2020/08/14 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に刀々斬 鈴音さんが現れました。
刀々斬 鈴音 > 先日、結んだ協定。請け負った仕事。
違反部活の幹部を狩る事。

それを請け負ってからしばらく未だに鈴音は動けないでいた。

……理由は簡単、情報の不足である。

ただ斬るだけなら鈴音でもできるが、選んで斬るにはそう簡単にはいかない。
場所を見つけて、人を見つけて、組織の繋がりも知っておく必要がある。

鈴音にはこの落第街における後ろ盾となるものが弱い。
主の名前を使うわけにはいかないし、……あの風紀委員も有事の際にはこちらを切り捨てるだろう。

『……ということだ、分かったか鈴音。まずは、情報屋を探せ。信頼できる情報屋だ。』

「そんなのどうやって探せばいいの?ネット?」

『詳しい方法は分からん……私も情報屋が必要な主に使われたことがない。』

路地裏に座り込んだ少女がアイスクリーム(ちょっと高いやつ)を食べながら自らの刀と話している。

ご案内:「落第街 路地裏」に日下 葵さんが現れました。
日下 葵 > 「なんなんですか、この気温……」

日は落ちたというのに、気温は下がる気配を一切見せない。
昼間の焼き払うかのような日差しを受けて、
たっぷりと熱を溜め込んだコンクリートが、
太陽の代わりにダラダラと熱を出しつづけていた。

そんな落第街の路地を歩いていると、学園の制服を着た少女が目に入る。

「こんな所でどうしました?
 一般の学生が立ち寄るような場所ではないですから、
 すぐに帰宅することをおすすめしますが」

道に迷ったのだろうか。
路地裏に座り込んで何かを喋っている様子は、何とも異質に思えた>

刀々斬 鈴音 > 『鈴音、今私たちが狙いやすい違反部活は数種類ある。
 1つ…新興で勢いの強いもの。ここを狙うのが基本だな。
 2つ…自警団系の部活…だがその中でも弱い部活を守って稼いでるところ……風紀委員か…。』

なにやら説明をしていた刀は話しかけてきた相手の風紀委員の制服を見ればもともとそうだったかのように何も喋らなくなる。

「えー、別にアイス食べてただけだよ?
 でも、そうだね……風紀委員さんに怒られっちゃう前に鈴音も家に帰ろうかな……。
 うーん……ふぅ…風紀委員さんも気を付けてね?この路地裏人斬りがでるらしいから」

…食べ終わったアイスの容器はそのままに立ち上がって伸びをして風紀委員が入ってきた路地の出口に歩きだして…

「……そういえば。風紀委員さん、その腕輪何?どうしたの?」

彼女の真横でとまる。
自分のつけているそれと同じデザインのブレスレット、自分つけているそれとは違う材質、プラチナのそれを指さして尋ねる。

日下 葵 > あ、この人結構やってるな。
悟った。殺しまでしているかは定かではないが、
少なくとも切りつけるくらいの事なら抵抗なくやる人、そんな印象。

「そうですか。
 熱いですからね。アイスを食べたくなる気持ちは分かります。
 おやおや、人斬りですか。
 では尚のこと見回りはちゃんとしないといけませんね」

それが私の仕事ですから。
そういって、彼女の出方を伺う。

「ん?ああ、これですか?
 これはーーーもらいました。友人に。
 ん?もしかして同じものを?
 これは奇遇ですね」

真横に立つ彼女からは、およそ普通の人間の域を越えた血の匂いがする。
どうしたのか、ときかれれば、友人にもらった、ということにしておこう。
もらったのは事実だ。
そして、彼女が同じ形のものを身につけていると気づくと、
ある可能性が頭をよぎる>

刀々斬 鈴音 > 「へえ……そうなんだ友達から、そう。」

『鈴音、待て。やめろ、私から手を離せ。』

いつの間にか刀にかかっていた手を刀自身が諫められればしぶしぶといった様子で手を離す。
自分の主から伝えられていた、ペット以外にも腕輪をしてる人がいるからその人は斬っちゃ駄目といわれている。

「……本当に奇遇だね。鈴音は鈴音、刀々斬鈴音。
 フレイヤ・アースガルズ様の…ペット。」

その表情に、恥じる様子はない、むしろ誇らしそうに自らをペットであると宣言する。

「あなたは?あなたは何?あなたはフレイヤ様の何なの?」

自分や他の落第街で拾われて来たモノ達とは違う、似ているが違うその腕輪を。

日下 葵 > 「ええ、友達から。」

彼女が刀に手をかけると、こちらもナイフに手が伸びる。
が、刀自身がその動きを止めた。

「その刀、喋るんですねえ?」

純粋な驚き。
人間の形をしていない存在が喋るのは特別珍しくはないが、
道具が喋るとは。

「あー、、、やっぱり。
 話しには聞いていましたが貴女が……。
 私は日下葵、”あおい”と書いて”まもる”です。
 私はフレイヤの……そうですね、何て言うんでしょう。
 彼女は私をご主人と呼んだりしますが」

