2020/06/27 のログ
アーヴァリティ > 「おっけおっけー
じゃあ切人とか神代君と戦った記録でいいかな?他にも話した方がいい?」

楽しかった戦いなら無限に話してもいい。
その対価に進めるなんて、美味しい話だろう。
体組織なんて持っていって何するか、ちょっと不気味だけどね。

「そんな主義だったら長生きできないしね
そんあ節操なしでもないし僕には性欲はないからね」

「組み合わせかあ...
組み合わせ...組み合わせか...」

一応部位ごとに擬態させることはできるのだが、そういうことではないだろう。
二つの擬態を一つの部位に。
複数の特徴を合わせて僕を作り上げればいいのだ。
元から僕が持つ特徴も...

なんて考えているが、実際にどうしたらいいのかはまだよくわかってない。
想像だけが進んでいく。

ルギウス > 「貴女の記憶している限り、全てを。
 話を聞き終わるまでに他所からの妨害があれば、全て私が退けますので漏らさずに語ってください」

体組織で何をするか?
もちろん複製が可能かどうかを試すのだ。
非常に魅力的な器になるかもしれないし。

「無いのは性欲ではなく、子を残そうとする本能でしょう?
 快楽そのものはありますよ、貴女。
 意識してるかはわかりませんが、かなり一途のようですねぇ」

興味深いと言いながら、“理解”を深めていく。

「ヒントはここまでで十分そうですねぇ。
 怪異は不確かなものですからねぇ、考え、感じ、試してみればそのうち何かに辿り着くと思いますよ」

アーヴァリティ > 「うーん
じゃあ新しい方から遡って行こうかな
すごく長くなるよ〜」

生まれてからの全部を覚えているわけではないけど、特に楽しかったことは本当に昔のものでも覚えている。
そういうのも、可能な限り話すとなると、長すぎる。

「そういえば僕って子供作れない...よなあ
異能使わないで10ヶ月も待ちたくないなあ
にしても僕が一途...?
うーんわかんないかな」

自覚はなく、実際にそこまで恋しているわけでもなければ依存しているわけでもなく。
言うなれば懐いている、慣れていると言ったところか。

「わかったよ!いろいろやってみることにするね!
それじゃあ話すから、長いけど覚悟してね!」

なんて、この前の凛霞との戦いを語り出すだろうか。
さて、この怪異はヒントからどう進化するのか。
進化はするだろうが...緩やかに進むか、何か大きなきっかけを得て進むかは、まだわからない。

ルギウス > 「構いませんよ、時間だけは飽きるほどにありますからねぇ」

話を聞きながら魂では、それを再現していく。
経験値すら、剽窃してしまえばいい。
幾らあっても頂には遠いのだから。

「さて、どうでしょう。
 相手が近しいものなら、子供も作れるかもしれませんよ?
 幽霊が子供を育てたなんて逸話もあるくらいですからねぇ」

自覚がないのなら、しばらくは生暖かい目で見守ろう。
おやすみから次のおやすみまでずぅっと。

そして話を聞きながら。
長く存在しているはずの怪異の行く末を、楽しみに待つのだ。

ご案内:「スラム」からルギウスさんが去りました。
ご案内:「スラム」からアーヴァリティさんが去りました。
ご案内:「スラム」に227番さんが現れました。
227番 > 今日は靴を履いて道を歩いている。
どうも慣れないが、せっかく綺麗にしてもらえたのだから、履いてみたかった。

今日はやけに立ち止まって貼られた紙を見ている人がいる。
なにかあるのだろうか?

