2021/10/19 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にモノ・クロさんが現れました。
モノ・クロ > 「…おっと」
安息の地を求めて焼け野原へ来たところ…どうやら先客が居たようだ。

見た感じ、この焼け野原の主犯、というわけではなさそうだ。

しかし今は休みたい気分だ。戦う気にもならない。仕掛けてくるなら別だが…

取り敢えず、様子を見ることにする。気づけば悪魔の瞳が勝手に呪いをかけるだろう。

紫陽花 剱菊 >  
暗殺は失敗したが、未だ此方の正体が不明で在る事が優位性だ。
抑止力に成り得たかはさておき、手傷は負わせた。
例の惨事の事を考えれば効果は薄かったやも知れぬが充分だ。
充分なはず、だった。だと、思えていた。

「…………」

心の奥底、泥土の如く不安が拭えぬ。
己の事を調べ上げられたとて、然したる情報は得られまい。
其処ではない。人質で在ろう者は未だ健在だと思われる。
確証はない。が、人質が亡き者と成れば、仮にも一介の風紀委員を貶めた組織。
其の警戒度は鰻登り、砲火も抑止も、存分に振るわれよう。
其れに、対峙した彼の蜥蜴の頭は恐らく今はその様な事を考えまい。
だが、しかし、しかし、だ……。

「…………」

余りにも"不明瞭"だ。
生かさず殺さず、とは見えぬ。
鼬を使って嗅ぎまわった情報では、恐らく生きているとは思っている。

「…………何故?」

『蜥蜴』と言う組織の在り様を知っている訳では無い。
大それた規模では無いが、下部組織を使い確実に勢力を拡大している。
然れど、人員は一定規模。大きく増えたとは聞こえない。
推察のみで在れば、理由は幾許は検討が付く。
如何なる集まりで在れ、多少の行動方針は頭目に基づく。
頭目の趣旨か、或いは"小規模でなければいけない"理由がある。
行動方針、能力、或いは連携力。如何様にでも見当が付く。
故に、下部組織を狙うのは悪手だ。尻尾斬りどころか、付け入る隙を作らせてしまう。
で、あれば、一時の頭を斬り落とすのを仕損じたのは痛手で在った。

「…………」

然るに、然るに、だ。
何故人質を生かしているのか。
其れが皆目、見当が付かぬ。
抑止力だけでは、余りにも薄い。
何れ痺れを切らせば、如何様な手段も取られると分かるはず。

「…………?」

刹那、脳裏に浮かぶ"最悪"とは別の妙な視線。
剱菊は神妙な顔つきのまま、視線の先を目配り。
眉間の皺が、より深くなる。

「物の怪か……灰を眺める趣味成らば何も言わぬが、何用だ」

調査の一環で覚えのある出で立ち。
よもや、惨事の主犯に出くわす事に成ろうと思うまい。

モノ・クロ > 「どうやら考え事の途中だったみたいだな。邪魔して悪かった。

なに、ちょっと休める場所を探してるもんでね。」

人間の部分とは似つかわしくない言葉使い。恐らくは呪紋の方が喋っているのだろう。

適当に崩れた瓦礫の上に居座り、見つめる。

「別にやり合おうって訳じゃない。そっちが手を出さないならこっちはのんびりやるつもりだ。なんなら相談に乗ってやっても良い」

赤い瞳で、見つめ続ける。不気味な視線は、幾重にも重なっていく。

紫陽花 剱菊 >  
「……気にはせん。偶然の巡り合わせだ」

元より己だけの土地ではない。
日陰者の集まりの土地。所縁が無い訳では無い。
自分も一時期は、此処が根城では在った。
不法入島者だった刻が、妙に懐かしい。
然れど、物の怪の言葉には、いわんや目つきが鋭くなる。

「私も無用な争いは好まぬ。だが、其方が口に出来た事か……?」

如何に吹き溜まりと言えど、見栄を切れば目立つもの。
実に目に余る惨事であった。戦を心得る己でも、惨いと言うだろう。
其れが如何なる外道で在ろうと、命は等しくからこそで在る。

「其方の事を知っている訳では無い。然れど、何故人を殺す?
 仇か、憎悪か。不躾な質問な百も承知では在るが、聞かねば此方の気が済まん。許されよ」

モノ・クロ > 「…顔が広くなっちまったもんだなぁ、おい。これじゃおちおち寝てられないな…。
で、何故人を殺すか、か。残念ながらそれには答えられないな。なんせ『俺達は誰一人として殺したことはない』からな」

事実だ。クロもモノも、『直接手を下した事はない』。二人を前にして死ぬものは殆どが自殺、もしくは同士討ち、もしくはショック死である。

間接的な原因ではあるが、直接的な原因ではないのだ。

「まぁ、仇も憎悪も無いとは言わん。俺達は『人の業』そのものみたいなもんだからな。『モノ』はそうは思ってはいないみたいだが。

俺は人間が嫌いなんだ。人間が蚊やハエを嫌うみたいにな。まぁ、中には例外もいるっちゃいるが。」

紫陽花 剱菊 >  
「…………」

余りにも、余りにも身勝手と言わざるを得ない理由。
獣に、怪異に人の道理が通じるとは思わない。
然れど、一滴の悔恨さえ感じさせぬ此の物言い。
無邪気に嘯くのは実に耳障りだ。
冷やかな視線は、失意、或いは呆れだ。

