2021/08/01 のログ
サティヤ > 「……どうしますか?」

所詮傭兵、とはいえ雇われた身であり後ろ盾を持たぬ身。
信頼を失ったり、敵を不用意に作るのは避けるべき身。
傭兵であることを正面の敵にも明かした以上、ここで最も執るべきでない手は依頼主を裏切る行為だ。
依頼主の組織は少数精鋭だと、今中で防御魔法を使っているであろう者から聞いている。
であれば、今冷静に判断が出来ている隣の男にも多少の決定権はあるだろう。
であれば、今従うべきはこの男の判断である。
男の方へと視線をやれば、男の表情は苦々しいものから変わった様子はないが、思考停止している様子もなく……

乱暴な男 > 『……投降するッ……ポケットとズボンの裾に手榴弾と火薬が仕込んである。
裾にもいくつかナイフが仕込んである……』

サティヤ > 「すまねえ」と、自分にギリギリ聞こえるぐらいの声量で男がつぶやく。
男の表情は深刻そうで、歯を強くかみしめていた。

「自分も投降します。
彼の武装を解除してから連れて行ってあげてください。彼の組織の代表を説得してくれると思います」

愚かだ、そう思いながら男に続き投降を宣言した。

男を内部へと連れて行けば、依頼主の組織は問題なく説得してくれるはずだ。
……取引相手はその限りではないが。
取引相手も詳しくは知らないが攻撃系統を扱い武器の扱いにも長けた者を連れてきていると聞く。

羅刹 > 投降する、という言葉を聞けば
男の言葉通りにその衣服を漁り、武装解除
そして、女の言う通りに…あるいは女が嘘を吐いていたとしても盾となるように
男は武装集団に連れられてビルの中へと入っていく

同時に、激しい音が響き始める
そして、今度はしっかりと見ることができるだろう
遠方から、何かの異能か…瓦礫や爆弾が凄まじい勢いで飛来して
この部隊に配属された、異能者の攻撃だ

女の聞いた通り、雇った者は説得されたが…中の『取引相手』は抵抗し、戦闘となっているようだ
その影響か女の周りの武装集団はかなり減り
後ろから銃口を向けているのが2人、リーダー各が1人となっている

『で、どうする。未練があるなら終わるまでここに居てもいいが・・・
時間を無駄にしたくないなら、雇用の交渉に入ってもいいぞ』

それは、勝利を確信している言葉
組織の規模が大きいため、もし予想外の抵抗に会うようなら更に戦力が送られてくるからだ
未だ警戒はしているものの、物分かりのいい相手だと思っているのか、リーダー格は軽い口調で問うていく

サティヤ > 「ひとまず立ってもいいですか?膝が痛いので」

この身が持つ力故か、昔から魔法の余波などには敏感な傾向にある。
建物の中で取引相手の隣にいたあちらの護衛の顔を思い出し、これほどの抵抗が出来る者であったことに軽い驚きを感じるが、それと同時にさっきまで隣にいた男と比べて考えなしで愚かだな、など思っており。
建物内の、というより依頼主が無事であるか考えている。
依頼主が死んでしまっては報酬など貰えるわけがない。
まあ結果的に護衛は失敗したわけだが……
仮面ごしであることもあり、表情はあちらには見えていないだろうし、見えていたとしても大したものは読み取れないであろう。


「未練はありませんが傭兵や依頼、仕事には興味があります。
交渉、と言っていいのかはわかりませんが是非、お願いします。」

こちらは依頼内容的には敗北であるが、五体満足で生きているだけ勝利である。
正面の代表らしき男の態度にこれ以上自分が介入する必要がない可能性が高いと安心を覚えつつ、交渉を始めようとするだろう。

羅刹 > できるだけ殺しはしない方針だが
抵抗があれば、当然けが人、死人が出る可能性もある
ただ、物量と…超遠距離からの異能に対応できなければ、趨勢は揺るがないだろう

