2022/01/22 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に紅龍さんが現れました。
紅龍 >   
 【前回までの紅龍おじさん!】

 違反部活『蟠桃会』の用心棒、元軍人の紅龍は。
 『斬奪怪盗ダスクスレイ』の情報を集めるために探偵の『ノア』に仕事を依頼する。
 そんな探偵からの情報を得て、『怪盗』との遭遇に備えるため、風紀委員『芥子風菖蒲』が行った戦闘を分析していた。
 そうした日々の中、懐かしさを覚える少女、『マヤ』と知り合う。
 そして路地裏では探していた『ガスマスク』を目撃、言葉を交わした。
 探偵の調べた情報からは『知のゆびさき』という製薬会社の存在を知り、『マヤ』の血液から精製された薬を手に入れる。
 さらには違反部活の武器職人に依頼し、装備を充実させた。
 落第街の都市伝説と化していた『裏切りの黒』『拷悶の霧姫』との対面を果たす。
 暇を持て余す吸血鬼『リスティ』とは、食事を切っ掛けに奇妙な縁を結ぶのだった。

 何事もない日々を願う龍だが、この島は中々飽きさせてくれない。
 今日も今日とて、龍はようやくできた暇を堪能するのだった。

 

紅龍 >  
「――ふぅ」

 『タバコ』の煙を吐いて、文字通り一息つく。
 ここのところ、すっかり仕事を押し付けられなくなって、暇になっちまった。
 というのも、例の閉鎖区画の一件で風紀の連中が多く出入りしているのと、『蟠桃会』自体が目をつけられんよう大人しくしているためだ。
 だからというわけじゃないが、オレに回ってくるような仕事もなく、用心棒はすっかり暇を持て余してるわけだ。

「暇だねえ」

 暇だが金は有る。
 遊びようはいくらでもあるんだが――ギャンブルをするのも、女を買うのも、気分じゃねえ。
 それなら吸血鬼の餌付けしてる方がよほどおもしれえからなあ。

「――いい退屈だ」

 路地裏で適当な箱を転がして、腰を下ろす。
 暇つぶしは特に思い浮かばんが――まあ、運が良けりゃ、なにかが転がり込んでも来るだろう。