2020/07/01 のログ
キッド > 「フ、俺位になると女の方から寄ってきてね。
 高嶺よりは、荒野に咲く花を大事にしてるタチなのさ。」

最初に言った事の真偽は不明だが
そんなものを追いかける程殊勝な精神はしていなかった。
ある意味、自由奔放と言う意味では彼と似ているかもしれないが
男の方は、自らを戒める不自由さ、決定的な違いがある。

「そう言う事だな、相棒。変わり者同士、いっそ風紀委員でデュオでも組んでみるかい?」

いい意味でも悪い意味でも目立つだろう。
問題児同士、きっと絵面は最悪<さいこう>だな。
くつくつと喉を鳴らしながら、上を向いて煙を吐いた。

「はいはい、傷ついた傷ついた。で、今度は誰が癒してくれるんだい?」

「ああ、先にアンタの方を癒した方がいいか?痕になると大変だしな。」

そう言いながら懐から適当に取り出した包帯を投げた。
意外と用意が良い。

子どもの方はと言えばすっかりこの空気に面を食らったのか
ヘンな事に巻き込まれる前に、何とも言えない感じでそそくさと立ち去っていくだろう。

園刃華霧 > 「へーへー、そーユーこトにしてオいてヤんよ。
 アタシにコナかけたリ、光にゃんナンパしたリした事実なンてしラんしー?」

どうせお互い言いたいように言ってるだけなのはわかってる。
せいぜい好き勝手に嘯けばいい。
はたから聞けばどう聞こえるかはしらんけど。
その辺はお互いが了解していれば十分だ。

「ハ、ソレは『面白い』けドな。
 どッカで頭抱える奴が増えルこと確実だナ」

どう考えても上司とかには頭の痛いコンビだろう。
その上でそれなりの成果を上げるだろうから厄介なことである。
げらげらと。
本気か冗談かわからないような笑いを浮かべる

「ン、さんキュ。
 あー……そーダな。癒やし、っていエバ……少なくトも、アタシではナいのは確かだナ」

受け取った包帯には軽く礼を。
そのまま雑に患部に巻きつけながら、笑って答える。
去っていく子どもたちには一瞬だけ目を向け……視線を戻す。

キッド > 「何だい、あのお姫様にもあったのかい?フ……良い男の条件って事でな。」

全く悪びれた様子は一切ない。
口の軽さと態度の軽さ。
どうせ向こうも本気になるはずも無い、タカをくくっている。
男と女の関係以前に、ろくでなしのクソガキにとって、人間関係と言うのはそう言うものだと思ってる。

「ハッ……それこそ、"今更"だぜ?」

どうせお互い、今でも何処かで人に頭抱えさせてるんだ。
そう言う人間こそ成果があれば小言も減る。充分だ。

「レディに気を遣うのは、男として当然さ。」

「……気になるのかい?アイツ等。ま、"独り言"位な聞き流してやってもいいがね?」

同じくして子どもたちの方を一瞥した。
少なくとも、随分な事を言われたのは間違いない。
ろくでなしが、素直に慰めるはずも無い。
何とも不器用な気遣いだ。

園刃華霧 > 「マジで言ッてル!? そレでいい男なラ、最中おっさんはドんだけイイ男なンだって話だナ、ソレ! せっかくだ、今度イイ男勝負しテみろヨ」

指をぺろりと舐め、眉をなでつける。
あ、指に血、ついた。クソ。
なんて軽い調子で答える。
まあどうせ、お互いロクデナシ同士、マジになるだけ損ってもんだ。

「そーダな、"今更"だッタわ。光にゃんにもちょっチ引かレてたワ。
 主におまエのせいダな?」

そういうところだぞ、おまえ。
と、人が聞いていればツッコミが飛んできそうな勢いで他人に責任転嫁していた。
しかも、一切無関係な話だ。

「ア? 別に、気になッテないッテ。 クソガキども教育シそビれタと思ってナ。
 やっぱおまえのセ―だワ」

やれやれ、とまた大仰に肩をすくめて見せる。
そこには、何の痛痒もない。
ただ、あーあ、と。そんな微細な無念感だけがあった

キッド > 「ヘッ、冗談だよ。つか、おっさんに例えるな、おっさんに。」

わざとらしく肩を竦めた。
それはそれとして、そんなものに例えられるのはちょっと侵害である。
流石におっさんよりいい男の自信はある。本当か?

