2022/09/17 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に川添春香さんが現れました。
川添春香 >  
突然、未来の携帯デバイスがデータベースに繋がった。
慌てて調べた今日の日付の事件は。
違反部活群から怪物が出現。

そして常世島に災厄が連鎖的に広がっていく、という。
ひどく曖昧な惨劇の情報だった。

仮面をつけて夜の違反部活群を歩く。
こんなところで、一体なにが。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」に異能食らうモノ【剣】さんが現れました。
異能食らうモノ【剣】 > 浮遊して空を飛ぶ、長さ3m程の真っ赤な剣。
それは明らかに生きていて動いているかのようだった。

いつからそこにいるのか、どこで沸いたのか、どうして一人でに動くのか…恐らく誰も知る由もないだろう。
未来の携帯デバイスですら、それが分からないのだから。

しかし。
川添春香はこの感覚を恐らく…覚えている事だろう。

今までのモノと姿かたちは全く違う。

だが、理不尽に異能者を食らう為に殺戮を是とし、
殺めた異能者の力を行使する化け物である事が、その剣の放つ気配がソレと同じだと伝えていた。

川添春香 >  
夜を刳り貫いたような真紅。
それは刀剣だと気づくのに数秒要した。
そして……それが禍々しく、人を殺すためのモノであることには。
一瞬で気づけた。

「あんまりこういうのに慣れたくないなぁ……!」

強がりを言って恐怖心を誤魔化し、構えを取る。
あれが人を殺し続ければ。
きっと誰にも手を付けられない本物の災厄になる。

だから、あれを破壊するなら今なんだ。

髪の毛を伸ばし、近くの瓦礫をいくつか掴んで剣に向けて投げ飛ばす!!
挨拶代わりのグラインドスローだ!!

異能食らうモノ【剣】 > ザシュゥーーーンッッッ!!!

苛烈な剣の振り返りと共に、風を切るように鋭い移動を伴い…投げられた瓦礫が真っ二つに引き裂かれる。
綺麗な切り痕、まるで殺意をそのまま瓦礫に示す様に切り口を作り上げる。

無機質なはずの剣が、しかし川添春香にその剣先を向けるのは、

まるで…

次はお前の番だとでも告げるかのよう。

程なく、もう一度剣が振りかざされる。川添春香を切り刻み、食い尽くさんと…!

川添春香 >  
「!!」

ウソでしょ、コンクリの塊だよ!?
バターでも切るみたいに両断して……
今は切っ先がこっちに向いている…!!

「くっ!!」

横っ飛びで回避する。
余裕を持って回避したはずなのに。

私の肩口が斬れて血が吹き出る。
鋭利!! それも人の理を超越したレベルの!!

今すぐ逃げたい。でも、逃げた先に待つものが安寧とは限らない。
そうでしょ………パパ!!

剣の横、刀身に向けて人差し指を指す。
音を立てて指の骨を撃って射撃。

さて…次の一手を考えなければ、膾切りは避けられない!!

異能食らうモノ【剣】 > 川添春香を引き裂き、吹き出た血液を、剣が吸収している…。
引き裂いて垂れ落ちた血液を食らうように……

異能食らうモノは異能者の血肉を食らう事を至上の喜悦としている。

それは形がヘビであれ、剣であれ変わる事はない。

…食らう事に意識が向いていたのだろう、隙を大きく晒していた異能食いの剣は、
刀身に射撃を打ち込まれて刃を一部とはいえボロボロに零れさせてしまうのだった。
どうやら、薄いところから攻撃を打ち込むことはかなり有効なようだ。

逆に、加速をつけて切りかかってくる角度であれば、コンクリートだろうと容易く切断できよう。

川添春香 >  
「こいつ……!!」

私の血を食らっている……!
こうして今までの怪物同様に力を蓄えていく!!
人を大勢殺したら、止める手段がない!!

騒ぎを聞きつけて様子を見に来た違反部活生に声を張り上げる。

「来るな!! 今は危険だ!!」

と、異能で声を変質させて叫ぶ。
仮面の下で表情を歪める。
どうする……こいつを仕留める最良の手段は…!

さっきの指の骨は効果があった、それなら!!
魔導書『非時香菓考』を持つと、勝手にページが開いていく。

「41番目の記憶!!」
「脇腹についた創傷を手で押さえながら!!」
「爽やかな朝の湖畔で子供たちにせがまれ!!」
「命の限り遊んでやっている!!」

「蘇る古傷(オールド・ウーンズ・メモリー)!!」

これは受けた傷をさらに重傷化させる呪いを一定範囲に広げる魔術!!
避けようのない広範囲魔術で骨弾の傷を広げてやる!!

