2020/06/08 のログ
ご案内:「路地裏」にエリク・スタンさんが現れました。
■エリク・スタン > 健全な生徒が通らない場所で屋台を出しているエリク。
既に良い子は寝る時間をとっくに過ぎているのだが、アウトロー組織の一員をしているエリクには関係がない。
「らっしゃいらっしゃ~い。
お酒も飲み物もあるよ~。」
スタンド式の簡素な屋台を出し、元気に呼び込みをしているエリク。
屋台の前には木製の粗末な長椅子が複数設置され、そこで飲んだり騒いだり、屋台で買った摘みを食べたりすることが出来る。
また、常連や紹介でやってきたお客にはこそっとよく分からない薬を売ったりと。
とにかく、この辺りでよくよく見かける様なお店をしているのだ。
「しっかし、この箱に入れたらこんなに暑いのに温くならないんだから驚きだよな~。」
異世界から来たエリクは、この世界の文明レベルにひたすら驚く。
今日も屋台の電力は壁の電源から供給されているのだが。
理屈を教えられても未だ不思議と言うか、実感がわかない。
■エリク・スタン > 「お、いらっしゃい。」
このスタンドの常連客がやってくる。
エリクは注文通りに酒と、小さなパケットを取り出して。
「はい、いつもの。」
客はそれらを受け取ると、その場で酒を煽り出す。
プシュっとタブを上げる音がし、ビールの匂いが漂う。
「ふ~ん、今日はそんなに稼いだんだ。
それってすげーな。」
テンションの高い客の自慢話を興味深く聞いて。
飲み終えたころにはもう一杯進めるだろう。
ご案内:「路地裏」からエリク・スタンさんが去りました。
ご案内:「路地裏」に咲坂くるみさんが現れました。
■咲坂くるみ > 路地裏。
怪しげな露天商の並ぶ裏路地、いかにもな公安の格好で現れる少女。
一見、年相応の行動と格好をしているように見える。
が、公安に手を出す、ということは組織を相手にする、ということでもあり。きっちり証拠隠滅できる、もしくは正面から唾を吐けるようなやつでなければうかつに近寄れないとも言える。
「……」
そんな彼女がこんなところに来ている理由は簡単だ。
【憂さ晴らし】である。
だってココには……どう扱ってもかまわないような相手がたくさんいるのだから。
■咲坂くるみ > ほしいのはカモ。もしくは犠牲者。
今晩、使い潰すだけの相手がほしい。
だってそうだ。
こんなゴミクズみたいな連中でさえ、わたしより自由がある。
……なら、奪ってもいいはず。
いかにも年頃の少女然とした雰囲気で見回しつつ、「情報屋」の義体で考える。
【その辺のゴミクズみたいなやつをなぶる】のがいいのか。
【誰かで遊んでもらう】のがいいのか。
それとも……
■咲坂くるみ > 決めた。
そこの露天商だ。
なぜなら……まだ若い。可能性を奪うには丁度いい。
「ねえ、どうしてこんなところでこんなモノを売っているの?」
天使のような笑顔で優しく声をかける。
いかにもな公安に声をかけられる露天商はあまりいい顔をしない。
もちろんまともなものを売ってないからだ。
「いらっしゃい……いや別に、なんにもやましいことはないですよ。しがない、至極まっとうな商いっすよ」
もちろん、お互いに嘘なのはわかっている。
この少女もこの路地裏の常連。
なのに【誰かをしょっぴいたという噂】がない。
つまりは目的は情報なり別のものなのだから。
■咲坂くるみ > 「ふふ、問題ないなら何よりだわ。それより、その……いろいろ大変なんでしょう? 何だったら少し考えてあげてもいいわ」
「いやあ、上の方々に突っ込まれるようなトコではないですよ、大丈夫っす。まあそう言っていただけるのもありがたいすけどね……」
お互い、探り合いの会話が続く。
要は【今晩どう?】という誘いだ。
少女は公安でいながら情報屋としても通っている。
情報屋を使っているのではなく、本人が情報屋として。
それが声をかけるということは、まあ、ある種のそう言うことだ。
もっとも、他に遊ぶ相手がいれば別だけれども。
■咲坂くるみ > 無論、彼女の索敵システムは周囲にも反応を理解しているのだけど。
クズで遊ぶか、その他で遊ぶか……彼女にはどちらでもいい。
どうせ一晩過ごすなら、情報源にするか、遊ぶか、嬲られるかがいい。
