2020/06/22 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に龍宮 鋼さんが現れました。
不良たち > 『おい聞いたか、例の違反部活の話』

路地裏で不良たちが話している。

『アレの事か、違反部活を潰す違反部活』
『そうそれ。どうすんだ、俺らも潰されんじゃねぇのか』
『馬鹿言え、俺たちは鋼の両翼、落第街の自警団だぞ。ぞんなわけねぇだろ』
『わかんねぇだろ、違反部活には変わらねぇんだから』
『だから俺らは自警団で』
『それは俺らの都合であって』

議論は続く。

龍宮 鋼 > 「オマエらこんなとこで何油売ってやがる」

そこへ現れる如何にもなヤンキーと言った感じの少女――龍宮鋼。
彼等「鋼の両翼」の頭である。

「俺がいつお喋りして時間無駄に使えっつったよ」

残り短い煙草を人差し指で弾き飛ばしながら、不良たちを睨みつけて。

不良たち >  
『姐さん!』
『いやその、例の違反部活の件で……』

龍宮 鋼 >  
「あ? あー、なんつったか……裏切りの、黒だっけか?」

そう言えば最近名前を良く聞く。
違反部活を潰すための違反部活だとか、落第街の秩序を守るために活動しているとか。
つまるところは、

「あんなガキのままごとみてぇなことやってる奴らの事なんかいちいち気にしてんじゃねぇよクソバカ野郎共」

不良たちの頭に一発ずつゲンコを叩き込む。
悪の矜持だとか救済だとか断罪だとか。
大層なお題目を掲げてはいるが、やっていることは結局自分たちのワガママを通しているだけだ、と。

龍宮 鋼 >  
「無視してりゃいいんだよあんなもん。俺らがやるこた変わんねぇよ。俺らの居場所は俺らが守る。それだけだ」

わざわざ面倒な敵を叩き潰してくれるのなら、自分たちが派手に動いて目を付けられることもない。
仮にこちらが標的にされるのであれば適当にあしらっておけばいいし、それでカタギに危害が加わるのならば遠慮なく叩き潰してやればいい。

「わかったならさっさと仕事戻れ。二丁目の巡回まだ終わってねぇぞ」

しっしっと手を振って彼等を追い返す。
一人残った自身は、道端のビールケースをひっくり返し、それに腰かけて煙草に火を付けた。

龍宮 鋼 >  
「ったく……どいつもこいつも人のシマで好き勝手やりやがって……」

心底面倒くさそうに煙を吐く。
裏切りの黒もそうだが、最近ちょいちょい名前を聞く「落第街を直す男」とやらも気に入らない。
今更ノコノコしゃしゃり出てきて落第街を直すとか息巻いているのが気に喰わない。
――自身の嫌いな正義の味方そのものではないか。

「――クソったれ」

とは言えどちらにしても、組織としては敵対する相手ではないと言うのがもっと腹が立つ。
むしろこちらと方向性としては同じなので、敵対するよりも協力した方が利が大きそうですらあるのが更にイライラする。

ご案内:「落第街 路地裏」に妃淵さんが現れました。
妃淵 >  
面倒くさそうに白煙を焚す女がいれば、
その目の前を更に面倒くさそうに歩く少女もいる

口元でフーセンガムをぷぅーっと膨らませながら、パーカーのポケットに両手を突っ込んだ猫背の少女
そのだらだらとした足取りは特に目的もなく歩いているのが傍から見ていてもよくわかる

