2020/06/09 のログ
ご案内:「スラム」に閃天兎さんが現れました。
ご案内:「スラム」に咲坂くるみさんが現れました。
閃天兎 > 「わからないな...」

ただでさえ人通りの少ないスラムの、更に誰も通らない道。
何もなかったはずの壁から、メッキが剥がれる様な風景とともに金属製のドアが現れる。
そして、そのドアが開かれれば中から白い仮面を被り全身を黒で包んだ人物が現れ、わずかな落胆の声とともにドアを閉める。
ドアは閉まった直後にその場には壁しかなかったかの様に消滅して。

もうあれを手に入れて既に1年経過している。
他のせねばならないことがあるとは言えども、たった一つのアイテムを解析するのに必要な時間として1年は破格と言わざるを得ない。
うかつに触れられないと言うこともあるが...
さて、教師としての仕事を終えてから数時間、スラムの隠れ家に籠もっていたわけだが、そろそろ自宅に帰らねばならない。
隠れ家に入った場所は覚えている、となるとあちらの方角のはずだ、と教職員居住区の方へと視線を向けて。

咲坂くるみ > 「はぁい、こんばんは♪ 偶然通りがかったら不思議なこともあるものね?」
どう見ても偶然を装っていない笑顔の女子。
いかにもな公安の外套を見せつけている彼女は、このあたりじゃ有名な情報屋でもある。

あまりいい素行の話を聞かないが、その割にキレイな顔のまま無事でいられるなら、腕は確かなのだろう、たぶん。

可愛い顔して、何をしているかわからないアバズレの可能性はあるが。

閃天兎 > 「...話は聞いたことがある。情報屋の生徒がいると」

どう考えても偶然ではないだろう。
こんなところで私を偶然見つけて話しかけるなど、考えにくい。
それに公安の様な情報屋がいると言う情報は聞いている。
確か名前はー

「咲坂くるみ...だったか?用件はなんだ?速やかに話せ」

情報屋が私に話しかけてくるのであれば、つまりはそう言うことであろう。
相互利用の関係であれば、私は喜んで受け入れよう。

咲坂くるみ > 「わぁ話が早い、助かります~」
ちょうど、どう切り出そうか困ってた、という感じで年相応の女子っぽい日常会話の様を見せる。
どう見ても駆け引きとかそういう感じではなく、普通の女子である。

……つまりは、日常茶飯事でもある。

「なら、このお住まいの情報、黙ってる代わりに便宜図ってもらえればそれでいいかな、なんて」

そんなコト思ってみますけど、どうでしょう?
などといいたげな様子で、明るく爽やかに。
へりくだってはいるが容赦はしない。
相手を立てる気はあるが、おこぼれは欲しい。

そういった、年頃の可愛らしい女子だ。

閃天兎 > 「私相手に脅しとはいい度胸だな」

そうは言うが特に攻撃したりすると言った様子はない。
隠れ家を隠しておく代わりに便宜を図れと言うが、この隠れ家は入る時に入り口の場所が決まる。
存在だけ知られても特に困るわけでもないのだが、あまり撒かれても困るだろう。入られたところで殺すなりなんなりしたらいいのだが、あまりぺらぺら喋らせるわけにもいかないだろう。
だが、その程度の情報で便宜を図るだけ、と言うのは取引としては少々、彼女に有利すぎるだろう。

「それは、私に対してもある程度は便宜を図ってくれるのだろうな?当然」

虚数空間から黒剣を取り出せば脅しの意味も込めて彼女の方へと向けるであろう。
声には感情は籠もっておらず、お前にそれ以外の選択肢はない、とでも言いたげで。

咲坂くるみ > 「ふふ、大仰な割に随分と駆け引きが苦手なんですね、もったいない。この程度の軽口にわざわざ武器なんかでそんなに脅したら、それなりに大事な情報だとわかってしまうじゃないですか」
ふふ、と口に手を当てて楽しげにしゃべる様子はまるで普通の女子生徒だ。

話してる内容以外は。

「と……同時に。そうしないと黙らせることも条件を引き出すことも出来ない、というのは取引としてはもったいないと思うので~」
嬉しげに、有利なカードを隠さずあけすけにバンバン手放している少女を見る限り、特に裏はなさそうでもある。

情報屋の腕でもあるし、同時に、信用度という点での売り込みかもしれないが。

「こうして戦闘職でもないのに姿を見せている時点で、情報屋として信用してもらえないのは悲しいですが、そもそも、相互利益がないのはもったいないので、当然じゃないですか、やだなあ」
くふふ、と笑うと、回れ右をする。