文字が読めない227には、よくわからなかったが、
知らない人に話しかけて聴く勇気もなかった。

227番 > マントは羽織っていないと落ち着かない。
耳を人に見せるわけにもいかなかったし、なによりも227というタグがないととても不安になってしまう。
人に名前を説明するときも困るし。

今日はゴミを漁る気はない。
一度きれいになると、しばらくは汚したくないのは当然の思考。

今日も何かを求めて、スラムを、路地裏を、落第街を歩く。

ご案内:「スラム」に宇津篠 照さんが現れました。
宇津篠 照 > 基本的にはある程度組織だったものを相手に運び屋なんて仕事をしているが、スラムに住む人が客になることも時々ある。
仕事を終えて家に帰ろうと歩いていると、張り紙があった。最近こういった場所でよく見かけるものだ。

「話し合い……ねえ」

なんでも違反部活やら二級学生を集めて話し合いをするらしい。
まあ全く興味がないかと言われれば嘘になるのでとりあえず見に行こうとは思う。最悪転移で即離脱だが。

なんて考えていると、妙な少女が視界にうつる。
ボロボロのマントについた227というタグ、だけどこの場に似合わないような綺麗な赤い靴……

(なんだかちょっと気になるし、少し声でもかけてみようかしら)

「ねえ、そこのフードを被ったあなた。あの張り紙について何か知っていることはない?」

227番 > 「わ、わたし?」

話しかけられ、思わず警戒し、いつでも逃げれるように姿勢を低くする。
これは知っている人以外のどんな人に対しても共通の反応だ。

「はりがみ……?わからない、わたし、もじ、よめない、から」

たどたどしい、気弱そうな少女の声で返事がある。
フードの下から青い瞳を覗かせ、そちらの様子を伺う。

赤い靴も綺麗にはされているが、どうやら新品ではないらしく、
近くで見れば落第街の物売りが売っているようなものだとわかるかもしれない。

宇津篠 照 > 「ああ、驚かせてごめんなさいね。綺麗な靴を履いていたから少し気になっちゃったの。」

まあ、こんな場所で知らない人に声をかけられたらそうなっちゃうか。
文字も読めないということには驚く。ここが学園だからあまりそういった人物にあったことがないが、二級学生でもなさそうだ。
彼女も苦労しているんだろうなと思う。

「そう……それは悪かったわね。それはそうと、綺麗な靴ね。大切に使ってるのがわかるわ。」

こちらから話しかけた手前、そういって去るのもなんだかあれなのでとりあえず聞いてみる。
次の予定までは時間があるし、ちょっとした興味もある。

227番 > 「ううん、大丈夫……いつものこと、だから」

自分の振る舞いが失礼にあたるだとか、そういった認識はない。
ここ落第街においては、失礼に当たるかも怪しいが。

「くつ……エイジにもらった、から、大事にしてる」

靴のことを言われれば、悪い気はしないようで。
低くしていた姿勢を戻す。ぐいぐいと来なければ、逃げないだろう。

宇津篠 照 > 本当に大事にしていることが声や、フードで少し隠された表情からも伝わる。こんなに心が綺麗な子が落第街にもいたかと驚く。
姿勢が元に戻ったってことは、どうやら悪意がないと判断してもらえたようだ。

「ええ、とっても似合っているわ。」

まあ、かえってボロボロのフードとのギャップが目立ってしまうような気もするが。
この街で目立つということにいいことはあまりない。特にこんなか弱そうな少女だ。何かいいものはないかなと思案する。
どうやら、私はこんな短時間でこの少女のことを気に入ったらしい。それがその綺麗な心からか、過去の売られた時の自分をどこかに重ね合わせているからなのかはわからないが。
そうだ、これなんかいいかもしれない。

「ねえ、よければこれ使わないかしら……?」

そういって鞄から出したのは手のひらサイズの防犯ブザー。受け取ってくれるかなと彼女の方に差し出す。

227番 > 「にあう……」

気にしたこともなかった。こういうときは喜べば良いのだろうか?
そんな事を考えていると、見たことも無いものを差し出された。

「……これは? どうして?」

不思議そうに首を傾げる。
これはなんだろう、という疑問と、どうして物をくれるのか、という疑問。
警戒を解いた相手といえど、物を受け取るのには慎重にならなければいけない。
人の善意を理解するには、まだまだ経験が足りないのだ。