「──ん」

ふと見知ったカオが目に入って、パム、と小さな乾いた音と共に膨らんだガムが割れる

「おー、なんか随分ギスってんじゃん"ステンレス" アノ日か?」

龍宮 鋼 >  
「――あ?」

不意に聞こえた声。
自身の呼び名。
頭に血が上る感覚。

「――オイ。テメェ――」

ゆらり、と立ち上がり、睨みつける。
赤く赤く、縦に裂けた爬虫類の瞳孔で睨みつけ、

「――今俺の事なんつったァ!!!!!」

地面が爆ぜる。
顔の半分と両腕を鋼の甲殻で覆って、砲弾のような速度で彼女へと弾け跳ぶ。
その勢いのままに硬く鋼のような拳を、彼女の顔面へ走らせる。

妃淵 >  
「おっ」

真っ直ぐに飛び込んで来る拳をひょい、と横へと避ける
掠った前髪から僅かに焦げたような匂いが漂った

「相変わらず短気なヤツだなテメー」

気怠げにそう言葉を投げつつ、ガムを吐き捨てる

「久しぶりにツラ見たと思えばご挨拶なこった。カルシウムとる?」

ポケットからウエハースを取り出して差し出そうとする
スラムの誰かからもらったもの=盗品だが

龍宮 鋼 >  
パンチを避けられ、その辺に積まれていた粗大ゴミに突っ込む。
ガシャァン!とド派手な音を立ててそれらが弾け飛んだ。

「ガアアアアアアアア!!!」

即座に反転し、再び突っ込む。
今度は地面を抉るような低空から天を殴り飛ばすような角度のアッパー。
外した時のことは何も考えていない――考えられない状態だが――、ただただ相手を殴り飛ばすためだけの攻撃。

妃淵 >  
「うーわ、バーサーカーかよ。引くわ」

どこかに突っ込んだと思えば間髪入れずに再び向かってくる
──工夫もない直線的な攻撃なんていくら強力だろうが速かろうが当たる気もしないが、
放っておいたらいつまでも続きそうだ

「よっ」

アッパーカットを避けざま、路面に露出していた排水管へと鋭い蹴りを放つ
金属が切り裂かれるような音と共に冷たい水飛沫が吹き出しシャワーのように降り注いで……
──こんなので頭が冷えるかどうか

龍宮 鋼 >  
空気が爆ぜるような音。
空振りの勢いで自身の身体が宙に浮く。
その間に水道管が切り裂かれ、一瞬でずぶぬれになった。

「オオオオオオオオオオアアアアアアアアア!!!」

それでも止まらない。
数瞬の対空の後に着地、即捻った身体の反動で左フック。
シャワー、と言うより豪雨のような水滴を纏めて吹き飛ばすような威力のそれが彼女へと襲い掛かる。

妃淵 >  
「振り回しても当たんねーって、落ち着けバーカ」

やや面倒そうに吐き捨て、
触れれば肉塊にでもなりそうなフックをその場で跳躍して躱す
そのまま中空で2連蹴り、狙い済ましその顎へと放った

軽く脳震盪でも起こして倒れてくれれば止まるだろ、と

龍宮 鋼 >  
「が、ッ」

顎へと二度の衝撃。
頭ごと跳ね上がる。
身体がぐらりと揺れ、

「――ッごォぁあアア!!」

ズドン、と一歩無理矢理踏み込み、返す刀で右フック。
顔の甲殻が首まで伸びる。
大型肉食獣のような咆哮を上げて尚も突き進む。

妃淵 >  
「──ハァ」

心底面倒くさそうにため息をつき、返しのフックには蹴りを叩きつけ、相殺
その細足からはドス黒い炎のようなものが立ち昇って──

「めんどくせーヤツ…声なんかかけなきゃ良かったぜ」

薄ぼんやりとしていた金色の瞳が鋭い視線へと変わる
どうせこのまま仕掛けてくるんだろうと、ようやくポケットから両手を抜き、迎撃の姿勢をとった

龍宮 鋼 >  
拳を蹴りで止められる。
身体の捻りを利用した全力での連続打撃が止まる。
脳を揺らされふらつく身体をを力ずくで抑え込み、

「ガアアアアァアアォオォオオオオ!!!」

吠える。
音そのものが破壊力を持っているような咆哮。
頭の甲殻がメキメキと音を立てて伸び、後方へ二本の角が生えた様な。
同時にギシリ、と言う金属がこすれるような音と共に背中から鋼色の翼がジャケットを突き破って生えた。
直後、突進。
両脚の力と翼で空気を打つ反動で一気に加速した渾身のブチかまし。

妃淵 >  
「うっさ……、剥ぎ取って売ったらカネになんのか?それ」

異形のような形態に変化してゆく鋼
それに対して小馬鹿にするような態度と言葉を投げかける
別段挑発の意図もないのだろうが、──そもそも聞いていないだろうし

──まあ、もちろんそんなモノを正面から迎撃するつもりもなく、
相変わらず真っ直ぐでしかない突進は横へと避けつつ、すれ違いざまに、その『眼』を狙って蹴りを放った
潰れようがどうなろうが知ったことか、しつこいお前が悪い──と

