2019/03/21 のログ
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 夜の闇が最も映えるスラム街。
人工の灯りが乏しい此の区域では、皮肉な事に星空が実に綺麗に見えるのだとか。
とはいえ、現在進行形で烈火をばら撒く己には余り関係の無い事ではあるのだが。
「……しぶとい連中だな。流石に、土地勘のある連中は違う」
轟音。砲声。金属音。
巨大な異形が無数に連なり、トタン板を張り合わせた様なバラックを機関砲で粉砕している。
バリケードにすらならない建物ではあるが、それでも物陰に潜んだ違反組織の構成員達は砲撃の合間を縫って此方へ反撃してくる。
小銃程度では倒れぬ異形ではあるが、果ての無いもぐら叩きを強要させられている様な有様に表情を顰める。
より高火力を投じて薙ぎ払っても良いのだが――
■神代理央 > 甲高い音を立てて異形へ銃弾が命中すれば、その方角へ凄まじい轟音と共に機関砲が放たれる。
戦闘ヘリに搭載されている物と同口径の砲弾の雨がバラックへ降り注げば、数秒と経たぬうちに廃屋から瓦礫の山へと姿を変える。
「……本部へ。埒が明かん。負けはせぬが、任務完了までの時間が徒労だ。区域一体に戦略砲撃の実行を要請するが、構わんな?」
少女めいた己の表情は不機嫌そうに歪み、大きな溜息と共に通信機へ言葉を投げかける。
未だ鳴りやまぬ銃声と砲声。彼方此方から聞こえる悲鳴や怒声。そんな不協和音の中で、甘いものが飲みたいなと内心小さく溜息を吐き出した。
■神代理央 > しかして、通信機からの返答は否定の言葉。
代わりに増援を送るから、と宥める様な言葉が聞こえるが、舌打ちと共に通信を終了する。
「…要するに、火力を抑えてやりすぎなければ良いのだろう」
数十分後。火炎放射器を掲げた異形達と共に、帰路につく。残されたのは、未だ業火を上げて燃え盛り、誰も消すもののいない燃え盛るスラムのバラック群。
そんな光景を一瞥した後、気だるげに詰襟を緩めながらその場を立ち去った。
ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。