2021/10/12 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に羅刹さんが現れました。
羅刹 > 『ああ、わかってる。動きが無いっつーことは、だ。
何がしか、変化があったってことになるな』

夜闇…その中でも一等暗い路地裏を歩く蜥蜴の頭
その頭の中では『対策』を練るための通信が行われている

というのも予想外であったからだ
捕虜を誘拐してから数日が経つが、未だに…いくつかの違反部活が密やかに襲撃を受けた以外は何もない
つまりは、鉄火が動いていない

これは羅刹の鉄火に対する評価にすれば驚くべき事柄。
戦った感想から言えば…不利益を与えたならば砲火で返す。それが鉄火である
それが何もない。
ということは、何か強力なストッパーがあったか…

『私が戻れば止められる』

そんな意図の言葉を吐いた捕虜の言葉を思い出す
未だに、監禁したままではあるが…有益な情報はもちろん得られていない

最悪なのは、あの女が自分と似通った能力であること
こちらの情報もほぼ漏らしていないとはいえ、あの女が無事であるという情報は有益であろう
それを隠しながら、解放を訴えていたとなると強かにすぎるが…警戒を怠るのは愚かだ

『…なんにせよ、向こうが動かねえなら俺らが派手に動く必要は無ぇ
…警戒を強めろ。密偵、潜入…そういう搦手を使ってくる可能性もある
新顔は最大限警戒しろ』

動きがないということはそういうことも予想できる
こちらがしているように、密やかに、闇に潜んで。こちらを見ているかもしれないのだから

今も、数名の蛇を護衛に…そうとは見えない位置に潜ませてはいるが
移動は迅速にすべきだ。

か、か、こ、と革靴の音を響かせながら、速足で男は歩く

ご案内:「落第街 路地裏」にシャンティ・シンさんが現れました。
シャンティ・シン > 『慌ただしく、姦しく……爬虫類は闇の中を、あちら、こちらと足早に蠢いていく。闇の中を、影の中を。人の目に触れぬように……』

こつり、こつり、こつり、と小さな音を立てて女は歩く。その薄い唇からは謳うような小さな声が漏れ響く。


「だいぶ……慌た、だし、く……なって、いる……わ、ねぇ……ふふ。」


くすくすと笑う声が静かにこだまする。其処に何が居ようと構うこともなく……ただ、事実を確認するように。


「さて、さて……ふふ。おひ、さし……ぶり、かし、らぁ……ごきげ、ん……いかが、かし、らぁ……?」


目の前に立つ男に、のんびりと場違いな言葉をかける。

羅刹 > 目の前から聞こえてきた…聞き覚えのある声に少し安堵するのは
蜥蜴の頭もまた人間だという事か

「…よぉ、大道具。この前…つっても大分前か。…だが、助かったぜ
本当に報酬が前に言った通りでいいのか不安なくらいだ」

この立場の不透明な相手が敵に回る可能性もあるにはあるが
一先ずは話しをするのが先だろう

「機嫌は、まあ、普通か。厄介ごとあり、楽しみな事あり、だ。
…お前ならわかってそうだけどな。スシーラ」

肩を竦めながら、歩みは一応止める
ポケットに手を突っ込み、煙草を取り出せば蛍火を付ける

「で?何の用だ」

重要な話…いや、世間話もしそうだ。まるで読めない
警戒はしながら、用件を聞いてみよう

シャンティ・シン > 「ふふ……いい、わぁ……貴方の、そう、いう……と、こ、ろぉ……」

男は、適度に警戒を緩めしかし油断なく此方をうかがってくる。一応は、協力関係に有るにしても、である。その適度な緊張感は、むしろ信用に値する。それだけ慎重なことは、この先に何をするにしてもより自分に望ましい結果を導いてくれる可能性は高い。


「ん……そう、ねぇ……用……という、な、らぁ……三つ……かし、らぁ……?」


唇に人差し指を当てて、考えるような仕草をする。薄い唇がぬらり、と鈍い光を帯びているようにも見える。


「ひとぉ、つ……これ、はぁ……そう、ねぇ…… ふふ。厄介、ごと……ある、みたい……だ、しぃ……なに、か……お手伝、い……ほしい、かし、らぁ……? って……そんな、ところ……?」

