2021/01/18 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
薄暗い路地裏
照らし出される人影が、折り重なるようにして一人二人、そして三人
音もなく、倒れた

「──………」

以前取り逃がした違反学生
強力な異能者だったが、ネタが割れれば対処はできた
情報操作と陽動を駆使して袋小路に誘い込み、一撃で決める
違反学生達は声を上げる暇すら、与えられなかった

「…ふう。──と、捕縛はしておかなきゃ…」

全員、気を失っているだけ
十数分は目を覚まさないだろう、が──例外もたまにいるから油断できない
後ろ手にそれぞれ手錠をかけ、ようやく一息

けれど、本番はここから

伊都波 凛霞 >  
この違反生徒達が何か大きな違反組織の一員であることはわかっている
それらの情報を洗っているところを、以前は襲われたのだから

「何か、紐づく情報があればいいけど…」

倒れている生徒に近づき、かがみ込んでその衣服…肩口に指先を触れる

物質に残った残留思念を読み取り、映像化してゆく
まぶたの裏に映し出される映像は…以前見た廃ビルの地下…だろうと思う

あそこは、以前立ち入った時には既に引き払われていた
これ以上遡ってもなにもないかな、と指先を離す

「…って言っても。ビルの地下なんて使われてなきゃどこも似たような風景だよね…」

必ずしも同じ場所だったかどうかは、わからない
そして使われていない雑居ビルなど、このあたりにはあちこちにあるのだ

伊都波 凛霞 >  
違反生徒3人の捕縛
おそらく口は割らないだろうから、違反組織の存在を決定づけるには少し弱い

「…あんまり不確かな報告書あげるのも、
 レイチェルさんの苦労が増えちゃうだけだし…」

やれやれ、と小さく肩を落とす

──サイコメトリーによる操作の有効性は、この刑事課に入ってから余計に際立っていた
それもそのはず、何かを追跡することにこれほど便利な力もない
もちろん限界こそはあるものの、証拠が掴みにくい案件でもガンガン追っていけるのは明確な強みだ

しかしここのところ、それがなかなかうまくいかない

「──報告」

インカムのスイッチを入れ、普段ならばスリーマンセルで訪れる他の女子風紀委員2名に報告を入れる
現場の状況、成果、そして捕縛した違反生徒の身柄の輸送をする手配…
最低限度の報告ではあるが、もう一緒に行動して随分長い故、それで十分に足りる

「以上、よろしくね──」

報告を終えて、スイッチを切る凛霞の表情は明るくない
拭えない疑念がどうしても一つあるからだ

伊都波 凛霞 >  
程なくして二人が到着
通りに停めた風紀委員の車両に身柄を拘束した違反生徒を乗せ、発進する
それを遠目に見送りながら……その眼を僅かに細める

基本的に先手先手をとって違反組織相手に動けるはずの自分
それが尽く後手に回る

だが、今回のように単独で、黒い灰被り姫(非公認)として動いている時は、それが起こらない

──となれば、その疑念とは

"内通者"が最も可能性が高い
しかも、自分の身近にいる、風紀委員が最も疑わしい

「…はぁ」

凛霞は、人を疑うことがとても苦手だった

ご案内:「落第街 路地裏」に天野 創一さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
風紀委員、それも刑事課に身を置かせてもらいながら人を疑うのが苦手、というのは
やや適正がないんじゃないかと自分でも思わなくはないのだが
誰だって身内…それもチームワークが必要なら本来は全幅の信頼をおかねばならない相手を疑いたくはない
…筈、だと凛霞は思う

一応過去に提出した報告書の中で疑念をぼかしつつも考察として書き記しておいたりはした
が…それが目に入ってしまったら逆に慎重にさせるだけだっただろうか、と少し後悔している

──とはいえ、内通者がもしいるとしたら…

「…とりあえず、今後はなるべく一人で動くほうがいいのかな…」

悩ましい
特筆した戦力の持ち主であることを自負こそするが、
初見の異能者相手に完全有利に立ち回れるような者はそうそういない

事実、先程の違反生徒には前回遅れをとったのだし…

天野 創一 > 天野創一は今夜もフラフラとしていた。素行的にはフラフラしているせいで悪い印象を持たれがちだが、学生の本分の学業自体はまずまず上位の成績を修めている。
故に秩序を取り締まる者らからはなまじ成績がいいだけに取扱いに困る人物。その上本人に悪意はない。


