2021/08/08 のログ
『虚無』 >  
 眉を顰める。やはりというべきか、ここを廃棄するというのは知っている側の人間だったようだ。
 しかも声質からしてそれなりに年上。つまり率いたりする側の人間だろう。少しだけ言葉の選択を誤ったと思うも今更引き下がれず。

「少し欲が出た。もしかしたらもっと回収できるかもしれないと思ってな……結果的にまだ回収できそうな状態だ」

 そこまでは嘘ではない。実際ここがどういった経緯で破棄される事となったかは不明だが、まだ敵対者の襲撃もなく、こうして武器弾薬も残っている。
 だとすると続けて取るべき行動は相手との接触だ。

「とりあえず回収できるだけ回収して逃げたいが……規定ルートは嫌な臭いがするが。別ルートの指示を。1人で突っ走った挙句こんな様ですまない」

 あえて規定ルート別ルートという単語を選び、本来のルート名を言わない。これも本来なら怪しまれるかもしれない。だが適当にAルートとか言うよりはまだ通しやすいと思った次第である。
 相手が年上らしいと、指示をする側らしいと思ったからこそできる手段である。

 

羅刹 > 「ダメもとでかけてみたらこれだよ。
…ったく、危険より隠密、安全だといつも言っているだろう
これじゃ俺がどやされちまう」

どうやら、トップというわけではなく
まだその上に…この相手を叱る人物が居るようだ
ただし、疑いは少しだけ薄まったが、まだ険しさが混じっている

ただし、ルート、と口にした瞬間
少しの沈黙があり…声音が変わる

「なるほどな。了解した。では指示をする。
まずは――――――――――…」

少し重い口調になったものの
すぐに、指示が飛んでくる
違反部活生ならわかるであろう闇商店や通りの名を告げていき

「だーから無理すんなって言ってるんだよ。逆に面倒になる
さっさと帰ってこい」

そうして、青年が呼び止めなければ通信が切れる
後の行動は青年に委ねられる。ルートを辿るも、受け取った情報を報告するもよしだ

『虚無』 >  
「ああ、あの道か了解した。助かる……少し待て」

 ここで通信を切ってしまうというのも手と言えば手だが。もう少し情報を引っ張りだせるかもしれない。
 少しだけ警戒を解かれたのかもしれないのならここが踏み込みどころだろう。

「今回の破棄の件。ボスはなんて言っていた? 反対するわけじゃないんだが。どうにももったいない気がしてな。現在進行形で危険な俺が言えた立場じゃないが」

 とわざと聞こえるようにガチャガチャを銃を触る。
 回収しているというパフォーマンスだ。

「こんな上等品。そう簡単に手に入らない。安全第1なのはわかるが……それこそ回収されたりしたら面倒だ。もしボスもそれを懸念しているならついでに破壊しておくが。どうする?」

 もし破壊しろと即座に、しかも中間が言い切れるならかなりの組織だということになる。危険な相手だ。もしそうでない組織だとして、上に取り次いでもらえるのならそれはそれで好都合だし回収する準備があるだとかそういう話ならある意味最初の破壊しろより余程恐ろしい相手ということになる。
 様々な憶測をたてられる。質問だ。

羅刹 > 青年の慎重な情報収集の末、ルートを聞き出すことには成功している
そして、そこからの言葉には、しばしの沈黙の後…

「ああ。お前、そんな気遣いの出来る奴だったか…?
ただ、どうにも他の奴らがキナ臭い。そこにもまたすぐに誰かが来るかもしれねえ
回収されても、銃からアシはつかねえようにしてあるが…、俺らが動いているってことが発覚した方が面倒だってボスは言うだろうぜ」

少し面倒そうな声に声音が変わり
どうやら、声の主が青年の事を間違えている相手は下っ端だったようだ
その能力も把握しているのか、あるいは無能力なのか
銃を壊すという行為に時間がかかると思っているようだ

それだけ、動くよりは隠蔽を重要視する組織ということは伝わるだろう

「……、……以上だ。他に質問は?無ければすぐに移動しろよ
長くはルートを開けておかねえぞ」

そして、ルートの話をしてから
少し言葉の間に空白が混じることがある
何か話している様子は無いが、ノイズというわけでもなく
不自然な空白が生まれ始めたこともまたわかるだろう

『虚無』 > 「……そうか。いや、悪い。正直言うと少し試した。そういってくれて助かるよ。連絡が来ると思ってなかったからな。敵のおいた罠かもしれないと思っていた。ツッコミを入れてくれてありがとう」

 流石に踏み込みすぎた。違反組織にいる相手ということはやはりそういう相手なのだろう。
 気遣いはあまりしない方がいいということだ。
 そして相手の意見も最もである。銃を即座に破壊できるならともかく、時間がかかるなら早く来いというのは納得である。

「直接の質問って訳じゃないが……そっちも通信状態がよくないみたいだな。時折声が飛んでいる。本当に大丈夫なのか?」

 不自然な空白。そこを最初に自分がいった通信状態という言葉で誤魔化し相手に尋ねる。
 例えばジャミングであったり第3者の指示であったり、それではせっかく聞き出したルートが無駄になってしまう。
 もっとも本来この通信機を取るであろう相手がこれを尋ねるべきかと言われれば難しい所だ。だから怪しむ点になってしまうかもしれないが。

