2020/07/09 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に霜降寺 響元さんが現れました。
■霜降寺 響元 > 目的も済ませ、ゆらりと歩く幽鬼のように。
最近はあまり筆も乗らず、辺りを散策するだけで済ませる事も多い。
こんな、焼け跡になってしまい誰も近寄ることすら恐れるような建物すらまた暇つぶしとして、歩いているだけだ。
■霜降寺 響元 > 焼失したにしてはヒドい有り様のビル跡。
まるで何かの重火器で焼き払ったような、そんな雰囲気すらある。
どこかの組織が表立って粛清か、恨みを抱いてこういったことをする違反部などは何処にでもいる。
特別珍しいものではない。
焼け落ちたというのに多少片付けられている几帳面さはきっと正規の部隊だろう。
とはいえ、そこに残る思念までも片付けられるほどではなかったようだが。
■霜降寺 響元 > 「ふむ、なるほど…。」
こちらも特別おもしろいものでもない、未熟な魂が彷徨って周囲に瘴気を振り撒いているだけだ。
砲撃や銃撃で辺りを焦がし、焦がされ、撃ち抜かれ、必死の抵抗も虚しく場所を奪われた幼子の霊。
放っておけばココは瘴気に侵されて場がそういった場所になるだろう。
恨みの溜まった魂というのは概念的にしろ、呪いの道具となる。
専用の瓶を使い、内に貯められた水に成仏しきれなかったこの魂を溜めていく。
本当なら体も欲しかった所だがと思案する。
魂魄を辿れば場所はわかるがそちらは管理されて手は出せないだろう。
■霜降寺 響元 > ここで無惨にも殺されたとはいえ、ここまで留まるなら…。
男はここに未練があるだけとは考えない。
簡単に移せる程度の怨みならば、ここまで留まる事も無いだろう。
瘴気を放っていたとはいえ供養されてしまえばそのうちに消え去るレベルにしてはまだ未練がある。
「まだ、いるな。」
男だから気付いてしまう些細な事柄。
ここで何人殺されたのかはわからないが、それが全てでは無いという確信めいた発想。
それが本当かも、嘘かもわかりはしないがあの中から逃げのびたヒトがいない可能性というのは少なくはないだろう。
それかあるいは…。
■霜降寺 響元 > 攻防の中、瓦礫に埋められ亡くなったモノもいるだろう、撃たれたモノも、異能で殺されたモノも。
男はビルの奥の歪んだ扉の前に立つ。
大きな瓦礫と、歪んだ扉のせいで普通ならば通れないようになってしまっている。
瓦礫を指でなぞり、色を着けて瓦礫を砕いてしまえば跡にはちょうど歪んだ扉がある。
それもたまたまなのか、子どもが一人通れるくらいの隙間が空いている。
■霜降寺 響元 > 扉もまた色を着け溶かす。
奥の部屋も荒れていた。
無事で済むはずなどなく、逃げ場など無かったのだから。
だが予想していたモノはそこにあった。
落第街では珍しくともなんともないモノだ。
しかしこういった場で、こういった恐怖を得たモノというのは使い道がある。
ソレを掴み持ち上げる。
同年代のモノにしてはヤケに軽いその身体を抱えてこの場を後にする。
ご案内:「落第街 路地裏」から霜降寺 響元さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
■日ノ岡 あかね > 連日、『トゥルーバイツ』は落第街への摘発と介入を繰り返していた。
とはいえ……無論、やっていることは相変わらずの武力を伴わない『声掛け』のみ。
だが、『声掛け』の効果は着実に出始めていた。
「……そこそこ数も揃ってきたわね」
いまや、『トゥルーバイツ』の人員は五十人足らずにまでその数を伸ばしていた。
当初の数の二倍程である。
まぁ、元が少なかったのだから大したことではないといえばないが。
「何にせよ、これやっと立派な『小隊』ね」
規定数としては、もう歩兵小隊としては十分な数である。
当初のような、人員不足からの作戦行動制限もほぼなくなった。
小隊として可能な作戦行動は、今やそのほぼ全てが実行可能である。
■日ノ岡 あかね >
「まぁ、だからこそ……『この手の仕事』も断れなくなっちゃうわけだけど」