「……疎ましく思う事は否定せん。業と宣わるのも良いだろう。
 然れど、耳障りな戯言は寄せ。貴様が『殺した』事に相違無い」

手を下さぬから何なのか。
原因は明白だと言うのに、まだ畜生や子どものが真面な言い訳をしよう。

「斯様に身勝手を振りまき、例外と言うか。
 其の"例外"から、貴様は何も学ばなかったのか?」

殺すだけが道理の物の怪に非ずと言うので在れば
人と接するのであれば相応の人の理を理解しよう。
其れを知っても、知らずとも許されるべき事では到底無い。
だが、前者であれば或いは……と言った、ほんの淡い期待ではあるが、さて。

モノ・クロ > 「人間様に言われたくは無いね。この高慢ちき共が。俺達が殺した、っていうのなら。人間は一体幾億を殺したことになるんだろうな?

自分達の生が血に汚れていないとでも思ってるのか?」

間接的であれ殺したというのであれば。人間はどうなのだ、と。
喰わねば生きていけぬ畜生共が殺しに異議を唱えるなど。

これだから人間は嫌いなのだ。自分達が『特別』だと無自覚に思っていやがる。

「例外だからこそ、学んだんだよ。いや、思い直した、というべきかね。

『人の願いは悍ましい』ってな。

そこら辺の犬や猫…蚊やハエのほうがマシだってな。

『お前は蚊やハエを殺して罪悪感を感じたことはあるのか』?」

紫陽花 剱菊 >  
「否」

戦人に対して、余りにも無意味な問答だ。
そも、言問うた意味さえ理解していないと見える。

「如何なるもので在ろうと命は等価値。殺生は例外無く悪で在る。
 人類と言う種、其の物で考えうるので在れば、是非も無い」

生きる事は命を食らうと相違無い。
然るに、問題は其処では無い。

「許されぬ行いだが、其処に如何なる思いを抱くかだ」

悔恨、爽快、或いは、礼節。
即ち、無碍に扱う事は罷り成らぬ。
殺生は許されぬが故に、咎は背負うべきで在ろう。
人類と言う歴史で在ろうと、命に敬意を払う行いは民草さえ心得ている。
食事時の挨拶こそ其れだ。其れで帳消しとまでは行かぬが
だからこそ殺す、と言うので在ればご無体だ。
余りにも稚拙な言葉の数々に、男は深い溜息を吐いた。

「問い掛けで己を正当化しようとするな。私は、お前が殺した事には相違ないと言っている」

そもそも、論点の違いだ。
其の羽虫が物の怪にとっての人間だと言うのであれば、是以上暖簾に腕押す必要は在るまい。

「斯様、余りに粗末を説くので在れば話す理由も無い。
 其方は唯の、災厄だ。故に、何時か討たれるであろうな」

其れが誰かは分からぬ。
だが、行いには必ず責務が伴う。
斬るべき相手では在るが、負傷の身であり
重ねて、今は目立った行いをすべきでは無い。
連中に顔が割れている以上、今は影に身を顰める。
一歩、二歩、剱菊が静かに後ずされば、其の姿は闇へと消え去った。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から紫陽花 剱菊さんが去りました。
モノ・クロ > 「…は。」
これだから人間は嫌いだ。

「価値なんて、そんなもの勝手につけたものだってのにな。
人間が勝手に考えて、命は尊いだのなんだの。


まったく、巫山戯るなよ」

価値など人間が都合よくつけたに過ぎない。
命が尊いなどと、同族をいくつも殺しておきながらよく言えたものだ。

正当化してるのは自分じゃないか、と。

正しいとは。人間が都合よく考えた価値観に過ぎない。


傲慢だ。


確かに私は人を殺したのだろう。そう言うのであれば、そういうことなのだろう。人間の価値観からすれば。

私が人間に討伐されるのも、人間の価値観ならば道理なのだろう。


本当に、自分勝手だ。人間というものは。

モノ・クロ > 「………」
モノの、失った腕の先を幻視する。

人間に関わらなければ、彼女は楽に死ねたのだろうか。

俺が彼女に取引を持ちかけなければ、化け物として扱われずに済んだのだろうか。

人として、死ねたのだろうか。

「価値観が違う人間と話しても意味はない、ってわかっててもな…」

それでも、話に耳を傾けてしまうのは。

呪いのように、違う価値観で解釈して吐き出してしまうのは。

自分がかつて、そういうものだったからだろうか。

「嫌になる。本当に。」

それは、人間に対してか。

それとも、自分に対してか。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からモノ・クロさんが去りました。