厄介事、懸案事項、ということであれば彼……いや"彼ら”はいつもか抱えていることだろう。けれど、今回は一つ、大きな爆弾じみたものがある。と、なれば……爆弾そのものか、むしろそれ以外のために必要な手、というのはあるかもしれない。あの程度のモノで崩れられても自分としても困るのだ。


「もう、一つ……は……タイミング、悪い、気も……する、のよ、ねぇ……これ、は……ほんと、はぁ……もう、すこぉ、し……前、にぃ……羅刹、ちゃんに、振って、みよう、と……思って、た……んだ、け、どぉ…… ほ、ら……今。せっかく、の……ハロウィン、と……幽霊、騒ぎ、だしぃ……それ、っぽい……や、つ……幽霊、とか……お化け、とか……そんな……玩具、ほしい……?って、ね?」


今現在、噂に乗じて無作為に種をばら撒いてみたものの……無秩序に暴れられても、筋立てとしては面白くないので受け取りて次第、という不安定な存在しか生み出せていない。もし、指向性を与えてくれる、というのなら願ってもないチャンスである。とはいえ……相手の抱える事情を考えると、ちょっとどうなのだろう、という懸念も有る。

羅刹 > 「――――…………」

三つといいつつ、一先ず二つの提案には…すぐに答えはしない
煙草の煙を正面ではなく横に吐き出し、もう1度吸う

この相手の腕自体は信用している
いかなる異能か、邪神と呼ばれるものでさえ造り出して見せたのだから
更には、こちらに対する武器の提供
実力…というか、貢献度で言えば幹部以上と考えるのも、間違いではない

思考を巡らせる
受けるのか、受けないのか
受けたとすればどう要求するか

何度か煙を吐き出してから、口を開く

「…一つ目についてだが……
…やっぱわかってんじゃねえか。構わねえがな…お前みたいなのは漏らしゃしねぇだろう」

こいつは、自分の欲求に非常に素直だと感じている
こちらがそれを満たしている限りは…不利益な事もまた、無いだろうと羅刹は判断していて

「…率直に言うが…アレの心情をかき乱すモノが欲しい。
それこそ、候補としちゃ…霊体、化け物…、前『陽動』で出した奴の小さい版、か。
…常人ならぶっ倒れるくらいの奴で、アレには丁度いいか足りねえくらいだと思うが」

何ができるのか、できないのか
不透明な部分が多い相手だ。
けれど、信用しているからこそ言ってみるに越したことはない
そして、続けて

「…二つ目。それ聞いて逆に聞きてぇんだが、シマに出てきた妙な奴らお前の差し金か…?
いや、実害はほぼ無ぇから単なる興味だがよ。
…話がそれたか。ホラー方面にゃ詳しくねぇが…、目を逸らさせるには丁度いい。

それももちろん、欲しいさ。例えばだが…

…あれを隠した落第街の反対側にでも、ゾンビを大量に出す。進路はバラバラでいいが、表にある程度向かうルートだとありがてぇな
笑って愉しみて―っつーなら、そこに菓子入りの籠を持たせたポルターガイストが使える幽霊を重ねる。

ゾンビの対処に来た奴の上から飴玉でもばらまいてやりゃ…なんだ?トリックオアトリートか
いや、この場合はアンド、になっちまうだろうが

その対処と原因、目的の究明、あるいは捕獲を考える奴もいるだろう。…俺も時間が稼げる
何なら、菓子を爆弾に変えちまえば、厄介なヤツも吹き飛ばせる」

この場の思い付きである
ここでこの相手と会うこと自体が予想外ではあったが
『愉しみ』やすい用、祭りとしての体裁、そして組織の利益を合わせた提案をしてみる

シャンティ・シン > 「そう、ねぇ……じゃ、あ……2つめ、から……」

そういえば、無作為、とは言いながらも顔見世程度に組織の方に回したモノは居た。一応、落第街においてはあくまで「お遊び」程度の活動をするように設定していたので実害はない、はず……それは彼の言葉からも間違いはない。もっとも、それが本当に自分の撒いた種か、はたまた例の噂の存在が撒いた"本物"なのかは測りかねるが。