「まずはパフェおごるなりベッドなり酒なり、いたいけな女の子に、こんな無粋な裏路地で立ち話もなんだと思いません?」
武器を使った脅しに背中を見せるのは、獣が腹を見せるのと一緒でもある。

閃天兎 > 「そうだな。失敗だったかもしれない」

大事な情報、と言われれば大事なのだろうが、もし閃天兎としてこの取引をしているのであれば、武器で脅す様なことはないだろう。それでも安直に武器を使ったのはただ、安直であると同時に即効性のある手段であっただけで、それに「いつでもお前を殺せる」という事を提示できるだろう。
ただそれを指摘してやる道理もない。
勘違いというものは後々利用出来る。

「パフェもベッドも酒も持ち合わせがないものでな。これで満足してくれないか?」

正体を隠している以上、仮面を外したり姿を晒す様な行為はできない。
先ほどくるみに向けた剣をそのまま壁に向ければ、数度素早く振る。
スラムの劣化した建物の壁が切り取られ、切り取られたブロックが積み上がり座るのにちょうどいい高さとなるだろう。

「それで、情報屋。お前は何を知りたい?」

別に駆け引きなど必要ない。
どうせどうなるか決まり切った話だ。
単刀直入に相手の要求を尋ねながら黒剣をしまうだろう。

咲坂くるみ > 「うーん無粋ですねえ。気遣いは感謝しますが」
戦闘職の前に身を晒すという意味をあまり理解してもらえてないんじゃないかと不安になりつつも、まあ失礼になるのも何なので座る。

あと、ロマンスも情欲も、これっぽっちもないのは少し悲しい。ぼくねんじん。
基本的に思ってた以上に即物的で偏屈なようだ。
利用するには少し面倒なのもある。

だから偏屈に話させるのは、こうなる。
「決まってます、あなたが話して聞かせたいことを私にください」
その分、知ってることがあれば返すし、調べる……と。そういう話だ。

閃天兎 > 「そうだな...ああ、ちょうどいい物がある」

そう言って取り出したるは3つの賽子。
見る者が見ればわかるだろうが、明らかに唯の賽子ではない。
これを所持していたのはー

「今日人型の化け物に襲われたから殺したら持っていた。
これがその原因かどうかは知らないが、明らかに唯の賽子ではない」

そう言って彼女の正面まで歩いてゆけば、掌を出せと言わんばかりに賽子を一つ摘み、差し出すであろう。

咲坂くるみ > 「え~怖いなあ……面白そうな話ではありますけど、大丈夫なんですか、それ?」
いわゆる女子学生の怖いなあ程度に怖がって見せつつ、受け取って軽くスキャンする。

実際目の前で持ってるんだから大丈夫なのだろうけども。
だいたい、向こうになんかする気があれば、すでに自分はスクラップになってるのだし、もし何かあっても援助は期待できそうなのだけど。

「まあ、この手のアイテムの場合、実際に使用すると危ないかもですけど」

サイコロの使用といえば【振ること】だ。
手にしているだけでは特になにも起こらないのだろう。

もっとも……これ、今あるのは3つ。

「これ、【数を増やして同時に振ったらどうなるのか】は怖いですよね」

そんなことを知ったら父親は喜びそうだが。

閃天兎 > 「そんなに強欲だと重い罰が降りそうだな」

手渡しのために移動する前の位置まで鏡写しで移動し、適当に壁にもたれかかる。
もし今日見た化け物が、この賽子を1つ振っただけだったとすれば、これを今ある三つ振っただけでもどうなるのか。
単純計算で3倍の力を持つ化け物になるとすれば、それはこの島に中々にマズイ事態を引き起こしそうである。
そうなったとき、教員としての自分に影響がないか不安ではある。

「それもだが、これをどこで手に入れたかも気になる」

少なくとも3つ。
この賽子はいったいどこから湧いて出たのだろうか。

咲坂くるみ > 「ああ、もちろん利用できる人とできない人がいるんじゃないですかね? あと、数字にも左右されそうですし」
お互い、罰を受ける人のことなどどうでもいいといったような態度の世間話。
きっと罰というより、限界を超えれば、簡単に人間やめたり死んだりするだろう。

「コレが何度振れるのかにもよりますけどね?」
サイズがそれほど大きいものでもない以上、アイテムとしての限界がそんなに高そうにも見えない。
特に配れるようなものとなればなおさら。