宇津篠 照 > 「これは防犯ブザーっていってね。怖い人とかに会ったときにこの紐を引っ張るのよ。」

彼女に防犯ブザーの説明をする。
紐を引っ張れば大きな音が鳴るというだけのものではあるが、落第街でも、いや落第街だからこそ風紀委員が巡回をしていることもある。
それにここにはここなりの秩序がある。少なくとも、姿につられてくるそこらへんのチンピラ程度なら充分に効果はあるだろう。
まあその、見ず知らずの少女に突然話しかけた私も、場所が場所なら不審者としてこれの対象になっているのだけども。

「どうして……どうしてかあ。……この場所には似合わない、あなたの綺麗さを気に入ったのかしらね。酷い目にあって欲しくはないなって。」

227番 > 「ぼうはん、ぶざー……」

使い方はわかった。わかったけど……大きな音。
どんな音がなるのだろう。ちょっとだけ気になる。
……釘を刺しておいたほうが良いかも知れない。

「……きれい?」

まだよくわからない価値観だ。
キラキラしたものが綺麗、だとは知っているものの。

「……でも、わたし、何ももってない……」

しかし、やはり。手放しには受け取れないようだ。納得が必要なのである。
……例えば、代わりに何かを頼む、とか。

宇津篠 照 > 「ああ、そうだ。本当に危ない時にしか使っちゃだめよ。下手すると耳が聞こえなくなるからね。」

私の手にあるそれを見る目に好奇心を感じて釘を刺しておく。かなり大げさだが、それくらいしないとかえって好奇心を刺激するだけだろう。

「ええ。その、言葉にして表すのは難しいのだけどね。きっと、いつかわかる日がくるわ。」

今だってタダでものをもらうことに抵抗があることが微笑ましい。
さて、対価か。正直言って必要ないのだが、それでは納得できないようだ。

「それなら、そうねあなたの名前を教えてくれないかしら。」

これで納得してもらえるかはわからないが、とりあえず聞いてみる。
同時に、こうして聞くことで自分の名前を相手に伝えないで済むかも、なんて考えている自分に少し嫌になる。

227番 > 「耳が……?きをつける……」

それは困る。フードの下とはいえ、耳は普段から危機察知に使っている。
そんなに、と驚いてから、わかったと頷く。

「名前……これ。に、に、なな」

そんなのでいいのか、と思いながらも頷いて、フードのタグを引っ張って、これが名前だと言う。
逆にこちらから名前を聞くことはないようだ。

宇津篠 照 > 「ええ。だけど本当に危なくなったら迷わずに使うのよ。」

どうやら、釘を刺した意味はありそうだ。心の中でほっとする。

そのあとで、フードに着いたタグを指し示しながら告げられた名前に思わず息をのむ。
どうやら、彼女の過去には闇がありそうだ、自分なんかのそれよりももっと深いものが。

「227って言うのね。ありがとう、覚えたわ。」

驚きを隠しながらそう答え、もう一度防犯ブザーを差し出す。

227番 > 恐る恐る紐に触れないように受け取る。どうやら効果てきめんのようだ。
効きすぎかも知れないが、それぐらいが丁度いいのだろう。

「ぼうはん、ぶざー……ありが、とう」

不思議そうに、色々な角度からみている。
機械とも無縁だったので、興味津々のようだ。

「あ……そうだ。私に、話しかけてきた、人に、伝言……なんだけど」

『日ノ岡あかねが会いたがってる』
それは、貼り紙に書かれた名前だった。

宇津篠 照 > 「いいのよ。私が勝手に渡したくなったものだし。」

たどたどしいお礼と、手に持った防犯ブザーを興味津々に眺める様子に頬が緩む。

「へえ、日ノ岡さんが……そっか。教えてくれてありがとう。」

知っている名前だ。というか最初にこの少女に話しかけた目的は彼女だ。
最近噂になっている張り紙をしている張本人。
興味はあるが、何も調べずに行くわけにはいかない。そう思っていたが思うわぬ所で情報が手に入った。
少なくともこの子が話を聞いたということは、ある程度は信用してもいいのかもしれない。