そして今日も何だか面白そうなモノが起こりそうとだと途中から彼女らの後をつけていた。
結果から言えば満足だ。実際に風紀委員の仕事の現場など早々お目に掛かれないし、あったとしても治安維持のパトロールくらいだろう。


どう考えても見つかったらややこしい事になるにも関わらず首を突っ込んでいた。
一応こっそりとついているつもりだが彼女へに対して突き刺さんばかりの視線、キラキラとした眼差しで物陰からひょっこり頭を出して眺めていた。


「うっへー…手慣れてるなぁ。こんなのドラマとかでしか見たことないから新鮮だなぁ。風紀委員って皆あんな感じなのかなぁ~…」

伊都波 凛霞 >  
「──それと、そこの人」

黒い外套をぐいっと口元まであげなおして、こちらに向けられる視線に向き直る
ばっちりと視線が交差、彼女達の後をつけてきたのだろうか──この際、それは良いのだが

「一般の生徒が来るような場所でもないけど、
 今逮捕した人達の仲間…なんてことはないよね?」

よく通る声が向けられる
疑いの視線、というほどでもないが、こんなところに来ている生徒であるという事実も変わらない
確認の意味で、そう声をかけたのだろう
顔を出しているだけの状態で、その背負った得物が見えなかったのは幸運だったかもしれない

天野 創一 > 「はいはーい!天野創一です!学園所属の一年生です!」


ひょっこりと顔を出した体勢からまたまたひょっこりといった擬音が出そうな様子で全身を露わにする。
ビシッと見様見真似な微妙に間違った。海軍式と陸軍式の中間のような下手な敬礼。
近代式の礼節とは対照的に差している武装は前時代的。特に全身を出したことにより背中の野太刀が露わとなり、身長よりも大きな獲物であることから一層目立つ。


「一般の生徒が来るような所ではないって…いや、俺なんか面白そうな事が起こりそうだなーってついて行ったんだけど。やっぱ変?」


声色からして彼女が少なからず警戒しているのは分かる。しかし創一は何故警戒されているのか分からないといったように首をかしげていた。

伊都波 凛霞 >  
特にこちらの言葉に怯む様子もなくその風体を顕にした少年
しかもはきはきとした、自己紹介つき
こういったものは、全く怪しくないか激烈に怪しいかの二択である

「と、とりあえず、天野くんね。こほん、正規の学生ってことでいいのかな。学生証、持ち歩いてる?」

ややそのテンションに押されながらも、職務職務…
ここは落第街、一般の生徒が出入りしていては危険な目に遭うことだって普通にある
ひときわ目立つ彼の背負った野太刀を見れば、腕に覚えがあるのだろうことはなんとなくわかるけれど
それはそれ、これはこれである

「面白い…ってことはないとおもうけど、見ての通りこの辺りは治安が悪いし、普通の生徒はあんまり此処には来ないよ?」

一年生、ということだ
まだ学園に入ったばかりでそのあたりのことを知らないのだろうか

天野 創一 > 「学生証?はいはーい!これでーす!」


普通の感性の持ち主であれば何らかのペナルティを恐れて学生証など身分の証明できるものを出し渋ったりするものだが、こと創一に関しては後ろめたさなど全くないが故に何ら躊躇なく身分証を差し出す。
直接渡す際に無造作に近づいていく様は素人の様。無防備にザッザッと細かい瓦礫を踏みしめる。


天野創一、一年、成績はトップクラスという訳ではないが優秀。座学ではすべての科目において得手不得手関係なく高得点を出すが魔術と異能の実技に関しては不得手。
とデータバンクに接続すれば出てくるだろう。


「そう?あんまり人が来ないところになんか面白いのがあるんじゃないの。ちょっとロマンの言い方をすれば冒険かな。お姉さんだって冒険をしてるじゃないか。俺とお姉さんはこの街の冒険者、そう考えるとなんかちょっとワクワクしないかい?」

「でも争いごとは良くないよね。俺もさっき怖い人に脅されたんだ。一応南方50mの地点で眠らせていると思うけど…。なんでこういう所って人を傷つける輩が多いんだろうね?」


道場でも通えばいいのにね、と相手に同意を求めるように視線を向ける。
相手に学生証を渡すために近づいたのか彼女の姿が暗がりからはっきりと見えた。一見、背丈は己より高い、見上げる形になる。