「そっちに、ちょっかい……かけた、のが……私の、子……たち、かは……わか、らない、わ……ね、ぇ……一応、害、には……なら、ない……程度、の……しか、まわして、は……い、ない、け、どぉ……"ホンモノ"、だった、かも……しれ、ない、しぃ……?」


其処は正直に答える。嘘をついても仕方がない。なにより、把握していないので"実はホンモノの方だった"ときに厄介なことになりかねない。


「で……リクエスト、だけ、どぉ……性質、上……爆弾、は……難し、い……か、も? 一応……少し、くらい……な、ら……できる、かも……だ、けどぉ……」


人差し指を唇のあてて、やや慎重に考えながら答える。あくまで『ハロウィンのお化け』として呼び出される彼らは、それ以上の仕事は不得手なのだ。多少弄ることもできるが、流石に手間がかかる。


「ふふ……で、も……いい、わね、ぇ……トリック、アンド……トリート……あ、は……それ、は……是非……やり、たい……わ、ぁ……」

巻き起こる恐怖と困惑……その光景を想像すると思わず笑みが浮かぶ。きっと、楽しい楽しいお祭になるはずだ。


「……で、一つめ、に……戻る、けど……それ、ねぇ……三つ目、に……かぶる、かも……?」


いくつか、考えていたことはある。それを提示するかどうかは、少し考えていた部分だ。しかし、向こうから振られたのであれば……舞台を整えるものとして、応えざるを得ない。


「実、は……ね? ふふ。わた、しぃ……あなた、たち、が……つかまえ、てる……子、ね?あの、子……とぉ、オトモダチ、に……なった、のぉ……」


くすくすと笑う。まさか、そんなことになるとは思っていなかったが、本当に素直で真面目で強い娘だからこそ……それを考えていた。だから――


「もち、ろん……私、が……こぉ、んな……こと、して、る……なん、てぇ……知らない、わぁ……あの子……ふふ。可愛い、わ、よ、ねぇ……と。それは、とも、かくぅ……」


想像が、広がる。この後に紡ぐ言葉が何を齎すのか……それとも、何も起こさないのか……ぞくぞくして、たまらない。


「あの子……自分、の……こと、は……がんば、れる……と、思う、の……よぉ……で、もぉ……眼の前、で……ほんの、一時、で、も……言葉、を……かわ、して……ふふ。まがり、なり、に……も、オトモダチ……って、いった……相手、が……苦し、む……姿、みせ、たら……どう、なる、か……興味、深い……と、思わ、ない……? ねぇ……羅刹、ちゃん?」


空を仰ぐ。そこには星も、月も薄く……闇が広がっている。


「おれ、ちゃう、の…かし、ら……つよぉ、い……心、で……それ、も……耐える、の、かし、らぁ……? 一時、の……オトモダチ、なん、て……踏み、にじ、れる……の、かし、らぁ……? あは、あはは、ふふふふふ……」


小さな笑いが、響いた

羅刹 > 返答を聞いてから、次はすぐに言葉を返す

「…ああ、まあ、いい。悪戯については被害も大したことねえ。聞きたかっただけだ
爆弾もあればいいっつー要望。無理に叶えなくても陽動さえできればそれでいい。
ゾンビ、あとはかぼちゃ被ったマントでも進行させて、上から飴、チョコレート、綿菓子…なんでも撒きゃ大層混乱するだろうさ
菓子代が必要なら言えよ」

