2019/02/18 のログ
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 後期の試験も終了し、島の各所には弛緩した空気が蔓延している。
学生街や歓楽街は放課後から生徒の姿で溢れ、風紀委員や教師たちが目を光らせている。

だが、此の場所はそんな騒ぎなど関係無い。
汚泥と瓦礫が堆く積み上がり、犯罪者と落第者が行き交う。
ある意味、尤も此の島で生を渇望する者の集まる場所。そして、死が投げ売りされている場所。

「此方アイゼン1.現在の所、スラム街に異常なし。とはいえ、歓楽街の生徒を狙ってか違反組織の動きが活発に見える。場合に寄っては、適当に間引きして帰還する」

複数の異形を護衛の様に引き連れ、時折吹けば飛ぶようなバラック小屋を踏みつぶしながら巡回する少年の姿。
スラムには似つかわしくない小綺麗な制服と、武力の象徴である巨大な金属の異形達の姿は遠目にもよく目立っているだろう。

神代理央 > 巨大な質量を持った己の異形が行進する度、周囲の建物からぱらぱらと瓦礫が零れ落ちる。その様を不愉快そうに眺める住民達に視線を向ければ、蜘蛛の子を散らす様に立ち去っていくのだろう。

「…今のところ敵対行動は無し、か。とはいえ…」

風紀委員が巡回していても、遠くから。或いは、近くから。銃声や怒号、悲鳴は当たり前の様に聞こえてくる。
其処迄揉める様な事があるだろうかと溜息を零しながら緩く手を上げれば、背後の異形の一体がゆっくりと砲身を天に掲げた。

「これで、多少は静かになると良いがな」

振り降ろされた手と同時に、轟音が響く。
数百メートル先のバラックに砲弾が命中し、爆炎と共にバラックは消え失せた。
逃げ惑う住民達を醒めた瞳で眺めつつ、次の手が必要だろうかと周囲を伺うだろう。

ご案内:「スラム」にアーバリティさんが現れました。
アーバリティ > 常世島において最も無秩序な場所とも言えるスラム街を無警戒かつ威風堂々と風紀特攻課の制服を着ている刺々しい風貌の少女が征く。
しかし、その外見とは裏腹に中には戦いを求める戦闘狂が潜んでおり──

「うーん…?失敗だったかなぁ…この服着ていれば強いのがくると思ったんだけど…」

周りに聞こえるか聞こえないか、そもそも誰もいないのだからそんな事は気にする必要は無く、率直に遺憾であると誰にでもなく述べる。
昔殺した風紀特攻課の赤服を着ていれば匹敵する敵が現れると期待してこの場に臨んでいるのだが、逆に威圧しすぎるのか、誰一人として現れず──
そんな中、攻撃的な砲撃音と土煙があがれば当然興味を示すようで。

「お!何かいる!このままだと何もこなさそうだし行こう!」

何も考えず、興味と好奇心、本能の赴くまま砲撃が放たれた場所へと向かい──異形を連れた人間を視野におさめれば一度身を隠す。

「あの異形って…確か聞いた覚えが…何だっけなぁ」

聞き覚えのある物を連れる人間を思い出そうと腕を組んで悩み出す。
今の彼女では神代は、音がすれば気づくだろうが動きは見えないだろう。

神代理央 > 接近する人物に反応を示したのは、自分では無く従僕の異形。
接近する生物全てに警戒反応を示す異形は、砲塔を軋ませて何者かの接近を主に伝えた。
その音に合わせて視界を向ければ、一瞬視界に映ったのは紅い服装の何か。見覚えのある服装だった様な、と僅かに首を傾げるが――

「…此方を見て姿を隠すとなれば、敵で無くとも味方ではなかろう。命じるまで攻撃は禁じるが、警戒しつつ接近せよ」

どのみち、このスラムで出会う者は碌な相手ではない事は身をもって実感している。
端末を操作して本部への増援を要請しつつ、引き連れている異形の一体に接近を命じた。

無論、相手が何処に潜んでいるかは分からぬまでも、先程視界に捉えた辺りまで、巨大な異形は重厚な足音を響かせながら一歩一歩近づいていくだろう。

アーバリティ > 「(思い出した!風紀特攻課の鉄火の支配者だ!)」

今見えた相手が何処のどいつだったかを思い出して心の声で嬉しい悲鳴をあげる。
鉄の塊の異形を連れる風紀の話といえばたまに情報が入る。
大抵の情報は「違反部活崩壊」であり、翌日に現場に赴けば酷い有様であったのを何度か確認している。
実際に会って、是非戦いたいと思っていた相手との遭遇に口元が緩む。
どうも異形をこちらに向かわせているようだし、容易く勝てる相手でもない、油断するような相手とは思えないが出来るだけ近づく事に決める。

