2020/07/21 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に持流 童男さんが現れました。
持流 童男 > 「今日も今日とて、ここらへんのパトロールでござる。」

と言いつつ熱い中、まだ昼というのに、パトロールをしている。

ここらへんに誰か来ないか、警邏をしている。

持流 童男 > (昨日は情けないところを吐き出してしまったでござるからな。誰にも見られてないでござろうが。あと昨日のエロゲは良かったでござる・・)

思いつつも路地裏をパトロールしつつ警邏をしつつエロゲのことを思い出しつつ散策。

持流 童男 > 「しかし、この頃メイドカフェに言ってないでござるなぁ」
「メイドさんに癒やされてみたいでござる」

言いつつ、路地裏を散策しつつ、メイドカフェを懐かしみつつも

「今度行って見るでござろうかなあ」

今度メイドカフェに行こうそう思いつつも、パトロールをしている。
[

持流 童男 > 「はぁー、メイドさんといちゃいちゃしたいでござるよ某も」

ぼそりと自分の願望を言い放った

ご案内:「落第街 路地裏」にナナセさんが現れました。
ナナセ > ばしゅ、と空中で音が響いた、降りてくる人影、よく見てみればメイドさん?

そのままゆっくり君目掛けて落下してくる。

持流 童男 > 「うん?何かがおりて・・・・・」

「親方・・!?!空からメイドさんが・・!?」

言いつつあわあわしつつも、驚いている

(某確かに、たしかにメイドさんとイチャイチャしたいと言ったでござるが・・!!!)
(これは、すごすぎでござろう!!?)

あわあわしつつ、驚きつつも手をばたつかせつつ、受け止めようとしている。

ナナセ > 「と、とっ、と」君から数メートル離れた所に着地、そのまま滑らかに滑走し、君に向き合った

「常世学園、派遣家政婦部から参りました、ナナセです、今日はよろしくお願いしますね、ご主人様」

す、と優雅なカーテシーでご挨拶、背中には物騒な銃?らしきものが見えているが

持流 童男 > 「うおお・・!?よ、よよよろしくお願いするでござるよ?ナナセ殿・・?」
可愛くて目をそらしつつも
言いつつも、「派遣家政婦部・・?」と疑問符を浮かべつつも

「某は、持流 童男、胸を晴れるヒーローを目指しつつ、風紀委員をやってるものでござる。」

ナナセさんを照れながらもいいつつ、

「(メイドさんでござるか・・懐かしいでござるな)」
「も・・・萌えー・・!!!」
と感嘆しながら、ナナセさんを見る。
しかしこれだけはしっかり言っておかねばと思い言う。

「ナナセ殿は後ろに下っておくでござる。なにかあれば、某が必ずお主を守るでござる。ここには、パトロールで来てるのでござるから、お主に危害が会ってもしものことが会っては、派遣家政婦部に申し訳が立たぬでござるから。」

少しだけ寂しそうに笑いながらナナセさんに言う。

ナナセ > 「学内でアンケートにお応え頂きましたですよね?」

たしかなんか書かされた記憶があったような。

「厳正な抽選により、一日ご主人様として、お支え致します、宜しくお願いします、呼び方は、ご主人様、旦那様、童男様、どちらになさいます?」

案外お茶目らしい

「お任せください、私は戦闘もこなす全局面対応型ご奉仕侍女(オールワークス・メイド)で御座います、お気遣いはなさらず、むしろ後ろで堂々となされてください」
にこりと微笑んだ

