2020/06/23 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に持無 童男さんが現れました。
■持無 童男 > 「なにか、良からぬことが起きそうでござる・・・!こういうところはwktkが止まりませぬぞ。」
と一人のオタクが、裏路地を歩いている。
「しかしここはなんというか、こう、冒険心をくすぐられるでござるな。まぁカツアゲされたら某、吐き出すしか無いのでござるがな!」
■持無 童男 > 「いやー、なんというか、こう、落ち着くでござるな」
薄暗い路地裏に一人のオタクの散策音がこだまする。
「こう陰キャにとって、すっごい薄暗いと落ち着くでござる・・。実家のような安心感でござるな。」
こういう雰囲気も悪くないと思い。更に散策を続ける。
■持無 童男 > 「しかしバッグの中にあった懐中電灯持ってきておいてよかったでござる。これがなければ散策できぬでござ~~るからな」
見れば、懐中電灯をもちつつ、裏路地を歩きつつ、散策している。
「しかし、夜風に当たりつつ、裏路地を散策するのは、いいものでござるなぁ」とホクホク顔で。
■持無 童男 > 「・・・裏路地でござるし、歌っても大丈夫でござろう」
と下手くそな鼻歌を歌いながら、夜道の裏路地を散策する。
「不審者だとは思われるのでござろうが、まぁ大丈夫でござる。しかしいい感じの気温でござるな。」
と自分を納得させつつ。夜の散策を続けている。
■持無 童男 > 「しかし推し・・とは行かぬとも、何かこう。モチベーションが上がるようなことをしなければ・・!うーむむ」
考え事をしながら、いかに自分がモチベーションを上げつつ推しを作ろうかと思っていながら散策して。
「うむむ、やはりこの世界のアイドルについて、調べて。それを推せるか推せぬかを決めねば。」
■持無 童男 > 「(これは推しを作る上で重要なことでござる・・・それに、推しを思う推しがいればこそ、その先に最高の結末が待ってるのでござるよ。なればこそ。その時は、某の異能が発動して二人は最高な結末になる。)
「さてそろそろ眠気も来たことですし寝るに帰るでござるかな」
といって彼は帰路についた。
■持無 童男 > 「・・なればいいのでござるがなぁ」
と一言彼らしくない弱音を吐いて。
ご案内:「落第街 路地裏」から持無 童男さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」にモノ・クロさんが現れました。
ご案内:「落第街 路地裏」にデザイア・ハートさんが現れました。
■哀れなモブ > 「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃっ!!!」
錯乱し、哀れにもその手にナイフを持っていたチンピラ。
呪いに呑まれて、精神をかき乱され、泡を吹いている。
こんな状態から一刻も早く脱したいと、自らの首に、ナイフを突き立てた。
■モノ・クロ > 「…はぁ。まったく、どいつもこいつも軟弱だなぁ」
見下すように、この世から去ったチンピラを見て、吐き捨てる。
自分の欲求を発散できるのは良いが、もうちょい手応えが欲しいところだ。
ありすぎたらありすぎたで困るもんなんだが。
■デザイア・ハート >
路地裏に響く悲鳴、それを聞きつけたのか、かつかつと、”そこ”へと近づいてくる足音が一つ。
程なくして、青く透き通った長い髪と、紅い瞳の少女のような外見の少年が、少々体格よりも大きく見える箒を片手に路地裏の騒動の元へとやってくる。
「……こっちらから悲鳴がしたけれど…いったい何…?」
一見して、彼に警戒の色はない。
無防備に音を聞きつけやってきた…そのように見える。
■モノ・クロ > かつかつと。音が聞こえる。
「うん、やっぱ悲鳴は上げさせるもんだな」
ぐるり、と。視線を音のする方向へ。
『見られている』
■デザイア・ハート >
「……っ。」
なにやら嫌な予感がする、感覚がする。
故に”表面上は警戒の色は見せずに警戒をする”。
「……誰かいるのかな?」
■モノ・クロ > 「はぁい、お嬢さん」
姿を隠すでもなく、現れる。
閉じた右目、赤く輝く左目。
全身に走る呪紋。
なにより奇妙なのは、四肢の先がないのに、呪紋が走り、それでいて立っているという点だろう。
「あなたはどれぐらい強いのかな?」
■デザイア・ハート >
「…どーも、紋様が素敵なお嬢さま。」
現れた姿でまず目を引かれるのはその呪紋。
四肢が無く、その紋によって立っているその姿に、”生きた呪紋”とでも言うべき印象を魔女は受けた。
「強さ、ねぇ…?
