2020/06/15 のログ
ご案内:「路地裏」にフィーナさんが現れました。
■フィーナ > 「…………ふぅ」
或る建物から出てくるフィーナ。
とりあえず失敗した報告はしておいた。報酬はなかったけど、どうも他にも依頼していたようで、死人が多数出ているようだ。あの様子だとあの依頼人も長くないな。ざまあみろ。
「ふぅ…」
痛みを堪えるのも結構体力を使う。壁にもたれて、息を整える。慣れない法術の治癒術を使って、まずは折れた肩甲骨を治しておこう。
■フィーナ > 「……………」
じくじく痛む。骨が折れた時はこれが辛い。
治すために噛み合わせている間、骨と骨が擦れるから痛い。
痛覚のオン・オフは可能だけど、これは切れない。気づかなければ死につながることもあり得るから。だから耐える。
しかしその姿は、痛みに耐える小娘で、いかにも無防備だ。
■フィーナ > 「………ふぅ」
ようやく、痛みが引いてきた。そろそろくっつくだろう。
懐からパンを取り出して、頬張る。
甚大な魔力を誇っていたとしても、その根源は栄養なのだ。
食べなければ力は出ない。
ご案内:「路地裏」にスリヴォヴィッツさんが現れました。
■スリヴォヴィッツ > のし、と重い足音と、長い爪が地面を掻く音がするだろう。
すんすんと鼻を鳴らせば、血の匂いに惹かれ路地裏へとやってくる。
「…」
輪郭しかわからない程の視界で、壁にもたれている人らしき者を見た。
■フィーナ > 「………ふぁれ?」
パンを無理矢理口に詰め、杖を手に取る。
場所が場所だ。警戒しておいて損は無いだろう。
音の方向に顔を向ける。目は閉じたままだ。
■フィーナ > 「ふぁひはへはへへ」
もごもごと無理やり詰め込んだパンを咀嚼しながら喋ってるのでなんて言ってるかわからない。
水筒を取り出し、その水と一緒にパンを飲み込む。
「ん、おまたせ。で、何?聞きたいことって。」
話しつつ、杖に魔力を通して、術式を組み上げておく。いつでも反撃出来るように。
■スリヴォヴィッツ > 警戒してたよりさらっとした対応に肩透かしを食らう。
(…なんだこいつ。)
魔力の気配。馬鹿な女ではないらしい。
だが、今は手を出さないでおく。
「ここはどこだ。」
■フィーナ > 「常世島常世学園落第街裏路地。これで満足?」
さらりと、答える。多分求めている答えは違うような気がするが。
■スリヴォヴィッツ > 「島…学園…」
島に学園をつくるくらいだ。警備もしっかりしているだろう。
規模はわからないが、ここで悪さをして追われた場合、孤島の中で逃げ回るのは限界がある。
海を渡るのも面倒だ。どうしたものか。
「落第街、というのはなんだ。」
■フィーナ > 「んー…答えてもいいけど、その前にこっちの質問にも答えてもらっても良い?」
教えてばかりじゃ不公平だ。こっちの疑問にも答えてもらおう。
「どこから来たの?」
少なくともここの出の者ではないだろう。不法入島者か、あるいは…異界から来た人か。
■スリヴォヴィッツ > 「”外”からだ。
…お前は目が見えないのか?