持流 童男 > 「お・・・おう!?それならばよろしく頼むでござるよ。ナナセ殿」

驚きつつも、びっくりしつつそういえばなにかを書いたなと思って

「あのアンケートでござるか!?」

更に驚きつつ、びっくりしている。

「そ・・・そうでござるな・・!童男様!で・・!お願いするでござるよ・・!」

呼び方については童男様にした。こう!そう呼ばれたかったらしい。

「うーむ、メイドって言うならば、某の異能も教えておいたほうがいいでござるよね。それが礼儀ってものでござる・・・多分」
快活に笑いつつも異能を伝えておく

「某の能力はワールドトラベラー、色んな世界を渡る事ができるでござるが、まぁ今はなにもないでござる」

「そして、今できることと言ったら、・・・・<知られずの英雄>
って、異能でござる、この異能は、推しを必ず助けられる代わりにその助けた推しが助けられたことを忘れる。助けたいと本気で願うことでも発現可能でござる。この状態になると、死んでも推しを助けてる間、復活状態になるでござるが、ただし推しを助けた後には、致死量の半分の傷が開くでござるよ。」

笑いながらも、自分の異能をナナセさんに小声で伝えていく。
少しだけ辛そうに見えるかも知れないが本人はそれを隠しているつもりである。

ナナセ > 「では、童男様と」
ふわりと、優しく微笑む

「ええ、何人か無作為に選ばれております」

「ご主人様の秘密を賜った以上、メイドの名に置いて隠匿させていただきます、後は」

ゆっくり近づいて囁くように

「私に忘れられぬように、今日はご自愛くださいませ、童男様」

ゆっくり離れて、一歩、貴方の後ろに控える。

持流 童男 > 涙がでかかる、しかし心配させないように
そういえば心配されたのはいつぶりだろう。

「おぉ・・!そうでござるな。それならばパトロールの手伝いをお願いするでござる」
少しだけ声が震えつつも、笑うように
少しだけ涙が出る

「あぁ・・すまぬ・・嬉しくて、こうして心配されたのは久しぶりで・・!あぁ畜生!カッコつかねぇでござるな」

そう言いつつ、パトロールのためにあるき出そうとする

ナナセ > 「ではそのように」

侍女は一歩後ろに控え

「童男様、これを」
ハンカチをさり気なく手渡す、白い、いいにおいがするハンカチだ

「では、行きましょう」

泣いてる顔は見ないように配慮

ご案内:「落第街 路地裏」にナナセさんが現れました。
持流 童男 > ハンカチをもらいつつ、涙を拭いつつも

「ありがとうでござる・・・」

ハンカチを返そうとしつつ、あるきだして、

「この辺りは、異能をもった不良達がいるでござるからな。」
「気をつけるでござるよ」

言いつつ、あるき出したところで、後ろから不穏な影が差し掛かる。

ナナセ > 「童男様」

後ろから声をかけて

「どうなさいます?」

戦闘体制をゆっくり整えて

不良 > 「おいおい、なんでこんなところに風紀委員がいるんだぁ?」
「おいおい、そこの女・・上物じゃんねぇか!」
「そこの風紀委員のおめぇは、金目のもんとそこの女を置いてどっかにいきな。そうすりゃ見逃してやるよ!」

後ろから3人の不良の声が下卑た笑い声が聞こえてくる。

持流 童男 > 「(女の子を前に出して戦う男なんてヒーローじゃないでござるからな)」
思案しつつも

「ナナセ殿は、後ろに。もしもの時は、頼んだでござるよ」

ニット笑いながらも

ナナセさんの前に躍り出て。 

「某の大事なメイドを!!!お主らに渡すわけが無いでござろう!!!」

一喝した。

ナナセ > 「では、そのように」
がちゃりと構えて、後ろから一人に、発砲した。

「非致傷です、私としては消しても良いとは思いますが」

「それでは、五晶味あれーー」
口元に手をやると弾丸が生まれ、即装填、発砲

不良 > 「ぐぇえ!!?なんだこりゃ!?」

「クソ!!炎の奴がやられた!!!」

「なんだ!?あいつが口元に手をやると、・・くそ!ぐわぁ!!」

言いつつもどんどん倒されていく不良三人組!