龍宮 鋼 >  
「ギァアアアアアアァアア!」

眼を蹴られ、叫びながらブチかましの勢いのまま地面を転がる。
潰れることは無かったが、それでも急所には違いない。
しばらく地面をのたうち回り、

「――ォォォォ!」

がぱり、と口を開けた。
途端に周囲から奪った魔力がそこへ集まり出し、――物理的なエネルギーすら発する魔力が圧縮される。
その魔力の奔流を彼女へ向けて、

「、っ――お、らァ!」

放つ直前、自分の顔を右拳でぶん殴る。
圧縮された魔力は一気に霧散し、熱も光もエネルギーも消え失せて。
翼や甲殻がガランガランと重い音を立ててあたりに散らばった。

妃淵 >  
「…あ?」

眼を狙った直後に正確にこちらに口を向けている様子にやや警戒を強めたが、
何も攻撃が飛んでくることもなく、突然自分の顔を自分で殴っていた

「なんだなんだ。どうしたオラ。もうやらねーのか?」

両足からドス黒いナニかを吹き出させつつ、様子を伺う
口は生来、悪い。ただやらないならやらないで、面倒くさくないのでそれは歓迎だが

龍宮 鋼 >  
「っクソが……ふざけんな……」

あの名前を呼んだこと、眼に蹴りを入れたこと、危うくドラゴンブレスを彼女に放つところだったこと。
様々な思いを詰め込んだ悪態。

「――お前マジでふざけんな……! うっかりで殺すとこだっただろうが!」

叫ぶ。
人殺しなどしてたまるか。
ドサクサに紛れて彼女の方が殺されると言うあたり、気の強さがうかがえるだろう。

妃淵 >  
「うっかりも何もテメーが勝手にブチギレてバーサークしてただけだろうがアホ」

呆れつつ吐き捨てるとその両足から湧き出ていたモノは立ち消え収まってゆく

「あーアホくせえ。お前もうちょっとカルシウムとったら?」

ウエハースいる?と再び

龍宮 鋼 >  
「お前、マジで……ふざけんなよ、マジで……」

彼女ならばそう呼べばこうなるとわかっているだろうに。
わかっていないのならばそれはそれでやはりふざけるなと言う感想しか出てこない。

「いらねェわバカタレ」

しっしっと手を振って拒否。
カルシウムなら毎朝牛乳を一リットル飲んでいる。
そうではなく。

「何の用だよ、フェイ」

妃淵 >  
「語彙力ねーやつみてーになってんぞ」

鼻で笑いつつ、やれやれと一息
歩み寄る途中で中切断された排水管に踵をキメる
折れ曲がった排水管からは噴き出す水がややちょろ出になった

「や、別に用もなにもねーけど顔見かけたから声かけた。
 それだけなのにキレやがってマジいみわかんねーんだけど。
 イラついてんならイラついてるって言えよな」

ブチギレたのは間違いなく仇名のせいだが
その前からイラついている様子だったのは、まぁ見て取れた

龍宮 鋼 >  
「んだよなんか用事あったんじゃねーのかよ……」

力が抜ける。
とは言え先ほどのイライラもどこかに行ったのでまぁ結果オーライだが。

「あァ……最近俺のシマで好き勝手やってるヤツが多くてな」

シマと言うのも勝手に自身らが主張しているだけではあるのだが。
組織としては方向性が似ているので手を出しにくいと言うのも尚更だ。

妃淵 >  
「は?そんなん片っ端からシメればいーじゃねーか」

気に入らないなら叩き潰せばいい
そんなシンプルな思考回路
配慮や思慮が一切混在しない分、簡単にそう答える

「さっきの様子を見るにお優しくなったとも思えねーけどな」

適当に近くの木箱を蹴っ飛ばして横倒し、その上へと腰掛けて

龍宮 鋼 >  
「違反組織潰して回ってる連中やら落第街修復してる奴らをか?」

そんなことは出来ない。
個人的にはしこたまぶん殴ってボコボコにしてやりたいが。

「んなことしたらウチの評判ガタ落ちだよ。一応落第街の自警団名乗ってやってんだ、出来るわけねェだろ」