もうすぐその日ノ岡さんが呼び出している集まりの時間になる。
そのことについてもっと詳しく聞いておきたいが、それで集まりの方が聞けなかったら本末転倒である。

「227ちゃん、私そろそろ用事だから行くね。それじゃあまた、元気でね。」

また会えるといいな、なんて思いながら別れの言葉を告げる。

227番 > 「……うん、わかった。気を付けて」

なにやら大事なことだった様子。
名前を教えるだけではなんだか悪いような気がしていたので、
伝言が意味があったことにすこしほっとした。

小さく手を振って見送って、改めて防犯ブザーをじっくり眺めるのだろう。慎重に。

ご案内:「スラム」から宇津篠 照さんが去りました。
227番 > 何やら、人の動きがある。
どこかで、何かをやるのだろうか。
もしかしたら、さっきの人もその関係だったのかも知れない。

227は、何が始まるかを把握していない。
不思議に思いながらも、スラムをまた練り歩く。

227番 > まだ夜の時間は長い。
もう少し散歩してみよう。防犯ブザーももらった事だし。

……慌ただしく動いてた人の気配が無くなった。
こころなしか、人の通りもいつもより少ない。

ゴミ漁りには絶好だが、今日の227はそれをやるつもりはない。
必要が、無くなっているのだ。
気になるゴミももちろんあるが、あまり体を汚したくない。

ご案内:「スラム」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > まるで襲ってくれと言わんばかりの豊満な胸の少女が歩いている。
目立つ白いパーカーに、わずかに見えるミニスカート。

「~♪」

呑気に歌いながら歩いていて隙だらけだ。

227番 > 歩いていれば、歌が聞こえる。

気になってそちらを覗いてみれば、やけに防御力の低そうな格好の少女がいる。
特に見るものもなかったので、すこし様子を伺ってみることにした。

227は靴を履くのに慣れていない。上手く足音が消せず、音が響くだろう。

雨見風菜 > 足音が聞こえる。

(ようやくお出ましですか。
 今日はなんだか人が少ない気がしますね)

音の方向に少し注意を向けながら、何事もなかったかのように装う。

227番 > ぱた、ぱた。
足音は軽い音だ。子供か、それぐらいの体格のものだろう。

汚れてもいなさそうな目立つ白い服。スラムでは明らかに浮いている。
落第街に彷徨く年端も行かぬ子供も、人のことは言えないのだが。

なるべく他人に会わないように動く227でも、それは気になるものであった。
気付かれないように追っているつもりではあるが、明らかに尾行は下手である。

雨見風菜 > 足音はすれど、一向に姿を表さない相手に。

(もう少し、様子を見てみましょうか)

と思いつつ、足を進めた先は。

(あら、袋小路)

通常ならば逃げ場のない、建物で囲まれた袋小路。

227番 > (行き止まり)

自分であれば塀や樋をつたって移動できるのだが。
そうでない人なら、不用心だなと思った。それともここに用があるのだろうか?

声をかけようにも、用事は特に無い。
何をしているの?と聞こうにも、ここでは怪しい立ち振舞の人は多く、
また大体聞いても何をしているかもよくわからない。

(どうしよう)