持流 童男 > 「うおおお!?瞬く間に全部撃ち抜いたでござるな・!?」

感激しながらもいいつつ

「かっこいいでござるな、ナナセ殿」

ニット笑いながらも、ナナセさんに見惚れている。

「良かったでござる。あ・・ただ前に躍り出たのは許してくれでござる。お主が、傷つくのを見たくなかったのでござるよ。」

しょんぼりしつつも、ナナセさんにいいつつ

ナナセ > 「ありがとうございます」

ゆっくり頭を下げて

「いえいえ、ご主人様の無謀を支えるのも、メイドの仕事でございます」

優雅に微笑んだ

持流 童男 > 「うおお、ありがとうでござるよ、ナナセ殿」
感激しつつも

「お主が居てくれてよかったでござるよ。いつもなら異能で貫かれたり、殴られたり、耐えたりだったでござるから、だからお主に逢えてよかったでござる。こうして無事でござるから」

ニット笑いながらも

「こやつらは、某の風紀委員に連絡して置いてっと」
「さて行こうでござるか、ナナセ殿」
ゆっくりと笑いながらも。

ナナセ > 「では、今日は私が童男様を護ります、無謀な事は赦しませんのでご容赦ください」

諌めるように笑いながら

「ええ、お供します」

持流 童男 > 「これは手厳しいでござるな」

無謀なことは赦しませんということに対して言いつつも
苦笑いしつつ

「そういえば、抽選で、某が選ばれたってなってるでござるが、某で本当に良かったのでござるか?」
すっと疑問を浮かべたように言いつつ

「某のような、キモオタよりかイケメンの方がよかったのではないでござるか・・?」
ナナセさんを見て言いつつも

ナナセ > 「仕方ないので、事前に排除しますのでご容赦を」

くすくす笑い

「いえ、まあ仕事ですから」
ドライなもの言いをしながらも

「私のような全局面対応型ご奉仕侍女は、戦闘に身を置く方が、尚且つ傷つく型の方が良いと思われまして」

「あまり美醜は気にしませんので、お気になさらず」

ふわりと笑う

持流 童男 > 「よかったでござる・・!」

「うむならば、相性がいいのでござるな某とナナセ殿は。」

「美醜を気にしない・・・良かったでござる!」

笑いつつも、パトロールをしつつ、本当にこの世界一番楽しい時間で楽しかった。
楽しい時間が続くがいつか楽しい時間にも終わりが来る。

「正直某は、お主と、ナナセ殿と別れたくないでござる。」
「しかし、お主が、誰かを助けにいくというのならば、そして、誰かに使えるというのがいいというのならば、某は、お主の幸せを応援するでござるよ」

ナナセ > 「ふふ、確かにそうかもしれません」

不審な生徒を尋問したり、迷子を連れて親を探したり、またも絡んできた不良を撃退したり、屋台で一緒のおやつを食べたりしたり。
(なお色んな事はメイドさんが全部やりました)

「ふふ、私と離れがたいですか?なら、そうですね、私が卒業するまでに、雇用契約して頂ければ、貴方に終身雇用も致しますよ」

囁いて

「これはご指名券と割り引き券です、今日はご奉仕させていただき、ありがとうございました」

出会った時と同じカーテシー、そしてヘリから下ろされたロープ

持流 童男 > 「うむ・・!!ありがとうでござる、ナナセ殿。絶対にお主を雇用契約するでござるよ!!!!」

ご指名券と割引券をもらいつつ、ナナセさんを見つつ

「お主のご奉仕に幸運と幸せを!!!」

二カッと笑いながらもサムズアップをしつつ。

ナナセ > 「ではまた、童男様」
出会った時と同じように、風のように去って行った。
温かな風を残して。

ご案内:「落第街 路地裏」からナナセさんが去りました。
持流 童男 > 「うむ・・・!!ありがとう・・!!」
と言いつつこちらも暖かな風を感じつつ

路地裏から出る

ご案内:「落第街 路地裏」から持流 童男さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に群千鳥 睡蓮さんが現れました。
群千鳥 睡蓮 > 高架下を潜り、ちかちかと明滅する灯りを受けて。
うらぶれた落第街の路地裏。スラムよりは未だ、明るい場所に。
翼のように、黒いコートの裾を揺らして歩く――それを摘む。