それとも、この島には俺のような獣人が普通にいるのか。」
それならだいぶ住みやすいが。
■フィーナ > 「先の質問から。不法者の集まる場所。2つ目。今は見てないだけ。3つ目。ここは別の世界から来た人も住んでたりするから、結構いる。」
つらつらと答える。警戒はしたまま、ブラフも混ぜ込んで。
本当は見ている。目を閉じたまま、魔術を用いて。
■スリヴォヴィッツ > 魔法の気配はわかるが、魔術に詳しいわけではない。
ブラフに気づかないまま、一歩近づく。
「お前も不法者という事か。
こんな場所で、怪我負い一人でいるくらいだ。
助けを乞える相手もいないのか?」
■フィーナ > 「こんな場所だからね。騒ぎが起きても来るのは野次馬。時折風紀が仕事するぐらい。誰が死のうが消えようが、騒がれるようなことじゃない…」
接近されていることには気付いているが、姿勢は変えない。一呼吸置いて。
「私も貴方も、同様に、ね。」
警告を発する。
■スリヴォヴィッツ > それを聞いて口の端を吊り上げる。
面倒な島に来たものだと思ったが、意外と自由に出来そうだ。今も。
「そうか、それは 気を付けないとな。」
長い爪が伸びた大きな手を、女へと伸ばした。
■フィーナ > 「……残念。」
すぅ、と壁伝いに横に『揺れる』。代わりに杖が目の前に置かれ…
杖から閃光と轟音が、鳴り響く。
■スリヴォヴィッツ > 「ッ」
視界が真っ白に染まり、反射的に後ろへ大きく飛びのいた。
■フィーナ > 「…………警告はしたよ」
追撃をするでもなく、佇む。『空中』に。
髪が揺れる。顔に描かれた紋様が露わになる。
よく見れば全身に紋様の刺青がある。
それらが全て、青白く輝いている。
「次やったら痛いから。」
■スリヴォヴィッツ > 視力の悪い狼。だが青白く輝く姿は捉えられた。
ただの人間じゃなかったか。
「…こんなんがそこら中にいるのかよ。
面倒な島に来ちまったな、これじゃあ餌にもありつけない…」
■フィーナ > 「……なに。食べ物でも欲しかったの?」
懐からゴソゴソと。パンを取り出す。
差し出してみる。
■スリヴォヴィッツ > 「…」
まさかくれるとは思わなかった。
差し出されたものをふんふんと嗅ぐ。
「…俺がんなもん食うと思うのか。よく見ろ。」
■フィーナ > 「逆に聞くけど肉なんて持ち歩いてるとでも思ってるの?食べれるなら食べておきなさい。無いよりかはマシなんだから。」
そう言ってずい、と差し出すだろう。
■スリヴォヴィッツ > 「足の一本でも食わせてくれれば満足なんだけど。」
無茶苦茶
■フィーナ > 「どこぞの怪異みたいに再生なんて出来ないんでお断りします。そんなに肉がほしいなら肉屋にどうぞ。」
意味がないと悟ってパンを引っ込める。
■スリヴォヴィッツ > 「再生できる奴もいんのか、ふーん…」
いろんな化け物がいるんだなと考える。
「美味そうな肉だと思ったんだが、残念だ。
もっと楽に食えそうな奴を探す。」
警戒を解いて、あっさりと踵を返した。
ご案内:「路地裏」からスリヴォヴィッツさんが去りました。
■フィーナ > 「…………肉屋の肉のほうが、美味しいだろうに。」
人食いだったんだろうか。
まぁ、弱ければ駆逐されるだろうし。強くても…まぁ、変なやつに目をつけられて困ることになるだけだろう。
■フィーナ > 「…いい加減帰るか」
ご案内:「路地裏」からフィーナさんが去りました。
ご案内:「路地裏」に戸田 燐さんが現れました。
■戸田 燐 >
また。街を散策していたら落第街らしき場所に迷い込みました…
意外と、と言ったら変かもしれないけど。
落第街は入り組んでるわけで。方向音痴には厳しい。
しかも。今度は路地裏っぽいところに来た。
何か不自然に甘ったるい匂いがする。
その上。すぐ向かいの角で何か取引らしきものをしてらっしゃる。
エルピスか風紀委員でも通りかからないかな……無理かな…
■売人たち >
「いいぜ、今の時期に変革剤をご所望なんて変わった客だ、安くしとこう」
小さなケースの中に袋に入った粉と注射器が何本か入っているのを見せている。
中身は異能を短時間の間、強制進化させるという曰くつきの薬剤。
犯罪に利用されることも多い違法薬物。
使用には痛みを伴うため、最近は廃れてきたモノだ。
■戸田 燐 >
よりによって変革剤ですか。
学校に入った時のオリエンテーションで気をつけましょうって言われた薬物の一つだよ!!