ハロウィンらしい祭りだ
それに…落第街の…食料に困っている連中も多少は救済できるだろう
無理なものは無理、無駄に力を使う必要は無いと告げてから

『面白い物』を見せるという代価だけでは…羅刹の基準で言えば既にこちらが負債を背負っている状態だ
足りないのだから無理な要求はしない



そして、次の言葉には
ほう、と。抑えても…感嘆の声が漏れる
どっちつかず…というより、面白い方に現れる性質だと思っていたが
既にコンタクトを取っていたとは
それも、お友達と来た
一応こちらでも『人質』…歓楽街で適当に攫って来た者を用意してはいるが…
最初の拷問の時には間に合わなかったが、確かに―――

「ああ、そうだな。興味深い。面白いと思う
一度拷問した後…俺も似たようなことを考えていた。
捕まえる時にも思ったが、ありゃ治らねえ弱点だな」

……で?なにをすればいい。おまえを死なねえ程度に甚振って、その様を見せりゃいいのか。
それとも…『安全』に作った化け物で演出するか?」

面白い。
彼女が、生み出したものにある程度の性質を付与できるのは羅刹も理解している
そうでなければ邪神の端くれなど自分に曲がりなりにも操れるはずはないのだから
そういったことも考えれば、人間がやるよりは、彼女が作った『演者』にやらせる方が好都合だろうと

笑みを浮かべながら、提案に乗ろう

シャンティ・シン > 「あ、は……律儀、ねぇ……お菓子、も……彼ら、の……一部、と……いって、も……いい、ものぉ……準備、の……う、ち……よぉ……だ、か、ら……」


くすくすと、無垢な笑いを浮かべる。仮に、そんなものを見たことが有るのであれば――夢見る少女のようにも見えたかもしれない。


「代わり、にぃ……甘く、ても……すっぱ、くて、も……しょっ、ぱくて、も……辛、くて、もぉ……なん、でも……美味しい、景色……みせて、くれれ、ば……いい、わぁ…… あぁ、そう、そう……ふふ。前の、アレ。あの、理央くん、が……落ちて、倒れ、るの……とって、も……見もの、だった、わぁ……あは。」


以前の彼らと彼の死闘……それを思い出すと、やや恍惚となる。正を謳うものと悪を嘯くものの、凄絶なる闘争――あれこそ、理想の一つだった。成否など、どうでもいい。いや、なんとなれば――


「そう、ねぇ……どっち、が……いい? ただぁ……多分、ね。目の前、で……殺し、ちゃう、と……逆効果、な……気は、する……の、よ……ね。そこ、だけ?」


我が身に降りかかるかもしれない暴威について、事も無げに口にする。


「リアリティ、なら……それ、は…もう、"ホンモノ"……の、方が……いい、かも……だ、けどぉ…… もち、ろん……"ホンモノ"、らしい……ニセモノ、も……準備、は……できる、わ、よぉ? 前の、ニセ、理央くん、よりは……良い、出来の、ね?」

羅刹 > 「…理解できねぇからな。いくら異能とはいえ、こっちが『貰いすぎ』だ
いらねえならいいが」

ふ、と鼻を鳴らす
何が欲しいかはわかっているが、羅刹にとってそれは目指すべきものである
それが報酬になると言っても実感は湧きにくい

「……ったく、良い趣味してる。
構わねえよ、見せてやる。とびっきり美味い景色をな」

そういって笑う
こいつが裏切るのは…その美味しい景色を羅刹が諦めた時なのだろう、とそう思う
次いだ提案には、もう呆れるしかなかったが

「わかってるさ。…電波通して、リアルタイムで映像を見せる
録画だと偽装だと思われるからな。そこはこっちで手配する」

場は整えてやる
演者がしっかりと踊れるように

「――…しかも、なんだ。ホンモノ、か。お前も増々よくわかんねえ奴だ…
瓜二つに作れんなら、偽物でいい。有力な協力者が事故で死んだなんて笑えねえ
…その代わり、こだわってくれよ。あいつの眼もかなり侮れねえだろうからな」

不死性があるのか知らないが
それが何らかの事情によって無くなったりすることを考える
本人を作るなら、その精度も期待できるだろうと

捕虜の動体視力は見ているから…僅かな差異すらあの目は見通すかもしれない、と。