2021/10/09 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に羅刹さんが現れました。
羅刹 > 夜の落第街路地裏
普通の人間なら、避けるであろう闇の中に男はいた

『あァ?幽霊騒ぎ?今年に限ってか…ったく
ブツに手出しさせるなよ。どっかの妨害の可能性がある
風紀はんな回りくどいことしねぇだろうが…』

『表側』が幽霊騒ぎに晒されているのと同時
幽霊騒ぎは暗い場所に住む者たちにも影響を与えていた

物品の取り落とし、強奪のようなもの
悪戯…そんな、悪意が読み取れない出来事が多発していたのだ
起こった事1つ1つは些事だ
ただし、組織が大きく広がっている分被害もそれ相応になっていく

どこかの妨害である可能性は低いが、いくつか気になる案件もあり
更には、この騒ぎによって警備が厳重になる
それ故に、大人しくしておくに越したことはなく…思わず、ため息が漏れて

「やれやれ…」

ふー、と煙草を口に咥え煙を吐き出す
思考を纏めるのに、少し時間が必要だった
汚れた黒い壁に背を預け、眼を閉じ
不気味で静かな闇を感じている

ご案内:「落第街 路地裏」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
いつものように落第街の巡回
開けた場所を中心に数人の風紀委員のグループが別れ、
それぞれ単独で細い路地を警邏する

そうして彼のいる路地に踏み込んだのは、
最近現場に復帰して間もない風紀委員…

路地の壁に背を預ける影を見つけると少し歩みを緩め、

「こんばんわ。お一人ですか?」

にこやかな笑顔で、そう声をかけた

羅刹 > 思考を邪魔する者には少しいら立つのは人の性か
サングラスの奥で眉根が寄るが
その声音に一瞬で気を引き締める

女。しかも声音からして健常者
…落第街で春を売り、日々を鬱屈して過ごすような連中とは違う気配
そうなれば、自ずと…見なくても相手の出自はある程度わかる

「――――――…」

一息、自分を落ち着かせるために煙を吐いてから
改めて、女の方を見る
予想通り、その腕には風紀の腕章
モデルも裸足で逃げ出すであろうプロポーションと、凛とした雰囲気
ただ、女だからと言って適当な対応をすれば終わりだ

それがこの島であり、異能というものなのだから
風紀の腕章を付け、こうして『前線』に立っている以上、この少女にも何かしらの力があることは確実

「…ああ。相変わらずの夜だな、お嬢ちゃん。こんな汚れたところに何か用か。
ん。失敬、風紀だったか。この辺の見回りか?」

背を壁に預けたまま、煙草を持った手…丁度、そちらに向けられている手をひらひら振る
夜闇に、タバコの火が揺れるが、男の声は揺れておらず
単純にここに居るだけ。何もしていないことをアピールして
今まさに腕章を見つけたとばかりに話を続ける

「風紀とはいえ、嬢ちゃん一人じゃあアブナイところだぞ、ここはよ」

などと言いながら目はサングラスの奥から相手を観察し、自身の記憶を探る

最悪に繋がりそうな記憶が1つ。
武器になり得るが、下手に使っては諸刃になりそうな記憶が1つ思い当たるが…
一先ずは、相手の出方を見る
こちらから仕掛けては、自分などあっという間に捕らえられる可能性が高いからだ

伊都波 凛霞 >  
「ええ、警邏です」

夜目は効くほう、なので薄暗い路地でも男の風貌は確認できる
迷い込んだ風だったり、場に似つかわしくない生徒だったなら注意喚起を促すところだったが…

「ご心配なく。他の風紀委員と一緒に来ていますので」

笑顔のまま、そう言葉を返す
表通りから細い路地まで分散し、指定時間までに合流がなければ…という形での見回りらしい
少女は目に見えた限りでは武器を携えているわけではない、が
風紀委員である、という以上何かしらの闘争能力や、何かを隠し持っていることは必然で

「そんな危険なところに一人でいる貴方も、危ないんじゃないですか?」

…サングラスで彼の表情は伺えない、が
"観察されている"という雰囲気はある

カタギじゃなさそうかな、という想いと共に
自身の記憶、風紀委員の中で閲覧できるデータの中に覚えているものがないか…漁りはじめる

羅刹 > 「そうかい。ご苦労な事だ。ここに居るのは、ただのタバコ吸ってるおっさんだぞ」

警邏。
砲声はないということは、まるで時候の挨拶の様にやってくる『鉄火』のパレードではない
それとは別の、どちらかといえば隠密に近い…学生風に言うなら抜き打ち検査か
明らかな武器は無いがそれは油断する理由にはならない
会話しながら、自身の異能を起動する

