2020/09/05 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > 落第街の路地裏。
そんなところを風菜が一人防御力の低い格好で無防備にぶらついている。

「~♪」

何やら鼻歌も聞こえてくる。

雨見風菜 > 「~♪」

鼻歌から本格的に歌に変わった。
穏やかな曲だ。
しかしながらこんな場所にそぐわない曲ではあるし、そぐわない無防備さでもある。

ご案内:「落第街 路地裏」にハルシャッハさんが現れました。
ハルシャッハ >  
落第街、それも路地裏ともなれば『音』は位置を示す重要な痕跡となる。
表の人間と裏の人間を厳然として分けうるのはこの音を始めとする情報の取り扱いだ。
音がすれば当然に目立ち、そして存在という情報を周りにばらまくことになるのだ。

その扱いを知ってか知らずか、相手はこの危険な地域にうろついているらしい。
路地裏を縫うように這い回る白は、その音の情報を視認するべく、
建物と建物の狭間を通り抜け、路地の向こう、音の下へと視線を投げるだろう。

情報が割れてからコンタクトするのは、安全則に則った行動だ。
その中で、女の姿を認めれば。

「……。 あの女……。」

記憶の片隅でいたな、位の女の存在を思い出し、
そっと、音もなく近くの方へと寄っていく。

雨見風菜 > 無音で何かが近づいてきた気がする。
気がする、程度なので気のせいだとか小動物程度かもしれないが。

「~♪」

構わず、歌を続ける。
歌手になれるほどではないが、まあまあの歌声。

ハルシャッハ >  
やがて、相手の近くにまで接近するのはそう遅い話ではないだろう。
相手の歌の内容に興味がなく、そう頓着しない男は、
路地の合間から相手の近くにそっと姿を表す。
舌が空気を震わせる。紡ぐ言葉、表の相手に対しての心配は、いつものことだ。

「――表の人間がコッチにいんのは珍しいな。
 しかも特段の装備もなしに単独行とは……。 大丈夫か?」

男なりの表の人間への警告は、
何もなしに動く相手への危うさであり、安全を守るための心配も兼ねている。
相手がどんな相手であろうと、それは変わらなかった。

雨見風菜 > 「っ!?」

接近されたことにようやく気付いたときには既に声がかけられる。
火遊び目的とは言え少し身が強ばるが、覚えのある声。
そして姿を確認して。

「ああ、バーベキューのときの竜人さん。
 ふふ、大丈夫じゃないんじゃないでしょうか」

まるで他人事かのようにくすくすと笑って。
パーカーの襟元からは素肌しか見えない……シャツなどを着ているようには見えないだろう。

ハルシャッハ >  
驚かせてしまうのは流石にいつものことだ。
もうそこは盗賊としての性とも言える。気配を殺し、情報を抑え、
そして相手との相対位置で優位に立つ。それは盗賊の基礎基本とも言える動きで。

「――驚かせて悪りぃな。
 普段この辺り、裏側で動いてるガワから見ても心配だったんでな。
 『ココはデンジャーだぜ』って奴だ。

 あと、その軽装……薄すぎねぇか?」

それはいつもの声かけの内容では、有るのだが――。
いささか相手の服装が薄すぎるのも心配の種の一つだ。
傍からパッと見れば一般人に見える。
しかし、相手が痴女の類であることなど知りもしない男からすれば、
流石に大丈夫なのかとの心配が先に立った。

雨見風菜 > 知った顔とは言え風菜、彼のことはバーベキューで少し話しした程度で全く知らない。
盗賊としての技術を以て接近されたことも。

「ふふ、嘘つきの街の最初の話せる人みたいなことをいうんですね。
 勿論、知っています」

この時代にそれを知っているというのも相当だが。

「まあ、火遊び目的ですしね。
 大やけどしてもそんな所に入り込む自分が悪い、くらいに。
 服装が薄いのも、そのためですし」

胸の下で手を組み、腕に乳房を乗せるような形になる。

ハルシャッハ >  
むしろそれが妥当と言うものであろう。
盗賊の技など表に飾っておくものではない。
すべてが泥臭く、全てが生きるための技であり、そして影に潜むための技である。
それらを知らせる事は、対処の術も知らせることになるのだから。

