2022/01/15 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
とっぷりと夜も更けた冬の落第街。
凍える様な寒さを身を寄せ合って凌ぐ住民と、悪事に手を染めて手に入れた金で暖を取る者達。
凍てつく夜の闇を凌ぐ方法は様々。されど今宵は――


「――Brennen!」


久しく落第街に現れていなかった、金属の異形達。砲火の象徴。
破壊と焔と戦禍を撒き散らすモノ。
冬夜を全て燃え上がらせる様な轟音が、違反部活の拠点へと交響曲さながらに奏でられる。
一瞬の静寂の後――着弾音は地響きと業火と共に吹き荒れる。


「――こうして、叩いてやらぬから」

「結局のところ、延々と終わらぬマラソンを繰り広げる事になる」

「怠惰と安寧は、十分貪っただろう?違反部活の諸君」


燃え上がる落第街を、金属の異形の群れと共に見下ろす少年。

「さて、これも仕事なのでね。
何、心配する事は無い。私はこれでも"慣れている"
君達がもう少し大人しくしてくれていれば――私も、お役御免で済んだかもしれないのだがね?」

揶揄う様な声色は、誰に向けられたものか。
返事など無い。代わりに、放たれる砲火の第二射。
轟音と、砲弾が空気を切り裂く音が、二度、三度。

神代理央 >  
まあ、今回の"獲物"は小粒だ。
謂わば、見せしめの為に準備された拠点が割れている違反部活の一つ。
偽造学生証の作成だったか。島外のブランド品のコピー品の販売だったか。
正直に言えば、態々砲弾の雨を降らせなくとも、風紀委員の小隊で突入すれば済む様な組織。
周囲には落第街の住民の住むバラックなども点在している。
言葉を選ばなければ、下町の中の工場の様な拠点――なのだが。

「……神代だ。周辺住民の避難は完了しているのだな?
――ああ、そうか。『規定通りの呼びかけは行った』のだな。
宜しい。ならば、後顧の憂いも無い」

勧告をしたから、住民の避難は完了していると"見做される"
自分も良く使った手段だが、こうして他人が堂々とその『言い訳』を用いているのは、何だか可笑しくて笑ってしまう。
まあそれでも、仕事は仕事だ。背中に無数の砲身を生やした巨大な金属の蜘蛛の様な異形達は、主の思念に従って砲身を軋ませる。

「……では、予定通り3区画程焼き払う。後で生活委員会にはきちんと謝罪を入れておいて欲しいものだな。
連中と来たら、炊き出しだのなんだのと喧しいことこの上ない。
私が何度クレームを受け取ったか、教えてやろうか?」

通信機に向けて揶揄う様な声色で話し続けながらも、砲撃の嵐は止む事は無い。
次々と投射される火力。工場"だった"モノは、もうとっくの昔に燃え上がる瓦礫の山と化している。
後は逃げ惑う違反部活の構成員が黒焦げになる様に、周辺区域を焼き払うだけだ。

……何ともまあ。何時ぞやに比べれば温い仕事だ。

神代理央 >  
――砲火は、通り雨の如く。
暫くの間、止む事は無かったのだろう。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から神代理央さんが去りました。