『…俺だ。』

一拍置いて、続けての異能行使

『2-2-3に蛇を数人寄越せ、焔か礫が居れば最優先だ』

短く、異能を使用して指示を出す
あまりに大人数を動かしては他の警邏に気づかれる恐れがある
だが、行動は迅速に。

至近距離で連絡を取っても、異能を察知する異能でもない限り目の前の相手にも伝わることはないのは大きな優位だ
もし、異能察知能力であった場合に備え、一拍置いて反応を見てから、続きの指示
この至近距離で捕らえられないことから、まだ『尻尾』は掴まれていない
ならば…少しでも引き留めれば何がしかの機会に繋がるだろう
到着は、あと10分と言ったところか

「…まあ、お嬢ちゃんの言いたいこともわかる。ただ見てみろよ。
お嬢ちゃんみたいなイイ女じゃなく、こんなガタイの男をわざわざ狙うか?」

とんとん、とスーツに包まれた自分の腕を指す
ボディビルダーのような筋肉というよりは、実戦向き、喧嘩向きの太い筋肉
煙草の僅かな火に照らされた拳も『殴る』拳をしていることがわかるか

「で?今度はなんだ。爆破の被害調査とかなら、協力できるぞ
お前らのとこの奴が派手にやってくれるからな」

く、く、と笑う男
余裕が見えるのは…ここで動揺などしてしまえばそれこそ怪しいからだ
ただ、落第街に居る何者か。その程度の印象で良い

ただし…この男は一度『鉄火の支配者』と呼ばれる風紀委員と接触している
鉄火が報告を入れているか…彼と親しければ、彼が、似た風貌の男と会ったという情報はあるだろう
不確定な情報としては、彼が何かの組織を率いていることも。

伊都波 凛霞 >  
「いえいえ。どなたでもとりあえず注意しておくことは大事ですから」

ただのタバコ吸ってるおっさんだとしても
笑顔でそう応える様子は、人を見た目で判断しない、あるいは
落第街の住人であっても正規の生徒と変わらず接する姿勢から出る言葉
それを滑稽に見る人もいることだろう

「うーん、お兄さんの言うことはもっともなんですけど、
 ほら、こういう島だしこの辺りは異邦人街も近いですから」

フィジカル勝負だけじゃ案外危険かもしれませんよ、と苦笑する
男…羅刹の異能行使に関しては感づいた素振りはなかった
少女の持っている異能は察知・感知などとは全く無縁のもの

ただ、持ち前の洞察力の鋭さは確かなもので、
男が不自然な言動を見せればすぐに疑惑を持つことができる
…が、今の所はそういったものもなく……

「こんなところにいると危ないですよ、とお知らせしたいだけだったので。
 …あー……いやあ、その辺りの被害の把握はちゃんと報告があるので大丈夫です」

彼のコトだな、となんとなく察すれば、やや困った表情
此処の住人にとっては彼の存在は…まぁ迷惑なモノに他ならないだろうから

羅刹 > さて。察知して少女も色々動いているのであれば相当な策士だが
いくら大人びて見えてもガキか、と思うも様子を見るのは止めない

それにしても、眩しく感じる
言葉の端々から、ああ、こいつは表の住人にとっては『良い』奴なんだろうな、と実感できる
その眩さは羨ましいものであり、また疎ましいものだ

「まったく正論だ。やれやれ、仕事サボってたのを風紀に咎められるとは
こりゃ、仕事に戻れって言うお達しか」

苦笑する女生徒に対して肩を竦め、向き直る
男の所作には特に…誰かになにかを知らせる動きは見えないが
辺りに、他の警邏が居ないか確認してから、徐々に二人の周囲に蜥蜴の戦闘部隊が集まり始める
警邏の時間がわからない以上、行動は迅速に
未だ、女生徒側にも何かを知らせる様子も無いため…機会が少し、巡ってきたかと判断し、仕掛けることを決めた

派手な行動は避けるべきだが、…情報源はあればあるほど良い

向き直った男はもう一度、相手を見やり
おお、と何かに気づいたように声をあげる

「…だがその前に。思い出した事があるんだが…
嬢ちゃんこそ危険じゃないか、ともう1度言っておこうか
…特に、一度痛い目にあってるだろう?よくここに来れたな」

広まっていることは少女自身、わかっているかもしれないが
落第街で以前に起きた暴行事件の映像の記憶を思い起こす
多少顔つきは変わっているが、間違いないと思える

只の婦女暴行事件、それだけなら男は覚えていなかっただろうが…被害者がやけに身なりや雰囲気、体つきが良い『上物』であったから
こいつが娼館などに流れてきたら引き取ろうと、記憶に留めておいたのだ

『やれ』

そして、男が言葉を発したのと同時に、男もまた指示を
細い路地の奥から、砂が入った重い袋が左右からそれぞれ2つずつ、少女の身体と側頭を目掛けて高速で飛来する
動揺しやすいであろう言葉を投げかけた直後の…直撃すれば、普通なら悶絶するであろう攻撃

戦闘要員が次々とこの場に迫っており
空気を裂いて進む砂袋は、その先手だ
この程度で済めばよし、済まなければ…相手の反応によって、ごまかしか、抗戦かになるだろう
最近は『作戦』の待機中で鬱憤も溜まっている。そちらでも問題ないと
男は、女生徒の対応を見つめる