2021/10/12 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にセレネさんが現れました。
セレネ > 『…まぁ、なんて酷い有様だこと…。』

元は建物だったであろう物、内装も何もかも粉々にされている瓦礫群を見下ろせる廃ビルの屋上。
遠目からだが様子を見るについ最近破壊されたか、死体も視える死霊も真新しい。

先日時計塔から島を見下ろして気付いた場所。
歓楽街方面で、いやに霊の量が多い地域が少し気になって足を運んだのは良かったが。
この地域は己には相性が悪い。空気を吸う度に徐々に痛む内臓と蓄積される淀み。
長居すれば確実に心身に異常が出る。

吹き溜まりにすらまともに居られぬほどの身体か。
嫌気が差して溜息を吐く。

周りを彷徨っている死霊達は殺された怨嗟をぶつぶつと呟いている。
己には近付いてこない。いや、近づいてこれないのだろう。
恨みがましく見てくる目も誰ぞに向かって呟く声も己には分かって居れど。
それに手は差し伸べない。静観するのみ。

傍から見れば違反部活や組織の建物をただ見つめているだけに見えるか。

セレネ > 元の世界に居た時も、こういった治安の悪い場所には何度か足を運んだことがあった。
好き好んで行っていた訳ではないが、ある程度身の振り方というのは弁えている。
いつもと同じ服装で、いつもと同じ立ち振る舞いをしていれば蟻のように集られ貪られるのは自明。
……だからこそ、己の”弟子”には場所や時と場合の立ち振る舞い方を覚えて欲しいのだけれど。

『…まさかあの子、こんな所まで来て叫びまくってる訳じゃないわよね…?』

最近会っていないが彼は元気にしているだろうか、と。
ふと思い浮かぶは赤髪の少年。
危険な場所に迷い込みやすい体質で、気質も相まって非常に心配になる友人兼弟子。

…大丈夫かしら。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」にクロロさんが現れました。
クロロ >  
吹き溜まりにも明かりはある。
暗闇を照らす一筋の明かりが、月明りだけとは限らない。
粉々に積まれた瓦礫の山に灯るは赤い炎。
炎だけではない、獣の様な金色の瞳が煌々と輝いていた。
如何にも人相の悪い、吹き溜まりに居るような青年。
手に灯した炎を握り潰し、瓦礫から飛び降りた。

「────こンな所で何してやがる」

フード姿の目の前に降り立ち、立ちふさがるクロロ。
脅し、という風体ではない。何処となく、飽きれたような言い草。
口をへの字に曲げながら露骨に怪訝な表情を浮かべていた。

「なンだァ?オレがみねェ間になンかしたのか、テメェ?」

セレネ > 「――っ!」

周りの”気配”が多すぎて近づいてくる存在に気付かなかった。
フードの奥の蒼が瞬き、一瞬息を止める。
視えたのは炎、魔力の塊。
蒼を閉じ、再度開いて瓦礫から降り立った相手を凝視する。

――これは、不味い状況になった。
聞き慣れた声、見慣れた姿。
その金の目は、見間違う筈がない。

「……別に。面白いものでもないかと思って来ただけさ。」

口調を変え、態度を変え。声色も普段より低め、警戒を滲ませる。
次いで、目の前の相手から半歩下がった。無意識に。

「何もしていないよ。私が来た時からこうだった。
一人で潰すには多すぎる瓦礫だと思わないのかい?」

誰がやったか、どうやったのか。分からない以上でっちあげるしかない。
少なくとも、己がやったのではないと示せれば良い。