「――急に暑くなってきやがったな……なんか買わないと」

顔の前にもってきて、渋い顔。
大きいサイズの上着を羽織るのは、趣味と実益を兼ねたものだ。
薄手のサマーニットのチェスターコート。
歓楽街の東っ側で買ったものだ。気に入ってるが、通気性にも限度がある。

「夏休み明けたら倭文で冬モノも揃えないと。
 ――夏休み、夏休みか」

えらく懐かしい響きな気がする。
裾を払い、片手に持ったブラックコーヒーの缶を宙に放ってキャッチ。
泥水と言った奴がいる。この泥水のわざとらしいすっきりした苦味がわりと好きだ。

群千鳥 睡蓮 > ここに来てから一ヶ月余り、じぶんは「ふつうの学生」で居られた――とおもう。
幾分か変われたとおもう。おそらくは良いほうに。
本当にそうなのか? それは、絶えず考え続けなければいけないことだ。
プルトップを開けて泥水を喉に流し込む。

「泥水って程じゃねーだろっての」

渇いた喉には良く効くので、何処ぞの甘党に毒づいておいた。

「……此処とも少しの間おわかれか」

すこし感慨深げにつぶやいた。
既に、船舶のチケットは取ってある。
両親もきょうだいも働いているから、帰省は必然的に盆休みを狙うことになる。
少し早めにずらしてはあるが、まあ誤差だろう。
編入してきた時は時期が時期だったからすいていたが、帰りの船舶はすし詰めになりそうだ。

群千鳥 睡蓮 > "此処"。 常世島。
ふわりと壁に体を預け、思索する。
顔のすぐ横には下品めのポスターが貼られている。

「変なトコだよな。 かんがえてみても」

落第街だけを切り取っても、奇妙な話だ。

日向と日陰がある。それは考えてみれば当たり前のこと。
いわゆる都会暮らしだった自分からすれば、こういう場所もあるのだろう、と。

「ここには戦場もあって……」

唇に指先を滑らせた。
――指を離す。ティーカップの取っ手に毒を塗るなんてトリックの本を読んだばっかりだった。

「荒野もあるんだっけ。 ……国境みたいなもんまである」

まだ足を運んだことはないが、異邦人たちが暮らす場所。
あの漆黒の男のような、「じぶんたち」に近いナリの奴のほうが珍しい、とか。
思いを馳せる。この島の在り方。帰ろうとしている場所が、どれほど静かで安らぐ場所かと。

群千鳥 睡蓮 > 「まだ――生き返るわけじゃない」

自分は未だ、学ぶもの。大人になれない何者か。
ひとたび死して、常世島という名の冥府で這いずっている。
人間社会という場所に戻るために。
これは適性試験のようなものだった。おまえはほんとうに 『人間』なのかと。

「…………あたしはまだ、おとなじゃない」

家族は今の自分をみて、なんと言うだろう。
既に、「後期」以降のことについて、電話でいくらか相談済みだ。
快く請け負ってくれたし、それを理由に少し長めに帰りたいといえば。
思い上がりでなければ、電話口の声はうれしそうだった。

「気を抜けばいいのか、気を抜いちゃいけないのか。
 ……そのうち慣れるのかな」

群千鳥 睡蓮 > 「いろいろ申請書類とか書いて……ああそうだ試験もあるのか。
 そりゃそうか。あと面談と……そーだ、小金井先輩にも伝えないと。
 ――んん、やることいっぱいだな。 夏休みって暇なもんだと思ってたけど」

小学生のころ。自分にはそれなりにともだちがいた。
自分はすこしだけふつうと比べて『ずれ』ていたが、
大なり小なり、全員どこか『ずれ』ていて、それが少し大きかっただけだと弁えている。
携帯を取り出す。そこにはまた会う約束がある。
むかしお世話になった、親身になってくれた先生は、結婚報告のときにまた縁ができて。
いつか帰る場所。 まだ、此処は自分にとっては暗き底。けれども。