煙草を取り出しライターで火を付ける。
全く面倒な神輿に担ぎ出されたもんだ。

妃淵 >  
「知るかよ気に入らないなら叩き潰せ」

いかにもアホらしい、といった感情を表情にそのまま出して、そう宣う

「それともテメー正義の味方にでもなりてーのか?
 落第街には落第街の秩序が要るとかマジで思ってるワケじゃねーだろーな?」

自警団だのなんだの、そんなものは方便だろ、と
頭から他人を信用しないからこその、言葉

龍宮 鋼 >  
「あ? 誰が正義の味方になんかなるか。ぶちのめされてぇのか」

瞳孔を細め、睨みつける。
正義の味方、自分の一番大嫌いな言葉だ。

「こんな場所に秩序もクソもあるか。利益がねぇんだよ。俺が暴れりゃウチで抱えてる奴ら全員まとめておしまいだ」

いつかの様に自分ひとりだったら真っ先にそうしていただろう。
しかし今は少なくない人数の面倒を見ているのだ。
そんなことは出来るわけがない。

「あァやだねェ社会の歯車になるっつーのは」

うんざりしたように煙を吐き出す。

妃淵 >  
「正義の味方じゃねぇなら何だ、ママか? くだらね~」

口も悪く、態度も悪い
わかりやすい違反学生のような言動

「自分独りの力で生きられねーヤツらなんかほっとけバーカ。
 このスラムでそんな甘えた連中クソの役にも立たねーんだよ、鋼。
 野垂れ死ぬのがお似合いってヤツじゃねーか」

何を意味のわからないことを言っているんだ?と言った顔

龍宮 鋼 >  
「誰がママだ」

子供を産んだ覚えはない。

「俺も前はそう思ってたよ。けどな、ココに住む連中がそうしてきた結果がこうなんだよ」

じ、と彼女を見据える。
いつか会ったヒーローのような男を思い出しながら。

「表にゃ風紀がいる、センコーもいる。学校があってダチが居てセンパイコーハイがいる。けどこっちにゃ何があるよ? 何もねぇ。クソみてェなクソったれとそんなクソったれに食い物にされるクソみてェな弱者しかいねェ」

そういう街だと言われればそれまでだが。

「どっちがいいかなんざ、言われなくたってわかり切ってることだろうがよ」

妃淵 >  
「あー……」

話を聞いて、やや呆れたように肩を竦める

「つまり鋼ちゃんは、学園が羨ましくなっちまったと。
 だったら風紀委員にかけあって学園側に住ませてもらえよ。
 こんなトコより何でもあって豊かなセーカツができるぜ?」

棘のある物言い、くだらないと一言で扱き下ろし馬鹿にした言い方
こんな場所でそもそも何かを望むこと自体が間違ってる
そんな意識をそのまま現したような態度に、言動

「何もねーのが当たり前の此処がイヤなら痩せ犬のプライド捨ててでも出てきゃいーんだよ。
 それが出来ないなら野垂れ死ね、泥啜って生きろ。そういう場所なんだからよー。
 ──ってかその言い分だとお前ら以外にもそんなヌルいことやってる連中がいんのか」

物好きだなー、と一笑に付す

龍宮 鋼 >  
「学園が? 羨ましい? ハ、馬鹿言ってんじゃねぇ、んなわけあるかよ」

そう思っているのならさっさとあっちに行っている。
どちらにせよあっちには自分の居場所なんてないのだから。

「俺やオマエはそれでいいがよ、そうじゃねぇヤツもいるんだよ。ま、オマエにゃわかんねーだろうけどな」

彼女の来歴については詳しくないし、ここでそんなことを気にするヤツはいない。
けれど彼女の世話を焼いているヤツがいるのは知っている。
自分と違い、恵まれていると思う。

「裏切り者の黒っつー、違反組織潰して回ってる奴らだ。――オマエの兄貴、まぁヘタこくようなヤツじゃあなさそうだが、一応気ィつけろって伝えといた方がいいんじゃねぇの。あとはまぁ、風紀のダイクとか呼ばれてる奴だな。やめときゃ良いのにブッ壊されたビルなんか直して回ってるらしい」

