2021/10/11 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に羅刹さんが現れました。
羅刹 > 直接顔を出さなければならない場所に向かって、短い距離を歩く男
頭の中では、常人なら五月蠅く感じられるほど異能に寄る通信が続けられている

『ああ。どれだけ愚鈍でも、近々対応は始まるだろう
あの『絵』を使ってプレゼントを用意しておけよ。
…後は緊急時の移送場所の選定だ
強固な地下部屋をいくつか見繕っておけ』

それは、少し組織の方向転換をした故に起こる、幹部からの確認の通信である

――あの捕虜は、それこそ他の風紀を呼び出す餌。
あるいは情報源、あるいは金を得るための手段であった
害を為すようなら殺して晒すことも考えてはいたが…尋問を経て、その考えが変わったのだ

(あれは、『その程度』として使うには惜しい)

身体も、精神も…金剛石の如き強靭さ
ただの凡百であったなら、羅刹は何のためらいも無く思い描いていた手段を実行しただろう

しかし、もしあれを折ることができたならば
それは組織にとってどれだけの利益となることか。
安易な手段を取ればローリスク、ローリターン
賭けに出れば…ハイリスク、ハイリターン

どちらにせよ、『作戦』の準備に風紀委員の捕縛は含まれておらず
既に準備は完了している
後は適切な時に仕掛けるのみだ。
だからこそ、生まれる余剰を多少つぎ込んでも問題は無い

『次だ。歓楽街あたりで遊んでる奴を1人、攫ってこい
1人でいい。そっちは痕跡を出来る限り残すな』

遊ばせている人員を使い、更に手を打つ
高揚しているわけではないが、思わぬ障害であり機会の種を拾えたことに思考が冴え

軽い足取りのまま、蜥蜴の頭はしばらく路地裏を進む

羅刹 > ――蜥蜴はまた、闇を泳ぐ
ご案内:「落第街 路地裏」から羅刹さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に『拷悶の霧姫』さんが現れました。
『拷悶の霧姫』 >  
夜闇の中を進んでいく男。
その背中が乱れ、青白いノイズと化したかと思えば、ふっと消え去った。
それは、木製の大きなテーブルの上に展開されていた映像であった。

ソファに座してその姿を眺めるのは、白髮の少女。
彼女の目には、現在の落第街の様子が映し出されている。
魔術により放った、落第街への監視網。
この術を通して、日々情報収集を行っているのだ。

しかし、何処までも深部を覗ける千里眼とはいかない。
魔術による監視網は万能ではなく、深部まで張り巡らせてはいないのだ。
できない、といった方が的確な表現だ。

幾ら魔術に長けたエルフの技とはいえ、
この広大な落第街へ監視網を細部まで張り巡らせるのは不可能だ。

『拷悶の霧姫』 >  
「さて……」

左手を翳して何事か呟けば、数日前の路地裏での出来事が再生される。

『うちのモンが鉄火に世話になった分、返さねえとな?」』

それは男の声だった。向かい側に居るのは――風紀委員、伊都波 凛霞。

「そうでしょうね」

魔力が編んだ男の幻影に、言葉を返す。
この名も知らぬ男にも、その仲間にも、同情などしない。
落第街にも同情はしない。
そんな高尚なモノは持ち合わせていない。

ただ、当然――

「――神代理央の行動は当然、目に余ります」

彼女自身も一度、妨害の為に介入したことがあった。
心は動かずとも落第街に住まう者ならば、反感を持つ者が居て当然であると理解できる。
それこそ風紀への暴行や拉致など、実際の行動に起こしてしまう者も居ることは容易に想像がついた。
小さなものであれば、これまで幾つも確認していた。
そしてそういった行動の先にある『結果』は――自分達にとって、必ず阻止せねばならないものだ。

『拷悶の霧姫』 >  
――もう少し、探ってみる必要がありますね。

今回動いた――この男が所属している組織について、
情報を収集せねばならない。

状況次第では、直接動く必要もあるだろう。
網だけを見ていては、見えてこないものが数多くある。
網にかかるだけの情報を拾ったら、
時には暗澹たる海へ直接潜ることも必要だ。

ここに座っているだけでは、真意は掴めない。
自明の理である。かつてこの組織を率いていた彼ならば、
既にドアを開けて出ていっていたのかもしれないが。


――それから近い内に、『彼』にも会いに行かねば。

青白く浮かび上がっているそれは、『彼』が落第街で破壊活動を行うかつての姿。
そこから一旦目を離せば、テーブルの上に置かれた狐を模した黒の仮面を見て、
彼女は目を細めるのだった。

ご案内:「落第街 路地裏」から『拷悶の霧姫』さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に『拷悶の霧姫』さんが現れました。
ご案内:「落第街 路地裏」から『拷悶の霧姫』さんが去りました。