2023/07/11 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にスパイダー・ディスペアーさんが現れました。
スパイダー・ディスペアー >  
夜が遅くなった一般学生を落第街まで連れ去る。
落第街まで連れ去られた者はどうなる?

それは。

CROSS KILLERsと呼ばれる組織の被験体とされるのだ。
そしてディスペアー(絶望)と呼ばれる怪人になる。

今夜は───

「早く来い、お前は五体満足じゃないと意味がないんだぞ」

黒い外套を被った男が悲鳴を上げる女性を引きずるように連行する。
しかしここまで騒がれるとは。
人間は恐怖心に弱い。次からは殺さずに意識を奪う方法を考えなければなるまい。

「面倒だな」

女生徒 >  
黒衣の男に強引に腕を引かれて。
「や、やめて!! 誰か助けてください!!」
その声を聞く者は現れるか。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」にさんが現れました。
> 「見つけた……」

そんな声が後ろから聞こえた。
どこから現れたのか、ソレは今の今まで気配を感じさせなかった。まるで影に溶け込んでいた如く。

その姿は黒く、夜でははっきりと姿を捕えることは出来ない。
ただ一つ、怪人を睨むぎらりと光る紅き目を覗いては。

スパイダー・ディスペアー >  
水たまりを無遠慮に踏んで振り返る。
夜に溶け込む黒。緋の宝石よりも攻撃的な。
そう、夕陽よりも血を想起させるカラーの瞳。

「なんだお前は……」

また面倒なことが起きそうだと嘆息して。

「正義の味方気取りならご遠慮願おう」
「俺は面倒が嫌いなんだ」

構成員がいる方向に女生徒を乱暴に突き飛ばして。

「聞こえなかったのか? それとも誰かの手で死にたいのかね」

> 「貴方が面倒を起こしているんじゃない?」
「まぁ、自分達の目的の為には何だってする……そういう連中なんだろうけどさ」

風が吹くと、その黒いマフラーが靡き……するとゆっくりと先端から形が変わっていき。

黒の剣と化す。
どうやら剣の下の部分はマフラーと繋がっているようだ。

そしてその剣の切っ先を相手へと向け。

「それに、私は正義の味方でも無いし……

貴方に負けるとも思ってないんだけど?」

スパイダー・ディスペアー >  
違反部活が多く存在する地域のひび割れたコンクリート。
それを踏み割って。

「面倒じゃない仕事があるなら是非、紹介してもらいたいものだな」
「もっとも……」

黒い外套の背を突き破って蜘蛛のような脚が突き出てくる。
そのまま人間のものと思しき腕で外套を引きちぎる。

黄色と黒の斑の体色を持つ蜘蛛。
蜘蛛の、怪物。
いや、怪人───

「お前を殺す程度なら残業にもならんさ」

相手の足元に向けて粘着質な糸を放出する。
動きを止めたら、怪物の膂力でねじ伏せる。

そういう算段だ。

> 「ッ……!」

糸が足元へと放たれると超人的な動体視力で捉え、大きく飛び上がる。その様はまるで飛蝗のようであった。
明かりに照らされると、キラリと外装が光り、風よりマフラーが靡く。

「ほら、お返し!」

黒き剣を顔面に向かって投げつけていく。

スパイダー・ディスペアー >  
「!!」

黒い剣を向けられると、左手で弾こうとして。
いや、未知のその攻撃と速度を警戒して右手方向に大きくステップをして回避する。

「武器を手放すなどと!!」

空中の相手に手首から再び粘糸を放出する。

後方で地面が抉られるように破壊される音がした。
なるほど、下手に防ごうとすれば死んでいた破壊力。だが。

> 「避けるなんて、案外やるね……

でも!」

急速にスパイダーへの接近してくる、なんと地面に深く突き刺さった剣をまるでワイヤー巻きとるようにマフラーを縮ませ接近したのだ。

そのまま剣を元のマフラーに戻し、地面を深く蹴り姿勢を低く、手を突き出し腹に向かってパンチを繰り出す。

スパイダー・ディスペアー >  
黒の戦士は空中で軌道を変える。
地面に突き刺さった刃は布石ッ!
手繰り寄せるように刺さった場所へ加速し。
そして。

「ぐっ!」

姿勢低く接近してボディへ鋭い一撃を浴びせた。
まずい、こいつのパワーは。
そう何度もダメージをもらっていい相手ではない!!