戦うって言うなら他の人をお呼びした方が適任だと思うけど…。」
だから魔女はその呪紋を注視する。それが何で、どのようなものであるのかを。
”聞いた話と一致するそれ”と目の前のものが同一であるなら、それは今、自身が危機的状況にあると言う事なのだ。
■モノ・クロ > 「あぁ、物理的な強さには興味無いんだよ」
ずるり、と呪紋が伸びて、デザイアを捉えようとする。
「どれだけ耐えてくれるのか楽しみだ」
『見られている』
■デザイア・ハート >
「…って!伸びるのかいそれ?!」
それに気が付けたのは注視していたから。
箒を棒高飛びのように軸にして、大きく回避の動きをとる。
そして同時に小さく”呪文”を紡ぐ。
「そして悪趣味…だねっ!」
”見られている”この感覚、そして隣人から聞いた怪異の情報。
それらから己に対する”認識阻害”を行使する。
何らかの”認識”を強制するようなものへの対策として。
■モノ・クロ > 「…ふぅん?」
悪魔の瞳の機能しなくなったことを確認する。とすると、こっちを見なくなったのかな?
まぁ、暫く見てたみたいだし問題ない。
触手のように、呪紋をデザイアに追わせる。その動きは緩慢だ。
『見られている』
■デザイア・ハート >
「(……感覚が完全には消えない。
となれば、持続性の呪い、か。)」
思考をまわしながら緩慢な呪紋を大きく回るようにして回避行動を取る。
まだ逃走するのではなく、観察、推察のために避けるのみ。
「……キミ、”何”だい?」
…だが、避けてばかりではいられないのもまた事実。
避けつつも、ひとつ”対話が可能か”を試みる。
■モノ・クロ > 「俺か?俺は『クロ』だよ。これで満足か?」
避けてばっかりでめんどうだな、と。反対側の腕の呪紋も動かし、追い込む。
地上にも、呪紋を走らせ領域を広げていく。動けなくなるというリスクはあるが、まぁあってないようなものだ。
■デザイア・ハート >
「”クロ”ね、…っ。
まさかちゃんと、答えてくれるとは思わなかったよ…!」
避ける、避ける、避ける。
触手のようなそれの動きが緩慢であるからこそ、それが二本になっても何とか避ける事だけはできた。
されどもそれも何時までも続かない。
体力には限界がある。ことさら彼は運動が得意というわけでも無い。
……次第に、息は上がって行き、その体力は消耗する。
「…っ!?」
そしてそれが”地面にも”となれば、その限界は容易く近づく。
――その左足がその触手のような呪紋に捕まった。
■モノ・クロ > 「ふふ、『捕まえた』」
こいつは逃げるのが厄介だ。だから、狂わせてなんかやらない。
緩慢ではあるが、徐々に呪紋が侵食していく。
そして選んだ呪いは、機動型には致命的な呪いだ。
『左足感覚喪失』
■デザイア・ハート >
「(…しまった!)」
捕まって即座に感じた”感覚の喪失”。
左足の感覚喪失は、”今は不味い”。
解呪するにも捕まったままでは行えず、故に逃げる必要があると言うのに。
「っ、だぁっ!」
反射的に、感覚のある右足で蹴るようにして、”引き抜こうと”試みる。
支えが無い分を、”身体強化”の魔術で補って無理やりに。
■モノ・クロ > 「へぇ」
ぶちぶちと、呪紋が引きちぎられ、逃げられる。
それでも、緩慢に、呪紋がデザイアを狙って伸びてくる。
『左足感覚喪失』
■デザイア・ハート >
「あ、たぁ…!」
蹴り引き抜いた反動でごろごろと、遠ざかるように地面を転がる。
感覚が無いため立ち上がれず、迫る呪紋を迎撃するか、はたまた呪いを解き、逃げるかを魔女は迫られる。
「…よし、モノはためし…!」
彼が選んだのは――前者。
懐から取り出した”魔法の花火”の瓶を”本体に向かって”投げつける。
■モノ・クロ > 「おっと」
ぱしり、と。呪紋を纏った髪が、瓶を掴み取る。
今表に出している呪紋が全部じゃない。怨念と憎悪という『呪い』はいくらでもあるのだ。
「そら、返すぞ!」
ぶんっ、と。瓶を投げ返される。投げることなんて殆どないので、近くに落ちるぐらいの精度だが。
『左足感覚喪失』
■デザイア・ハート >
「えぇぇ!?