伊都波 凛霞 >  
「じゃ、ちょっと預かるね」

無防備に歩いてこちら手渡す様子
あまりにもその姿には殺気がなくて、自然と警戒は解いてしまう

照合はすぐに完了
正規の学園の学生であることは照明された
学生証を返却しつつ…

「ありがと。疑ってごめんね?
 私は3年生の伊都波凛霞。見ての通り…っと、今日は腕章つけてないんだった…。風紀委員、ね」

外套をぐっと手でさげてその顔がはっきり見えるように
相手が正規の学生であるならば、顔を隠して接する必要もない

「冒険、ね…うーん……。
 風紀委員としての立場からは事件なんかが増えるからあんまり推奨できないなあ…。
 この島は他にもたくさん、面白いところがあると思うからそのへんと冒険してみよう?」

無論、立入禁止になっているところには入らないという前提で…

「…そうだね。そういう方法でしか暮らせない人もいれば、そういうのが好きな人もいる。
 争い事がよくない、と思うなら、こういうところは避けて冒険しようね」

そういって、諭すように笑う
女子としては長身な方である凛霞、自然と少年を見下ろして

天野 創一 > 「3年の伊都波凛霞さん…。うん、風紀委員というのそのはっきりとした声からなんとなーく分かるよ。うんうん。」


脱力し、極めてリラックスな状態にある創一とは対照的に彼女はいかなる時でもすぐ動ける体制にあると見る。
そんな彼女を見て極めて真面目なんだなぁと第一印象を持った。


「おお、これまた風紀委員っぽい人だ。…ところで此処では顔を隠さないといけないルールでもあるのかな?今度ここに来る時は俺も何か仮面とかしてこないとダメか。なんかいい仮面売っている店とかあったら教えてくれないかな?」

学生証を受け取る。受け取ればすぐにサイフに挟めてポケットにしまう。
彼女は腕章を身に着けずそして顔を隠した状態にある事からここは顔を隠すのが礼儀だと空気を読んだつもりでいる。
そうして舞踏会に持っていく仮面を決めるノリにて質問をした。緊張感も全くない状態だ。


「そっかー、無駄な仕事が増えるのはよくないかも。でも分かってはいるんだけどいっつも気が付いたら怪しげな取引現場とかに出くわすんだよなぁ~」


うーん、と唸って悩ましげに顔を歪めた。
気が付いたらトラブルに首を突っ込んでしまう、というのが本人の弁。

伊都波 凛霞 >  
「いやいや…そうじゃなくて、この辺りには来ちゃダメだよって。
 仮面とかそういうルールとかは、ないんじゃない?…たぶん」

今度来る時はーなんて言っている少年に一応つっこんでおく
自分が申し訳程度に顔を隠しているのも、風紀委員としての都合の一つだ

「…それはー、多分こういう場所に来ちゃうからじゃないかな…」

一般学生の活動範囲で怪しげな取引現場なんてそうそうありえない
冒険好きなのかな、なんて思いつつ、やや心配そうな顔

天野 創一 > 「あ、仮面とかは別にいいんだ。なら良かったのかな?…いやダメだよね、うん。」

仮面をつけないといけないというルールがない様で安心した様子。
もっともその前にこんな所に来てはダメと相手に駄目だしされたので自ら突っ込むことになるが。


「俺はなんか変な薬の匂いがしたから様子を伺ってたらまさか麻薬の取引現場だったとは…なんてこともあるし」


嗅覚の鋭化に関してはなんてことは無い。武術のちょっとした応用だ。そのおかげで犬並の嗅覚で麻薬の匂いをかぎ分けたりすることもあったが。


「ところでさ、最近風紀委員ってなんか慌ただしいけど。…この間も歓楽街でちょっとしたバイトやってたら注意されたし…。なんか事件でもあったの?」


日に日に風紀委員と遭遇する割合が増えている。
風紀委員でも何でもないし事情も詳しくはないが彼女の先ほどの様子といい、何かありそうだと興味本位で尋ねてみる

伊都波 凛霞 >  
「ダメです」

きっぱり
一般の学生で、巻き込まれやすい体質なら尚の事
先程の台詞から相応の戦力を持つ生徒だろうとは思うものの
それでも争い事をイヤだと思うのならば、やはりこういった場所に近寄るべきではない