『ああ。部下を付ける。そのまま移動して構わない
おい、ポイントは覚えてるな。そこまで連れていけ』

仮面を付けてはいるが、利口な相手のようだと判断すれば、リーダー格の男は部下に指示を出す

例え、これが女の策略で…内部に潜り込もうとしている可能性もある
しかしボスが言うには、そういう相手こそ好ましい
突然の襲撃で、大人しく自分の身を差し出しながら潜り込もうとする度胸があるのならそれはそれでいいということだ

リーダー格の男は残らざるを得ない
そしてこの場で交渉を始めれば争いに邪魔される
となれば、移動は必然であろう
女が抵抗しなければそのまま、2人の部下が女に立ち上がるように促し
少し歩いた廃屋へと案内していく
そこは、廃屋に見えるが…組織の中継所となる場所
面白い者が居れば連れてくるようにと言われている場所だ

そこに着けば、部下が通信端末を起動し
とある人物へ、通信を繋げて女へ見せる
声のみではあるが、直接更なる上司に繋げる

『よぉ、利口な傭兵ってのはお前か』

戦闘要員とは違う声
男であることは確実だが、より威圧的に、重みを感じさせる声だ

『仕事に興味があるんだってな。命令に従うなら、しょぼい組織よりは金を出してやる
・・・お前にできることを教えな』

そんな声が、女にかけられるだろう

サティヤ > 「ありがとうございます」

立ち上がり、促されるまま連れられるまま着いていく。
特に武器を取り出す様子や手を相手の視界の外にもっていくような動作はせず、ただ道順だけは覚えておこうと風景だけは見ておく。
にしてもずいぶんとあっさりと連れて行ってもらえた。
仮面はともかく、つい先ほど銃口を突き付けたばかりの見ず知らずの傭兵を連れてくるとは。
こちらに敵対の意思がないことを確実に読み取れる異能か自信があるか、それとも何も考えていないか、そういう指示を受けているか。
代表らしき男があの場に残った以上、指示を受けているのだろうが、まあなんでもいい。

部下らしき者二人に連れられた場所で繋がれた通信端末ごしに知らない声が聞こえた。

「自分は愚かなので利口でありませんがこの場にいる傭兵は自分だけなので、そうです。」

利口な傭兵。本気でそう言っているとは考え難いがわずかに不機嫌を示す。

「自分は大抵の事は出来ます。
過去長く旅をしていたのですが運び屋や諜報員、暗殺者に傭兵などを経験しております
それと大抵の武器などは扱えます」

異能については語らない。
大して武器になるような異能でもないが、それ以上に開示したくないからだ。
魔法や異能に対しての強力な防衛手段であるあれを容易に開示したくはない。

羅刹 > 覚えられたとしても、特に問題は無い
このような拠点はいくつも散りばめられているし
例え情報を流されたとしても、余程綿密に追うか、あるいは捜査系の異能でもない限り蜥蜴の穴蔵にたどり着くのは容易ではないだろう

そして、人数が減ったからとそこで反撃でもすれば
蜥蜴の頭が持つ異能は、幹部と繋がっている
女の・・・仮面を付けているとはいえ容姿や体格などは確実に伝えられる
そういった背景があるからこそ、ある意味雑に…女は交渉を始めることができるだろう

『はは。ここまで大人しくしている時点である程度状況を察せる頭はあるだろう
・・・そうかっかするな』

声としては、青年と言うよりは大人の低い声だ
相手の言葉の抑揚と言葉選びから不機嫌を感じ取り、また軽い口調で返して

『さて、仕事の話だが
もちろん、経験があるのは歓迎だ
だが、言葉だけじゃなく…それはまず証明してもらわなきゃならねえ
簡単な運び屋から諜報、そこから先は働き次第だが・・・
それでも、―――――。この程度は出す』

告げられた金額は、経験があるということを加味して色を付けておいた金額
態度と対応からこの程度は保証できるだろうという金額だ
異能について明かさないことは言及しない。むしろ、ここでぺらぺらと喋るようなら報酬は減額していたところだ

『ああ、先に言っておくと、不審に思うのも無理はねえ。
だが、今うちはかなりばたばたしててな。一から育てるよりこうして見込みがありそうなのを引き抜いた方が速いっつーわけだ
だから、報酬にも色が付く。当然だろう?』