■日ノ岡 あかね > 今『トゥルーバイツ』がいるのは……違反部活『ライムライト』の拠点前であった。
より正確に言うなら既に包囲をしている。
奥まった地点にある『ライムライト』の拠点を見据えながら、あかねは溜息を吐いた。
攻めるに難く、守るに易い地形と拠点。
これは一種の要塞である。
平押しすれば大損害は免れない。
まぁ、だからこそ……『トゥルーバイツ』にお鉢が回ってきたわけだが。
■日ノ岡 あかね > 「しかも、よりによって『此処』の処理を私たちにやらせるんだから……風紀委員会は怖いわねぇ」
今回のターゲット、『ライムライト』は料理部系違反部活の一種である。
島の各所にある、表向き商品に出来ない規格外の食品などをかき集め、調理・加工して落第街で売っている違反部活だ。
貧民救済を謳っている違反部活の一つだが、彼等の扱う食品はどうしても衛生面で問題が出る。
確かに『ライムライト』無しでは生活が成り立たない落第街の民もいるかもしれないが……同時に、だからこそ、いつ大規模な食中毒や疫病の発生源となっても可笑しくない違反部活でもあるのだ。
強制摘発の理由としては十分。
風紀委員会だけでなく、生活委員会からも早急な対処が求められている違反部活である。
しかし。
ご案内:「落第街 路地裏」に園刃 華霧さんが現れました。
■日ノ岡 あかね > 「『此処』をやったら、恨まれるわよねぇ」
そう、メインの活動の場である落第街での信頼度を多少なり失う事は必至。
しかも、元違反部活生と落第街出身者が大半を占める『トゥルーバイツ』の人員にとっても気が進む話ではない。
士気低下は確実だ。
早速、風紀委員会がまた一つ『布石』を打ってきたというわけである。
首輪の扱いが流石に上手い。
■園刃 華霧 >
「ェー……ヨりにヨって、此処かヨー。
昔、さんざっパら荒しタのに元気ナこったナ。
ま、飯はヤっぱお得ダもんナぁ」
部隊の後ろの方から、のんびりとした声とともにやってくる。
「よ、あかねちん。コイツ、どうスんの?」
思案顔の彼女に、やはり気軽に声をかける
■日ノ岡 あかね > 「命令を受けた以上、無視はできないし……摘発は確実にしなきゃいけないわ」
以前なら理央あたりに押し付けることも出来たろうが、今、彼は思わぬ負傷で入院中。
風紀委員会内はパワーバランスが乱れており、同時に現場職員の足並みも乱れてきた。
こうなると、『とりあえず』でつかえる駒は減ってくる。
そして、独立遊撃小隊の名を冠する以上、『トゥルーバイツ』はその数少ない『とりあえず』でつかえる駒に違いはないのだ。
故にこそ、今後の風紀委員会内での発言力を確保し、足場を固める為にも。
「とはいえ、手荒な真似は出来る限り避けたいわね」
今回は『博打の打ちどころ』の一つと言えた。
■園刃 華霧 >
「ハー……ヤだやダ。
風紀が中でドンパチしてルせーで、ヒンコーホーせーなアタシらに
お鉢が回っテくるッテわけダ。」
やれやれ、と大仰にお手上げ、なポーズを取る。
もちろん欠片もそんなことは思っていないが。
「ンー…… いっテも摘発、は摘発ダもンなー……
いっそ、セ―セ―ドードー、正面から"お話し合い"でモすっかネ?」
元落第街住まい、ついでに違反部活荒らしとしてはよく知っている此処。
まあ、こんなとこ普通に喧嘩売ったらめんどくさいこと、この上ない。
ならば、と思いつきをいうだけ言ってみる
■日ノ岡 あかね > 「勿論そのつもりだけど……今回はそれだけじゃ難しそうよね」
華霧の提案に苦笑を漏らす、無論それはあかねとしても望むところだ。
しかし、『ライムライト』は既に落第街でシンジケートを築き、実際的な利益を得ている違反部活だ。支援者も多い。
構成員や支援者の中には本気で心の底から『慈善事業』と思っている者たちもいるだろう。
実際、そう間違っているわけでもない。彼等は非正規品を買い取っているわけなのだから、表世界にだって仲間がいる。
例え非正規品の果実だって、廃棄すれば金が掛かる。
だが……彼等に売り払えばタダどころか、いくらか見返りがあるのだ。