妃淵 >  
「わかんねーわ。
 そうじゃねえやつは泣きついて保護してもらえばいいんだからよ。
 住めねーなら出てく、居場所を自分で作れねーヤツはどの道死ぬ。
 それがイヤならさっさとおっ死ねってだけの話じゃねーか」

どう考えようともシンプルな答えしか出てこない
この落第街の違反学生でここまで割り切れた感覚の持ち主はそういないかもしれないが、

「しらねー。そもそも兄貴が普段何処にいるかもしらねーし。
 …で、建物なおす?まー好きにさせればいいんじゃねえの。
 雨風凌げるトコ増えるに越したことねーしカネとらねーならいくらも利用してやろうぜ」

龍宮 鋼 >  
「世の中そんな単純じゃねーってこった。もっとオベンキョウしなオジョーチャン」

年下の彼女をからかうように。

「ほーん。ま、仮にオマエの兄貴んとこが潰されてもオマエはウチで面倒見てやるか安心しろや」

煙草をぐりぐりと地面に押し付け、消す。
修理屋については、

「それは良いが気に入らねー。今までさんざっぱら放置しといて、今になって慈善事業だ? 気に入らねーよ。正義の味方気取りかっつーんだ」

妃淵 >  
「くだらね~~~。
 小難しいこと並べ立てて都合いいように誤魔化してるだけじゃねーか。
 あとテメーに面倒見てもらうとか死んでもゴメンだから自力で行きられねーなら潔く死ぬわ」

ひらひらと手を振って返しつつ、吐き捨てる

「そーゆーバカは利用してやりゃいーんだって。
 慈善だのなんだの宣うやつは例外なくお花畑のバカなんだからよー。
 ほっとけほっとけ、自己満足し終わったらいなくなるだろーよ」

龍宮 鋼 >  
「誤魔化さなきゃどうにもならねーこともあるんだよ。これだからオコチャマは」

ハンッ、と小馬鹿にしたような笑い。

「ま、ウチとしてはそのつもりだがな。個人的には気に入らねー」

煙草の吸殻をぺいっとその辺に放り投げ、立ち上がる。
暴れたら腹が減った。

「あー腹減った。なんか食うか、奢ってやるぞ」

とかなんとか言いながら、彼女が付いてくるなら良し、そうでなくても別に良し。
どちらにせよ落第街の行きつけの飯屋へと向かおうか――。

ご案内:「落第街 路地裏」から龍宮 鋼さんが去りました。
妃淵 >  
「お、行くいく。タダ飯くわねーバカもいねーって」

言いつつ、ついて行く

こんな場所で何を誤魔化す必要があるのか
何かを誤魔化すなんて弱者のやること、臆病者のやることだろ
そう腹の中で断じる少女からはただただふざけた問答でしかなかったが

──まぁこの落第街には色んなヤツがいる、そればかりは否定しようがない

ご案内:「落第街 路地裏」から妃淵さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に227番さんが現れました。
227番 > 暗くなった落第街。今日も227はぶらぶらと歩いている。
今の所食事には困っていないので、特に目的もなく。

昨日の話を思い出す。夜の空にたくさん見えるものは、星というらしい。

立ち止まって、天を見上げる。
きらきらしていて、きれいだと思う。でも、見えない日もある。
雨の日なんかは、全く見えない。
昼間の青い空が見えなくなるのと、同じなんだろうか。

