2021/12/22 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にクレハさんが現れました。
クレハ > 落第街の路地裏。
この島、いや…日本や世界から見ても無法地帯に位置する危険区域。
今日も誰かが自分の利益と地位を守る為に他人を食い物にする。
弱肉強食の理がまかり通っており、そんなある意味で原始的な仕組みである以上命のやりとりは活発だ。


「今宵も月が出ている。死ぬには良い夜でしょう。死者の魂もきっと満足する事でしょう。」


常人には理解できない理屈と共に誰もいない路地裏に姿を現す。
誰にもいないにも関わらずに黒装束の少年は落ち着いていながらも周りに聞こえる不思議な声質を発する。
まるで死神だろう。死が色濃く根付いておりそれは平等に訪れる。

「僕はこれから仕事を開始します。時間は夜11時12分…予定より5分ほど早いですが問題はございません。」

とはいえ今回は生者に対してではなく死者に対しての仕事だ。
腕時計で時間を確認した少年は静かに何もない路地裏に歩みを進めていく

クレハ > 「数は3…。では早速ですが始めましょう。」

誰もいないところで何処からともなく大鎌を手に取る。紅い結晶な刃が特徴の鎌だ。
クレハは死神であり死神といえば鎌なので何処からともなく出てくるのは"常識"だ。
ただ、肝心なのはそこじゃない。

はたから見れば誰もいない少しひらけた路地裏で突如刃物を取り出したように見える。
だが理由はすぐに判明する。
霊感ゼロのド素人でもよく目を凝らせば薄い人型のような物が見える、そしてそれはとても邪悪な気を放っている。

そう、霊だ。
それも悪霊だ。
これを刈り取るのが我らが死神の仕事の一つ。


「眠れぬ魂に救いがあらんことを」

音もなく近づき、まずは一つ目の悪霊に向けて大鎌で袈裟斬りにする。
物理的に霊的に干渉する赤き刃は悪霊の姿を真っ二つにする。
そして、ふわりと
そんな擬音が出るような自然なサイドステップと共に闇へと擬態するように消える。

クレハ > クレハが消えて数秒ほど
静寂が短いながらに続いたがそれは終わりを告げる。
突如として悪霊の上空に姿を現したからだ。

それまで悪霊との距離は5m以上は離れていた
その上真後ろ上空から降ってくるように鎌を振り上げているのだから神出鬼没な攻撃だ。

音もなく赤い閃光が走り、悪霊を切り伏せる。
魂を鎌に吸収し…そこから出力に切り替えていく。
残る1つの悪霊を見据えて。


「仕上げにしましょう。仕事はなるべく早く終わらせる方がいいですからね。」

事務的ともとれる淡々とした語り口。
戦闘時とは思えないほど
戦闘は一般的な業務であり手慣れているかのような。

「では、さようなら。」

吸収した魂を攻撃力に還元。
ただでさえ紅い鎌の刃が更に強く光っていき…
風切り音と共に飛翔する紅い斬撃の元、悪霊を切り裂いた。


終わってみれば息を少しも乱さない静を象徴するかのように死神の男が佇んでいた。

クレハ > これにて一通り"仕事"は完了した。
後は魂の残り滓を回収し引き上げるところだろう。


「この街は…死が濃い。」

誰かが喰らい、喰われる。
単純だが命が消え、生まれ、循環しやすい。
命が消えた魂を回収するのも、死をコントロールするのも仕事。


とはいえ、誰かを殺して死を濃くする類の仕事は少々骨が折れる。
ここは確かに死が濃いが、それだけあって手ごわい化け物が多いのも事実。
手強い化け物に出くわして"仕事"の効率を下げられるのは眉唾ものだ。

寒天の元で佇んでいて
存在感がないあやふやな存在。
そしてそれはふとした瞬間に姿を消していた。

ご案内:「落第街 路地裏」からクレハさんが去りました。