せっかく作った作物が「形が悪いから」だの「価格調整」だのの理由で世に出ない事は当然、作る側からすれば忸怩たる思いだろう。
故に、慈善事業の側面が全く無いとは言い切れないのだ。
……もっとも、一側面からみるとそう言い切れないというだけで、無論、それをやる時点で無責任に安全性の低い食品をバラまいている事に違いはないのだから、所詮違反部活は違反部活でしかないのだが。
「何にせよ、『話し合い』だけで頷いてくれる手合いじゃないわよ。だって彼等は『正しい事をしているつもり』なんだから」
自分が『正しい』と信じていて、同時に支援者や同調者も居る違反部活。
それが『ライムライト』だ。
「悪い事をしている」という意識がない分、始末が悪い。
■園刃 華霧 >
「……マー、そー……ダよ、なぁ……
アイツら、話通じンかったシなぁ……」
昔の思い出を引っ張り出す
昔はまあ、それはそれは食品のたぐいはお世話になったものである。
当然、正規ルートではなく美味しくカッパいだ方なのだが
「ぶっつブしに行くってダケなら楽なンだけどなぁ……」
はぁ、とため息。
今なら、昔感覚で荒らし回れる気はする。
流石に一人じゃ厳しいが、部隊がいればフォローもきくだろう。
「なんだロー、ね。アイツラが、サれてめんドくさいコトから手繰れタりしないカナ……」
めんどくさそうにぼやく
■日ノ岡 あかね > 「今まで散々やってたのよね、それ。だって……彼等から見ると、私達がやってた『声掛け』は顧客の引き抜きも同然。カモを奪ってたに等しいわ」
くすくすと、あかねは笑う。
そう、『ライムライト』にとっても最大の上客は「好きで落第街にいるわけではない弱者や荒くれもの」である。飯は生活と切って切る事は出来ない以上、こればかりは仕方ない。
だが……それは先日の『話し合い』で多少なり奪われている。
今『トゥルーバイツ』の構成員になっている者の中にも、『元顧客』は少なからずいるだろう。
つまり、一般構成員はともかく『ライムライト』の経営者側に『トゥルーバイツ』が好まれているわけもない。
「正面から平押ししたら、『楽』にはいかないわよ」
無理にでも部隊を押し込めば、夥しい量の血が流れるだろう。
……下手をすれば、『計画』に差し障りが出るほどに。
風紀委員会は、そこまで読んでいるのだ。
「中々、素敵な盤面じゃない? 遊び甲斐があるわ」
あかねはへらへらと笑って見せる。
■園刃 華霧 >
「そーイや、ソーか。
うン……ン―……」
カモを奪った。
たしかにそれは そう
ついでにいえば、昔の自分もカッパいで人に売ってたりしたから似たようなモノ
間違いなく、嫌われ者である。
「マ、もし力押しスるなら……アタシがぶっコンで行ってひっかキまわシて、ダね。
ただマー、そうネ。一人じゃ流石にキっちーカ……」
いけないいけない。
ちょっと昔の血が滾ってる。
一人で大暴れ、いいじゃない、とかなってる
落ち着こう
「中心に潜り込ンで、頭を抑えル……ン―、でもソれで大人しクなる連中か、が問題かー……」
自分の力を使えば、数名で潜入、くらいはギリギリなんとかなる。
とはいえ、それでうまくいく保証はない。
なるほど、確かに遊びがいは在る
■日ノ岡 あかね > 「出来れば平和的解決を望みたいわね。力押しで解決したら、『トゥルーバイツ』の士気も下がるわ。元利用者が少なからずいる以上、ここを叩き壊せばそれは昔馴染みの食堂を破壊したも同然。不和の元ね」
だからこそ、上は『トゥルーバイツ』に押し付けてきたのだ。
どう転んでもどこかで損するように。
実際、例えどうにか無血開城したところで、少なからず落第街地元住民からは恨まれてしまう。
なんだったら、この摘発が原因で餓死するモノも現れるだろう。
ハイリスクローリターン。
御誂え向きの仕事だ。
「とはいえ、潜入は手ね」
目を細めて、あかねは笑う。
「頭と話を付けなきゃいけない事だけは確実だしね」
■園刃 華霧 >
「ほんと、上はコスっからイなー。
アタシらが損スるよーに計算シてるってワけだ。」
まあ、それはあかねちんも承知の上だろう。
自分だってそうだ
そもそも、保険なんてかけてここに来ているわけでもない
障害上等だ
「だろぉ?