「――知ってんなら相応の防護くらいはしとけ、ってのが助言かね。
 血が流れても責任取れねぇ場所でも有るんでな。」

嘘つきの街であろうと、裏通りであろうと。
その生きるべき場所での所作は、そう変わらない。
仮に、それがスラムの街の中であったとしても。

「――火遊び目的、とはまた肝が座ってやがるな……。
 据え膳なら容赦なく食っちまう連中がゴロゴロしてる場所なんだぜ? ココは。
 同時に血も流れることが珍しくねぇってのに。」

ニヤリと笑う男もまた然りだ。据え膳を出されて食わぬほど、男としては腐っていない。
同族の女に近いほどに、アグレッシブな女は男も嫌いではなかった。

扇情的な女を前にして、側面に相手を捉えるように壁にもたれれば、
相手の動きをただ観察するように動きを観察する。
自分から手を出すのは相手の意志を見てからでも遅くはない。
そんな男でもあった。

雨見風菜 > 「まあ、流石に命の危険があるなら逃げますよ。
 逃げ足は早いほうですので」

『糸』を使っての逃亡。
普通に走るのとは違い、高速かつ三次元的な動きができる。
そうやって逃げる相手に追いつけるのは果たして。

「ええ、それも知っています。
 ……あなたは、違うのですか?」

違わないだろうなとは思いつつ、表情を崩さず問いかける。

「良いんですよ、我慢なさらなくても」

ハルシャッハ >  
相手の言葉は安心の材料の一つだ。
己の身を守れないなら、それはこの場所にいるべき身ではない。

「それは良いことだ。 むしろそうあってくれねぇと困る。
 血が流れる量は少ねぇ方が良いに決まってる。」

相手の異能など、男からすれば知ったことではない。
しかし、まず己の身を守る術が有るかどうか。
この落第街という場を思えば、それは確認すべきスキルの一つだ。

「生々しい話しちまえば俺も変わりはしねぇ。
 雄なら誰でも持ってるもんだ、それを誤魔化せるわけもねぇしな。

 ――だが。 剣を表に見せびらかすのは馬鹿ってもんだろ?」

そう、言葉を紡げば相手の眼前までゆっくりと向かうだろう。
体格からすれば男と女は相応に違いが有る。
鋼の鎧は皮鎧の下だが、それでも品定めをするかのような目が見えるだろうか。
下着の有無など確認すべきそれですらないのだろう、相手は。
少なくとも、そう感じるには十分な要素が揃いすぎていた。

雨見風菜 > 「確かに、誰だって死にたくはないですし死ぬのも見たくないでしょうし」

己の体と己の異能。
流血を避ける手札は多ければ多いほうが良い。
そうでもなければ……そうでなかったとして、果たして風菜はここにこなかったのかは疑問だが。

「ええ、そうでしょう。
 能ある鷹は爪を隠す……似た意味の言葉もお有りかと思います」

眼前に立つ彼を見上げる。
見定められているのだろう、絡みつく視線に。
このまま押し倒されれば抵抗できなくなる体格差に。
風菜の被虐心が鎌首をもたげる。

ハルシャッハ >  
「そりゃぁな。無論の事だ。

 ――最も、『殺すのが好き』って連中もいるから一概には言えねぇのが歯がゆいが。」

現実として血と嗜虐を喜ぶ者も知っている。
異常の類であるのだろうが、それでもこの世界には表に生きられない者も居る。
故に流血を抑えよと常日頃、警句のように言葉を紡いで投げるのだ。
安全と安寧を守る。 それはいかなる世界でも尊ばれる物事の一つだ。

「そういうこった。
 ま、同族の女ほどアグレッシブに求める奴も居るっちゃ居るんだろうが。
 そういう類の女でもねぇだろうしな。」

仮に手を出すにしても場は選ぶ。
こんな場所で楽しむ中で殺されたら死ぬに死ねない。
絡みつく目線は相手の安全とこちらの安全を担保するためのそれでもあった。
相手の四股を、胸を、身体を。 視線の蛇が這いうねる。
この地が『退廃都市』でないことを感謝するべきであろう。そう思うほどの熱が。