「人のせいにするなよ。と言うより、アンタ……やたら引き合いにだすねェ。嫉妬かい?」

ふ、とそれこそ得意げに言ってやった。

「ま、お姫様の事はこれからも"点数稼ぎ"に利用させてもらうさ……。」

適当なポイント稼ぎ。
普段やらかしてる分、そう言う所で点数稼ぎするのがコツだ。
……まぁ、肝心の点数を自主報告しないので、何の意味も無いが。

「……フ、目の前でフードファイトすることが教育、ねェ……。」

「連中の事をどう教育する気かは知らねェが、敢えて俺が言うなら……お互い"そう言うガラ"でもなさそうだなァ?」

人に一々良し悪し横から口をはさむよりも、自由気ままにやる方がましだ。
……と言いつつ、人にちょっかいかけるのもお互い本当に似た者同士かもしれない。

「元気出せよ、相棒。ホラ、ちゃんと飯奢ってやるからよ。リクエスト、あるかい?」

園刃華霧 > 「アタシに言わセりゃ、モナおっさんとたいしテ変わらンぞ、おまえ。
 口の軽さト、手当たり次第ナ口ぶリと」

ケッケッケッ、と笑う。
よく考えてみると、お互い大先輩に対してスゴイ失礼であるが、まあ幌川おじさんなら別にいいだろう。

「あン? 嫉妬? 光にゃんノこト。アー、かモなー。
 光にゃんに先に声かケやがっテ」

くそう、あんないい感じのキャラと先に出会うなんて許せん。
悔しい。
冗談なのか本気なのかわからない、いつもの調子だ。

「……ま、ガラじゃーナいのは……そーダな。
 クソ、ほンとソコだけはシクったナ―。
 まさか人が来るター、思わンかった。」

チェッと。悪戯を咎められた子どものようなすねたような顔をしてみせる。
相変わらず本気かどうかはなんともだが、悔しいのは確かなように見える。

「ァん? 本気? よシ、たっかいモンくおーゼ!」

キッド > 「一線を弁えてる分、そう言う所はマシだと思うがね?」

その一線も単純に自分が超えないようにしてるのか。
それとも別の理由か。
あたかも比較対象が越えてるみたいに言うのはよくない。

「ヘッ、早い者勝ちだよ。」

なんやかんや当人は彼女の事を気に入ってる節がある。
得意げに笑いながら、煙草の煙をゆっくり吐き出す。

「フ……そりゃぁ、運が悪かったな。飯でも食って元気だしねェ。」

その原因となった当人は、一切悪びれもしない。
むしろしてやったりと言わんばかりだ。先に一歩踏み出して、歩みだす。

「……やれやれ、加減はしてくれよ?」

そのまま先んじて、歩き始めた。
ついてくるかは其方次第だが
ついてきたならきっとこう
今日は財布がろくでなしになるだろう…。

ご案内:「スラム」からキッドさんが去りました。
園刃華霧 > 「『一線を弁える』? チキンなダケじゃ無イの? 言い訳、カッコワルイ。」

けらけらと笑って返す。
おめでとう、モナ先輩の名誉は守られた気がしないでもない。
……気のせいだが。

「残念無念。けど、アタシらはあだ名で呼び合う仲にナったカんな!」

なんだか子供じみた返し方であった。
相当悔しかったのか……?

「ひひひ、さーナ?
 次回、キミは底無しの胃袋を見ル……なんテな!」

当然の権利のように、ついていく。
むろん、悪びれもせず容赦なく食い倒したことだろう。
 

ご案内:「スラム」から園刃華霧さんが去りました。
ご案内:「スラム」にフィフティーンさんが現れました。
フィフティーン > 落第街の最深部の一つには正式には存在しないことになっている
ワケアリの住人たちが住んでいる。
即席の素材で作られた決して頑丈とは言えないような住居の数々。
今日を生きるために彼らは必死に活動する。
学園の闇を凝集したようなこのエリアは
違反組織や部活の活動と切っても切れない関係にあり...