それに倣うなら、私は彼女ーーフレイヤの主人ということになるのだろうか。>

刀々斬 鈴音 > 『ただの刀ではないのでな…。』

無機質な声。
妖刀である血腐レは刀でありながら自らの意志を持つ。

「フレイヤ様のご主人!?」

自らの主の主人。自分の主がいつも身に着けているチョーカー…。
鏡に映して恍惚の表情を浮かべているあのチョーカー…。
何か聞いても笑うだけで答えてくれないチョーカーの送り主だろう…。

「ふーん……そうなんだ…。」

明らかに敵意を持った視線を向ける。殺意はない。敵意のみ。

日下 葵 > 「そりゃあ、ただの刀が喋ったら困っちゃいますよ。
 何を話して良いか分かりませんからねえ」

ある日突然、この太股に納めている二本のナイフが喋ったら腰を抜かす自信がある。

「私はそのぉ、なんですか。
 別に彼女を飼っているとかそういうつもりはないんですが、
 ほら、利害が一致したもので」

私は誰かをいじめたいと思っているし、
苦痛を与えたいと思っている。
そしてそれは愛情表現だと思っている。
愛情表現だと思っているから苦痛を受けることも厭わない。

彼女は愛されたいと思っているし、
苦痛を受けることを快楽のように思えてしまうし、
時には苦痛を与えることもしたいと思っている。

利害が一致したのだ。

「待って待って、
 悪印象のベクトルが代わったように思うのですが」

彼女の視線が、少し代わる。
これ、フレイヤからの言いつけがなかったら今頃細切れにされていたのではないだろうか>

刀々斬 鈴音 > 「利害?何をしてるの…フレイヤ様と…?フレイヤ様は何を求めているの?」

全てを与えてくれる自分の主。
全てを持っている自分の主。

鈴音には彼女が何を求めているのか分からない。

「鈴音は全然、全然、嫌ってないよ。フレイヤ様の大事な人だからね。
 ……そのブレスレット忘れて来てたら良かったのに。」

ボソリと呟いた。
ブレスレットさえなければ、間違えた。などと言って斬ることが出来たのに…。

日下 葵 > 「いや、それはちょっと言えないというか……」

情事、と言うにはあまりにも凄惨だが、
情事に近い行為をしているなんて言えないし、
仮にそれが情事でないと言い張ったとして、
やっていることはおよそ倫理的に許されることではない。
尚更私は風紀委員である。
首が飛ぶどころの話じゃない。
ゆえに、言えない。