雨見風菜 > 「いますよね、そういう頭のネジの飛んだ人が」

流石に島外の世界ですら、ごく偶にいるので否定しきれない。
そういう人間は普段はまともな仮面を被り、用意周到に己の犯行を隠すものだが。

「ふふ、あまりがっつくのは趣味じゃないんですよ。
 所謂誘い受け、というやつでしょうか」

くすくす、と。
既に身体が発情していながらも。

ハルシャッハ >  
「――ああ。

 元世界の同業でカチコミ専門にしてる連中はほぼそんな連中だった。
 なんつーんだ。 アレは。バケモノみてぇに強ぇんだがネジ飛んでる。」

島の中でさえ見るのだ。裏を軸として動く男からすれば、特に。
そういうヒトに対して刈り込みをかけることも、男は少なくない。
そしてそういう者ほど、用意周到に犯行を隠し込み、素知らぬ顔で日常に回帰している。
男が死神の顔を示すのは、そういう相手であった。

「――なるほど、誘い受け、か。
 なら、場くらいは選ぶ余裕は有りそうだな?」

誘いを受けるかどうかは男の択の上にあるのだろう。相手からすれば。
誘うならば答えよう、位の領域でしかない。表現は悪いが、安い女だ。
発情する肉体は甘く、緩い独特の微香を漂わせる。
それは、男も鼻腔で感じ取っていた。

雨見風菜 > 「恐ろしい話です、全く」

事実は小説より奇なり。
架空の話のそういった類の人間も、現実のそういった類の人間も。
恐ろしいものであることには変わりない。

「ええ、好きな場所で。
 ホテル、貴方の住処、それとも、別の場所でも」

そう、安い女だ。
商売でやっているのではなく、趣味でやっているのだから。
彼の鼻がかすかに動くのを見ながら、発情していると看破されていることにますます興奮が高まる。

ハルシャッハ >  
「一緒の場にいててもう感覚が違うとわかるあの空気たるや……。
 ――全く、恐ろしい世界だったぜ。」

男も一緒に居たことが有る、それでいて全く違う空気が張り詰めるのがわかるのだ。
氷のように冷たく、張り詰めていて何処か騒々しい。
『ラウド屋』と呼ばれるモノ、独特の空気だった。

「――なら、そうだな――。
 『隠れ家』にでも行くかね。 一番潰しが効く。」

趣味で他者に抱かれたがる女など、本来は厄物案件以外の何物でもない。
しかし、それでも女の側が求めるならば、それに答えないほど男は愚かでもなかった。
久々に女を抱く事になるのだろうか、男としては。

元世界では、安い女と酒、そして仕事の道具に金が消えていた。
それは、この世界でもそう変わらないらしい。

雨見風菜 > 「なるほど、竜人さんでもそう感じるんですね」

なればやはり会いたくはないなと。
体験者から聞く実体験の重みは計り知れない。

「ええ、分かりました。
 よろしくお願いしますね」

言って、彼に付いていくだろう。

ハルシャッハ >  
「そりゃぁ、殺しのプロが揃う場に居たこともあったからな。」

血が報酬を、屍が名誉を保証する。それがラウド屋と呼ばれる生き物の世界だ。
カネも、女も、全てが暴力で手に入るし、手に入れる。

故に徹頭徹尾殺すのだ。

全てを鉄と雷火で制圧し、そして己の思うがままに手に入れる。
それが、ラウド屋と呼ばれる地獄の悪鬼たちのやり方だった。

「――そりゃぁコッチの台詞ってもんか。
 しばらく動けなくなるくらいには楽しませてやる。」

相手は何だかんだ人間の女だ、壊しはしないかと少し怖いところでは有るが――。
久々の女を抱く、それ自体も悪い話ではあるまいと。
道すがら、女を先導しながら隠れ家へと向かう。
匂いだけはどうしようもないだろう、故に周囲に気を凝らしながら、
安全地帯である隠れ家へと、向かうだろう。

――尾の付け根は、相応に張っていた。

ご案内:「落第街 路地裏」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からハルシャッハさんが去りました。