2021/10/06 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に名前はまだないさんが現れました。
名前はまだない >  
吾輩は闘争の中には生きれない獣の王である。
様々な戦いの果てに世界を統一した王である吾輩であるが、平穏は吾輩の望む世界ではないのである。
こういう時は、『路地裏』を通り、新たな場所を征服に出かけるのである。
どの『路地裏』かはわからぬが、白いもやぁとしたものが出てたら当たり。
1日から数日ぐらいお出かけが出来るのは、吾輩の短くない生から知っているのである。

というわけで、お出かけ・・ここはどういう世界なのであろう?
大きな巣が沢山あるので、色々いるようなのである。

「うなぁご」

口元をぺろりっ。
ここにはたくさんのネズミがいる気配もあるのだ。
あれを狩るのは楽しい。お肉にもなるのである。
翼ある奴らもいるのだろうか?
あいつらも狩れると思うと、闘争心が沸き立つのである。

暗闇で緑の目を光らせて、短い尻尾を振り振りとしてのっそり・・。
・・夜っぽいが、なぜに向こうは明るいのであろうか?
不思議に覚えながら脚をすすめるのである。
吾輩は獣の王なのである。
恐れるものなどありはしないのである。

名前はまだない >  
のそーり。
うむ、ここは大きな後ろ足で立つ輩が多いようである。
エジプト座りを路地裏の入り口でしながら、じーっくり見る吾輩。
まずは観察である。
いかな大きなものであろうが、吾輩の前足で仕留めるのである。

うーむ。
別の世界で争った怪物と似ている感じであるが。
毛並みが薄いし、尻尾も短いのであろうか?
ひらひらした肌をしているのだ。
翼のあるやつらとは違い鈍重そうである。
森の多い世界で見たことがある、宙を滑るネズミのごとく腕を広げて飛ぶのであろうか?
だが、闘争心が見えぬので、大きなやからたちばかりだが弱そうである。

名前はまだない >  
空に浮かぶ、なにか少し透けているようなやからも多い。
あやつらはなんであろうか?
姿は・・後ろ足で立つ輩と似ているのだ。
が、ふわふわしている姿に見向きもしない輩も多い。
無視しているのか、気付いていないのか。
どちらなのであろうか。
前足の裏、肉球の溝をよく舐めて整えるのである。
なに、吾輩の黄金の右前足にかかればあんなやから、一撃であろう。

名前はまだない >  
うむ。
腹が空いたのである。
ネズミでも狩ることにするのである。
あと、今日の寝床はどこにするか。

急ぐこともないので、短い尻尾を立て、むっちりお尻をふりふりしながら路地裏の奥にと向かう吾輩なのである。

ご案内:「落第街 路地裏」から名前はまだないさんが去りました。