どうだ、と聞く声
2人の武装者は警戒しているものの銃をもう向けてはいない
たとえ断ったとしても、すぐに攻撃される様子はないだろう

サティヤ > 「……すみません」

わかっていても、つい不機嫌を曝け出してしまうのは自分にとって良くないところだ。
小さく頭を振って自身を戒め、落ち着こうとする。

「……自分は現状どこかの組織に身を置こうとは思っておりません。
旅をしていた頃の名残、というわけではないですが自由な方が融通が効くので」

落ち着いた頭で声が告げた言葉や額をかみ砕く。
それで、声が自分にどのように仕事を与えるつもりなのかが気になった。

「ですので、あなたの組織に加わることを前提としてしかこの話が成立しないのであれば、この話は破綻することになります。
もちろん、仕事を受ける以上あなたの組織に危害を加えるような依頼は受けない、情報を漏洩しないなどといったものは条件として受け入れます。
その為の交渉の場として今があると思っています」

あの額を逃してしまうのは非常にそう、本当に非常に勿体なく感じるが、それでも自分が”ここ”に身を置く以上、特定の組織に属するのは避けたい。
金額分働く存在としてのスタンスで活動している以上、そこは譲れない。

羅刹 > 謝罪に対しては…構わねえよ、と言った後、説明をし
女の返答を聞けば、男の声は特に変化が無い

『ああ、そういう信条だったか』

特に怒ることもなく、そう返答して

『それで構わねえ
引き抜くとは言ったが…無理に所属…
そうだな、そこのそいつらみたいになれとは言わない
何なら、お前より自由な条件で俺らに協力してる奴もいるくらいだ』

やれやれだ、とあきれるような声だがそこに敵意も嘘も無い
それが、当然のこととして受け入れているような声だ
そいつら、というのは当然、女の周りに居る武装員のことである

『言い直すか。…俺は、依頼をしてお前を試す
それに応えていけば、俺はお前の能力を認め、お前の意思を聞きながら・・・より高額の依頼もしよう
もちろん、その場合お前に詳しい情報は渡さないが・・・逆にお前を縛ることもねえ
お前が言った条件通り、俺らにとって不利益なことじゃなきゃ、他の組織を手伝っても構わねえ』

この提案は、女にとってどう聞こえるか
信頼しすぎと取られるかもしれないが・・・情報を渡す気がない以上、リスクが薄い
金払いで判断するのなら、逆に言えば金を払えばある程度は動いてくれるということ
それを見越したうえでの言葉である

『さて、どうするんだ?俺から出せる条件は伝えたがな
仮にも、依頼主と依頼を受ける側になるんだ。質問は受けるぜ』

サティヤ > 「わかりました。そこさえ聞いていただけるなら……そうですね
依頼都度に報酬とリスクが釣り合わない感じたら……というよりはそうですね。
リスクが報酬を上回るような依頼は断らせていただくと思いますが問題ありませんか?」

これでこの組織が何かしたとしても、自分へと明確に責任の所在などが問われることはない。
報酬分働く何でも屋であることはある程度周知が進みつつある。
実際、過去の依頼主の殺害依頼だって請け負うのだ。