「安心しろ、私も風紀だ。鉄火の支配者、だったか?
誰かわからなかったから隠れただけだ、そう警戒しないでくれ」

幸い今は風紀特攻課の赤服を着用している。変に隠れないで堂々としていれば騙し通せるかもしれない。
物陰から素直に現れて相手の警戒を強めないゆっくりめの速度で歩み寄る。
両手には何も持たず、無手で。

神代理央 > 姿を現した少女に、重々しい金属音が複数響き渡る。
少女に接近していた異形と、背後に引き攣れていた異形。合わせて5体の異形達が、針鼠の様に背中から生やした砲塔を一斉に少女に向ける。

「…ほう、ほう。成程、同僚とは思わなかったよ。失礼な真似をして済まなかったな」

武器も持たず、警戒もせず此方に歩み寄る少女のに、穏やかな口調と共に謝罪の言葉を告げる。しかし、異形達の砲身は少女に向けられたまま。

「して。この地区に私以外の――まして、特科の委員が回されているとは聞いていないな。差し支えなければ名前とIDを提示願いたいものだが」

歓楽街や学生街なら、少女の発言をさして疑う事も無かっただろう。しかし、此処は落第街の掃溜め。生と死が入り混じるスラム街。
危険地域での任務となれば、余程の事が無い限り派遣されている委員の情報は共有される。そして今宵、此の地区に派遣されているのは己だけ。

「何、身分が確認出来ればそれで良い。腹ごなしに菓子を持ってきているから、二人で頂こうじゃないか」

社交的な笑みを浮かべながら、異形達の砲身が僅かに軋んだ。

アーバリティ > 「気にするな、場所が場所だ。一瞬の油断が命取りになりかねんだろう」

嘘をついていると思わせるな、あり得る事柄を提示しろ。
同僚──知り合いではないが──の役を演じるのは実は其れなりに慣れている。
相手との直接的な面識がない場合そこからいくらでも機転がきくようにしておくのが基本だ。
耳に響く嫌な金属音に内心顔を顰めるが表には出さず淡々と返事をし。

「すまないがそれは出来ない。私がいる事をそちらが知らなかったのと関係がある、とだけ言っておこう。ほら、裏はあるものだ。」

いかなる組織にも暗部はある──と思っているために出てきたそれっぽい言い分である。
存在するかもわからない暗部の存在をちらつかせ、躊躇いを産ませる。

「質問には答えられなかったが戴いていいかな?少しばかり小腹が空いたところだ」

申し訳ない、といった気を滲ませ、苦笑いを返す。
相変わらず異形から発せられる音は嫌なものだ。

ご案内:「スラム」からアーバリティさんが去りました。
ご案内:「スラム」にアーバリティさんが現れました。
神代理央 > 少女の言葉に、少し考える様な表情を浮かべる。
数秒、その表情のまま思考に耽った後、再び視線を少女へと向けた。

「…ふむ。否定する材料は持ち合わせておらぬし、余り勘ぐり過ぎるのも性に合わん。それに、正直に言えば貴様が本物だろうが偽物だろうが、何方でも構わぬ。面倒事さえ起こさなければな」

小さく肩を竦め、少女の言葉に頷く。
異形の砲身は変わらず少女に向けられてはいるが、此方への接近を妨げるものではない。それどころか――

「構わないさ。任務中は何かと糖分が欲しくなるからな。口に合うと良いんだが」

懐から取り出したのは、砂糖を煮詰めた後に砂糖を塗し、砂糖とチョコレートでコーティングしたショートブレッドが二つ。
けばけばしい程に甘さを謳った包装紙に包まれたソレを手に、革靴の足音を響かせて少女へと歩み寄る。
無警戒に。穏やかな笑みを浮かべたまま。

アーバリティ > 「変に探らない方が身のためだ。そちらが賢明で助かった。こちらとて同僚に力を振るいたくないからな」

まだだ、まだためろ。
ここで至近距離まで近づくのもいいが彼が命令を解除すれば周囲の砲塔が一斉に火を吹くのは必至。
瞬間移動で逃れるにしても魔力の浪費は避けたいところだ
彼の希望は残念ながら叶わないだろうがまぁ暫しの間だけならいいだろう。