っ、そういうとこも教えて欲しかった…なぁ!」
咄嗟に腕を十字に組んで、近くに落ちた”花火”の爆風から身を守る。
威力はさほどではないとはいえ、その衝撃は小さな少年を軽く飛ばすのには十二分なもの。
その身体はより”遠く”へ飛ばされる。
「げっほ…!ごほっ…。
まだマシ…だったかな…。」
不幸中の幸いとしてその距離だけはとる事ができた。
痛む身体を起こしながら”左足の解呪”を試みる。
……呪いの程度によっては、並みの魔力しか持たない彼にとってはそれすらも負担となるが、今はそれをしなければ逃げる事もできない。
■モノ・クロ > 「あー、飛んでっちゃったなぁ」
ノロノロと、呪紋をもとに戻して追おうとする。足は亀のように遅い。
解呪を試みるなら、気をつけて然るべきだろう。
『深淵を覗く時、深淵もまた君を覗いているのだ。』
あまりに怨念と憎悪という側面が強く、『染められてしまう』かもしれない。
『左足感覚喪失』
■デザイア・ハート >
地面の呪紋が消え、相手がこちらへ歩んでくるのを確認する。
一刻も早い解呪が必要だが、”呪いとは思念によるもの”だ。
決して油断していい代物ではない。
――それは魔女だからこそ知っている。
「すぅー……んっ。」
呼吸を整え、石を落ち着かせて解呪に挑む。
……そこにこめられた怨念と憎悪に”惹かれ”ないように、それを丁寧に、紐解くように”外す”。
愛と想いを看板にしている魔女が、そこを容易く”曲げ”られるわけにはいかないのだ。
■モノ・クロ > 「ほう」
解呪を試みるか。面白い。なら…
「すぅ~……っ」
大きく息を吸って。
「…―――――――!」
声にならない声で、『慟哭』した。
これに惑わされなければ、解呪は可能だろう。
『左足感覚喪失』
『怨念』
『憎悪』
『嫉妬』
■デザイア・ハート >
「――っ!」
耳を貫いたのは怪異の『慟哭』。
怨念、憎悪、嫉妬…それらが解呪を阻むように、その想いを”惑わそうと”する。
…だが、惑わそうとするのなら、惑わそうとするものを”視なければよい”。
”認識操作”を己に行使して、”その認識から遠ざける。”
今目の前の事のみを”視える”ようにして、その呪いを――解く。
代償として認識操作の分の魔力を捧げて、魔女は何とかその呪いを解くだろう。
■モノ・クロ > 「おー」
感嘆する。解呪してのけた。これは、『モノ』も興味持ちそうだな。寝ててよかった。
「で、次はどうするんだ?」
のし、のし、と。一歩一歩進んでいく。腕の呪紋を伸ばしながら。
■デザイア・ハート >
「ははは…決まってるよ、そんなの。」
魔女は痛む身体を立ち上がらせ、なけなしの魔力を足の”強化”に当てる。
「逃げるんだよーっ!」
そして一気に、遠ざかるように路地裏から駆け出した。
十全に魔力があり、解呪のために安定した精神がいくらでもあるのなら立ち向かうが……そうではない。
既に大分消耗し、いまの解除で精神も疲弊している。
戦略的撤退を試みるのは当然であった。
■モノ・クロ > 「…はぁ。全く。起きてなくてよかったな?」
言い捨てるように、逃げる背を眺めながら、言う。
追ってくる様子はなさそうだ。
■デザイア・ハート >
「……追っては…来てない…か。」
息を切らしながらされどもその思考の端で、最期に言い捨てられた言葉の意味を探る。
『起きて無くてよかったな?』
…かの怪異は己を”クロ”と名乗った。
それが”起きてなくてよかった”ということは…それはつまり、別の”寝ている”誰かがいると言う事だ。
……思い返す。動いていたのは呪紋だけ。
であれば――”あの少女はなんだ”?
