2021/12/07 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に紅龍さんが現れました。
紅龍 >  
「――まいった、買い過ぎたな」

 いつものように表通りで買い物をしていたが、うっかり余計なモノまで買い過ぎてしまったようだ。
 自分の食料と、差し入れのための大量の菓子。
 合わせてみても、明らかに量が多い。

 表通りから一本入って、路地裏のガラクタの上に腰を下ろす。
 大通りはなんだかんだ、喧騒に包まれているが、一本入った路地裏となれば、随分と静かなものだ。
 一息つくには丁度いい。

紅龍 >  
 取り出したタバコのようなものを咥えて、火をつける。
 煙を深く吸って、白い息を吐きだす。
 肺を満たして鼻腔に上がってくる匂いが心地いい。

「――斬奪怪盗ダスクスレイ、銀髪の女剣士、風紀の鉄火の支配者、と。
 まったく、おっかねえヤツにゃぁ、事欠かねえなこの街は」

 グローブの手でがりがりと頭を掻く。
 違反部活『蟠桃会』の用心棒をさせられてる以上、どこかしらで再会ないし、遭遇する可能性は非常に高い。
 それどころか、『蟠桃会』のやつらに、目障りだから消してこい、なんて言われる事も十分にあり得る。

「ったく、荷が重てえなぁ。
 あの怪盗にも目を付けられちまったしよ」

 困ったことに、何とかかんとか見逃してもらったが、名前も顔も覚えられた。
 だからわざわざ、大通りで買い物をするだけだって言うのにライフル背負って出てきたんだ。
 何もなけりゃ、好き好んでフル装備で街を歩くなんて窮屈な真似はしたくねえもんだ。