「面白いひとたちばっかだもんな……」

この島にはやさしいひとが多かった。
そうでないひともたくさんいるはずだ。
問えと言われた。問い続けよと。
そして待つと約した。――だから、というわけではない。

「まあ、少しばかり『長く』いることになりそうってのは予想外だけど。
 ――きっと、だからこそ、あたしはこの島のことも」

もっともっと好きになれる筈だ。携帯をポケットにしまい込む。

ご案内:「落第街 路地裏」にヨキさんが現れました。
ヨキ > ヒールの靴音。
女のそれよりも重い、堅実な響き。
睡蓮の正面から、ゆったりと歩いてくる男の姿がある。

美術教師ヨキ。
毀誉褒貶相半ばする、長身の男だ。

「やあ、こんばんは」

奇しくも、彼は睡蓮と同じ缶コーヒーを手にしていた。

「君は夏休みを島内で過ごすのかな。
それとも、外へ帰る予定がある?」

まるで天気の話でもするみたいに。
そう切り出した。

群千鳥 睡蓮 > 音にか、匂いにか、影にか、味にか、肌に触る感触にか、
それともより深い感覚にか。
きっと、聞き慣れない男性のヒールの硬質な音が一番強い。
自然に顔を上げて――ああ、そうだ。
探していた顔だ。 自分は美術を取っていないから、普通は会えない人。

「あ、ヨキせんせ……ッッ」

大きめの瞳を開いて、会いたかったんだ、とも言いたげに。
多分、自分が一方的に知っているだけかもしれないけども。
言って、唇を手で覆う。気まずそうに顔をそらす。
出来れば制服姿の『睡蓮』で会いたかった。此処に居ること自体素行不良だ。

(ていうか裏路地に先生居すぎだろ……!)

そらした先には飲みかけの缶。
それを掲げながら、壁から体を離し、通りの邪魔にならないように寄りながらも、
正対した。会釈する。――怒られるかな。

「――あ、と。 こんばんは……?
 実家に……帰ります、家族がいて。両親と、あとおねえちゃんがふたり……
 これ、美味しいです、よね」

ヨキ > 「おや、ヨキのことを知っていてくれたのだね」

こんな場所で会ったというのに、ヨキは叱る素振りも見せない。

「安心したまえ。ヨキはこの街に居る者らにも、何も言わぬよ。
何しろ、落第街にもヨキの『教え子』はたくさん居るのでな。

今晩は彼らを、一人ずつ訪ねておった。夏休みに入ったことだしな」

睡蓮に会釈を返して、そう話す。
ゆったりとしたテンポ。低く構えた声。笑み交じりの息遣い。

「そうか、君は帰省組か。この島の土産話を、たくさん持って帰りたまえ。

ふふ、ヨキもコーヒーが大好きでなあ。お互い飲み過ぎないようにしなくてはな」

中身が半分ほど減った缶を、軽く揺らして示す。

「……それにしても、君の瞳はどこか力があるね。
油断すると、ヨキの深い奥底まで見透かされてしまいそうだ」

目線はかち合っていなくとも――何か、感じるところがあったように。そう笑う。

「それで、君はヨキに何か用事でもあったのかね?」

群千鳥 睡蓮 > 深く体に染み入って、ずしりと響く声を受け止める。
正対すればわかる。その存在感。物理的なものではない体軸のつよさ。
昼休みに言葉を交わす子たちの評判が良いわけだ――と少し唇が綻ぶ。
なんたって、『安心』してしまった。
一言で緊張を解されてしまえば、こちらは何も隠せない。

「そうよく言われてたから、普段は眼を隠してるんです。学校では……。
 あたしからしたら、ひと目で色々見抜かれちゃったなー……
 ってのはこっちのほうなんですけど。
 ……先生の眼、きれいですね。 晴れた夜の海みたいで」