確か、真世界とかいう組織が壊滅前に製造していた禁じられたブツ。
どう考えてもヤバい。
関わらないに越したことはない。
私は風紀でも何でもない、平穏と静寂を望む一般学生。
気付かれないようにこの場を去らなければ。
なのに……どうしてか私は気になって仕方ないわけで。
ご案内:「路地裏」に東郷月新さんが現れました。
■東郷月新 >
落第街の路地裏。学園の裏側の、その奥側の場所。
そんな所に似つかわしくない、『表』の人間が居る。
ついでに、風紀や公安独特の雰囲気もなく。はてさて、どうしてこんな所に居るのやら。
「おやお嬢さん、こんな所になにか御用で? あまりお嬢さんの来るような所ではありませんなぁ、ここは」
ぼんやりと声をかける。売人とかお構い無しである。
こんな場所では、むしろ「よく居る連中」としか、東郷には映らないのだ。
■戸田 燐 >
いきなり和装の男性に話しかけられたー!?
って、私がいるのバレるじゃん!!
どうしてくれ………ん? んん!?
月下狂咲!! 戮刃(ジェノサイドエッジ)!! ヒトを斬る者!! 辻斬り────東郷月新!?
S級違反学生の人斬りじゃない!?
「あ………あ…」
追いつめられるように下がると、売人たちにも見られてしまう。
ど、どうしよう!?
■売人たち >
戸田燐と東郷月新に気付いて男たちが鼻白む。
「なんだ……!? 見られていたのか…!」
「あいつ、東郷月新だぞ……!!」
売人たちが浮き足立つ。
しかし、明確な敵意を持って。
■東郷月新 >
「ふむ?」
何やら怖がっている様子。そういえば小生、結構人に知られているのでした。
最近は風紀や公安が大量に落第街へ入ってきて、しかもそこそこの頻度で喧嘩を売ってくるので忘れていたが、本来は恐れられる存在だったような気もする。
「――あ、もしやして、小生の事をご存知?」
なるほど、そういえば久しぶりの反応だった。
ついでに売人たちからの敵意も受ける。こちらにはため息。
ロストサイン全盛期ならば、敵意どころか平伏して命乞いするか、逃げ出すかだったものを。落ちぶれたものですなぁ。
「はぁ、でしたら何か?」
■戸田 燐 >
どうにかして脱出するしかない!!
幸いと私の異能は逃走向き!!
でも……あの“ロストサイン”の剣客、東郷月新から逃げられるだろうか…!?
「それはもう……有名人よ、アナタ…」
じり、じりと距離を離す。
しかし狭い路地裏、どこまでも逃げられるものでもない。
彼の意思一つ、一足跳びに斬れる距離となれば、緊張で頭がどうにかなりそう。
どうする!? どう出る!?
■売人たち >
売人たちが女に掴みかかる。
「この女は目撃者だ、消すだけだぞ!!」
「お前もどっかに行け!!」
敵意を剥き出しに、人斬りに吼える。
■東郷月新 >
「――お前?」
はぁ、とひとつため息とともに刀を振るう。
相手はもちろん、売人たちに向けて。
「口の利き方がなっていませんなぁ」
この商売、舐められたら終わりである。
『表』の人間ならまだしも、売人風情にかける情けは持っていない。
抜き打ちざまに女性に掴みかかった方の男を唐竹割にしようと刀を振るう。
■売人たち >
売人の視界がズレた。
視界がズレたのではない。
自分が真っ二つになって、体が中央から分離したのだ。
「ヒッ!?」
残された、薬を買っていた男が小さなケースと金を持って逃げ出す。
■戸田 燐 >
人が、死んだ。
その光景はあまりにも現実味がなく。
返り血が眼鏡に、多分顔にも付着していて。
私は呆然と、その惨劇を見ていることしかできなかった。
■東郷月新 >
「ふむ」
羽根の如く軽くした刀を一本、逃げる相手に向けて投げる。
東郷の手から離れた途端に重さを取り戻した刀は、正確に相手の背中へと向かって――
「おや、これは失礼。お顔を汚してしまいましたな」
使いますか、などと言って懐からハンカチを出して少女へと差し出す。
男にとっては、別に大したことでもないだろう、とばかりに。
■売人たち >
軽々と、まるで身体強化型の怪力がそうするかのように。
投げられた刀は。寸分違わず心臓を貫いて。
滲んでいく視界の中で男は思った。
これは悪い夢だと。
それが───最期の思考になった。
■戸田 燐 >
東郷月新に敵意はなさそうだ。
今のところは。
こちらにも敵意・害意がないことを示せ。
腹を見せる小犬のように、この人斬りをやり過ごせ!!