積まれた箱から身を乗り出すように覗いていると、箱が動いてバランスを崩す。

「わ」

ガタガタと音を立てて、暗い色のマントを纏った少女が現れた。

雨見風菜 > 崩れた箱に、少女の姿を見て。

「大丈夫ですか、怪我はないですか?」

ついつい心配して駆け寄る。
彼女が先程からついてきていた足音の主だろう。

227番 > 駆け寄られると、慌てて数歩ほど下がる。
……怒られるわけではなかった。ほっとする。
だけど、一応逃げられるようにはしておく。姿勢を低くした。

「だ、だいじょうぶ」

恐る恐る返事をする。気弱そうな少女の声だ。

雨見風菜 > 「そうですか、良かった」

声色は気弱そうだ。
何よりも少女、自分の求めていた出会いではない。
とはいえ、こんな時間にこんな小さな子が一人で出歩いている。

「こんな時間に一人で、どうしたんですか?」

自分のことを棚上げして、そう尋ねた。

227番 > 「わたし?……いつもの、散歩」

少女は…227は、この時間が普段どおりのことのように言う。
薄暗い、あるいは真っ暗な場所のほうが身を隠しやすい。
少女的にはそれぐらいの理由だ。

「……そっちは?ここ、いきどまり」

やっぱり気になったので、聞いてみる。

雨見風菜 > 「あら、そうだったんですね」

家出や追い出された、ではないと判断して胸をなでおろす。

「実は私も散歩をしてまして。
 宛もなく歩いていたらここに行き着きました」

しゃがんで、視線を合わせてあげる。

227番 > 「……わたしと、いっしょ?ここ、あぶないよ」

首をかしげる。
お互いに自分のことを棚上げしている。
視線を合わせてもらうと、低くしていた姿勢を戻す。警戒を弱めたようだ。

雨見風菜 > 「そうですね。
 あなたのような、隠せる身体でも有りませんし」

柔らかく微笑んで。

「でも、今日はなんだかいつにも況して人がいないみたいですね」

227番 > 「……ひと、少ない……どこかで、集まってる、かも」

微笑まれる。フードの下から、青い瞳が不思議そうに見る。
先程会った相手も、なにか用事だと言って去っていった。

「そういえば、さっきのひと、張り紙、見てた」

雨見風菜 > 「何処かに、集まってる……張り紙を見ていた……なるほど」

それに集まっているから今日は人が少ない、と。
タイミングが悪かったのかと考えて。

「じゃあ、今夜はあなたとお喋りさせてもらってよろしいですか?」

227番 > 「わたし、とくいじゃない、けど、それでいい、なら」

怖い人ではないとわかったので、拒む理由は特にない。
相手になれるかは。少し心配ではあるが……。

雨見風菜 > 「ええ、構いません。
 私は雨見風菜……風菜でいいですよ、よろしくおねがいしますね」

握手の手を差し出す。
だが相手は先程まで警戒していたので、断られるのは予想をしている。

227番 > 「……ふーな……わかった」

手を差し出される。何を要求されているのだろう。
首を傾げてから、恐る恐る手を取ってみる。

雨見風菜 > 手を差し出され、握手。
何かを求められたのかという顔の少女に、これで良いのと言わんばかりに微笑みかける。

「あなたのお名前は?」

227番 > 微笑まれれば、また首を傾げた。
これでいいらしい。手が触れることに意味があるのかな?

「なまえ……これ。に、に、なな」

フードの227と大きく書かれたタグを引っ張って、自分の名前だという。
この所作には慣れてきた。続く反応も、なんとなく予想ができる。

雨見風菜 > 握手の意味もわかっていなさそうな顔に、ちくりと胸が痛み。
そうして名乗られた名前……ではなく数字に。

「227ちゃん……に、ふ、つ……。
 そうね、ふつなちゃんって呼んでもいいですか?」

数字が名前というのも不憫だと勝手に感じた。
だから愛称をつけてみる。
嫌だというのならしょうがないが。

227番 > 名前を教えると、呼び方を考えられる。
いつものことだし、おそらく、それが普通なのだろう。
227はそれを理解してきている。

「ふつな……?」

初めて付けられる呼び方だ。
でも、それが自分を指しているのがわかれば、特に問題はない。

「うん……いいよ……ふーなと、ちょっと、似てる?」

雨見風菜 > 「ええ、そうですね。
 言われてみれば、確かに」

わざわざ自分に似た愛称をつける趣味はないが。
読み方から思いついたのがそれで、言われてみれば確かに似ていて。

(お菓子を持ってきていればあげていたのでしょうね)