浮かび上がった疑問を記憶しながら、少年はそこから逃げ去って行った。
ご案内:「落第街 路地裏」からデザイア・ハートさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からモノ・クロさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に227番さんが現れました。
■227番 > 落第街の数ある路地裏の一つ。
その隅っこで、2匹の犬が吠えている。
野良犬の喧嘩だろうか?……そうではないようだ。
2匹は姿勢を低く構え、上を見上げ、吠えている。
その視線の先、高めの塀の上で、縮こまって下を見ている、暗い色フードの少女。
どうやら追われた結果、完全に追い込まれたらしい。
人間の相手は追いつかせない自信があるが、動物は話が別だ。
塀を飛び越えても、こいつらはついてきてしまう。
なんとか届かない高さの場所を見つけて飛び乗ったものの、降りる先は無かった。
じっと、犬たちが諦めるのを、待つしか無い……。
ご案内:「落第街 路地裏」にヨキさんが現れました。
■227番 > どうしよう。
塀の上に居続けるのも、いずれ限界は来るし。
下の犬たちがうるさく吠えているのも、あんまり良くないだろう。
怖い人が、きてしまうかもしれない。
それでも、227は動くことが出来ない。
二匹の"落第街の野良犬"の前には、まず勝てない、と思う。
■ヨキ > やたらと犬の鳴き声が聞こえる、と、普段とは異なる曲がり角を曲がった先。
二匹の野良犬が、塀の上に向かって吠えている。
標的となってしまった少女の姿を見つけて――男は迷わずその渦中へ足を踏み出した。
廃屋から転げていた、ひしゃげた鉄パイプを拾い、振り回す。
「こらあッ! 犬ども、ヨキの教え子に何をしてくれるかあッ!」
よく通る大声と共に、臆せず野良犬たちへと駆け寄っていく。
少女と男とは面識はなかったし、正直なところ顔さえよく見えていなかった。
それでも、男は少女のことをそう呼んだ。
■227番 > 突然の乱入に狼狽える野良犬たち。
恵まれた体つきが振り回すパイプに慄き、あるいはそれにぶつかったかも知れない。
なにはともあれ、奴らはたまらず逃げ出していくことだろう。
一方の少女はと言うと、大きな声にビビって縮こまっている。
やがて、犬の声がしなくなったことに気付いて、恐る恐る下を覗き込んだ。
227と書かれたタグのフードの下からは、白い髪、まんまるとした青い瞳。
■ヨキ > 野良犬たちが逃げ出し、その姿が見えなくなるまで路地の先を睨み付け、武器を構えていた。
やがて気配が完全に遠ざかったところで、漸う鉄パイプを隅へ放り捨てる。
安堵の溜め息。はあ、と吐き出す声さえ通る。どうやら、地声がでかいようだ。
「――君」
空になった諸手を広げ、塀の上の少女へ振ってみせる。
「済まないな、びっくりさせた。もう大丈夫だ。降りて来られるかね?」
この高さを上ったくらいだとはあっても、平静になってみれば判らないと。
もしものときには支えになれるよう、両腕を軽く広げたまま少女へ呼び掛ける。
■227番 > 「……大、丈夫?」
少しの間を置いて、状況がわかってきた。どうやら、助けられたらしい。
「……降りれる」
躊躇なく飛び降り、マントが広がる。
その下はうっすら透けるぐらい薄手の衣服のようだ。服と呼んで良いのかも怪しい。
羞恥の感情はないらしく、そのことには全く気にせず。
やがてふわりと着地するだろう。
■ヨキ > そつなく地面へ降り立つ少女の様子に、再びほっと胸を撫で下ろす。
少女の肢体が透けたとて、何かしら動揺する様子はない。
「よかった、これでもうひと安心だな。
先生をやっているヨキというよ。覚えやすい名前だろう? 君は……」
言いながら、見下ろした少女のフードに記された番号を読み上げる。
「……ニヒャクニジュウナナ……、ニイニイナナ? これ、君の名札か? 他に名前は?」
■227番 > 「せんせい……?」
路地裏でおじさんがそう呼ばれていたのは聞いたことが有るが、
おそらくそういったものではないだろう。この人からは、そんな感じはしない。
「うん。わたしの名前、これ。に、に、なな」
話す言葉はたどたどしい。
