2020/07/06 のログ
ご案内:「スラム」にスピネルさんが現れました。
■スピネル > 夜のスラム街を歩いていたスピネルは、突如として周囲から刺すような視線を感じる。
近頃派手に動き回っていたことで目を付けられたのだろうか?
既に複数回、ゴロツキだのチンピラだの半グレだのと言われる集団と衝突していた。
その際、いつものように高貴なヴァンパイアであることを高らかに宣言している。
最早それがお約束であるかのように。
この辺りでは異能持ちや異種族を捕まえて実験材料として売り渡す連中も居ると聞く。
「さあて、どんな身のほど知らずが我に会いに来たのやら。
我はここにいるぞ。 掛かってくるがいい。」
廃屋と化した民家が密集する通り。
スピネルは周囲に居るであろう存在に対し、高らかに呼びかける。
■スピネル > ぞろぞろ……ぞろぞろ……。
どうやら、今日の相手もチンピラのようであった。
皆手に金属バットだの鉄パイプだので武装していた。
「銃や異能の類を持っておらんようだが。
その程度で我に挑むとは少し無謀ではないのか?
我はほれ、高貴なヴァンパイアであるぞ。」
腕を翻し、抑揚な身振りを繰り出す。
供はおらずとも、気持ちだけは貴族である。
<スカシてんじゃねえぞ、ガキ!>
チンピラの数人が金属バットを振り上げ、一斉に襲い掛かる。
人は数か所から同時に攻撃をされると対処できないと言うが、スピネルの場合は…。
<アッチィ!>
スピネルの赤い瞳が輝くと、向かってきているチンピラ達の足元に火が灯る。
靴やズボンに火が付いたチンピラたちはその場に倒れ、悶え苦しんでいる。
「どうだ、我の恐ろしさが理解できたか。」
チンピラ数名を無力させたスピネルは、得意げに鼻を鳴らしたままリーダー格の一人へと近づいていく。
「お主、この辺りでは有名人なのか?」
■スピネル > <ああん!? この地区で~~と言えば知らねえ奴はいねえよ!>
リーダー格は最後の意地とばかりにタンカを切る。
「なら、そんなお主をタイマンで勝てば我は偉大だと言うことであるな?」
金髪で赤い瞳の少年は不敵に笑うと、ファイティングポーズを取る。
<ふざけんな、クソガキ!>
リーダー格が距離を詰めると、スピネルの右頬を殴る。
腕の長さの関係でスピネルの方がどうしても先に殴られてしまうのだ。
「残念だったな、お主では我を倒すことはできないようだ。」
右の頬を殴られたら…左の頬を殴り返すのがスピネルの流儀だ。
接近されたことで子供の身体でも殴り返すことが出来る。
そして、吸血鬼と言う種族は元来怪力を有している。
相手は顎を殴られ、そのまま振動が脳に伝わってしまい、気を失った。
「ふん。」
スピネルはその場で男の背の上に右足を載せる。
「どうだ諸君! 我の強さが分かったことだろう!
フハハハハハハハ!」
両腕を広げ、高笑いを披露する。勝利のポーズだ。
「これよりお主らは我の僕となれ。
断るのなら一人一人八つ裂きにしていくぞ。」
■スピネル > 急に黙りこくるチンピラたち。
「何、難しいことはない。
日頃はいつも通り過ごしていればよい。その代わり、夜は我の供をするのだ。
お主らのような矮小な存在でも我と言う強力な力があれば心強いだろう。
これからこの街は我が仕切っていくぞ。
フハ、フハ、フハハハハハハ!!」
項垂れるチンピラ達の中心で、高笑いを続けているスピネル。
この日から、チンピラ集団のアジトでの生活が始まるのであった。
ご案内:「スラム」からスピネルさんが去りました。