羅刹 > 「は。やっと用心深さがやっと備わったくらいでナマイキ言いやがって」

軽い笑い声をあげて鼻を鳴らす
少し苛ついてはいるが、それは焦れているからだろう
今踏み込まれれば、人員が確保されてしまう可能性があるからだ

「………、ん?ああ、問題ねえよ。さっさと帰ってこい
専用回線使ってんだから心配ねえだろ。それとも何か、時間が無ぇ中で符丁合わせするか?」

そのいら立ちは、更に強くなる
さっさと帰って来いと言いたげにとんとん、と机か何かを叩く音
警戒というより、先ほどのプラス評価が下がったような様子だ

ただし、不自然な空白は続く
丁度一言二言『会話』しているような間だ

「そら、切るぞ。何度も言ってるがさっさと帰ってこい
これ以上は聞かんぞ。意欲がある奴として報告はしてやるがな」

そして、そんな強い言葉が返されるだろう

『虚無』 >  
「…………」

 その間の開き、間違いなく会話をしている間だった。
 少しの思案。その後にはぁと溜息を吐き出す。

「そろそろ潮時か。茶番は終わりにしないか」

 おそらくだが、相手はこちらに対してある程度勘づいている。だからこその間だと思った。
 別に自分の能力ならば一般武装が相手ならまず負ける事などない。しかし問題は自分の組織の性質だ。正面から叩き潰したいわけではないのだから戦争になるのはごめんなのだ。

「お前も……というより隣にいる奴は気が付いているだろう。俺が本来の連絡の相手じゃない事に。不自然な間がなければ隠れてそのルートを進んでいってもよかったんだが。罠でも貼られていそうだったからな。隣の奴に変われ。さっきの空白の間は一時的にマイクをオフにしていただとかだろう」

 それならばノイズが消えるのも理解できる。
 だからそうなんだろうと言って相手の出方をうかがった。もしそうじゃないならそれはそれでいい。ルートは割り出せた。こっちが別の存在だとしったのならさっきのルートが正解だった場合撤収奴らを見届けられる。
 だが、おそらくの話だがさっき教えられたルートは嘘だと思っているというのが本音だがさて。

羅刹 > 「ははは、済まねえ済まねえ。中々肝が据わったやつだったからな
ボスからの指令で、ルートへ誘いだそうとしてたところだ
捕えるつもりは無かったけどよ」

そう言って、軽く笑う通話先の男

「後、変われって言われてもそれは不可能だ
別にマイクはオフにはしてねえよ、代わることはできねえな」

となると、通話以外で何か意思疎通ができる方法があるということか

「だが、それでも俺を通してボスと会話することはできるぜ
何が聞きたい?代わりに、お前らの事も教えて欲しいもんだがな、猟犬さんよ」

これは、こちらからのカマかけだ
違反部活を嗅ぎまわる存在、風紀ではなく、敵対組織の可能性も薄いとなれば
彼らの情報網から言えば、その対象は絞られる
以前に少しだけ接触し、脅された猟犬とやらかと

『虚無』 >  
「捕まえず話をするだけ、もしくは誘い出して落書きでも見せて大間抜けといったところか?」

 捕まえないで誘い出すなどその辺が目的かと少しだけ笑うように。
 それから軽く息を吐き出して。

「さぁな、それを答える義理は俺にはない……それと猟犬は人違いではないか?」

 猟犬、近いワードでは前に話したジェヴォーダンの獣の事だろうか。あれも元の伝承は猟犬という説があるらしい。飼われているという言い分にされるのは少し癪だが、その程度は問題ない。
 それよりも奏詩=虚無につながりかねない情報。つまり犬という共通したワードを知っているということから推察されると非常に困る。故に答えは伏せた。

「とりあえず、今のところは敵対する必要のない組織らしい。あくまで今のところは……だがな。それとだ、聞きたいなら後日この通信機にボスからかけろとな。伝言げームに興じるつもりはない……俺から言う事はそれだけだ」

 話したい事がないなら切るぞ。そんなニュアンスを込めそう相手へと切り出す。

羅刹 > 「はは。落第街の同じ仲間を馬鹿にするわきゃねえだろ
後、そこはとぼけるところだろ、と、ボスから伝言だ」

義理はない、ということは猟犬という言葉に聞き覚えがあるとも解釈できる
こちらの勘違いかもしれないが、一先ずコミュニケーションは取ろうとする

「ああ。別に今のところは動くつもりはねえよ、だとさ
その時は素直に出てくれよ、とも言ってる。こちらからはそれだけだ」

最後まで、態度を崩さない男
相手から仕掛けられないなら、風紀以外であれば仕掛ける理由もない

「じゃあ、『またな』」

そうして、通話は切れた
あとに残されるのは多少の武器と、ダミーのデータ
それに、会話で得られた情報だろう

『虚無』 >  
「生憎とぼけるのは苦手だからな。それと、この街の奴を仲間と言えるのは中々珍しいな。大体の奴は利用する相手としかみていないというのに」

 と、少し失言めいた所を他の場所を突っつく。まぁ焼石に水だ。
 それからは少しだけ声を鋭くする。

「今はか、それを聞いて安心したよ。前みたいに外から人を攫ったりしないようでな……ああ、また。まぁ会う時はお互いに不運な可能性もあるが」

 もしかしたら完全に敵対した時かもしれないのだから。
 さて、武器やダミーのデータ。これだけもらっても仕方あるまい。
 破棄されたものならこのまま破棄してけばいい。もし風紀が回収するにせよ他の違反部活が回収するにせよ、ここで破壊して彼らを援護する道理はない。
 彼もまたこの工場を後にする。通信機は懐へとしまったままに。

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