蜘蛛の複眼に捉えた相手が赤い残光を曳行している。
パワーだけじゃない、速い!!

「うおおおぉ!!」

背中から突き出た蜘蛛の腕を伸ばして襲いかかる。
鋭い複腕、相手を貫くのに十分なはず!!

> 「がっ…は……!」

確かに、スパイダーの腕は身体を捉えたとそう感じる。

しかし、容易くは貫けていないようで。ギリギリと音を鳴らしながら外装が受け止めていた、その箇所は赤く光っているようにも見える。

「いったい……けど、これで……少し貯まった!」

その瞬間、その光がスパイダーを捉える腕へと移り。

「ふん……ッ……!!」

先程よりも更にパワーの増したパンチを再び、今度は至近距離で放った。

スパイダー・ディスペアー >  
「!?」

硬質。あまりにも。
常人なら確実に殺したタイミングとパワーだったはず。
あの外装甲は一体。

「面倒な奴だ!!」

拳を振り上げ、打ち下ろそうとした瞬間。
黒の戦士の輝きを伴う拳が顔面を打ち据えていた。

「が、あああぁ!?」

後方に弾かれて。
脳が揺れて片膝をつく。

「なんだお前は……何者だ!!」

その言葉は虚しく石畳に転がる。
足が覚束ない。反撃が、できない!!

> 「はぁっ……!!」

そのまま大きく飛び上がり、残った力が右足へと集約され。

「ナイト……エンド!」

そのままスパイダーへとキック叩き込むと、エネルギーが体内へ送り込まれていき臨界を迎えると再び蹴り、空中で体を翻し背にするように着地して。

「明けない夜は無いんだよ」

スパイダー・ディスペアー >  
黒の戦士のキックが来る!!
咄嗟に両手を交差させようとし、
それより疾く蹴りは体に突き刺さる!!

「ぐ………!!」

赤のエネルギーは破壊的なパワーを生み出していた。
それを体に直接流し込むのか!!

まずいッ!!

赤いエネルギーが体内で炸裂し、大きく爆発した。
倒れ込み、瀕死の状態で顔を起こし。

「ぐ………」
「お前はCROSS KILLERsを敵に回した…」

「お前は死、死ぬぞ、死……!!」

それだけを最期の言葉に。
短く呻いて。
二度と動くことはなかった。

 
構成員たちはさらってきた少女を放り出して逃げ出していく。

女生徒 >  
その場に放り出されるように取り残されて。
助けてくれた黒の戦士を見る。

「あ、ありがとうございます……?」

極度の緊張から解放され、それでも跳ねる鼓動を
手で押さえつけながら、お礼の言葉を口にした。

> 「別に、私が勝手にやった事。感謝する必要は無い」

その声は冷たいように聞こえるが、貴方の身体を見るとふぅと安堵の息のようなものも聞こえた。

「じゃあ、もうこんな所に用は無い。私はさっさと出ていく」

と、すぐに振り返り歩いて出口へと向かっていく。
飛んだり走ったりする方が早そうなのに、だ。

女生徒 >  
「あ……」

出口へと向かって、私が追いつける速さで歩いてく黒の戦士。
私は彼に導かれて落第街を脱出することができた。

黒の戦士の正体は今もわからないままだ。

でも、今も私の心に。
あの存在の背中が見せてくれた正義は焼き付いている。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からスパイダー・ディスペアーさんが去りました。