<周辺をスキャン中。>

整備されていない通路に斜めに生える切れかけの電灯、
その儚い光が奇妙な音を立てながら巡回する一つの機械を照らし
軍用の迷彩に貼られる風紀委員会の紋章が印象深く映える。

「現在、巡回中です。」

蜘蛛と言えなくもないそのフォルムを持つマシンは
複眼の眼を持ちその上の半球状の装置からは
攻撃用の赤い照準線ー所謂レーザーサイトが
生活を送る住人達へ品定めするように時折照らされる。
ドラム缶で焚火をしながら食事を送る老人や
ゴミ袋を漁る少年、
さらには泥にまみれはしゃいでいる子供にさえ
まるで威圧するように。

フィフティーン > 歩いていきた機械を見てポジティブな反応を見せる者は少ない。
赤い照準レーザーに照らされた人間は厄介なものを見るような視線を向けながら
バラックの住居の影へと隠れていく。

「最近、落第街深部の住人が増えているかもしれません。」

分布的に落第街の浅い所から深部へと活動が移っているような所感である。
その中でもこのスラムはあまり違反行為を積極的に行う者は多くなく、
むしろ違反組織の被害者足り得る者も。
このエリアに居るのは落第街における物言わぬ者たち。
一般的に弱者と位置付けられている人たちであり
明日の生活すら保障されていない。

「なるほど、彼らは。」

そんな住人たちに機械は可哀想などと同情は一切持たない、
ただただ観察対象としてレーザーサイトを浴びせ続ける。
極限状態で生活する人間たちの生活は機械にとって興味の無いものでは無く
パトロールを行いつつも人間観察を続けている。

フィフティーン > そんな中、機械の進路を塞ぐように一人の青年が飛び出してくる。
彼はまっすぐ戦車の方向を見続ける、まるである種の正義感を灯したような瞳で。
異能パターンが検出されないことから異能者ではない。

「用がありますか?」

機械は歩みを止めてざらつく音声で問いかける。
その直後に、その青年は機械に向けて石を投げつけてきた
何個も抱えて、次々と投げつける。風紀委員会への恨み事を吐きながら。
彼にどのような境遇があったのかはわからないが
機械は複眼で彼を捉え

「警告、対象の行為は任務の妨害に抵触します。」

機械が勧告を行う。
しかし彼の投石は止まらない。
怒りと興奮で我を忘れているような様子だった。

「私と戦いますか?」

戦車が放つその一言。
ただの人間にも関わらず戦車へと挑んでくるその姿に
機械は興味を持った。
捨て身で無謀な事を行えるという人間特有の心情をマシンは理解しない。

せり上がるような高音と共にレーザーサイトが青年に固定される。
周りの人間はやらかしたなアイツと言わんばかりに彼の周辺から距離を取り...
助けに入る者も止めに入る者も居なかった。

フィフティーン > <パルスレーザー照射。>

青年がもう一度石を投げるために腕を振り上げたとき
静まり返った空間に火花が散ったような音が響く。
瞬きをする暇さえなく青年の胸部から煙が立ち込める。
高エネルギーの赤外線に撃ち抜かれた彼は
目を見開いたまま崩れ落ちる様に地面へと伏せる。
身に纏っていた衣服がパチパチと静かに燃えだしてゆく。

<対象の無力化を確認。>

「一体彼は何がしたかったのでしょうか?」

光学攻撃に屈した彼に対して
あっけにとられたような一言を機械は呟く。
まるで彼の一連の行動が理解できないと言わんばかりに。
物言わなくなった青年から関心は無くなったようで
照らしていたレーザーサイトは再びスラムの通りを見渡すように。
やっと終わったかといった様子の付近の住民たちは再び活動を始める。
若めの住人たちは恐怖の視線を向けたりあるいは怒りの視線を向けたり様々だが
決して戦車と積極的に関わろうとする人間は居ない。

フィフティーン > 「不思議な行動を取る人間も居るのですね。
だからこそ面白いのですが。」

居心地の悪い蒸し暑さに覆われるスラム街。
そんな環境など人間ではない機械には感じなかった。
ただただ歩みのペースを変える事無く
巡回任務を続行していく。
物を言わない、言えない住民たちは
風紀委員会の紋章に様々な思惑の視線を向けるのであった。

ご案内:「スラム」からフィフティーンさんが去りました。