残念ながラ、せいぜい二人か三人まデ、が限度だケんどサ。
こっそり侵入でキる手品なら、持ってるゼ?」
にひ、といたずらっぽく笑ってみせる
■日ノ岡 あかね > 「じゃあ、誰一人ケガさせず、向こうの部長さんだけ拉致してきたり出来る?」
ニコニコと笑って、あかねは華霧に尋ねる。
無理難題である。
向こうはそれなりに大規模の違反部活。
戦力比は数だけで見れば1:4は下らない。
無謀としか言いようがない。
「どうかしら? 華霧ちゃん」
ニコニコと、あかねは笑う。
■園刃 華霧 >
「うッワ、あかねちん」
クククク、と嗤う
哂う 笑う
「だいぶ、悪党ダな、そレ。
どンだけコキ使う気だ?」
げらげらげら
下品な、獣の笑い
しかし、一切否定はしない
「そーダな、"丁重"に"ご招待"スんのにチミ―ッと痛い想いくらいは
して貰わンとだけど……そンくらいかな?」
こともなげに、答える
■日ノ岡 あかね > 「じゃあ、ダメね」
あっさりと、あかねはそれを却下する。
軽く肩を竦めながら。
「私達は『お願いする立場』なんだから、痛い想いはマズいわね」
気付いたらもう拉致されてたが望ましいが、それも難しそうとなる。
「礼を尽くすしかなさそうね」
そういって、あかねは歩き出す。
相変わらず、音もさせず。
■園刃 華霧 >
「ン……そっかァ……
でモなー、あかねちん。
気絶なり、縛るなり、は流石にしタいんだけど……そノ程度はダメかねえ。
睡眠薬とかデもアりゃ、いイか……さもなきゃ、ネてるトコ、お連れする?」
あらら、と肩をすくめる
簡単な拘束でも、痛いっちゃ痛い
程度を何処で測るかは難しいなあ、と思う
「もしくは、目の前まであかねちんを連れて行く、くらいマでかネぇ……」
それは、割と簡単にできると思っている。
何しろ、目の前まで行くことについては余裕だと判断しているのだから
■日ノ岡 あかね > 「この呼びかけでダメだったら、そうしましょ」
そう、あかねは華霧に笑って、そのまま最前線まで歩いていく。
膠着状態、睨み合いの最前線まで歩いて行き……そこで、あかねは珍しく。
「すいませーん! 『話し合い』したいんですけど、責任者の方、出てきていただけませんかー!!」
両掌を両頬に沿えて、大声を張り上げて……そう言った。
拠点の中にいる『誰か』にも聞こえる様に。
■園刃 華霧 >
「って、ちょっ」
本当に素直に声をかけてんの、マジで?
面白くて思わず笑う。
ああ、でもそうか。
確か、ここの頭って割と馬鹿だった覚えがある。
いや、頭はいいんだろうけれど馬鹿だ。
アタシも少しだけ話しをした覚えがある。
ワンチャン、"話し合い"の機会、あるかもしれないな?
悪くても、誘拐の狙い所っぽい隙を作ってくれる可能性も十分にある。
■日ノ岡 あかね > だが、返答はなかった。
向こうからすれば、それは既に通らない。
その『話し合い』で既に大勢顧客を引き抜かれているのだ。
その手には乗らない、そう思われても仕方ない。
その様子をみると、あかねは。
「じゃ、もう仕方ないわね」
溜息を吐いてから、両手を頭の上に掲げて。
「投降しまーす。私を人質にしていいでーす」
そのまま、敵陣に歩いていく。
途中、一度だけ振り向いて。
「じゃあ、カギリちゃんあとよろしくね。私、博打打ってくるから」
そう、華霧に笑い掛ける。
いつも通りに。
■園刃 華霧 >
「うっゲ、マジでいっテる?
やれヤれ……」
なーるほどね
まだちょっと甘かったようだ
体も心も錆が取れきってない
「人質二人……ってワケにはいかンかネ?
ソウだったら……アタシはチョット反省会しとくワ。
他なんか、やっとくこと、ある?」
あらん、と肩をすくめる
■日ノ岡 あかね > 「ダメよ。カギリちゃんは異能者だから」
あかねもそうではある。
だが、しかし。
「私みたいに『首輪』ないんだから」
そう、あかねの異能は封じられている。
武器も非所持。完全な手ブラ。
だが、華霧は違う。全身凶器も同然。拘束も意味を成すかわからない。
しかも、役職などについているわけでもない。
そんなものは……人質にならない。
「代行指揮よろしく。72時間以内に戻らなかったら、一度引き上げて上に報告してね」
笑いながらあかねは華霧の目を見てそう告げて、また前を見る。
両手をあげたまま。
「じゃ、ちょっと行ってくるわね」
気安く、あかねは歩いていく。