2019/05/24 のログ
ご案内:「路地裏」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > コツコツと、薄暗い路地裏に硬質な足音が響く。
街灯も無く、周囲の建物から僅かに零れ落ちる灯りだけが視界を照らす此の場所は、落第街の中でも特に危険で、闇に堕ちた場所。
そんな場所を一人で彷徨う少年の目的は唯一つ。

「……さて。情報通りなら、ここいらの筈なんだがな」

足を止めたのは、路地裏の一角。古ぼけた雑居ビルの真裏。
のんびりとビルを見上げると、コツリと革靴を鳴らす。
その刹那。まるで大地から湧き出る様に現れたのは、巨大な金属の異形。背中から無数の砲塔を生やし、歪な多脚で機械を捻り潰した様な身体を支える醜い異形が一体。また一体と、狭い路地裏を埋め尽くす様に顕現する。

「情報屋というのは今一つ信用がならないものだが…まあ、良かろう。例え情報が違えど、被害を被る者はあるまい」

穏やかな口調で独り言ちた後、異形達が一斉に砲塔をビルに向ける。
軋む様な金属音が、路地裏中に響き渡るだろう。