2019/06/12 のログ
ご案内:「路地裏」にアイノさんが現れました。
アイノ > 呼び出す。
教師の呼び出しであれば生活指導や学習指導。
生徒同士の呼び出しであれば、愛の告白から遊びのお誘い、時々ケンカ。
今はよっぽど言われないが、果たし状なども呼び出しのカテゴリに入る。

金色の髪をした少女は、教師でもなく生徒でもない、謎の呼び出しを受けて指定の場所に向かったのだけれど。

「………まーさか、愛の告白と果たし状が一緒に来ると思わなかったな。」

いっつつ、と脇腹を押さえながら、裏路地のゴミ箱傍に腰を下ろす。
見れば、ところどころ擦りむいて、頭から目と耳の間くらいの部分に血が一筋流れ落ちている。


“同じ念動力者同士で交わればもっともっと強い力を生み出せると思う”
“だから僕らが交わるのは運命なんだよ”


わけのわからないことを抜かしながら襲ってきた長髪の男。
おそらく、身の丈に合わない力を持って、精神がいろいろと一線を越えてしまったのだろう。

今はその男から何とか逃れて、こっそり物陰で体力の回復中だ。

アイノ > 面倒な相手だ。
同じ力を持って、同じように相手をぶちのめすことを考えて鍛錬をしてきた。
となれば、この力の強みも弱点も知り尽くしていて、どのような場所でどうやって相手を襲い、叩くのかも理解しているということ。
当然のように抵抗し、相手をぶっ飛ばそうとする少女の能力をうまくいなし、自分の力をぶつけて、攻撃してくる。

……なんとか、一瞬の隙をついて逃げだしはしたものの。

「何とか逃げ切ったかな……」

ぺ、っと血の混じったつばを吐き出しながら、呼吸を整える。
美少女の頬を思い切り殴るとか信じらんねー、とぼやきながらも、物陰から周囲を見る。

アイノ > 足音に、びくりとしてまた物陰に隠れて。
もう、とうの昔にその相手はどこぞへと行ってしまったと理解はしているんだが、それでも………自分の命をきっちり狙っている相手がいるということが、心の奥にずしっと重いものをのせてくる。

「………あー……、もう…!」

イライラする。
ただただイライラしながら、片手に持った錆びたナイフを握り締める。
いきなり顔面にぶん投げてきたブツだ。どうにも、狂っているらしい。

「次出会ったらぶっ飛ばしてやる………」

ぐい、と唇を拭い。
暗い路地裏をゆっくりと歩く。
日はもうすっかり沈み始めて、夕暮れから夜へと変わろうとしていた。

ご案内:「路地裏」からアイノさんが去りました。