逆に、個数限定で強力な可能性がないわけでもないのだけど。
ただ、それだったらこんなに簡単に3つも集まっているならもっと問題が起きているのだ、たぶん。

「公安でもこの辺はチェックしてみますけど。改めて見てみても、どちらかというと魔術的なカースドアイテムぽいかな」
ぱっと見、強度がそれほど強そうにも見えない。
スキャンの結果もこれと言って科学的には影響がない。魔力がこもっているぐらいだ。

「まあ、サイコロということはたぶん……【あがり】があるんじゃないかなあ」
あがったら、おしまい。

閃天兎 > 「この賽子を振った先にあがりがあるのなら出目ごとに影響の大きさも違いそうだな」

賽子を振って盤上を進んでいく。その「あがり」にあるのは人間との別れか、生との別れか。
盤面を進む以上、1を出すのと6を出すのではあがりに向かって進む距離は同じではない。
1よりも6の化物の方がやはり強いのだろうか?

「あり得る話をするとすれば、これがスラムに普及しているとすれば、近々面倒ごとが起きるということか。
あちこちで化け物が発生する様な事態が起きかねないだろうな」

いつまでも弄っていても何かあるわけでもないし賽子を収納する。
また次ここに来たときに調べれば良い。情報を話してそれについて話すのはこれぐらいで良いだろうか。

咲坂くるみ > 「まあ、もしあがりがあれば、の話ですし。オーバーしたぶんがどうなるかもわかりませんし。で、余裕があるうちなら恩恵があるんじゃないですかね?」
んー、とサイコロをいじっていたのだが請われるまま返すと、データを父様のもとに送信しておく。

そもそも、魔物になりたかったり人間をやめたくてサイコロを振る連中がいるというのもおかしい。
限界を超える前であれば、利益があるはず。

そして、前借りしてしまったらきっと、戻れないだけで。

「なんにしてもいいお話を伺いました、ええ。コレはこちらでも色々探ってみたいと思います」
嬉しそうに言うものの、コレを使えば色々はかどる話もあるのかもしれない。

上にはあらましだけ伝えておけばいい。
ああ、つくづく父様に認められたい自分がくそで嫌だ。

「では、ありがとうございました。こちらからもなにか面白そうなことがありましたら、追って報告しますね」

……案外、早くにありそうな気もしますけども。
とは言わなくてもわかるだろう。

そのまま、頭を下げると、その場をあとにする。
どうせトラブルが起きそうな時は……むしろ起こしてみるべきなのだ。

きっと、気持ちいいくらいにひどいことになる。

閃天兎 > 「わかった。私も何かあればそのときに伝える様にしよう」

去りゆく彼女は、すぐに入り組んだスラムの建物の影に消えて見えなくなった。
一人になれば、影へと潜伏する。
さて、この賽子だが、そこらへんの雑魚ですら3つ持っていたのだ。
希少性が高いとはあまり思えない。
あの様な怪物が増えてきたら賽子狩りでもしようか。
そレデ実験してみて使えそうなら、活用してやろう。
どこの誰がばら撒いたのか知らないが、どうせ面倒ごとになるならば、せめて利用してやろう。

そんな事を考えながら、彼は影伝いにスラムを去った。

ご案内:「スラム」から閃天兎さんが去りました。
ご案内:「スラム」から咲坂くるみさんが去りました。
ご案内:「スラム」に妃淵さんが現れました。
妃淵 >  
スラムの片隅
ガラの悪い二級学生が屯する一角があった

一斗缶に突っ込まれた燃えた角材が、薄暗いビルの隙間を紅く照らす
数人が屯するそこは、ガヤガヤとした喧騒に包まれていた

やれ、歓楽街で金を奪ってきたと嘯く者
風紀委員を返り討ちにしてやったとイキる者
喧騒の内容は様々だが、そんな中

パーカーに身を包んだ少女が壁際に座り込んで冷ややかにそれを見ていた

妃淵 >  
「(くだらねえ)」

心の中でそう吐き捨てる
此処最近はスラムにも新しい風が吹いた
それを追い風とするように、暴れたり、なんだり
目立つ行動をする二級学生が増えていた

結局それは、実力が伴わない二級学生達を追い詰めることになる、と思うのだが
図に乗った連中は歯止めが効かない、痛い目を見るまでは、それに気づかない

──まぁ、他人はどうでもいいか、と

フードを目深く被り直して、気だるそうに立ち上がる

妃淵 >  
喧嘩自慢だの、異能自慢だの、奪ってきた戦利品の品定めだの…
そういった光景を尻目にその一角を出ようとすればその背中に声を受けて一旦立ち止まる

どこ行くんだ、と

「ツマンネーから散歩して来る」

悪態をつくようにそう吐き捨て、背を向けて裏路地のほうへと歩き出す
相変わらず捻くれてんな、なんて声が聞こえた気がするがどうでも良い
自分が捻くれてることなんて生まれた時から知ってた