「……………よ」
なのに、私の口は勝手に動いている。
どうして。平穏と静寂から遠ざかる言葉を。
こんなの、ちっともロジカルじゃない。
「どうしてそんなに簡単に人を殺せるのよ!?」
気がつけば、氷の大鎌が手の中に納まっている。
凍気が私を中心に広がっていく。
■東郷月新 >
「は?」
どうしてそんなに人を簡単に殺せるのか。
――などと問いかけられれば、面くらってしまい。
とりあえず、いらないのかなぁとハンカチを引っ込め。
「どうして、ですか?」
懐紙で血に濡れた刀を拭く。投げたのは後で回収しておこう、と覚えておき。
「そうですな、手際の質問でしたらこれは『慣れ』ですなぁ。何度も殺していれば、自然と上手になりますとも」
どうやら、相手はやる気のようだ。
なかなか面白い。さて、本当に来るのかどうか。東郷は刀を構える。
「倫理としての質問でしたら、まぁ、それは『表』ですべき話でしょうなぁ」
■戸田 燐 >
相手の言葉に激昂した。
けど、まずは脳内温度をコントロールする。
脳内の温度は適正に保つことで集中力と反射神経が増す。
東郷月新を、倒す!!
「倫理が通じないなら人間やめろ!!」
大鎌を振りかぶって、袈裟掛けに斬りかかる。
無論、まともに打ち合って勝ち目なんてない。
だけど、私の異能『散華霧氷(コキュートス)』は。
打てる手だけは、いくらでもある。
■東郷月新 >
人間をやめろ、ときたもんだ。
なんともまぁ――初々しくて、まっすぐだ。
いつもの二刀ではなく一刀。なかなかに勝手が違うが、なに、これはこれで、とばかりに袈裟懸けの切り裂きを受け止め
「なかなかひどい事を言いますなぁ」
受け止め、打ち合いつつ、異能で刀の重さを増して相手に何度か打ちかかろうとする。大鎌は破壊力に優れる武器だが、その分取り回しが悪い。まずはこちらの有利な近距離の打ち合いに持ち込もうとして。
「そも、倫理を持たないくせに異能を持つ『爆弾』を隔離する為の落第街の恩恵を受けているのは、『表』の人間でしょうに!」
■戸田 燐 >
「なぜ自分が歪んだ理由を外に求める!!」
数度、打ち合うも相手の剣戟が非常に重い。
どう足掻いても人殺しの場数が違う彼に勝てるものではない。
姿勢を崩して踏鞴を踏む。
フリをする。
足元を強く踏むと、靴裏から氷の蔦が這い出て相手に襲い掛かる。
当たればその部分は凍結ッ! 勝機は必ずある!!
「表も裏もあるか!! 私は、お前が気に入らない!!」
■東郷月新 >
「ははは、これは一本取られましたな。ですが……」
少女の細腕を補う為の重い武器だろうが、やはり打ち合いではこちらが有利。姿勢を崩した所に斬撃をぶち込もうとして
「――ム!」
足元に迫る氷の蔦。なかなか頭を使った戦いをする!
