2019/03/13 のログ
蛭谷エル > 「ただし、この一度だけだ。
二度目は見逃さない。」

そう相手に宣言すれば、糸が消えたことに気づき、大きく息を吐く。
このような境遇の生徒もいるとなれば、少しその辺りを洗う必要もあるだろうか。

「手帳か、いや結構だ。
名前を上に出すと少々面倒だろう?」

自分でも甘すぎる、なんて思ってしまう。
相手の心境も分からんこともない、実に非合理だ。

「では今回の件は俺は現場のみを確認し、お前は俺と知り合うこともなかった。
それでいいな?」

白鈴秋 > 「……なるほどな、なら次はもっと慎重に動く方が良さそうだ」

 二度目は見逃さない。といわれるも返す言葉はそれだった。言い換えれば今後も裏に首を突っ込むという宣言にもなるわけだが。
 
「気が利くな。それでやってくれるならかまわねぇ……手配書は好きにして良い。提出しても良いし、無視でも良い。まぁ傷跡から謎の人物と一致するだろうがな……ったく、本当にヘリでも増援に出てきたほうが楽だぜ」

 ヘリならばさっさと撃墜すれば良い分本当に気楽である。
 見逃してくれるといわれれば歩いて去っていこうとするが。

「……ああ、一応。頼みがある」

 そう声に出すと振り返る。その顔はさっきまでの変わらない表情ではなく、どちらかというと子供っぽい。言い換えれば歳相応とも言える表情。

「こいつら、一応ちゃんと弔っておいてやってくれねぇか。手配書の金額的にも金がねぇ2級学生だと思うからよ……このまま野ざらしってのはかわいそうだ。非合理かもしれねぇけどな」

 とだけ言うと少しだけ笑って、去っていくだろう。

蛭谷エル > 「どうもお前は口が減らないらしい。
忘れることが難しい男だ。」

ここまで特徴的だと忘れることすら不可能に近い、これが個性というものか。
個性というものもこの世界において興味深く、非合理な代物だ。

「俺の仕事は現場の確認とその報告だ。上にはそう命令されて此処にいる。」

命令さえあればここで一戦交えることもあっただろう。
振り返った相手に顔を向ければ、首を傾げ、相手の言葉を待つ。
その言葉は意外な一言で。

「ふむ、死人には手厚い弔いが必要であると聞いたことがある。
わかった、お前のその要求、受け入れよう。」

存外、相手も甘い男なのかもしれない。
そんなことを思いながら去っていく相手の後姿を見つめていた。

ご案内:「スラム」から白鈴秋さんが去りました。
ご案内:「スラム」から蛭谷エルさんが去りました。