妃淵 >  
まあ、騒ぎたくなる理由は理解る
此処は屑の掃き溜めのようなもの
風が吹かなければただ塵が積り溜まってゆくだけの場所である

此処のところ島全体に新たな動きが感じられる
そして、何か悪いことが始まるのは…いつも此処だ
「悪事」というのものの火種はかならず目立たない場所から始まるからである

「(アイツらアホばっかだから、自分で自分のクビ締めねーといいけどな)」

悪態はつくし、口も悪い
しかして、少女はスラムの住人の一人である
最底辺とはいえ、生活の場がそこにある以上は、多少の心配なりもするというものだが

妃淵 >  
何か問題が起これば、風紀や公安がなだれこんで来るのは目に見えてる
そうなると犯罪スレスレで生活の成り立つスラム街は、生活が苦しくなる

降り積もった埃は火がつきやすい
要するに何か大きな、よくない動きの火種として利用されやすいということ
どうも、どんな妙な予感というか、嫌な予感がする
何か大きなことが起こる、前触れのような

「身の振り方考えなきゃいけなくなるのも、メンドクセーな…」

ポケットからガムを取り出し、口に放り込む
口寂しい時には丁度良いが、やや甘すぎる
これも、誰かが盗んできた戦利品から頂いたものだから文句は言えないが

妃淵 >  
ぷく、とガムを膨らませる
案外これ、難しい
口寂しさを紛らせるのと、同時にちょっとした遊び心のある暇潰し
最近だとあんまり見ないな、フーセンガム
そんなことを思いながら、だらだらとスラムを歩き回る

──今日のところは、いつもどおりのスラムの姿
色々と噂も聞くけれど、此処で生活する人間にとっては余計なことは好ましくなかった

犯罪なんて当たり前、生きるためなら仕方ない
そんな言い訳がまかり通るような、クズの掃き溜めでいい
今更キレイな場所で過ごしたいなんて気持ちも、浮かばない

ご案内:「スラム」にフィーナさんが現れました。
フィーナ > ふよふよと。スラムではおおよそ似つかわしくないドレスの女性が現れる。
杖を手に持ち、目を閉じたままキョロキョロとしている。

スラムに滞在する者ならすぐに『余所者』だとわかるだろう。

妃淵 >  
ぴたり、足を止める
止まった理由は…見慣れないものを見かけたから

ここ常世の島ではどんなものがいても不思議ではないが、それはそれ
人は見慣れないものを見ると警戒するものである

ただの二級学生なら警戒したまま動かないのだろうが、この少女は違う
ぺっとガムを吐き捨て、すたすたとその対象へと歩み寄ってゆく

「おい」

無遠慮に声をかける
その表情は、目深く被ったフードで伺うのが難しいが

「こんなトコで何してんだ、コラ」

ひとまず口が悪い、ということは伝わるだろう

フィーナ > 「あ、ええと。この近くに、魔導書が手に入る場所がある、ってきいて。どこ?」
目を閉じたまま顔を向け、控えめな声で尋ねる。

額と頬の辺りに刺青だろうか。紋様が見える。全身を確認すれば全身に同様の紋様があることを確認出来るだろう。
注意深い人なら、手に持つ杖が僅かに輝き、その身は浮いていることを確認出来るだろう。

「初めて、こっちに来たから。場所、わからなくて。」
ここがどういう場所かわかっていないからなのかどうかはわからないが、怯えた様子はない。魔術を扱わぬ者にとっては、無防備に見えるだろう。

妃淵 >  
「あ゛?魔術書…?なんだテメー、異邦人か?」

フードの奥で切れ長の眼が光る
明らかに怪訝に、警戒している雰囲気を漂わせて…

「ここにはクズとゴミしかねーよ。…腕に覚えの在る魔術師かナンカならヨケーなお世話だろうが、さっさと歓楽街に抜けたほうが身のためだぜ」

吐き捨てるような口調、言葉の端々も荒々しいが一応心配……しているのかどうか

フィーナ > 「そう、ここじゃ異邦人。ここのこと、何も知らない。教えてくれない?」
本来は喋ることはあまりないのか、言葉を詰まらせながら話す。
「歓楽街、さっき抜けた。楽しそうな人、いっぱいいた。でも、用があるのはそこじゃない。貴方、ここの人みたいだし、案内、お願いしたい。」
困ったような表情で言う。引き下がるつもりはないようだ。

