2021/11/04 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
常世港から飛び立ったヘリは、大した時間もかけずに"現場"へと到着した。
広々とした空き地。元々は違反部活の拠点である雑多なバラックの群れが並んでいたのだが、違反部活の壊滅後に生活委員会がせっせと片付けしていたらしい。
其処を、風紀委員会の権限で一時的に接収。
理由は簡単。異形を大量に展開するには、開けた場所の方が良い。
「御苦労。それでは、以後は作戦書通りに。
今はまだ貴重な航空戦力だ。無駄に敵に姿を晒して、落とされても困るからな」
それは、パイロットも込みの話なのだが。
操縦席の隊員――流石に、装甲服は着ていない――は、短く敬礼を返して、再び鋼鉄の巨鳥を大空へ、夜空へと。
後に残ったのは、自分だけ。そういう作戦…というか、そもそも隊員の護衛は必要ではない。
欲を言えば、雪景クラスの実力者であれば護衛として欲しいのだが…流石に、部隊長を態々自分の護衛に当てるのは、戦力の無駄遣いにもなり得る。
「…何より、アウトレンジからの長距離砲撃に本来護衛など必要とする訳でも無いからな」
パチリ、と指を鳴らす。
地ならしまで済んだ空き地が、不自然に隆起する。
金属が生える。巨体が立ち上がる。草木が芽生える様に、無数の砲身が次々と生まれ落ちる。
巨大な砲身を背中に無数に生やした、頭の無い蜘蛛の様な金属の異形。
踏み潰し、業火をばら撒き、敵を粉砕する多脚の重戦車。
空き地を埋め尽くす勢いで顕現したそれらの異形は、主の指示を街――微動だに、しない。
■神代理央 >
「……目標地点に動きは無いな?
…よし、それで良い。近隣住民への警告や通達は?」
「――ああ、そうだ。それで良い。
"何も警告は行っていない。特務広報部も、周辺から撤退している"
それで間違いは無いな。なら、それで構わない」
「……周辺区域から、隊員の撤収は完了しているな?
…良し。なら、それで良い。
ならば、私が何時始めても構わないな。ああ、観測班はしっかりしておけよ。
砲撃の後、成果と戦果を確認してから現地に送らねばならぬからな」
手短に、通信機に言葉を発する。
その全てに了承の返答。
満足した様に通信機を懐に収めて、遥か遠く。
砲身の向かう先へ、視線を向ける。
■神代理央 >
「……さあ、どう出る。どう動く。どう止める。
焼き尽くされる前に。焼き尽くす前に。灰と化す前に」
■神代理央 >
「私の業火が、私の闘争を完遂させる前に!」
■神代理央 >
「誰が私を止める!誰が私の闘争に華を添える!」
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にクロさんが現れました。
■神代理央 >
「さあ、開演だ。闘争の焼き直しだ。二度目の破滅だ!
