2021/01/03 のログ
刀々斬 鈴音 > 年始の夜の静かな空気。

「………ところでこの任務頑張ったら、部長からお年玉もらえると鈴音は思ってるんだけど皆はどう思う?」

あたりにざわっとした空気が広がる。
恐らく貰えるだろう、最悪でも『寒い中ご苦労、これで温かいものでも食べるがいい。』とか言いながらご飯代くらいは出してくれるだろう。
なんせ、彼は非情に気前が良い。
更に言えばお年玉とは別に温かいもの食べてくる代を出してくれる……

「……皆!誰一人逃がさないようにしよう!!」

集団の気が引き締まる。
あんまりな理由ではあるがお金は大事、元々真っ当に生きてこなかった特務広報部はそれが身に染みている。

刀々斬 鈴音 > ──連絡が入る。

それと同時に耳をふさぐ。

それと共に決められていた範囲に降り注ぐ砲弾。
轟音と爆炎。火薬の類に引火したのかもしれない。
思っていた以上に凄まじい。

「始まっちゃったね!!めっちゃひどい事になってるんだろうなあ!この壁向こう!」

火薬の匂い、肉が焼ける匂い、悲鳴。
ワクワクしながら刀を構える。

幸運にも生き延びて、幸運にも立ち向かう事を選ばなかった弱者を外で待つ。
殆どは部長の異能により片づけられるが今回はどうだろう?

刀々斬 鈴音 > 逃走する。男が逃走する。
路地裏の真ん中に立っているのは今は少女一人。

「こんばんは、あなたはラッキーだね。
 今なら鈴音だけなんとかすれば逃げられるよ。」

初めの砲撃で死なず、続く砲弾からも生き延びて幸運にもこの路地裏まで逃げ延びた。

「どうする?降伏する?それとも逃げる?」

男は銃を鈴音に向けてついてくるように言う。
人質として使おうとしたのだろう、良くない判断。

「はい、残念。でも相手が鈴音で良かったね。」

男に深く刀が刺さる。

「……他の皆と違って、鈴音はうっかりしても人殺しちゃわないし。
 あなたは生きれるんだよ。良かったね。」

妖刀の毒が男の身体に回る。
その言葉を聞きながら意識を失った。

刀々斬 鈴音 > 「はい、一人確保これで鈴音はお年玉確定だね!!」

倒れた男を刀でチクチク刺しながら。
周りの隊員に自慢するように言う。

「……あっ!また逃げて来た!
 今回は抵抗しない人が多いのかな?」

言葉と共に刀を振るい殲滅作戦の夜は続いて……。


──妖刀は今日も弱者の血に濡れる

ご案内:「落第街 路地裏」から刀々斬 鈴音さんが去りました。