「ああ、すまないな。ありがたく頂戴しよう」

こんな疑わしい人物に穏やかな笑みを向ける事に勘付かれてはいそうだ、とごく僅かな警戒を──それこそ1が2になる程度──強め、何事も無く至近距離までやってきた彼から甘ったるい匂いと見た目を持つそれを受け取る。
長く生きた身ではあるがここまで甘ったるい見た目をしたものを見たのは数える程しかなく、わずかに顔を顰める。

神代理央 > 「違いない。そもそも、私は戦闘に不向きな性質でね。赤服とやり合いたいとは露程も思わんよ」

少女の言葉に社交的な笑みを崩さずに小さく頷く。
しかし少女に向けられるその瞳は、とても同僚に向ける様なものではない。さりとて、敵に向ける様なものでもない。
まるで観察している様な。それでいて面白がっている様な。奇妙な色を湛えた瞳で、少女を眺めているだろう。

「糖分補給は大事だからな。脳に栄養もいくし、思考も冴える。余り理解は得られないが……おや、甘いものは嫌いだったか?」

少女に菓子を手渡した後、包装紙を綺麗に破って一口ソレを頬張る。社交的な笑みが崩れ、僅かに表情を綻ばせて甘味の暴力の様なソレを咀嚼した。
しかし、僅かに顔を顰めた少女に気が付くと、微かに苦笑いを零しながら首を傾げるのだろう。

アーバリティ > 「赤服…か、素直に特攻課とでも呼べばいいだろう。わざわざ変な言い回しなぞいらん。それに…そちらも赤服、だろう?」

相手の赤服という言い回しに何か、あってもなくても感じ取ったようだ。
純粋に違う言い回しをしただけかもしれないが、適当にわかってそうな言い方で存在する不確かな足に鎌を掛ける。

「いや…嫌いでは無いが………まぁそうだな、甘いものは脳を働かせるのに有効だ、素晴らしい手を思いついたよ」

あからさまに過剰な糖分を保持するそれを口に含み、半分ほど食べ終えたところで、包み紙で残りを大事そうに包み込み続きを紡ぐ。
どうもこの菓子は気に入ったようで純粋に微笑みつつ。

「とりあえず殺りあお?」

声が一変する。
先ほどまでの声とは打って変わって幼い女子の様なその声を発した黒い笑顔の赤服は警戒したいたとしても対応は難しい速度で異空間に手を突っ込み長大な珍しいライフルの様な銃を引っ張り出しながら一歩後ろに跳ぶ、そして異空間から銃を引き出し終えれば魔術で筋力を一瞬増強し真上へと跳びながら形態を変えたライフルもといマシンガンを神代に向けて放とうと引き金を引く。

神代理央 > 「…厳密には、正式に所属している訳では無いがね。気付けば、特攻課と同じ様な任務ばかりしているが、本当は後方事務職が希望なんだがな」

淡々と少女の言葉に言葉を返しながら、菓子を頬張り糖分を補給していく。
少女とは対照的に、まるで小さなサンドイッチを食べる様な気楽さで全て食べ終えると――

「取り合えず、で殺し合うのは如何なものかと思うがな。全く、此処の連中は血の気ばかり多くて嫌になる」

無垢な幼子の様な声で告げられた戦闘開始の合図。
同時に跳躍した少女を元々武芸に優れている訳でもない己が反応する事は難しいだろう。少女の動きを止める術も無く――

「身体能力では対抗しようも無いか。スマートでは無いが、手数の多さで何とかするとしよう」

少女が直上へと飛び上がると同時に異能を発動。現れるのは、両腕が巨大な盾と化した二足歩行の異形。ソレが主を庇う様に盾を翳し、主の姿を隠す。
それと同時に、召喚されていた多脚の異形達が砲身を駆動させ、轟音と共にあらゆる砲弾が少女に向けて放たれた。
機銃、迫撃砲、戦車砲まで。多種多様な銃弾、砲弾が天空へと花火の様に打ち上げられる。

とはいえ、これは少女を狙ったものではない。というよりも、少女の初動に追い付けず狙い切れていない。
接近を阻止するための弾幕と、広範囲にばら撒く事で牽制になれば良かろう程度の射撃。