私か、『敵』か。失墜するのは何方か!」
■神代理央 >
少年の怒号と共に――全ての異形が、一斉に火を噴いた。
膨大な質量と鉄。砲弾の雨霰。
闇夜を切り裂いて、大気を焼いて、大地を震わせて。
"周辺の住民諸共"巻き込む為の、第一撃。
単純な火力だけならば、砲兵大隊に匹敵する量の砲弾が
落第街へ。今宵の贄である違反部活の拠点へ。
降り注いだ。
■クロ > 「……いやはや、珍しくヘリが飛んでると思えば、まぁ…とんでもねぇ事やってんなぁ」
どこからともなく現れた灰色の影。
それは、以前理央と話した怪異の紋様であり…その時話した少女の姿は、どこにもない。
色も灰色に変わり、赤い瞳も消え失せている。
人の型をとっただけの、すっからかんな、紋様。
「でも、止めないとなぁ…そう願われちまったし。まぁ、なにはともあれ…こんばんは、と言っておこうか」
■神代理央 >
響く声と現れた気配に反応して、直近の異形が砲身を軋ませる。
既に二射目、三射目と継続して砲撃は始まっている。
"部隊長"も動き始めた。遠からず、今日の目標である違反部活は周辺区域ごと消滅するだろう。
「……挨拶を返さぬのは、礼儀に反するからな。
今晩は、とだけは此方も返しておこうか。
しかし、止めに来た…という類の言葉を聞いた気がするが――」
怪異に向けられた砲身が、軋む。
元々大口径の砲塔だ。ましてこの距離なら、狙わずとも――
「…一応、確認しておこうか。私が"鉄火の支配者"と知って尚、止めに来たということで良いのかな?」
■クロ > 「さぁな?俺はアンタの事は良くは知らん。このデカブツ達を操るっていうのも今知ったしな。」
顔合わせ自体はしている。だが、踏み込んだ話はしていないし、或る風紀委員を助けるべく協調した、という程度だ。
残念ながら、本人の意向でそれは叶わなかったが。
「こっちも、文句を返しておこうか。あの『厄災』を起こした怪異であると知って…余裕なんだな?」
ざわ、ざわ、ざわ、と。紋様が人の型から離れ、広がっていく。
神城理央が展開した、砲兵達を、囲むように。
■神代理央 >
「怯え竦むのは簡単だ。警戒を露わにするのも、必要な事ではあるし容易な事だ。
しかして、私が余裕の態度を見せている事に言及する様では、如何なものかと思うがね」
砲撃を続ける異形達。それを取り囲む紋様を一瞥した後、小さく肩を竦める。
「別に自分の戦果や戦績を誇る訳でも無いが。
私が今まで、どれだけの怪異や敵と戦ってきたと思っているのかね?
何度死地をくぐり、何度肉を焼かれ、何度身を切り裂かれたと思っているのか。…まあ、知らずとも良い。知る必要も無い」
敵対行動を取る迄は、此方から手を出す事は無い。
それは"風紀委員"としてのシステムに準ずるなら当然の事。
「こと、戦闘経験という事に関しては私は他の風紀委員に劣る事は無い、と自負しているよ。
今更『災厄』の一つや二つに余裕を失う様な事など、あると思うかね」
普段と変わらぬ態度。尊大で、傲慢な笑み。
それは、怪異が現れた時から、何も揺るがない。
未だ、砲撃は続いている――
■クロ > 「成程。場数が違う、ってことか」
ぞろそろと、紋様が編まれていく。異形達を囲むように、ドームが作られていく。
砲撃の度に破られるが…また編まれていく。
砲撃に耐えられるほど強固というわけではない。
逸らせるほどの質量があるわけではない。
むしろ広げていく分、薄く、軽く、脆くなっている。
「別に争いたいって訳でもない。砲撃を止めようとしたって…このザマだしな。たった一人の…ここに居ない奴の願いの力なんてこんなもんさ」
砲撃に破られながら、紋様でドームを作っていく。
火薬の匂いが充満していく。
空気の流れが、悪くなっていく。
■神代理央 >
「…願いの力、か。随分と詩的な事だ。美しい事だ」
パチリ、と指を鳴らす。
砲撃が、止まる。轟音が止む。
「願いなど、誰かに叶えて貰おうと思った時点でお終いだ。
自分よりも強い相手に。自分よりも優れたものに。
自分の代わりに、何かを成し遂げて貰おう…などと。
それは願いでは無い。対価があれば依頼。対価が無ければ依存」
もう一度、指を鳴らす。
俄かに空間が揺らめいて、ドームの外。天空に顕現するのは金属の球体。
直系10m程の、機械の月。人造の満月。
「その程度のものに、私が止められるものか。
貴様に願った者がいるのなら、伝えると良い。
『小石一つでも、自分で挑みに来れば良い』とな」
そして、人造の満月が煌めく。
かの異形は、光学兵器――レーザーを吐き出し、周囲を焼き払う異形。
砲撃よりも範囲は狭まるが、貫通力と威力は増大する。
…まあ、何方にせよ、それは怪異には放たれていない。
膨大な量のレーザーが向かう先は、既に火焔に包まれている遥か彼方の違反部活の拠点なのだから。