2021/12/06 のログ
ご案内:「組織跡地」に雪景勇成さんが現れました。
■雪景勇成 > 「兵どもが夢の跡――だっけか?…まぁ、数年ぶりに顔を出してみりゃあ…見事な没落っぷりだな。」
落第街のとある一角にある瓦礫の山と微かに建造物の一部らしき物が残る場所。
非番なのもあり、ブラリと私服姿に”細長い布包み”を担いで足を向けた先。
落第街においてこういう廃墟は珍しくも無い…スラムの方は尚更だ。
口の端に煙草を咥えながら、記憶を辿るように瓦礫の山を眺めつつ周囲をゆっくりと歩く。
かつて、ここをアジトとしたとある違反組織の事はよく知っている。何せ”古巣”の一つだ。
在籍期間は…まぁ、1年くらいは多分居たかもしれないが、今となってはどうでもいい。
「……何か面白いモンでも残ってるかと少しだけ期待したけど…ま、無駄足かね。」
一通り瓦礫の周囲を回って元の場所へと戻ってくれば、分かり切っていた事を呟いて紫煙を吐き出す。
■雪景勇成 > 規模は多分、当時から考えると中堅程度の知名度はあっただろうか?武闘派組織というか血生臭かった。
あの当時の――この『レムナント』に所属していた連中は全員墓の下…もとい瓦礫の下か?
組織が潰されるより前に抜けた、自分を含めた何人か程度だろう、生き残りは。
「…あいつら、結構面白そうな武具とか溜め込んでたから、残り物でもないかと思ったんだがな…。」
目論見は外れた――まぁ、そこまで期待はしていなかったけれど。
瓦礫の下に回収や火事場泥棒を免れた武具の残りでも眠っていないだろうか?
「……このまま眺めててもしょうがねーし…どうせだし掘り起こしてみるかね…。」
残骸(レムナント)の遺品…さて、何か見付かるだろうか?
■雪景勇成 > かといって、何時もみたいに武装をぶっ放すと瓦礫どころか地面まで吹き飛ばす可能性大。
…なので、別の方法で行く事にする。
「…繊細なコントロールとか苦手なんだがな…。」
ぼやきながら、まず右手に異形の大剣を1本召喚する。
それ自体は通常武器としてよく使っている物の一つだ。
そのまま、目測で何かを測りつつ――無造作に大剣を一閃する。
すると、武装が召喚される時のように空間が真一文字に裂けていき――…
「…取り敢えず、これで邪魔な瓦礫の山だけ退かして…後は地道に、だな。」
瓦礫の山がその空間の裂け目へと吸い込まれていき――やがて、静かに裂け目が勝手に閉じた。
綺麗サッパリ、とはお世辞にも言えないがそれでも瓦礫の山の殆どが掃除できた。
「……まぁ、俺にしちゃ上手くやった方か。さーて…。」
何か”掘り出し物”は見付かるかね、と改めて跡地を歩き回る。些細な物も見逃さないように。
■雪景勇成 > ただ闇雲に探してもしょうがないので、当時の建物の構造、配置を思い返す。
――確か隠し部屋に金庫置いてそこにぶっ込んでたような気がするな、と思い出し。
「――あそこが出入り口…と、なると隠し部屋があっち側にあって――と、この辺か。」
見渡せば――あった、大型の金庫が。ただし丈夫な扉は壊れており、中身はどうも空のようだ。
…まぁ、流石にとっくに誰かに持ち去られてるか…と、一息。ならこの周辺に取りこぼしが無いか探そう。
「……ねぇな。せめて破片の一部でもありゃ、情報として登録出来るんだが。」
自身の異能の特性の一つである『武装情報の簒奪』。武装を見る、攻撃を食らう、実際に手に取る。
そういったプロセスの幾つかをクリアすると武装情報が登録され、自らの武装召喚に加えられる。
条件をクリアする程、登録される武装情報は正確になるがそれは中々難しい。