妃淵 >  
「…あのな」

フード越しに頭を掻く仕草
どうやら対応に困っているのが見て取れる

「今言った通り、ここはカスの掃き溜めでクズとゴミしかねーの。
 住んでる人間だったゴミみてーなヤツばっかなんだよ、オレ含めて」

少なくとも魔導書を売る店なんてのは、ないだろう
なんか怪しいモノが道端で売られてたりはするかもしれないが

「テメーみてーなチビっこいのが…イヤ、まぁそれはいいか…ったく、案内する場所なんてなんもねーぞ、ここ」

ブーメラン気味の言葉を飲み込みつつ、引き下がる気のなさそうな雰囲気を感じ取ってやれやれと嘆息する

「まぁいいや、知らねー。ついてこいよ」

パーカーのポケットに手を突っ込んで、踵を返して足早に歩き始めた

フィーナ > 「ありがとうございます」
そう言って、歩く様子も見せずついていくだろう

妃淵 >  
案内する、といっても

「あそこは特にやべーやつらが住んでる、近づくな」

とか

「向こうはマーケットだ。ヘンな薬売ってるヤツもいるから迂闊に手出すなよ」

とか

「あっちは娼街、金にはなるけどテメーはやめとけ」

とか

非常に雑
かつ、ぶっきらぼうな案内により少女フィーナの求める情報があるかと言えば甚だ疑問である

ふと歩きつつ、振り向くと

「あー、で、オマエ‥じゃ不便だな。名前教えろ」

一方的に、名前を聞いてくるのだった

フィーナ > 「フィーナ。」
言われるがままに、名前を教える。
現在のところ琴線に触れるものはないようだ。
魔導書、と言っていた辺り、もしかすると『黄泉の穴』に用があるのではないか?と勘ぐってもいいだろう。

妃淵 >  
「んじゃ、フィーナ」

とりあえず呼びづらいから呼び名がほしかっただけらしい
聞かれなければ別段自分が名乗るつもりもなさそうで

「ここらで魔術師がどうのってなるともう後は"黄泉の穴"ぐらいしかねーぞ」

スラムのかなり奥まった位置にある、通称「黄泉の穴」
命知らずの盗掘屋以外、スラムの住人もあまり近づかない場所だ

「学園が定めた立入禁止区域だ。ヘタに入ると公安に目ぇつけられるし、
 アーティファクトやらなんやらあるって噂だけど実際あるかは知らねえ」

そういう意味で、向かうにはリスクが高い場所だということを一応伝える

フィーナ > 「多分そこ。案内、頼める?」
躊躇うことなく伝える。それが目的であればこそ。

妃淵 >  
「スラムの奥に行くことになんぞ。あとは、そーだな」

くるり、と向き直る

「金。ここまでの案内料金と合わせて、寄こしな」

淡々と言い切って、手のひらを差し向ける
所詮はスラムの二級学生
無料で案内するような親切な住人でなどある筈もなかった

フィーナ > 「あー、えっと…これでいい?」
懐からそこそこ大きめのエメラルドを取り出す。そこそこの金にはなるだろう。
現金は持ってなかった。

妃淵 >  
「…宝石?あー…鑑定とか換金メンドクセー……。
 まぁ、いいや。異邦人なんだろーし金なくてもしゃーねえか」

手間こそあれど、案内の報酬としては場違いであろうその対価をひったくるようにして受け取り、ポケットへと突っ込む

「んじゃ、ついてこいよ。
 ただし近くまでな。あぶねーんだよ、あそこ」

自分についてくるように促して、歩き始める
妙な二人の組み合わせにスラムの住人の視線が注がれるが、当人は気にする様子は見せず足早に歩いてゆく

ワケのわからんヤツを案内して宝石一つ、今日はちょろいな
なんて程度の低いことを考えながら、黄泉の穴と呼ばれる場所、その目前まで少女を案内してゆくだろう──

案内が終わればすたこらと帰り支度
少女がそこで何を探し、何をするのか興味がないでもなかったが
フェイエンにとってはさっさともらった宝石を換金に走るのが重要だったのだろう
そうして、奇妙な出会いは一旦幕を閉じるのでした

ご案内:「スラム」から妃淵さんが去りました。
フィーナ > 「ありがとうございます」
そう一言だけ告げて、去っていく背を尻目に、黄泉の穴へと向かうのであった

ご案内:「スラム」からフィーナさんが去りました。