「それと、これはこの場へと案内された時点でするつもりだったのですが。」

仮面はあくまでも身分を偽るためのもの。
薬物の取引現場の警備。風紀などの目も考えられる依頼であったためつけていたに他ならない。
仮面を外して金色の瞳を晒す。

「自分はサティヤといいます。探し物から護衛に運び屋、はては暗殺まで報酬次第で請け負います。
今後ともよろしくお願いします。」

通信機越しであるため顔も見えないだろうが、挨拶を述べお辞儀をした。

「そちらの名前も……そうですね、せめて組織の名前ぐらいは聞かせていただけませんか?」

羅刹 > 『ああ。そん時は他の伝手を使うだけだ
俺の考えるリスクと、お前の考えるリスクが違うのは当然だからな』

あくまで、女は手段の1つであると告げる
傭兵としては、正しい使い方か
頼りすぎず、さりとて無駄に使うわけでもない塩梅に調整することを告げて

当然、女が仮面を外してもボスらしき人物には伝わらないが
自己紹介を受ければ、少しの間の後

『サティヤ、か。…わかった
なら、出来る範囲で働いてもらおう。捨てアカでも構わねえから連絡先をそいつらに伝えておけ
こちらから依頼があり次第連絡する』

一先ず相手の名前を復唱し
連絡先を共有するように伝える
それから

『俺の名前はまだ明かせねえ
だが、知らないうちに邪魔されるのもお互いにとって不本意だろう。…組織名は伝えておく
お前が関わるのは、『蟻』と『蛇』、『蜘蛛』だ
一先ず、この名前が出たら余程じゃねえ限り他の組織から依頼を受けるのは薦めねえ』

3つの名前を告げ、忠告をしておく
女に、知らないと言い訳をさせないよう、きっちりとそこは伝えておこう

『以上だ。特に何もなければねぐらに帰って構わねえ
うまくいってれば、元の依頼人からも報酬が入るだろうよ』

無傷とはいかないだろうが、加減は出来るだけするように伝えてある
『説得』が成功すれば、新たな協力者への手付金代わりか…潰れる可能性が高かったであろう報酬も支払われることだろう

サティヤ > 「蟻、蛇、蜘蛛の三つですね。わかりました。
覚えておきます。
それと……捨て……赤とはなんでしょうか?
連絡手段となるような道具も特に持っておりません」

襲撃を受けた時からなんとなくわかってはいたがそれなりに大きい組織のようで。
ともなればその頭の名前は信頼0の相手に告げるには厳しいのは当然か、と。
先ほど告げられた三つの名も、おそらく実際に行動に出ている下部組織の名前で総括する組織は別にあるのだろう、と推測する。
まあ組織名だけは聞いておく必要があったからそれだけ聞ければ充分である。
にしても捨て……赤だかなんだか知らないが知らない言葉だ。
連絡先も持っていない。どうしたものか。

「なるほど……ありがとうございます」

報酬次第で~などと言っているが、情が無い訳ではない。
少数精鋭で、さらに親しい間柄に見えた彼らが死んでしまうのは……と思っていたこともあり、無意識に感謝を口にしていた。
それに、報酬が入るのは美味しい。

羅刹 > 『……………嫌に義理硬そうなヤツだとは思ったが…。
異世界人か?サティヤ』

少し、驚いたような声
ここまで特に詰まらずに話ができていたからこそ、意外そうな声だ
この声の主も、それなりに人間らしくはあるようだ

一先ず、元の依頼の事はなるようになるとして
連絡先は確立しないと滞りがある
しかし、名前を告げない理由と同様に、ボスの能力を使用するわけにもいかない

『…予備の傍受妨害入ってる端末あったろ
あれを貸して簡単に使い方教えてやれ』

ただ、仕事に連絡は必要不可欠だ
手紙や人伝手では迅速性に欠ける、というのがボスの考えであり
そのため…武装員から女に少し旧式の…長方形の連絡端末を手渡す
そして、その内の一人が説明を始める

『難しい事はわからんだろうから簡単に
これを持っていて、これが震えたら、この出っ張ってるところを押して耳に当てろ
それで、指示する奴の声が聞こえてくる。
依頼を受け終わったらこちらから連絡を切るから、そのまま懐にしまえばいい』

極力、説明を省略してわかりやすいように
覆面を付けた部隊員が使い方を説明しよう

サティヤ > 「はい。自分は異世界人、もしくは異邦人と呼ばれる異世界出身の住民です。
……ああ、言語は旅をしているうちに慣れました。150程度の言語を話せます。
先ほどの道具や武器の扱いにつても同様です。」

驚いた様子の声にああ、と軽く説明する。
200年旅しても行けなかった国が数えきれない程あり、国の名前すら知らない部分も広い。
そんな世界を長く旅しているうちに、どんな言語でもすぐにしゃべれるようになった。