(…この前の連中との戦闘で、強力な火器の情報は得たが、まだまだ手札は欲しいしな。)
――と、考えながらも目を光らせていると…明かりも殆ど無いのにキラリ、と光る物体が。
…月光に反射したのだろうか?そちらへと歩いていけば、半ばまで埋もれた太刀が一振り。
「――ビンゴ。…数年経過しても錆びも破損もねぇってこたぁ…妖刀、霊刀、その辺りか?」
刀の下まで歩み寄れば、刀身が半ば残った瓦礫に埋もれたそれを手に取る。
…特に違和感や特殊な気配は感じない。やや拍子抜けしつつも、ゆっくりとその刀を瓦礫から引っこ抜く。
■雪景勇成 > 引っこ抜いた太刀は――よくよく見ると刀身が薄っすらと青み掛かっている。
見た感じ、刃毀れや錆び、曲がり、折れも無さそうだ。鍔や柄などの拵えもしっかりしている。
正直、刀剣鑑定とか全然出来ないので自身の経験則で判断するしかない訳だが…状態が良好なのは間違いない。
「……思ったより状態良いな。つーと、やっぱり特殊な刀か。何か青み掛かってるし。
…あー、でも鞘が見当たらねぇな……刀だけか?」
引き抜いた太刀を右手に携えつつ、周囲を念入りに探してみるが…見付からない。
元々鞘が無かったのか、別に保管されていたのか持ち出されたのか…兎も角。
「…これなら、そのまま使っても大丈夫そうだな。」
ちらり、と先ほどから担いでいた細長い布包みを一瞥する。コレを使うよりはいいかもしれない。
まぁ、何はともあれ完全な無駄足にはならないで済んだようだ。
それからも、隈なく組織の跡地を探索するが――どうやら、残っていたのはこの青白い太刀だけらしい。
■雪景勇成 > ちなみに、この男は剣術なぞ使えないので――使い方は乱暴である。
自身でもそこは自覚は十分しているので、切れ味よりもまず強度が気になる訳だが。
「――んー…。」
右手の太刀を無造作に振り上げ――手近な残った小さな瓦礫へと振り下ろす。
鋭い刃は、青白い残光を残し地面へと吸い込まれ――瓦礫ごと地面をバターのように切り裂いた。
「………思ったより切れ味いいな。」
刀身半ばまで再び地面に減り込んだ太刀を、ゆっくりと引き抜く――青白い刀身は矢張り無傷だ。
少なくとも、男の無造作な一撃でも十分耐えうる強度は有しているのだろう。
「―-当たり、どころか大当たりかもな――文字通り掘り出し物、か。」
太刀を繁々と眺めてから、軽く一振りして土埃を払う。鞘が無いのが不便ではあるが。
ご案内:「組織跡地」に雪景勇成さんが現れました。
■雪景勇成 > 「…まぁ、手札が一つ増えたのは上々。偶には古巣に足を運んでみるもんだな…。」
もっとも、今回を最後に二度とここを訪れる事はないだろうが。ここには文字通りもう『残骸』しかない。
”取りこぼし”が無いように、念の為にもう一度跡地全体を探索するが、矢張りもう無さそうだ。
(――むしろ、この青白い太刀が残ってたのが幸運…いや、ちげぇな、”わざと残された”って可能性も。)
荒らされて持ち去られた痕跡もあるし、アレだけ目立つ程に刀身が光を反射すれば誰ぞとっくに気付いている筈。
…気付いていて敢えてスルーした、とかだろうか?今の所、不穏な気配はこの太刀からは感じないが。
かといって、この太刀は中々の掘り出し物なのは間違いない。捨てるのは勿体無いと思える程度には。
それに、他に何も無さそうなので唯一の収穫として持ち帰る事にする。
「……鞘はやっぱりあった方が持ち運びとか楽だし…作って貰うか?」
とはいえ、そういうツテや心当たりが無いのだけれど。
一先ず、青白い太刀は抜き身のまま腰のベルトに挟むようにして左腰から提げる事に。「