2020/10/26 のログ
F.U.R.Y >  
ダメージはある、痛みもある。
”が、怯まない”
痛みが入る程に力が増し、体のキレが増のを感じるだろう。
力の限り相手の頭を振り回し、そのまま勢いよく壁へと投げつけようとした瞬間……

バンッバンッバンッ

破裂音と共に感じる足への激痛。
3発の弾丸の内2発が太腿を貫き、体勢が崩れる。

「ガッ……!!」

体制が崩れ、投げの姿勢が維持できなくなったところに更に、ナイフの斬撃。
右腕の手首が裂かれ、握る力が緩む。

「…ッ、痒い真似してんじゃ、ねェぞッ!!!!!」

ゆるんだ掌。
そのまま行けばするりと頭から手が離れるだろう。
しかし、そのまま握力を無視し……頭を地面にたたきつけるように振り下ろすだろう。
そのまま頭を地面に叩きつけられれば、人間の頭蓋がどうなるかは…想像に難くない。

日下 葵 > 「ッ?」

首が鳴った。
まるで割り箸を折ったかのような乾いた音が頭に響く。
首を振り回す本人に聴こえたかは定かではないが、頚椎の骨がおれる音。
すると身体は糸でも切れたかのように動かなくなり、一瞬動きが鈍る。

「う゛っ!?」

頚椎の細胞が回復するまでの数瞬、
視界が納めたのは凄まじい速度で迫りくる地面だった。

頭部が地面に衝突すると、顔を被っていたガスマスクが割れて顔が地面へ。
まるでスイカを叩きつけたかのように鈍い音が響くと地面には赤い花と白い豆腐、
そして割れた皿のように変り果てた頭部が広がる。

以降、ピクリとも動かない胴体を見て、
これから尋問本番を迎えようとしていた男は失神してしまった様だ>

F.U.R.Y >  
「―――――――チッ!」

叩きつけ、辺りに撒き散った肉片たちを視認し更に拳を振り被ろうとし……動きが止まる。
もう動かない敵を目にし、その”怒り”に身を任せようとした体をどうにか引き留めた。
しかし既に、遅い。
相手の頭は爆ぜ、動きはしない。

「殺しちまったか」

殺すまでする必要はなかった。適当にボコって帰るつもりだった。
が…相手がそれなりに、手練れだった。

異能頼りに襲い掛かってくる有象共よりも、ずっと的確にこっちを殺しにかかってきた。
だから、加減も利かなかった。

悔いる事はない。
死ぬか生きるか等、日常茶飯事だ。

「まァ、いいか……
 オイ! そっちのカスは生きてやがるか!!
 ……チッ、あっちも気絶してやがる」

血まみれになった右腕を地面から引き抜き、そしてもう一人いた男を見るが、どうやら気絶したらしい。
別に助ける義理もないか…と、その場を後にしようとするだろう……

日下 葵 > 「───っと、いやぁ。参りました」

まるで火薬を使って吹き飛ばしたのかと錯覚するほどえぐれた地面から腕を引き抜く彼。
そうしてこの凄惨な現場を後にして10数秒後、頭を失った胴体がピクリと動き始めた。
まるで粘度を詰めたチューブを押し出すように吹き飛んだ頭が再生していくと、
周囲に飛散した肉片が急激に消失し始める。
そうして頭が完全に元通りに回復すると、首を軽くひねってボキボキと鳴らす。

「いやぁ、”死んだふり”ってのは案外つかえるものですねえ」

首の感触を確かめてから立ち上がると、衣服についた埃を手で払う。
そして周囲の状況を確認すると、そこにはまだ彼の姿が見えるところにあった。

「F.U.R.Yとやら。報告されていた以上に厄介ですねえ。
 しばらくこの辺での”事情聴取”は控えないといけませんかねえ?」

そんなことをつぶやきながら拘束していた男を見ると、
今日はもう仕事を諦めて帰ることにした。

現場に残されたのは、気を失った男と、19本の釘とハンマー、そして破壊されたガスマスクの破片と争った形跡のみだった>

ご案内:「落第街 路地裏」からF.U.R.Yさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」にレクターさんが現れました。
レクター > 「不意打ち、闇討ち、騙し討ち。卑怯だと罵るつもりもありませんけれど。」

路地裏の袋小路の少しだけ広い空間に淡々とした言葉を述べる声が響く。
地面に転がって白目を向いて気絶している数人の男を背にし、敢えて気絶させずにおいた男を前に立っている。

「それなりにやり返されることは覚悟していると見てよろしいですね?」

腕から伸びる茨の一本が、男の首へと巻き付いて締め上げる。
地面につま先が付くかどうかの高さに吊り上げて、息苦しさと首の痛みに悶える様を眺めながら問いかける。

レクター > 首に巻き付いた茨をどうにか解こうと必死に両手で掴んで力を込める男。
しかし、茨は少しずれるものの解放されるほどには至らず、茨に触れたことで両手に痛みが走ったのかバタつかせている。

「一応、お聞きしておきますが誰かの差し金ですか?」

質問をしながら自分の状態を確かめる。
急襲されたということもあり、着ている服はあちらこちらが破けて、身体の方も痣や切り傷を幾つか負ってしまっている。
困ったものだと言いたげに左手で目元に触れていると、男から自分たちだけで計画したと答えが返ってきた。

「そうですか。どうもありがとうございます。
 ところで目を強く突かれた経験はありますか?」

世間話をするような質問に男は反応できずにいると、茨がもう一本その顔へと伸びていく。

レクター > 眼前にまで迫る茨に何をされるか理解した男が許しを請おうと叫ぶより先に、それは終わった。

「傷ができているわけではないので、ご安心を。
 それに懲りて大人しくしてくれると嬉しいですね。」

男の首から茨を解いて解放すると、初めて味わう痛みに目元を手で押さえてのたうち回り始める。
聞くだけの余裕も無いことを承知で男にそう言葉をかけると、用事は済んだとばかりに引き返す。

「我ながら、もう少し傷を少なく済ませたいものです。」

口元を覆うガスマスクがズレかけていることに気付き、手で直しながら立ち去っていくのだった。

ご案内:「落第街 路地裏」からレクターさんが去りました。