真っ直ぐ見つめた。失礼にならないようにはするけれど。
だから視線をできるだけ緩める――否、自然に微笑んじゃっただけだ。

「噂の"かっこいい先生"とぜひお近づきになりたいな、っていうのがひとつで」

ひとさしゆびをたてる。

「もうひとつは、ヨキ先生のことを知りたかったから。
 コーヒーがすきで、落第街にも『教え子』さんがたくさんいて。
 こんなとこに居る不良娘にも優しく話しかけてくれるってのはわかりました。
 ……一年の群千鳥 睡蓮(むらちどり すいれん)です。先生。
 ――さいきん、効きが悪くなってるんですよね。エスプレッソ飲むようになっちゃったからかな」

中指を立てた。ふにふにと二指を曲げて。
先生相手だ。フルネームを名乗る。肩越しに背後を振り返る。
彼の進行方向だ。

「ご用事、とか。教え子さんへの――あいさつ回り?だいじょうぶですか?」

ヨキ > 「いいや。君の目がどこまで見抜けるか、ヨキにはまだ知れぬよ。
だから、未だ何も気づいていないに等しい。
綺麗な瞳には力がある――それを褒めただけのこと。

ふふ、晴れた夜の海、か。嬉しいな、そう評されたのは初めてだ」

実際、ヨキは何も与り知らない。
睡蓮が持つ力のことを。秘めたる性分を。
芸術家として人と相対する――その眼差しが、ほんの上辺を掬い取ったに過ぎない。

「ほう。ヨキのことを知りたいと? 勿論構わないとも。
群千鳥君、だね。ああ、綺麗な響きの名前をしている。

なあに、こうして挨拶を交わした以上、君もヨキの教え子の一人だ。
ヨキは教え子ひとりひとりに、十二分に時間を割く。安心して話したまえ」

壁に背を預ける。
埃っぽい街でも、構う風もなしに。
さながら自分の家のような気楽さで。

「ヨキも君のことを知りたいと思うよ。
言葉でも、何でも。存分に知り合おう」

深く深く。穏やかに、微笑む。

群千鳥 睡蓮 > 「……ども。 
 うん、きれいな海――此処の浜辺もそうなのかな。
 家族にむかしつれてってもらった、コートダジュールなんか、思い出します」

まっすぐ褒めてくれるひとだ。
自分の能力は全般的に高い――とは思っている。自信もある。
しかしどうにも弱かった。控えめに受け取り頬を赤くして。
隣あって背を預けた。気を使ってくれたのかな、と横目でうかがう。

「なんだかめちゃくちゃ忙しそうで……」

苦笑して、学校では話しかけられなかった理由を打ち明けた。
前期終了の時、ヨキに限らず、解放された生徒たちと打って変わって大忙しだ。
それを、睡蓮はじーっとみていた。邪魔にならないように。

「『教え子、ひとりひとり』……。 すごいことですけど。
 なんか、全然大変じゃなさそうです。たのしそうで――。
 そうですね、なんでも聞いてください。
 この綺麗な瞳が、家族であたしだけだった不思議とか。
 ラ・ソレイユで、常世苺のパイが数量限定で出る!という噂ばなしも」

容姿には自信がある。ふにふにした二指で、片目を上下からひろげてみた。
それでも家族からもらったものだ。
少し考える。 そして。

「ヨキ先生って、どうして先生になろうとおもったんですか?
 美術の、先生。 あたしからすると、けっこうおしゃれな……響きですけど」

顔を振り向かせ、微笑みには真面目に、まっすぐな表情を見せた。

ヨキ > 「あはは、嬉しくなってしまうね。
君にもっと目を褒めてもらいたくとも、笑うとつい細めてしまう。
鏡を見るのが、もっと楽しくなれそうだよ」

笑うと、歳相応の男性らしい笑い皺。くしゃくしゃとした笑い方は、明るい。

「ああ。正直、とってもとっても忙しい。でも、ちっとも苦ではないんだよ。
どれだけ忙しそうに見えても、話し掛けられたときには手を止めるから。
遠慮せず、声を掛けてやって欲しいな。