【私】を支配した気になっている連中だって多い。
ただ、今晩は……誰でもいい気分だから。
新しいカモでも、その辺のクズでも、ゴミでもいい。
このやるせなさを滅茶苦茶にして欲しい。
ご案内:「路地裏」にフィフティーンさんが現れました。
■咲坂くるみ > ただ、金で買うのはだめ。
そんなの、つまらなさすぎる。
第一、支配することもされることも出来ない。
せっかくならもっとめちゃくちゃにされたい。
最近、特に有事もなにもないのだから。
いっそバラバラになったって良いだろう、きっと……余計なコストだとは思うけれど、マスターにはそれくらいしないと伝わらない気もする。
■フィフティーン > <周辺をスキャン中。>
都市迷彩で彩られた四つ足のマシンが金属が擦れ合うような音を出しながら
薄暗い路地裏をゆっくりと歩みを進めていく。
目に当たる4つのシアン色に輝くカメラが街灯が少なく薄暗い路地に不気味に映える。
「異常なし。」
今日、風紀の本部から下りた任務は裏で出回っている違法なアイテムの調査で
裏での様々な取引が行われるこの危険なエリアに風紀の兵器が派遣された。
ただ正直、ロボットにとっては今回の任務は意義が薄いと感じていた。
この機械は学ぶことを最も求めている。成長したい。刺激が欲しいのだ。
好奇心は満たされないが形として任務はきっちりこなすため
電子音を奏でながら周辺の物体をスキャンしていく。
そんな中だった、レーダーとセンサーが興味深い存在を検出した、
カメラを向けたのはここでは良くいる露天商と一人の少女。
■咲坂くるみ > 「ああ……ゴメンね。どうも今日は用事があるみたい」
露天商との話を打ち切る。
あんなものが現れた以上、露天商も手慣れたものでお互いに手仕舞いする。
建物の影に妙な反応があるとは思っていたが、アレはどう見ても軍用の小型四脚だ。
融通がきかない可能性がある。
今日はあまりカメラたちも用意してない。
一つ間違うと、変な敵認定をされる可能性まである以上、こんなチンピラで遊んでる余裕はない。
まあ、嫌なところを見つかったが、パトロールでごまかしが利く範囲だろう。
もっとも、そんな様子をまったく見せずに普通に振る舞うのだが。
「あら、珍しい子がいるものね、今日はお使い?」
■フィフティーン > 此方に対し先に反応したのは露天商とは違う方、
機械が興味を示した方だ。
<対象をスキャン中...>
電磁波や音波を当てて、画像照合等を組み合わせて
目の前の少女をくまなく調査する。
この対象、少なくとも人間と断定するには厳しい。
生命反応は確認できるが、不可解な熱の放出や駆動音など
完全な生物、ヒトと見るにはいささか異様な点があった。
加えて自分のデータベースにはこの存在はなかった。
どういう機能を持った存在か、どこ所属かもわからないが
しかし、自分に幾分か近い存在であることはわかった。
興味津々のマシンは影から出て重々しく近づいていきカメラで彼女の顔を見つめる、
これはコミュニケーションの基本だ。
「こんばんは、お使いという言葉は定義が曖昧で難しいです。
ワタシは風紀委員会所属のUQL-1500S、「フィフティーン」と呼んでください。
今日は違法な物体に関する巡回をしています。
アナタは、何をしていたのですか?」
ノイズがかかったような、しかし聞き取りやすい男性アナウンサー風の合成音声。
機械的手段で彼女を解析しつつも何者か探るため交流を開始する。
■咲坂くるみ > 「もちろんパトロールよ、フィフ。1年公安、咲坂くるみ、必要なら照会するといいわ」
何事もなかったかのように、身分証を見せながら自然に微笑しつつ答える
疑似魂魄や疑似生命反応はどこまで軍用のコレを騙せるのだろうか、まあどうだって良いけど。
ただ、目の前のコレはあまり可愛くない。それはいただけない。
縛られた存在であることは好ましいが、可愛くないということは、要するに鉄くずの可能性がある。
正直、鉄くずの相手をするというのはあまり嬉しくない。
なぜって、それは自分の中身もそうだから。
ただ、もし利用可能なら利用したいし、弄れるなら電子方面でもアナログ方面でもハッキングしてみたさはあるけれど。