残念ながら今その類は持ってきていないのだが。

227番 > 「散歩も、いっしょ、呼び方、似てる」

真偽はさておき、不思議な感覚がする。
親近感というものだが、それを227はよくわかっていない。
この程度で抱く親近感というのも、単純な話ではあるが。

ただ、悪い気はしなくて、すこし微笑んでみせた。

雨見風菜 > ミラーリング。
相手を真似することで安心させる話術。
風菜自身それを意図していたわけでも、そもそも知っていたわけでもないのだが。
結果としてそれが彼女の心を解せたようだ。

「ですね。
 ふふ、やっぱり笑顔が可愛い」

227……ふつなの、笑った顔に。
風菜もまた、笑顔になる。

227番 > 相手も笑顔になると、少し安心する。……もう警戒はしていない。

「……かわいいって、どんなときに、思うの?」

たまに言われるが、よくわからない概念。
227の言葉の学習は、スラムや路地裏で聞こえるもの、
あるいは遭遇した相手からなんとか学んだものが主だ。
物が何であるか、はわかるが、概念の意味などは難しい。

雨見風菜 > 「どんなときに……改めて考えてみると、難しいですねぇ」

可愛いと思ったから可愛いという感想を零す。
そういった、呼吸の仕方はどうするのかという問いに、風菜は頭をひねる。

「大切にしたい……ううん、何か、違う気がしますね」

少し困ったような顔をしながら、でも楽しそうに考える。

「愛らしい、でしょうか」

227番 > 「大切にしたい……あいらしい……」

抱いたことがない感情。まだ自分にはわからないのかも知れない。

「それって、とられたら、嫌?」

自分がわかる概念に落とし込もうとする。
例えば、自分のこのフードのタグは、取られたら嫌なものである。
もちろん、それ=かわいいというわけではないが、部分的には理解できるはずだ。

雨見風菜 > 「取られたとしても、大切にしてくれるのなら問題はないですね」

彼女のフードは、彼女にとって『大事なもの』であるのだろう。
大切にしてくれるなら他人に譲る、と言ったものではないのだろうし。

「ふつなちゃんのフードは、ふつなちゃんにとって大事なもの。
 取られるのは嫌だと思います、少なくとも私がふつなちゃんだと考えれば。
 でも、可愛いはやっぱり違いますね」

227番 > 「違う……むむ、……大切……壊したくないもの、あいらしい……」

難しい顔をして首を捻る。
他のものに対して、かわいいと思ったことがないのだから仕方がない。
ただ、自分に対してこの言葉をいった人の大半は、色々と世話をやこうとした。
それは、大事だと思ってくれたのだと理解できた。それは収穫である。

「よくわからないけど、なんとなくは、わかった、かも?」

雨見風菜 > 悩む227、ふつなちゃんを愛おしく眺める。
自分も言語化するのに悩んだ以上、それを尋ねて理解するのも悩むのは当然。
もしかしたら理解できないのかもしれない。
そう考えつつも、彼女の反応に。

「それでいいと思います。
 私も、そんな"なんとなく"しか分からないことは沢山ありますし」

227番 > 「そっか……」

わからないままでもいい。そう判断してさっぱり忘れた事は何度かあった。
でも、今回は違う。"今は"わからないでもいい。
今後、わかる時がくるかもしれないから。

「ありが、とう、ふーな」

頷いて、また微笑んだ。

雨見風菜 > 彼女の顔を見て。
自分との出会いで何かを見出だせたように感じれて。
そして礼を言われれば。

「どういたしまして」

こちらも微笑みを返す。

227番 > 「ふーなは、なにか、話したいこと、とか、ある?
 質問、とかでも、いい」

自分ばかり聞いてもよくないとおもったのか、顔色を伺うように覗き込む。

──落第街に人の気配が戻りつつある。集まりが終わったのかも知れない。

雨見風菜 > 「ふつなちゃんのこと、もっと知りたいですね」

と、人の気配を感じて。

「でも、今からだとちょっと難しくなりそうですね……」

特に、自分はわざと無防備な格好をしているのだ。
このままでは227、ふつなちゃんが巻き込まれかねない。

「今日はここまでにして、また会えたときにしましょうか?」