2021/10/11 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にフィーナさんが現れました。
■フィーナ > どごぉん、と。
元々違反部活の施設があった場所から、爆発の音がする。
「……ここでもない」
その原因である、全身に刺青がある少女……の姿に擬態したスライムがぼやく。
フィーナは、人を探していた。自分が保護していた者が行方をくらました。
それだけならいいのだが…追うために持たせたものを、追跡できない。
なにか、あったのだろうか。
■違反部活員 > 「てめ、なんで…」
爆発により吹き飛ばされた一人が、声を絞り出して問う。
弱小ではあるが悪いことはしていた。自覚もある。
だが、こんな小娘相手に何かされる覚えはなかった。
■フィーナ > 「わかんないからこうやって一つづつ虱潰しにしてんでしょうが。
あぁ、貴方には何も期待してないんで」
杖に術式が込められる。杖から光の玉が分離する。
それが、違反部活員に近づいていく。
■違反部活員 > 「ひ・・・!」
さっきの爆発の原因。
それはこちらが戦う意思を見せた瞬間爆ぜたものだった。
しかし、今度は爆発しない。
ゆっくりと。自分に近づいてくる。奇妙なことに、綺麗だな、という素っ頓狂な感想が出てくる。
それが、彼の最後だった。
■フィーナ > 「はぁ…」
ここはどうやら下っ端の寄り合い場所らしい。煙草に酒、カードにチップと思しき金。
上半身が溶けて無くなった彼も、こんなところを襲われるとは思わなかったに違いない。
ごそごそと、物色を始める。ほんとは問いただしていきたいが…残念ながら彼女がそれを望まない。ちまちまと襲撃をしながら資料を探して足跡を探すしかないのだ。
■フィーナ > 「…わかんないし、適当に襲撃してくかなぁ」
ぱきり、と。自分の中の何かを砕きながら、歩を進める。
一つ一つ、虱潰しにしていく。
爆発を響かせながら。
何かを起こしているぞ、と伝えながら。
そうすれば、彼女が逃げる隙もできるかもしれない。
■フィーナ > 「…ほんと、どこ行ったのかしら」
また一つ、違反部活の拠点を潰しながらごちる。
確かここは自分が薬の胴元をしていた場所だが…まぁ、知ったことじゃない。
そんなものより彼女のほうが心配なのだ。
まさか自分の知り合いの怪異と遭遇し、病院に連れていかれているとは知らないのだ。
見つかるか、倒されるか、限界が来るまでは、止まらないだろう。
■フィーナ > 「…ちょっと疲れたな」
潰した拠点が10を超えたぐらいに、ようやく止まった。
焼野原になっている拠点で、唯一無事なソファーにもたれかかる。
「……ほんと、どこ行ったんだろ…」
想起するは、一人の少女。何かしらの要因で魔術が使えないというのに、魔術に傾倒する、少しばかりひねくれた、あの子。
無事だと、良いのだけれど。
■フィーナ > 「えーと、あと……」
ごぽ、ごぼり、と。彼女の中から音が立つ。
「んー、やっぱりあんまり残ってないなぁ」
自分の中の魔力結晶を確認して、ぼやく。
彼女の魔力は、外部依存なのだ。もちろん自分でも魔力を練ることはできるが…コピー元、供給元に比べれば雀の涙だ。
自分だけの魔力なら拠点一つ潰すこともできなかっただろう。
「……喰うか」
爆発によって黒焦げになった肉をつかむ。じりじりと音が鳴る。
彼女が握っている肉は黒焦げにもかかわらずその体積を奪われていく。
「ほんとは口にして食べたいんだけどなー…こればっかりは」
手がゲル状になり、黒焦げの肉をどんどん包んでいく。染み出すように黒と赤がゲルに滲んでいく。
そうして数十分ほどで。黒い肉の塊は、彼女の一部となった。
「…やっぱりそんな増えないよなぁ……」
死人であるからか、それともそもそも魔力を持たぬが故か。魔力の供給は叶わない。
残念に思いながら、違反部活群を後にした。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からフィーナさんが去りました。