「この魔術の最大の弱点は……」

肩口の傷が再生能力を上回る負の力で開いて血が噴き出る。

「術者も影響を受けるってことかな……!」

異能食らうモノ【剣】 > 異形の騒ぎを乗じて聞きつけてきた違反部活の生徒たちが周りに沸いてくる。
本来ならこういう異能者は異能食らうモノの格好のエサ。

それに手を出させないようにしたのは、
剣の生命維持や新たな力の入手を阻止したも同然だった。

剣の刃が…崩れ落ちていく。
魔法の効果をモロにくらって、真っ赤な鋭利な剣が、ボロボロに朽ち果てて潰えていく。
広がった傷口がふさがることはない。

しかし。

その剣はただ死を待つだけではなかった。

ボロボロになり、剣としての役目を果たせなくなったシロモノが…突如その身を光らせる。
何もない虚空を薙ぎ払い切り裂く。

放たれるのは、「飛ぶ斬撃」。地割れを起こして、川添春香を立てに真っ二つにしようと一閃が地を這い駆ける。
それは紛れもない、物理的に解説が不能な現象…

異能だ。

川添春香 >  
その時、風の流れがおかしくなる。
間にある地面が割れ、自分に向かっ……

「!!」

咄嗟にサイドステップを踏むも、左腕と右足を切断されて蹲る。
魔術を止める、このままでは術の影響で先に死ぬのは自分だ。

「く、空間の断裂………!」

異能の力、既に誰かから吸収していたか!
悔しいけど私の力じゃ届かないかも知れない。

違う。
切断面から血管を伸ばして左腕を強引に接合する。
右足首は再生を待つ。

届かなくても、届かせる!!
どこかの誰かの未来のために、絶対に!!

「来い………!!」

ボロボロのまま、仮面をつけたまま、月に……浮かぶ緋剣に吠える!!

異能食らうモノ【剣】 > 朽ち果てて壊れかけの剣は、もはやロクに物理攻撃の手段はないだろう。
この川添春香を殺害し、食らったとして。

この剣が待っているのは死でしかない。

ここで負けようが、勝とうが。
いずれ朽ち果てるのであれば。
この怨敵を道連れにする事の他に、剣に今できる事はなかった。

川添春香の挑戦を受け止めるように、剣が夜空へ飛び、舞う。

作り出されるのはその数8の飛斬撃。
人体を粉砕し、食らう為の肉片に作り替えん異能の斬閃。

触れた者がどうなるかは、先の地割れを見れば理解できるだろう。
それがまるでミキサーの如く渦を巻く。

巨大な刀身のなれの果てから打ち出される、命懸の殺刃。

川添春香 >  
飛斬撃は八連。
連ねて人を細切れにするだろう。
それは怨念の籠もったラストアタック。

その攻撃が通り過ぎた後。
川添春香がいた場所は粉々に粉砕されていた。

 
静けさ、そして夜の闇。
何も無い。

そこに。

「そう何度もやらせないでほしいな…これ」

最初の飛ぶ斬撃で開いた地面の断裂。
そこに超軟体で体を折り畳んで緋剣の後方まで移動した。

「奥の手だから」

声が響く頃、既に拳を後方に溜めている。

「鬼角………全壊拳!!」

上方に放った拳を巨大化させ、地面に向けて打ち据える。
押し潰す巨拳が壊れかけた剣にトドメを刺そうと迫る。

異能食らうモノ【剣】 > 長さ3m。その数8。
果たしてその斬撃を避けられる者がいるだろうか。
物理法則を捻じ曲げあらゆるものを断裂する斬撃を耐える事が出来るだろうか。

剣が最期の力を使い果たした一撃を終えた後、
あらゆるものへの抵抗を失った状態だった。

もはや、剣の向く方向を変えるだけの余力すらのこっていなかった。



轟音が9つ、違反部活の一角に鳴り響いた。
8つは斬撃が部活群の瓦礫をを引き裂く音。

1つはその剣のサイズすら凌駕する、巨大な拳が剣を木端微塵にした音。

刃を失った。
異能力を使い切った。
剣だった事実すら失った。

川添春香の勇敢さを失わない一撃は、惨劇を齎す凶刃を、
二度と甦らないところまで粉砕したのだった。

川添春香 >  
敵を粉砕した後、地面の亀裂を通った時に引っ掛けて無くしていた仮面を手を伸ばして拾い。
装着した。

呼吸を整える。今度こそやばかった。
でも、勝てた。私は惨劇を止められたんだ。

「失礼、騒がせたな」

声を変質させて低い声で周囲に伝えると。
自分の足だったものを拾って靴を履き直し。

大きく跳躍すると建物から建物へと跳んで去っていった。

 
それにしても。
この怪物たちは、一体どこから来ているのだろう……

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から異能食らうモノ【剣】さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から川添春香さんが去りました。