ラ・ソレイユって、スイーツの部活だろう。
いいね、すごく気になっていたんだ」

睡蓮が押し広げた瞳を、正面から見据える。
金色の奥に、何が秘されているのかを見定めようとするみたいに。

「ヨキが先生になろうと思った理由、か。
そうだな。斯様な場所で――普段隠す瞳も露わにしている君には、ヨキも正直に話そうか。
『普通の先生』とは、とても言えないから」

一拍置いて。

「ヨキはこの見目のとおり、異邦人でな。
今でこそ人間だが、初めは犬と人との混ざりものだった。

……この島に辿り着いたところを、『悪い者たち』に捕らえられてな。
それはそれは手酷い目に遭わされたところを――委員会に救われた。

それからだ、ヨキが真面目に教師になろうと思ったのは。
この学園と島に、お返しがしたかった」

群千鳥 睡蓮 > 「そこなんですよ。 あたし、勉強してるときとか集中してる時。
 話しかけられると、けっこう乱れちゃって――怒っちゃうときも。
 ……最近は治ってきてはいるんですけど、どうにかしなきゃかなあ」

考え込む。そこが、『おとな』と『こども』の違いなのかなと。
結局くせで、人差し指を唇に乗せてしまう。ぷにぷにと指先で叩く。
実はラ・ソレイユ部員なんですよー、なんて、笑っても見せたりしながら。
先生とじっくり話すというのは、『先輩』と話すのとは、また違ったものがある。
あの黒猫のひととはまた違う、包容力、力強さ――暖かさ。
おとうさんと話すときと、どこか似ている。

「――…………」

海に映る夜空を覗き込みながら、その瞬きに見入る。
ごくあっさりと告げられた彼の物語のその裏には、
随分な悲痛があったように思えた。唇をひらきかける。

――どうしてそんなことがあったのに、そんなに優しく在れるんですか。

飲み込んだ。大変だったんですねとか、かわいそう、だとか、浮かばなかった。
それさえ目の前の男性を構築する要素として、まじまじと見つめて受け止める。

「……異邦の方にまつわる諸問題については、
 いまも世界史とかは、ほぼ毎週記述が変わってるくらいの話だって……
 でも、肌にふれたことはない……知って、知らなきゃ。
 …………受け取った、恩を、返す……ために」

少しだけ、じくりと胸が痛むものがあった。
――自分も、似たような感覚で生きているから。

「……そう思わせてくれる、出会いがあった……『だれか』との、
 たくさんのかかわりがあったから……?」

彼を"ヨキ先生"たらしめるものは、なんなのだろう。
そこに何かが視えた気がして、黄金を見開き、輝かせた。

ヨキ > 「それは人によって、向き不向きがあるところだからな。
ヨキが手を止めて、別のことに向き合えるように……。
君にとっては、“集中すること”の方が向いているのではないかな。
怒ってしまって喧嘩に繋がる……ということがなければ、ゆっくり己の性質と向き合えばよいさ」

相手がラ・ソレイユの部員と聞くと、おお、と目を瞠って。
覚えておこう、と相手の名前を復唱する。群千鳥睡蓮。ラ・ソレイユ。
そう口にするとき、ヨキは後日必ず店へ出向く。

「……………………、」

睡蓮の逡巡に、黙して金の瞳と向かい合う。
ヨキの水底めいた瞳の奥に、似て非なる金色の光がちらりと瞬いた。

「……そう。ひとつだけではない、たくさんの出会いがあったよ。

ヨキは元から地球の人ではなく、今や異界の犬でもない。
どこにも馴染めぬ身ならば、せめて身の置き場所を与えてくれる常世島に、尽くそうと――そう思った。

どれほど裏切られようとも、傷付けられようとも。
この島でしか生き方を知らぬヨキは、他に手管を持たん。

無論、順風満帆などという訳にはゆかなかった。
数えきれないほどの成功と失敗を繰り返して、今がある。

だからヨキには……一日だって、無駄に過ごす時間はない。
知りたいから。学びたいから。覚えたいから。
良いことも、悪いことも。どこかで何かが起こると――知っているから」