あと一歩踏み込めば右足が完全に凍結する所だった。危うく地面を蹴飛ばし、空中へと飛び上がる
「『表』の人間が勝手に入り込んで、勝手に激昂して、勝手に気に入らないと言われましてもなぁ! ここは、あなたたちの世界ではありませんぞ!」
■戸田 燐 >
「命に表と裏の区別があるの!?」
散華霧氷(コキュートス)、最大出力。
災禍の氷塔(アイシクルディザスター)。
宙に跳んだ彼に向けて、長大な氷の塔が襲い掛かる!!
「世界を区別し、命を侮蔑する!! 私はそれを悪と断じる!!」
異能の連続使用。脱力感がある。でも、負けられない。
■東郷月新 >
「区別ではありませんな、価値の差ですよ!」
相手の出してきた氷の塔、これは大技だ。流石に空中では避けきれない。ならば――!
「知っておく事ですなぁ、この落第街で命は軽い! 悪と断じるなら結構、ですが!」
異能、最大出力。
塔に向かって自らの剣技と重力の力を持って、試みるのは
塔ごと、叩き斬る
「命を獲る事『如き』に躊躇して生きていけるほど、落第街(ここ)は甘い場所ではない!!!」
肌が凍り付き、皮膚が裂け、血が流れる。
それでも何かを割るような音を響かせながら東郷の刀が塔を切り裂きはじめ――
■戸田 燐 >
「!!」
災禍の氷塔を切り裂く!?
そんなことが!! いや、できる!!
目の前の男は────それができる!!
断たれた塔の根にいるのは、私。
「………っ!!」
肩口から斬られて血を噴出す。
痛い。熱い。苦しい。血がこんなに出てる。
「…あんたも…………覚悟…決めなさい………」
その言葉は、この場にいる誰に向けられたものだったか。
肩口の傷口を凍らせて止血する。
ついでに眼鏡に付着したまま凍った血を指先で弾く。
「もう一度言うわ……人間やめろ…」
よろめきながらも、しっかりと大鎌を握って二本の足で立つ。
「私が殺して本物の神にしてやるッ!!」
■東郷月新 >
「――分かったようですなぁ」
あの氷塔を切り裂いたせいか、あちこちにガタがきている。
特に深刻なのが体温の低下だ。動くのにも労力がいる。
だが―—目の前の少女は、先ほどまでの怯えた女ではない。
狩るに足る、獲物となった。
「結構。それでは――殺刃鬼(ヒトキリ)として、お相手しましょ……」
だが、最後まで言い終わる前に。
大勢の声と足音。流石にあれほどの大立ち周りを演じたせいか、風紀委員の巡視隊がこんな奥までやって来たようだ。最近はやたらと落第街の中でも見かけるようになっている。
■戸田 燐 >
大鎌を左手に持ち、右手を振り上げる。
無策の拳打。
その腕に薄く氷が鎧(よろ)う。
異能の第二段階。セカンドステージが口を開いていた。
その時。
風紀委員の足音が聞こえ、緊張の糸が切れて片膝をついた。
「……東郷月新…………」
凍った血を手で押さえながら、睨みつける。
「私はあなたを認めない。だからこそ、あなたのやり方であなたを否定してやる」
暴力を標榜する人間は、より大きな力で命を脅かされれば満足なのか?
しかしそれも空しき蒟蒻問答。
今は何を言っても虚しい。
■東郷月新 >
どうやら彼女は『成長』したようだ。
東郷のような成長の余地が残っていない存在からすれば、うらやましい限りだ。
それはさておき、この状況で風紀を相手にするほど無謀ではない。
残った力を振り絞り逃げを打つ。
「いやはや、ではこう言いましょうか――ようこそ、『こちら側』へ」
落ちた刀を回収しながら、人斬りは落第街の闇へと消えていく
ご案内:「路地裏」から東郷月新さんが去りました。
■戸田 燐 >
もう反論の余地はない。
私の平穏と静寂は斬られた。
その場に蹲っているところを風紀に保護された。
東郷月新の名を出せば、生き残ったことを驚かれた。
私は入院することとなる。
魔術的処置を希望して、早期退院は願うけど。
痛みは消えない。
けど、それ以上に……自分の心の底にある燐光に驚いていた。
ご案内:「路地裏」から戸田 燐さんが去りました。