「ありがとうございます。ああなるほど、これは……
なるほど……」

端末を受け取り、説明を受けながら勝手に始める。
すると、部隊員が説明が始まったその直後に……

「ああ、なるほど。似たようなものを触ったことがあります……これでこちらから連絡できますよね?」

こちらから他端末に連絡するための操作を部隊員に見せてみせた。

羅刹 > 『なるほどな。
…どうやら、知識はあるみてぇだ』

『それで問題ない。かけられても出れないことが多いだろう
だが、通話は監視しているからな。下手な真似はするなよ』

ボスと、部隊員からのそれぞれの言葉
習得が早いなら、特に続けて言うことも無い
世間話などには付き合えないだろうが、かけることも一応は可能な端末である
また、外部への通信も可能ではあるが…電話は全て記録が残り、消せないようになっている
これも、組織の機密のためだ

『…それなら、通訳の依頼もするかもしれねえ
今迄、言語のやり取りでつまずくこともあったからな
ああ後もう1つ』

続けて、ボスの言葉
依頼の内容を考えるつぶやきだが、思わぬ収穫から漏れた言葉である
そして依頼の種類と言えば、一応は伝えておくことがある

『危険なことが嫌になったら言え。女なら女として使う手段もあるからな
ここに暮らしてるなら、知ってるだろうが』

危険な依頼の他にも
安全ではあるがその身を使う仕事もあると伝えて

『質問は無いか。後でも構わんが、聞きたいことは聞いておけよ』

サティヤ > 「わかりました。基本的には震えたら取り出すだけにしておきます。」

何年目だったか。旅の過程で両手両足の指でも数えきれない回数こういったものがある国には訪れた。
最後に手にしたのは何十年前か、それとも何百年前か。

「一応そういった仕事をした経験はありますが……
あまりいい評価を貰えたことはありませんでした。」

あまりいい思い出ではない。
抵抗もない訳ではないが、染まった愚かさとして、選択肢として確かにある。

「通訳は少し時間がかかる、とだけ覚えておいていただければ。
こちらの世界の言語の話しでしたら文献などありましたら勉強しておきます」

「他には特に何もありません。今後ともよろしくお願いします。」

羅刹 > 『それがいい
余計な事をしないのが一番だ』

傭兵ならな、と部隊員が言い
端末の1つを完全に渡してから
次はボスが言葉をかける

『わかった。通訳ン時は期間に余裕を取って資料を渡す』

落第街と言えど、データや書物を手に入れることにあまり苦労はしない
金さえあれば、大抵の事は何とかなるからだ

『ああ。良く働いてくれることを期待する』

最後にそう言って、ボスとの通信は切れる
後は部隊員と女が残され

『よし、なら解散だ
美人が協力者になって嬉しいぜ』

仮面を外した女にそう言って
何事も無ければそのまま、部隊員は現場に戻り
女には自由な時間が戻ってくるだろう

仕事は、少し間を空けて依頼がある
まずは、荷物を短距離届けるところから
そこから、荷物の質や移動距離が延びていき
働きによっては更に…通訳や、危険物の運搬が主に任されることになるだろう
トラブルがあれば、組織の人間に接触するか、端末を使えば報告が可能だ

新たな指先を得た組織は、女が働く限り報酬を約束することもまた、間違いはない

サティヤ > 「そうします」

部隊員と声に相槌を打つ。

「ありがとうございます。それなら問題ないと思います」

資料と時間さえあれば問題はない。
三日あれば余裕がある、ぐらいだろうか。

「ありがとうございます。あなた方もよろしくおねがいします。」

現場に戻っていく部隊員に一礼し、その背中を見送れば、一応仮面をつけなおし、その場を後にする。

「とてもおいしい依頼でした。もともとの報酬に加えて安定した仕事の供給の約束……
イレギュラーな結末ではありますが、受けて正解でした」

その日暮らしとまではいかないが、余裕があるとは言えない生活をしていた身にとって、
とても素晴らしい依頼であった。
心なしか声も晴れやかな気がする。

少し心配があるとすれば、これほどの組織ともなると……
風紀と正面衝突する可能性がある。
なんとも愚かな話ではあるが、天秤の傾きは先ほどの通信機ごしの会話通りである。
それでも、覚悟は決めておこう。少しでも愚かでないようにあるために。

ご案内:「違反組織拠点跡地」からサティヤさんが去りました。
ご案内:「違反組織拠点跡地」から羅刹さんが去りました。