2020/07/01 のログ
227番 > 「……わかった……」

渋っても退いてくれなさそうだ。こうしている間にも相手は濡れている。
おとなしく言うことを聞くことにするが、信じ切ったわけではないので、すぐに逃げれるようには意識する。
完全に気を許したわけではない、路地裏の野良猫のように。

シスター・アリア > 「ゆっくりついて来て下さいねえ」

誘導されたのは廃れた教会、暖炉に火を入れて、清潔なタオルを手渡し

「さ、温まって下さいな」

優しく微笑みながら、野菜クズのスープを用意して

227番 > 廃れた教会。思ったよりもしっかりと建物をしている。
同時に、住むための建物でもないな、とほんのり思った。

「……?」

タオルを渡されて、不思議そうにする。拭くという発想は無いらしい。
流石に火が温かいのはわかるようで、そちらに移動はする。

シスター・アリア > 「触っても?よろしいですか?」

タオルで拭こうとして、確認を取りながら、野菜クズのスープからはいい匂いが漂い

227番 > 「触る?いいけど……」

人に触らせることに抵抗はないらしい。
いつもなら遠慮する食べ物の施しだが、触らせる代わりの形で納得するようだ。
前に、違う人とそんなやり取りをしたから。
スープにも手を付けるだろう。猫舌なので、ちびちびと。

シスター・アリア > 「よしよし」
慈母のような優しさで、髪の毛とけもみみから水分を取り

「身体は、自分でやれます?」

穏やかに微笑みながら

227番 > タオルで水気を取られ、ようやく意図を察したようで。

「……うん、大丈夫」

マントを濡らさないようにしていた、つまり
そこまで濡れているわけではないので、簡単に見様見真似で足を拭う。

シスター・アリア > 「ん、少し居てもらってぇ、雨が止んだら、出て行ってくれても良いですし、困ったらまた来てくれていいですよぉ」

優しく、慈母のような声で、クズ野菜スープを飲む彼女を見つめながら、自分も濡れた体を拭き始め、揺れる胸は豊満であった

227番 > 猫の耳に響く声は、とても気持ちが安らぐもので。
ただ、どうしてここまでしてくれるのだろう。不思議でならない。

「……ありあ、は、これが、しごと?」

仕事の邪魔をするのは良くないと聞いた。

シスター・アリア > 「そうですねえ、仕事と言えますねぇ、誰かに優しくするのが仕事と言うのはさみしいですがぁ、手の届く範囲ぐらいはぁ、優しくしたいですねぇ、眠ってしまっても、いいですよぉ」

ふんわりと笑う

227番 > 「……ふしぎな、ひと」

小さく、控えめにあくびをする。
……眠ってしまってもいいだろう。この人は、大丈夫そうな気がする。
部屋の隅っこに丸くなる。

シスター・アリア > 「ふふ、ゆっくりおやすみなさい〜」薄い毛布をかけてあげて、こちらもゆっくりその場から離れた。
227番 > 意識がゆっくりとまどろみの中に落ちていく。
……この日は、寝床に帰らなかった。

ご案内:「落第街 路地裏」からシスター・アリアさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」から227番さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に227番さんが現れました。
227番 > いつものように路地裏を行く暗い色のマントの少女。

今日は風が騒がしいな。
はためくマントは歩きにくいので抑えている。
これはこれで歩きにくいが。

予定などなにもない。
今日は何か見つけられるかな。
そんな思いでぶらぶらと、あてもなく。

227番 > ある場所で、ピタリと立ち止まる。
きょろきょろと周囲を見渡して、何かを探す。

そうして塀の上に目をやれば、そこには猫。三毛猫だ。
彼女もまた、路地裏の住人なのだろう。
227を数秒ほどみて、視線を外した。

227も塀の上に飛び乗って横に座る。
三毛猫は特に気にする様子もなく、香箱座りを続けている。

227番 > 三毛猫に手を近づける。
お互いの体をこすり合う、猫特有の匂いを使ったコミュニケーション。
敵ではないというお互いの確認。
とはえ、全身を使うには体格の差がありすぎる。仕方がないので、腕で代用するのだ。

三毛猫はそれに応じる。首を傾けて体を押し付ける。

三毛猫と227のやりとりは、それだけだ。
何かを声に出したりなどはしない。

227番 > 気づけばいつの間にか、他の猫も集まってきていた。
何をするでもなく、程よい距離感を保つ。

……そう、ここで行われているのは、猫の集会だった。

227はそれに自然に混ざっている。
たまたま遭遇しただけだが、猫たちは気にせずに227を受け入れた。

静かな時間が流れていく。

227番 > しばらくの時間をおいて、集まっていた猫たちは
各々のタイミングにでばらばらに闇夜に溶けていく。

227を呼び止めた三毛猫もまた、
すっと立ち上がって塀の向こうへと消えていった。

さて、自分ももう少し回ったら帰ろうか。
ひょいっと塀から飛び降りると、また歩き出した。

227番 > 強く吹き付ける風にマントを抑え。
時折風に煽られて転びそうになりながらも、いつものように街を歩く。

立ち話をしている人の噂に耳を傾け。
数日前と比べて町並みが変わった所を頭に入れて。

そうして、227は寝床へと帰っていく。

ご案内:「落第街 路地裏」から227番さんが去りました。