見た目通りの年齢なら、普通に会話ができそうなものだが。
フードの下から、見上げるように相手を見る。
■ヨキ > 「そう、せんせい。勉強を教える人のことだよ」
笑い掛ける。
野良犬に怒鳴り付けたときとは打って変わって、低く穏やかな声。
相手のたどたどしい語調に合わせるかのよう、視線を下げ、中腰になって膝に手を突く。
「ほう、ニイニイナナ、それが君の名前か。
それなら、他にイチとか、ニイニイロクとか、サンマルヨンなんて子が居たりするのかな?」
相手の目を見ながら、ゆっくりと言葉を話す。
問い掛けながら、小首を傾いでみせた。
■227番 > 「べんきょうを、おしえる……」
いつぞやに聞いた、勉学、のことだろうか。
路地裏で暮らす上で、必要がなかったので、ぼんやりとしか記憶していない。
視線を合わせられれば、すこし調子が落ち着く。
初めての相手なので、それなりに緊張していたようだ。
といっても、助けてもらった、という事実があるため、警戒はあまりしていない。
「……わからない。わたし、なにも、しらなくて。
いたりするかも、っていうのは、きいた、けど」
こちらも相手の表情を伺おうと、じっと相手の目を見ている。
■ヨキ > 「そう、とっても楽しいよ。知っていると、楽しいことがちょっと増える。
お腹がいっぱいになったりはしないけどね」
わからない、という少女の答えに、そっか、と眉を下げて笑う。
安心したようにも、さみしげにも見える笑顔。
「知らなかったら、しょうがないよな。それで大丈夫」
そこで、後ろ腰の鞄から何やらごそごそと取り出す。
何の変哲もない、油性ペンと手のひらサイズのメモ帳だ。
「せんせいというのは……」
油性ペンで、何やらさらさらと描き上げる。
非常にシンプルな線で構成された、丸っこい、可愛らしい女の子のイラストだ。
頭のところには「227」と書いてある。どうやら、少女の似顔絵らしい。
「こういうことをする人だよ。
君は、絵を描いたことはある?」
■227番 > 「……そうなんだ」
少しだけ、興味があるかも知れない。
生活にちょっとだけ余裕のある今なら。それらは全て施してもらってのものなのだが。
表情の機微にはしっかりと気付くが、
しかしその向こうにある感情までは掴み取れない。
227は人を怒らせないかを第一に気にしているのだ。
「……すごい」
魔法を見たかのように、目を見開いて驚く。
紙とペンの関係も良く認識していなかった227は、かなりと言っていいほど衝撃を受けた。
なにか書かれた紙、…たとえば、しんぶんも、こうやって作られているのだろうか?
なんてことを思いながら、まじまじとイラストを見る。
反応からして、経験がないのはすぐに分かるだろう。
■ヨキ > 驚く少女を前に、小さなメモの上に次々と模様を描き込む。
星とか、花とか、ふわふわとした雲で似顔絵を囲ってみたりする。
「このペンを使うと、いろいろなものが書ける」
キャップを外したままの油性ペンを、少女へ差し出す。
新しいページを繰って、白い紙面と一緒に。
「うわーってやって、好きに手を動かしてみていいよ。
君もやってみるかい?」
ペンの持ち方も、それで何をどう描こうとも、気にした風もなさそうに。
■227番 > 目がペンの先を追う。動くものがなんだか気になる。
「ペン……」
こんな物があったんだ、と思いながら見ていると、
ペンと紙を差し出される。
「……いいの?」
どうにも隠しきれない興味。
そわそわとしながらも、一応もう一度聞いてみる。
■ヨキ > 落ち着かない様子の少女に、朗らかに笑ってみせて。
「あはは、いいよ。ヨキの前では、何をやってもいいんだよ。
怖い人や犬みたいに、ワンワン怒ったりはしないから安心して」
おいでおいで、と少女を手招き。
廃屋の壁に背を凭れ、地べたに並んで座ろうと。
「ここに座って、やりたいように書いてごらん。
この白い紙も、全部使って構わないから」
■227番 > 「……わかった」
招かれるままに腰を下ろし、グーでペンを握る。
恐る恐る紙にペンを降ろして──ちょん、と点を描いた。
どうにも控えめな性格らしい。
しかしその目は、初めての経験に輝いている。
真っ白な紙自体を見ることさえあまりなかったのに、
今、それに何かを書き込んでいる。