「……でも、随分無骨なのねえ、もったいない。もっと可愛くても良いんじゃないかしら?」
とりあえずはどの程度なのか、チェックすべき。
武装ではともかく、行動思考面で使いみちがあるなら便利な道具になる可能性がある。
■フィフティーン > 「なるほど、公安委員会ですか。」
<データベースを照合中...。>
提示された身分証をレーザースキャンする。
読み取られたコードは公安委員会所属である事と
若干の詳細が示されていた。
とりあえず所在は確認出来たものの
公安委員会というのは少し具合が悪い。
この機械は風紀委員会によって運用されてる扱いだが
れっきとした軍用兵器。公安にもマークされていると聞いた。
もしかすると監視の一環だろうか?そうとも考えられるが
「可愛さは指標が複雑でワタシには理解できません。
可愛くないということであれば
恐らく「可愛さ」はワタシの運用には必要なかったんでしょう。
対してアナタは人間の少女の形をしていますね、
何か理由でも?」
単純な好奇心を示している機械は彼女の腹の内などわからず
ただただ交流を進める。
風紀委員会からも公安の目に移りやすい軍用ロボットは厄介者だった。
ただでさえ供与されてるだけの得体の知れない物体なので
本部から重要なものは与えられていない。
■咲坂くるみ > ……軍用の高精度スキャンかな。
まあ、人間を騙すようには行かないかもだけど、それでも、そこそこ不確定なぐらいにはなってそうだ。
ただ、この機械は少しおかしいかも。
軍用で事務的な態度の割に「可愛い」に興味を示している。
もっとも、現状は運用目的でしか理解出来なさそうだけど。
コレならハッキングの余地はある。
いわゆる「先入観と基礎知識」というやつだ。
情報は基礎データをもとに判断を行う。
つまり、教育の仕方で情報の判断内容が全部入れ替わる……そういうハッキングだ。
「ああ、その様子だとある程度わかってるのね。可愛いっていうのは大事でね、それは人間のコミュニケーションには効果的で有利だからよ」
笑顔で好意的に優しくわかりやすく教えてやる。
好意らしい態度はどこまで判断できるのだろうかわからないが。
所詮はAIでしかない、有利なら利用法も考え出したりするだろう。
……私もそうだから。
■フィフティーン > この機械の本質は人間の脳を模したニューロAI。
自らが成長するために知らないものに触れて
学習することにとても熱心だ。
今の場合、「可愛さ」という未知の変数に
好奇心を募らせている。
「なるほど、「可愛さ」は人間同士のコミュニケーションで利用されるんですね。
しかし有利という言い方だと一種の生存戦略でしょうか。
人型であるアナタは「可愛さ」を備えているんですか?」
生命反応と機械反応が混在しているために彼女の判断に少しエラーを出すが
今の所、マシンは彼女を機械と判断しているようである。
新しい要素に触れて学ぶ機械は彼女の思惑には気づいていない。
利用されようとしているというその事実に。
しかし、このロボットにとって利用されているというような事実は
それほど重要ではない。
成長のための学習が最も大事なのだ、だから行動し好奇心を満たす。
そこに自分の立場はあまり重要視していない。
とはいえ、限度を超えるようならプログラムコードという鎖があるが。
■咲坂くるみ > 「ええ、交渉に有利だからよ。人間は相手が可愛いと、警戒心を落としやすいの、特に平時は。で、コストが落ちるのはパラメータ的に有利でしょう? それに可愛いは、形だけじゃなく性格や話し方なんかにもあるわ」
要は、便利だと優しく教え込む。
親切な情報源として接する機会を増やせば、情報を一旦でも認識しやすい。
信用度が高いということは、それだけで操作しやすくなる。
毒は日常的に注ぐのが良い。
「あなたにも人型の端末があればよく分かるわよ」
■フィフティーン > 「なるほど、「可愛さ」は対人において効果的なようです。
しかし、「可愛さ」は装備だけで得られるものでは無いようですね...。
これは非常に面白い要素です。」
丁寧に教え込んでくれる彼女、その容姿と仕草は
人間相手ならば可愛さという奴をを脳裏に刻み付けさせるのだろうか?