……今日は雲行きは良くないようだ。
あまり星を見ることが出来ず、がっかりそうにまた歩き出した。

227番 > いっぱいに入ったゴミ袋が目についた。
しかし、227はそれには近寄らない。

空腹ではないから、というのもあるが……路地裏のゴミには、怪しいものが有る。
たとえば、刺激臭のする瓶。たとえば、ひどく鉄の匂いがすもの。

こういったヤバそうなゴミは、本能的に避ける。
どうせ食べれるものは入っていない。
そういったものが好きなのも、居るかもしれないが。

今日は気になるゴミがあまりない。
それは、違うことを考えてるから、かも知れないが。

227番 > 227は、ちょっとだけ気付いている。
ごみ漁りよりも、ただの暇つぶしよりも、もっと目的があるのだと。

また新しい誰かに会えるんじゃないだろうか。
ちょっと怖いけど、もっと会ってみたい。
なにかを得られるかも知れないから。

連日の幸運な出会いによって、ささやかな希望を抱く。
227は少しずつではあるが、社会性を獲得しはじめていた。

ご案内:「落第街 路地裏」に龍宮 鋼さんが現れました。
龍宮 鋼 >  
「――おいおいおい……」

嫌なものを見付けてしまった。
ここいらではよくあることではある。
よくあることではあるが、だからと言って見てしまってからスルーできるようなものでもない。

「はぁー……オイガキ、ココで何してる」

溜息を付いて頭をがりがりかきむしった後、諦めたように声を掛ける。
こんなところで十かそこらの子供が一人で出歩いているなど、あっという間に死ぬか、良くて誰かの食い物にされるだけなのだから。

227番 > 「……っ」

暗い色のマントを羽織り、フードを深々と被った子供は、
不意に声をかけられて、数歩ほど飛び下がって姿勢を低く構えた。

出会いに期待していても、今出会った存在が、いい人だとは限らない。
警戒するに越したことはないのである。

それはそうと、無視してはいけない。相手を怒らせるかも知れないから。

「……さんぽ、だけど」

たどたどしい調子で、気弱そうな少女の声が帰ってくる。

龍宮 鋼 >  
さんぽ。
こんな子供が。
よくあることだ。
溜息。

「――散歩ってなぁオマエ……家はあんのか。家族は」

どうしたもんか、と言う顔。
とりあえず状況を把握しようと色々質問。

227番 > 「家……寝るとこは、ある」

恐る恐るも返事をする。姿勢は低くしたまま。

「かぞくって…?親、とか?だったら、いない」

相手の容姿を見ようと、フードの下から青い瞳を覗かせる。

龍宮 鋼 >  
「はぁー……」

捨て子か。
もしくはどっかの研究施設かなにかの実験用とか、そんな感じだろう。
面倒くさくなりそうだ、と溜息。

「――オマエどうやって暮らしてんだ」

227番 > 「どうやって……?」

説明できない。
少なくとも、自分の主観では特別なことはしていないから。
姿勢を低くしたまま、小さく首を傾げた。

龍宮 鋼 >  
「飯とか、雨風とかさぁ……」

あぁ、よくわかっていないタイプの奴か。
どうしたものか。

「襲ってくるやつとか、いるだろ。そう言うのはどうしてんだ」

そもそもここが危険なところだと言う認識があるのかどうか。
まずそこからだ。

227番 > 見た目に反して、食べ物も屋根にも困っていないが、それを説明しきれない。

「危ない時?……逃げてる」

実際今にも逃げ出しそうな姿勢である。

龍宮 鋼 >  
「――逃げる、ってなぁ」

いやまぁ正解の一つではあるのだが。
まさに逃げそうな感じだし。
よっこいしょ、としゃがみ込んで目線を合わせる。

「寝てる時とかどうすんだ。逃げても追われる時だってあるだろ」

困ったような顔。

227番 > 「寝るとこは、大丈夫。教えたらダメ、だけど」

目線をあわせられれば、少し警戒度は下がる。

「逃げる時は……他の人は、追いつけないから、平気」

困った顔も意に介さず、さも当然のように。

龍宮 鋼 >  
「んー……」

ボリボリ。
確かに誰にも知られなければいい。
こんな子供をわざわざ狙って付け回すようなのも――まぁいるかもしれないけれど、とりあえずは大丈夫かもしれない。

「てことは、結構動ける方っつーことか」

自分の身体能力に自信があるらしい。

「――飯は食えてんのか?」

見たところひょろっとしている。
ちゃんと食べているのだろうか。

227番 > 「うん」

実践してみせる……と言った発想はできない。
話すのが苦手な227は、いつでも逃げれるようにしながら話すので精一杯だ。

「ご飯……、最近は、食べてる」

ここ数日レベルではある。

龍宮 鋼 >  
「そうか……」

どうしたもんかなぁ、と悩む。
拾うったって面倒くさいし、この少女がどう思うかと言うところでもある。
かと言って見捨てるのも。

「ウチで面倒見てやろうか」

なので聞くことにした。
要らないと言うなら断るだろうし。

227番 > 「面倒見る……」

どんな意味だったっけ。
怖い男の人が、他の怖い人に言ってたような気がする。
世話をする、とかそんなところだろうか?