「フレイヤの大事な人じゃなかったら嫌われたうえに血まみれですか。
 本音、聞こえてますよ」

呟きを聞き逃さなかった。
嫌むしろがっつり聞こえている。

刀々斬 鈴音 > 「なんで?そんな人に言えないことしてるの?
 それとも鈴音に教えてフレイヤ様を取られるのが嫌なの!?」

相手の思惑など分からない鈴音は聞く。
叫ぶ。
一体何をしたらあの人を喜ばせれるのか?
鈴音はそれが知りたかった。

「フレイヤ様の大事な人じゃなかったら鈴音はほっとくよ…。
 …風紀委員の人は斬るなって言われてるし。」

あの人と関係なければ気にしなくても良い。
家に帰ってクーラーの下にいる。

日下 葵 > 「別にとられるのが嫌とかそういうわけでは……
 あー、もう。
 いいですよ。教えますから」

知った所で、貴女には無理だと思いますが。
そういって、色の抜けた髪の毛をワシャワシャと掻くと、
諦めたようだった。

「死ぬことです。
 正確には死ぬことを含めたあらゆる苦痛を与えること。

 私が死んで、彼女と痛みを共有する。
 もしくは私が知る、あらゆる苦痛を彼女に与えること」>

刀々斬 鈴音 > 「そう、はじめからそうすればいいのよ。」

相手が素直に話すと言えば落ち着いて聞き始めるが…。
飛び出した言葉、あまりにも衝撃的な言葉。
……死ぬこと。

「あ、頭おかしいんじゃないの!?あなた!
 そんなことしてフレイヤ様は大丈夫なの?
 ……そんな痛いの受けたら頭おかしくなっちゃうんじゃないの!?」

鈴音は痛いのが嫌いだ。
あり得ない、死の痛みなんて想像もできない。

「……あなたと一緒にいるのはフレイヤ様の為にならない気がする。」

日下 葵 > ほら、やっぱりそういう反応になる。
そんな顔をする。

「最初に私を殺したのは彼女ですけどね」

最初に私に向かって拳銃で脳髄をぶち抜いたのはフレイヤの方だ。
私だって望まれなければ死ぬときの苦痛を共有したりなんてしない。
なにより私は死にづらいだけで痛みを共有する能力は無い。
そして私だって望まれなきゃ苦痛のフルコースを提供したりなんてしない。

「もちろん、苦痛にもいろいろな種類やレベルがありますから、
 毎回死ぬ苦しみを与えてるわけじゃないですが」

なんて言い訳をしてみるが、
やっていることがもはや程度の問題ではなくアウトなので微妙だ>

刀々斬 鈴音 > 「……何かごめんなさい。」

はあ……。
何で、私に悪い人斬ったたら駄目って言いながら風紀委員撃ってるんだろう。

「……鈴音、自分のご主人の事が分からなくなってきたよ。
 もしかして、あの人は自分が痛いのが好きだから人叩いてるの??」

自分の中の完璧な主人のイメージが崩れていく。

「……私も斬ったらフレイヤ様喜んでくれるかな?」

日下 葵 > 「とはいえ、報告書には書かないと言って拳銃を咥えて、
 そういう風に煽ったのは私ですけど」

彼女が引き金を引かなくても自分で引いた。
そう説明する。

「それは分かりませんけど……
 どうでしょうか。愛情さえあれば、じゃないですかね」

愛情。
この単語を発した瞬間、なんだか後ろめたさのようなものを感じた。
私は、彼女に愛情を持っているのだろうか。
正直愛情と言うものが分からない。
分からないから、自信が無い。>

刀々斬 鈴音 > 「…いやそれでも普通撃たないよ…どっちもおかしいよ…人が死ぬかもしれないんだよ。」

どんな状況になれば銃を撃つのか。
あんまり、考えたくない。

「愛情…愛情って何?
 どうやれば愛情なの?好きだったら愛情はあるの?」

鈴音にも愛情は分からない。
主に与えられたものは、愛情なのだろうか?
分からない…分からない。

日下 葵 > 「まぁ、結果的にお互いにひどく死にづらい体質だったのでwin-winです」

人間の持つべき倫理観はお互い完全敗北してるが。

「……愛情ってなんなんでしょうね?
 私には愛情どころか好きという感情もいまいち分かりません。
 気持ちいいか気持ちよくないか。
 楽しいか楽しくないか。
 それくらいしか判別がつかないですから」

もしかしたら愛情とか、好きとか、
そういう感情を知らないうちに抱いているのかもしれない。
でもそれを自覚できるほど、感情のバリエーションが豊富では無かった。>

刀々斬 鈴音 > 「鈴音も分からない…。
 でも、鈴音は好きっていうのは分かるよ!
 鈴音は鈴音に好きにさせてくれる人が好き!!」

それも、楽しい楽しくないかの感情を元にしたもの。
自分がやりたいようにやれるのが好き。
自分が気持ちよくなれるのが好き。
そこに他人は存在していない。

「……難しいね、愛情とか好きとか。」

地面に置いてたアイスの容器をぐしゃりとつぶす。
あたえかたが分からない。
それの形が分からない。

日下 葵 > 「分かりませんね、難しいものです」

試しに本人に聞いてみようか、何て考えてしまう。
分からないことは質問するに限る。

「なんです、まぁ、彼女の……ペット?ということなら、
 私にも監督責任はつくのでしょうし、
 もう少し愛情というものについてお話したいですから、
 こんな場所離れて、ご飯にでもいきませんか?」

フレイヤのことだから食事とかは与えているのかな。
だとすれば余計なお世話かもしれない。
でも、たまにはこういうのもいいだろう。
人斬りと食事と言うのも。

もし彼女、鈴音が了解してくれるなら、そのまま適当な店に行くのであった>

刀々斬 鈴音 > 「……鈴音一番高いやつ食べるから。」

主を自分から奪う?相手に対するささやかな抵抗。
少しでも食べて財布にダメージを与える…!

「じゃあ行こう!鈴音おいしい店知ってるから!」

そう言うと暗い路地裏を出て相手に先んじて歩いていくのだった。

ご案内:「落第街 路地裏」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」から刀々斬 鈴音さんが去りました。