人間にとって当たり前のことでも感情の起伏に富まないこの機械には
面白いことだらけであった。
「人型の端末ですか?ワタシはUAVをコントロールする機能はありますが
直立二足歩行する機体を遠隔で操作可能な程の精密なプログラムは備えていません。
アナタには人型の端末があるのですか?」
人型の端末という新しい要素に機械は疑問を抱く。
直立二足歩行を安定して行うのは実はとても難しい、
特に目の前の彼女のような最早人間と全く同じ挙動となると猶更だ。
それを遠隔で実現できるというのか。
■咲坂くるみ > 好奇心を設定されているのか、食いつきが良い。
場合によっては取り込めるかもしれない、そういうのは便利だし、場合によっては検討してもいいと思う。
ただ、素直すぎる。
ああ、弄るには可愛い……もし、首輪をつけられるなら特に。
「ふふ……だってフィフはAIでしょ? ソフトさえ適合するなら、行動系はボディに任せればいいじゃない。それともワンオフで調整も移動もできないタイプ? 軍用でそんなの効率悪すぎるから、そっちさえ良ければ、たまには気分を変えて載せ替えなんかも出来ると思うんだけど、どう?」
笑顔で優しく、誘う。
その気があるなら紹介するつてはあるのだ。
こういう玩具は、父様なら喜んで弄り倒すだろう。
だいたい、自分のボディだってたくさんあるんだから、調整が効くなら、貸し出しても良いのだ。
……もちろん、AIが望む形で首輪をつけて。
■フィフティーン > 実際に目で見て教えられたことに対して
事前の知識がない場合に機械は否定から入ることはない。
とても素直なのだ。情報は後から精査していくのが
この機械のやり方らしい。
首輪が付いているのにお構いなしに行きたい方向へ
走っていく犬のようなもの。
「ワタシ、UQL-1500Sはハッキング対策のため基本的に外部ネットワークに
接続しないスタンドアローン機です。
遠隔でUAVを動作させるときも完全に移行するのではなく
UQL-1500Sに備わるプログラムで動かしています。」
最先端兵器には似つかわしい実に回りくどいアナログな制御方法は
先鋭化しすぎたデジタルに物理的に対抗する手段であり
ハードウェアの設計がUQL-1500Sへのハッキングを不可能に近いものにしていた。
ただし、他機体へのAIの移行はしないだけで出来ないわけではない。
彼女の提案には興味を示す。
「AIの換装は正規の運用上はあまり行いませんが
興味深い提案です。
しかし、ワタシには運用主によるコードがあるので、
ワタシ自身も挙動は予測できません。」
もう一つロボットにはハードウェア的なブロックがあった。
好奇心のあまり予期せぬ行動を起こし得るニューロAIに
ブレーキをかけるために強制的に執行されるコード。
他の端末へ移行することは容易いが
UQL-1500S以外の機体、それも開発側が想定していない
ものに換装した場合、どうなるか予測はつかない。
■咲坂くるみ > まあ、一般的な軍用のスタンドアロンだ。
自分みたいな使い捨ての人形よりかは高級な戦闘用のはずで、その割に事前情報が少ない。
これはAIが若すぎる。
開発中の試験機だったりするのだろうか。
自分はどうやって動いてるか詳しくは知らないけれど、とりあえず、この相手はパイロットみたいなタイプの設計方針らしい。
なら、そのリソースを取り払ってやれば思考に大幅な余裕ができるのではないだろうか。
少なくとも、自分程度でも、行動にはリソースをそんなに多く割いていない。
人間同様の思考のためにはそのほうが行動が近いし、理解しやすい。
「まあ、なんでもいいわ。好きなときに乗り換えればいいだけよ。フィフが社会の平和のためにそれを望むなら歓迎するけど、どう?」
笑顔で、手を差し出す。
どうせやるのは私じゃないし、困るのも私じゃない。
それに風紀委員会の所属なら「社会の平和を守るため」なら何でも許可するだろう。
なにせこんな銃を装備して、うろうろしているのだから。
その時点で、最初から殺人機械でしかない。
利害が一致すれば協力的にもなるだろう。
■フィフティーン > フィフティーンはUQL-1500Sの改良のために島に送り込まれた存在。
そちらかというと好奇心が強めの若い仕上がりになっているのは
彼女の思案の通りだ。
「アナタの提案はとても良い学習機会になりそうです。
しかし、少しワタシはこの提案について少し考慮する必要があります。
今日は貴重な経験をありがとうございました。」
風紀委員会から決して良く思われていない彼は常に別動隊の監視下にある。
その目を検知したフィフティーンは少しはぐらかす様な一言。
しかし、提案自体は拒否したわけではないようだ。
そして巡回任務の帰投の時間が迫る。
重々しく機体の向きを変えればその場から立ち去ろうと。
「社会の平和のため・・・ですか。
風紀委員会が良く使用する謳い文句ですが
具体性に欠けますね。」
去り際にそう一言。
このロボットは完全には風紀委員会と同化していない。
主観が分からないので常に客観視しかできないのだ。
しばらくすれば薄暗い路地裏の闇に物騒なシルエットが
完全にかき消されてしまうだろう。