「……ううん、大丈、夫。」

少し考える間を置いて、227は首を横に振った。

龍宮 鋼 >  
「そうか」

なら良いだろう。
一応義理は通した。

「――俺ァ龍宮鋼だ。オマエは?」

227番 > 「名前……?」

フードについた『227』と大きく書かれたタグを引っ張る。

「これ……に、に、なな」

龍宮 鋼 >  
「……はぁ」

研究対象か。
溜息。

「そりゃ名前じゃねぇ、番号だ。番号と名前は違う」

227番 > 「番号……」

数字の別の言い方だろうか?
227にはよくわからない。

「でも、他に、ないから」

龍宮 鋼 >  
「こう呼ばれてるとか、ねぇのか」

227じゃあまりにもあまりだ。
何より呼びづらい。

227番 > 「他の人は、にーな、とか、なな、とか」

大体の人は数字で呼びたがらないので、思い思いに呼ばせている。

龍宮 鋼 >  
「ニーナか、ナナか」

ふむ、と顎に手を当てて。

「オマエはどっちで呼ばれたい?」

227番 > 「どっちで……」

予想外の質問。

「どっちでも……決まらないなら、なな、でいい」

龍宮 鋼 >  
「そうか」

に、と笑う。

「じゃあオマエの名前はナナだ。これからは227じゃなくて、ナナって名乗れ」

227番 > 「どう、して?」

驚く。そんなことを言ってきた人は初めてだ。
そして、それは何故かとても受け入れがたい。

笑った相手を、じっと、見る。悪意はなさそうだが……。

龍宮 鋼 >  
「名前っつーのはな、自分を表す大事なもんだ」

自分の魂を表すものが番号では味気ないだろう、と。

「オマエが嫌なら無理強いはしねぇけどよ、オマエがオマエの呼ばれたい名前で名乗りゃいい」

227番 > 「……大事なもの」

だったら。
覚えている唯一のことだから。
わたしから、奪わないで。

「……今は、227で、いい。でも、考えとく」

いつか、不要になったら、そのときは。

龍宮 鋼 >  
「そうか。オマエがそれでいいなら、それでいい」

頭に手を伸ばす。
逃げられないならそのままわしわしと撫でて。

「そいつァオマエの大事なもんだったんだな、悪かった」

227番 > 「……うん」

やはり悪意は見えない。
撫でる手には、特に抵抗しなかった。
反射的に、ふるふると体を揺する。

「わたし、これしか、知らないから」

龍宮 鋼 >  
「あぁ、覚えてねぇのか」

記憶喪失か、それとも生まれたばかりなのか。

「なら大事だわな――腹、減ってねぇか?」

227番 > 「……うん、何も」

空腹を問われば……そうでもなかった。
食べられるか、食べられないかでいえば全然食べられる。

「お腹は……そうでも、ない、かも」

丁度いい伝え方がわからない。

龍宮 鋼 >  
「あー」

聞き方が悪かったか。
さて、どう聞くかとしばし考え、

「――美味いモン、食いに行くか」

227番 > 「……わたし、何も、渡せるもの、ない」

当然の警戒心だ。
うまい話にすぐに乗ってしまうようでは、命がいくつ有っても足りないだろう。

龍宮 鋼 >  
「バーカ。ガキから巻き上げるほど困ってもねぇし、んなことするような鋼サマじゃねーよ」

ぺし、とその頭を軽くはたき。

「おら、行くぞ」

そう言ってその右手を伸ばす。

227番 > 「ぁぅ」

たたかれた?強くもないけど、なんで?
混乱している間に流されて、手を取ってしまうだろう。

龍宮 鋼 >  
「よーしラーメン食わせてやるラーメン。うめぇぞ」

手を取ったのでずんずん進む。
勿論彼女の歩く速度に合わせてだけど。

そのままお気に入りのラーメン屋に連れて行って腹いっぱい食わせてやっただろう――

ご案内:「落第街 路地裏」から龍宮 鋼さんが去りました。
227番 > 今まで入ったこともないような場所に連れて行かれ。
箸の使い方どころかさじの使い方もわからないが……
多分なんとかしてもらったのだろう。

ご案内:「落第街 路地裏」から227番さんが去りました。