。何か文句があるか」
しかし結局、もう一度視線をフイ、と逸らせてしまう。
文句があるか、と告げた表情を彼女に見せぬ儘。
彼女から逸らされた少年の顔は、降りしきる雨と、遠くの戦火を見つめているばかり。
■ラヴェータ > 少年が何も言えなくなる様子に、お互い様という意味を込めて肩をすくめて見せて。
「それもそうだな
要らぬ侮りを受けるのは本意ではないな
おとなしく監査役である貴様に従っておこう」
侮られたからどうってことはないのだが、いい気分ではないし妙な事に巻き込まれる堕の辺に視線を集めるのも望ましくはない。
少年の言葉を素直...ではないが受け止めた様子で。
「ふん。貴様も素直じゃないな、理央」
何処の戦火ばかり見つめる少年にフッと苦笑いしし、やれやれとでもいった様子で。
お互い素直になれば...また違ったやり取りや二人の様子が見れるのだろうか、などと生越考えたが、これが良いのだ。
■神代理央 >
「……御互い様だ」
漸く少女に視線を戻せば、浮かべているのは同じ表情。微かな苦笑い。
素直じゃないな、という言葉に返すのは短い言葉。
妙に意地を張っても仕方がない。素直じゃ無いのは、認めざるを得ないのだし。
「……そろそろ降伏した連中の護送準備も完了しただろう。
私は一度本庁に戻るが…一緒に帰るか?」
少女の能力を考えれば、別に車で一緒に帰る必要も無い。
それに、自由気儘な少女を堅苦しい本庁に…というのも、どうなんだろうと。
小さく首を傾げて、彼女がどうするのか返事を待つのだろうか。
■ラヴェータ > 「ああ、そうだ。お互い様だな」
少年のが返す苦笑いにふふっと笑って見せる。
他意無き、純粋な笑みとでも言おうか。
「ああ、せっかくだしついていかせてもらおう。
いつまでもこんなところにいてもじめじめするだけだ」
なんだかんだ外は、濡れるのは
...嫌だから。
少年に一緒に帰るかと呼びかけられれば、当然喜んでついていくだろう。
そして空調の効いた部屋でのんびりするのだろう。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からラヴェータさんが去りました。
■神代理央 >
「違いない。この間、美味しいココアを仕入れたんだ。
帰ったら、一息入れようか」
と、此方の言葉に応えた少女に笑みを浮かべて。
二人はのんびりと本庁へと戻る事になる。
後に、後始末を続けていた特務広報部の隊員は
『部長の機嫌が良いなら何でもいい』
と、ちょっと投げやりなコメントを出したのだとか。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から神代理央さんが去りました。