「風紀委員が?うーん、それは…」

思わぬ問いかけ
そんなことを聞かれるとは思っていなかった、が…
逆に考えれば一般の生徒にも一部の緊張感や慌ただしさが見えている、ということかもしれない

「この島は事件が尽きないから…、常に何かあるといえばあるんだけど。
 ここしばらくは大きな事件はなかったと思うな」

一部の案件は守秘義務が課せられているが、ここのところ報道に規制がかかるほどの大事は起こっていない…筈である

天野 創一 > 「ですよね。でもさぁ、最近は遊ぼうにも色々と規制されててさぁ~こっちも中々息苦しいよ~。安全の為に規制するのは良いけど最近は動ける範囲も狭くなってさ。どうにかならないかな~?」


まるで意見箱に投票するか如きの申し出である。
彼女は交渉など通用しそうにもないように見える手合いであるがダメもとで聞いてみる。


「じゃあ、風紀委員のお手伝いとかしたら立ち位置禁止だった歓楽街のゲーセンとか出入りする権利とか?
 お手伝いは地域のごみ拾いとか…やっぱダメ?」


マシンガンのように言葉を立て続けに放つが最後に我ながら無茶苦茶な提案だなーと気づいたのか弱弱しくやっぱダメだよね?と力なく笑う。


「ここ最近は比較的平和なのか。」


それでも何かしらの事件が起こってるあたり都会は怖いと感じる田舎者であった。

伊都波 凛霞 >  
「別に、立ち入って罰則があるわけじゃないけど、
 それでも事件に巻き込まれたりすれば風紀委員や公安委員が動くわけだから…」

「危険な場所じゃないと遊べない、なんてこともないはずだよ?」

実際に完全に一般生徒の立ち入りが禁止されているのは落第街や海底遺跡等の中でも一部だけである
それ以外は近寄らないように…という注意・警告に過ぎない

「どうかな。でも一般の生徒の皆が平和だなーって思えるように私達もちゃんと頑張るから」

そう言って、にっこりと笑って見せた

天野 創一 > 「見えない暗部を暴くというドラマチックなロマンも捨てがたいけど…
 風紀委員や公安委員に迷惑がかかるなら仕方ないかー。なんかこう、風紀委員が来る前にササッと事件解決!ってうのはアニメの話で実際は組織と組織が繋がっていて色々とややこしい事になっちゃうんだよね。」


己を客観的に見ても小さな組織一つくらいならば単騎で対処できよう。
しかしそれが芋づる式に出てきたら?自体は相当厄介なことになるし、それの尻ぬぐいする風紀委員や公安委員もたまったものではないだろう。


「そっか、じゃ、俺も迷惑かけないように遊ぶよ。ああ、あと街で頑張っているのを見かけたら出来る範囲で協力するよ。ゴミ集めとか何かの力仕事とかさ」


腕をまくって力こぶを見せてみる。華奢な腕には硬い筋肉が固められている。


「そういえば俺はこの後どうなる?まさか連行されて説教されるのか…?」

ハッと顔を強張らせて後退り。
反省文を書かされるのは参るのか少しおびえた様子

伊都波 凛霞 >  
「ん。そういうのは大歓迎。──えっと、この後…?」

うーん、と口元に手をあてて考える

「危険だから注意喚起はしてるけど厳密には此処は立入禁止ってわけもないし、罰則は適応されないけど…
 一人で帰して何かに巻き込まれてもそれはそれで困るよね。
 よし。今日はこれで切り上げ!歓楽街の大通りまで、送っていくよ」

怯えている様子に苦笑を浮かべながら
ほら、こっち。と路地から抜けるべく光差すほうへと促す

天野 創一 > 「うん、それなら安心だ!実は俺さ後をつけたは良いけど帰り道が分からなくて困ってたんだよねぇ…ははははは」


ケタケタと場を和ませるために言ってみたジョークのようで本当の事。
好奇心に負けて潜り込んだはいいが戻り方が分からないというのが現状。


「ふぅ、よかった。反省文地獄は免れたね。…歓楽街の大通りか。了解~あそこなら6割方は道は把握できてるから大丈夫。たまに道間違えるけど今日は大丈夫でしょ。」

方向音痴さも極まり比較的覚えやすい大通りであるにも関わらず6割しか把握できていない。
まったく説得力も無い大丈夫でないような状態であるにも関わらず返事だけは何故か自信満々で元気。

彼女に送って貰う事になるがこの男はフラフラと危なっかしく猫がいたからと言い追いかけてみたり。あっちに雪が沢山ある、等と小学生にも劣る落ち着きのなさであった。

ご案内:「落第街 路地裏」から天野 創一さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」から伊都波 凛霞さんが去りました。